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『ワンピース』 第854話 何やってんだ 感想:プリンの最後の行動はどうなるのか

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さてと。『週刊少年ジャンプ2017年第10号』『ワンピース』第854話 何やってんだ の感想です。

むむむ。
ここ何回かのワンピの展開は中々に興味深いものがあるね。



(関連記事)
・『ワンピース』第851話シケモク 感想:プリンは誰に語りかけていたのか
・『ワンピース』 第852話 ジェルマの失敗作 感想:ビッグマムの計画とは


『ビッグマムの計画とプリンの思惑』

おやおや。

これまでジェルマ&麦わらの一味の殲滅作戦というのはプリンの「演技」というかダミー計画だと思っていたのですが,この計画自体はビッグマムの計画であり,ビッグマムのファミリーでは共有されているようですね。



ビッグマムの計画

ということはだ。ということはだよ。普通に考えれば,いま描かれている「本当は悪い子だったプリン」は文字通りそのままの存在で,麦わらの一味もジェルマも生かして返すつもりがない,ビッグマム集団の一員に過ぎなかったということになる。まあそう受け止めなければおかしい。


ただなあ。いくつか気になることはあるんですよ。

まず今回,囚われの身となったホネ...もといブルックさんは,ビッグマムのお気に入りとなったいうことで「敢えて」この場で生かされた状態でプリンとマムの会話が続けられました。ここは若干違和感がある。



なぜブルックさんの前で計画を語るのか

今回,ブルックにその情報が伝えられたのは「本当はプリンに騙されていた」という事実をブルックも知るための状況設定,と解釈するのが自然です。自然なんですけれどやはり違和感はある。明日,結婚式でサンジを始め皆殺しにするつもりという計画を成功させたいのであれば,ブルックにそれを聞かせるのは意味がありません。

リスク管理という観点で見れば,これから起こす計画を敵対勢力に聞かせるというのは不自然すぎるんですよね。それが自然にみえるのは,他ならぬビッグマム自身がブルッグの前で語っているからです。これでプリンだけが語っているのであれば,意図的にブルックに明日の襲撃を漏らそうとしているのだとみなすこともできるのですけれど。


そしてもう一つは,ビッグマムとプリンの関係です。特にプリンの心情です。

ビッグマムがプリンを「可愛がっている」理由は,娘として愛しているからではない。それは今回はっきりしたのですが,ロードポーネグリフを読めるようになる「可能性」をかわいがって愛しているだけです。結局のところビッグマムにとってプリンは「道具」にすぎない。


そしてそれはプリンも理解しているように見える。でなければ,ローラのことを思い出しながらのモノローグがわからなくなってしまうからですよ。

ローラは自由な結婚を求めてこの国を出た。それがマムにとって殺意を抱かせるほどの重大事とも思わずに。ローラは間違いなく,ビッグマムの中にある家族に対する愛情が「真実」だと思いこんでいたんだよね。それに対してプリンはマムの家族に対する愛情は,結局のところ「便利な道具にすぎない」ことを知っている。

だからこそローラに思いを馳せたんだよね。自分も,道具であることをやめて自由な身になりたいとおもっていたのかしら。


ローラを想うプリン(第848話より)


こうしてみるとプリンの行動は2つ目のときと三つ目のときではっきり違うことがわかります。ここからは完全に憶測なのですが,思うにどちらも本当のプリンなんじゃないかしら。

二つ目のときのプリンの優しさは「演技」ということになっています。演技かもしれません。でももしかしたら,二つ目の時は優しいプリンの性格で,三つ目のときは性格が荒くなり残酷なプリンとなる。どちらも本物なんだとすれば,プリンの一見二律背反するマムに対する感情の持ち方にも合点が行く。

いやいや二つ目の時に麦わらの一味を罠に仕掛けているじゃないか,というのはもっともなのでこの憶測は成り立たないかもしれませんけれど。ただまあ,そこが成立するならば最後に「どんでん返し」がやってくる可能性が微粒子レベルで存在する...のかなと思ったり。




『ブルック△□...○(ブルックさんカッケー死角...はある)』

それにしてもブルックさんはすげえな!

あっさりとマムに敗れたとは言え,マムの化身とまでいわれるプロメテウスに深傷を与えているんですよ。まじすごくね?マムと退治して生きている(死体だけれど)だけで凄いのに傷つけたってんですからね。(しかも気に入られている)。こんなことができたのは長い年月でブルックさんだけじゃなかろうか。



ブルックさんカッケー死角...はある

こうしてみると,今回の脱出劇における最後の部分で,ギリッギリのぎりでブルックさんの行動がマムに一泡食わせる可能性はあるね。本来,麦わらの一族のビッグマム訪問は「サンジ救出」が目的ですから,今回はマムを倒すといった話にはならないのでしょう。逃げるときの最後のところで紙一重になる可能性は捨てがたいかな,と思ったり。

いみじくも今回の話で明らかになったように,海賊王となったロジャーですらマムを倒そうとはしていない。ロジャーはその特殊な能力でロードポーネグリフの内容を知りましたけれど,ブルックさんが奪い取れなかった(?)ロードポーネグリフの写しをロビンが読むのでなければ,同じ能力が携わっていそうなルフィが感じ取って,それを仲間たちに伝える展開もあるのかなあ...。


閑話休題。

ブルックさんがマムに捕まったまんまということは,結婚式ではサンジとの対面がどうなるのかなと思ったんですけれどね。今回,サンジは「成り行き」で脱走することになったわけですけれど,その弁当をルフィに届けたとしてそこでどんな判断をするかですね。

サンジとしては,その率直な思いをルフィにたくして自分は犠牲になろうとするのかもしれませんけれど。可能性は五分五分ですが,ルフィとのの再会のあとにサンジが戻る判断をしたならば,ルフィはどうするのかな...。もっともブルックは人質扱いでしょうから,結局はサンジの意志に関係なく戻らざるをえない状況になるかもしれませんしね。

ていうかね。このシーンは熱いね。


お前のじゃない

プリンちゃんへのお弁当ということで作ったはずの料理が「あいつら」の好物だった。その段階で,サンジの本心は明らかなんですけれど,自分が犠牲になって丸く納めればいいとその気持ちを押さえ込んで来たわけですよね。

その弁当に関係のない敵が手を付けそうになった時,反射的に足が出てしまったのはやはり心はルフィたちにあることの証左だよなあ。わかりきっていたことだけれど。

「なにやってんだ」は反射的に蹴ってしまったことに対してのつぶやきのようで,その実,ここまでの自分の行動に対する本心でもある。本当に弁当を食わせてやりたい相手は誰か。本当に大切な仲間は誰か。サンジの中でルビコン川を渡った感があります。



何やってんだ

それを引き出したのが,やはりルフィだったというところに,二人の絆を感じるとともに,どんな仲間を裏切らないルフィの「海賊王の資質」みたいなものを感じさせますね。



『書司モンドールと麦わらの一味』

書司モンドールら,ビッグマムファミリーの会議の結果では,麦わらの一味は完全に押さえ込んでいることになっているわけですが,オペラの証言に疑いを向けている以上,「無警戒」で結婚式を警備するということはなさそうです。麦わらたちが来る,という前提で結婚式を迎えれば,戦闘は避けられない。

マムファミリーの問題は,現在「報連相」が上手く行っていないことで,スムージーもオペラもモンドールもビッグマムファミリーは情報共有ができていません。奇襲されると思っていないビッグマム,そして意図的か否かわかりませんがルフィたちにはビッグマム側の作戦は筒抜けになっています。そこをルフィたちが殴り込んだら,それ相当の混乱が生じるに違いない。


相互不通・相互不信

そしてジェルマ一味にも情報はつつ抜けている。レイジュがマム側の次の作戦を知っていますからね。ですから,ジェルマたちも結果として共闘するハメになる可能性はありそうです。その混乱の末にビッグマムから逃れるという展開になるのかな,と思ったり。

となると,最後に気になるのは「プリンはどっち側なのか」ということです。プリンが最後にどんな行動を取るのかということも,ルフィとジェルマの脱出行に大きく影響しそうですね。

それともう一つ,ローラは登場するのか,というのも気になります。ここに来て親子関係がクローズアップされてきた感がありますが,ローラの存在はプリンに大きく関係しそうですし。そんなことが気になる第854話でした。まる。



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*画像は『週刊少年ジャンプ』2017年第10号より引用しました。

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