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『恋と嘘』 第46話~第57話 厚労省特別講習編 感想

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さてと。久々の『恋と嘘』感想です。


一話あたりの情報量がごく限られているので,まとめて感想を書こうと思っていたらいつの間にか3ヶ月分も溜まってしましましたね。というわけで過去記事はこちら。

(関連感想)
・『恋と嘘』第1話~19話 感想
・『恋と嘘』第20話~23話+第1巻4.5話 感想
・『恋と嘘』第24話 感想
・『恋と嘘』第25話 感想
・『恋と嘘』第26話 感想
・『恋と嘘』第27話 感想
・『恋と嘘』第28話 感想
・『恋と嘘』第29話~38話(キャンプ編)感想
・『恋と嘘』第39話感想
・『恋と嘘』 第2巻書き下ろし & 第40~45話 感想
・『恋と嘘』第3巻 + 第63~71話 恋の葛藤編 感想
・『恋と嘘』 第46話~第57話 厚労省特別講習編 感想
・『恋と嘘』 第4巻・第5巻 + 第116話・117話 恋の選択編 感想 Update 2017/01/17
・『恋と嘘』第118話 感想 感想
・『恋と嘘』第119話 感想 Update 2017/02/05




さて今回の厚労省特別講習編,なかなか読み応えのあるエピソードでした。政府通知制度という,「科学の縁結び」に基づくカップリング。そんな政府通知制度の「少子化対策」の側面がはっきりと出た講習会だったわけですが,そんな社会に生きるネジと莉々奈が翻弄されていく様がしっかり描かれていましたね。




講習会が始まる前の莉々奈とネジ。徐々に根島に惹かれていくのがありありと描かれている莉々奈,科学の縁組という相性のよさから莉々奈に惹かれつつも根っこの部分では高崎さんへの気持ちが残っているネジ。そんな二人の距離が少し近づいたかのように見えた講習会前の一場面。




そんな二人を待っていたのは,赤裸々にセックスづくしの講習会。


何気に後ろで地味なおばちゃんがうなずいているのが笑える

セックスの健康的効能の側面。快楽的側面。厚労省の巨乳お姉さんの口から赤裸々にセックスについて語られる様は,否応なく若者たちの性的感情を高めていきます。




その先にあるのはまさかのAV鑑賞会。



よくあること,よくあること。

ふふふ。露骨過ぎるだろー!
それこそAVの類で異性の友達とエロ動画見ていたら思わずやっちゃったみたいな流れがありますけれど,それを政府主導でやる。


はじまったな,日本


まあなんだ。
この『恋と嘘』の世界観では,「少子化対策」の一環として「政府通知制度」があるわけですけれど,その目的は基本的に結婚率を高めると同時に出生率を高めるという狙いがあるわけですよね。でなければ,こんな政府主催のAV鑑賞会...ていうか合同セックス会(ちょ)を開催する必要はないわけですよ。



つ・ま・り!

・とりあえず政府通知によってカップリング成立(成婚率の向上)
・早期性教育により,出産機会を高める(出生率の向上)

という,実に科学的な手法によって若くして結婚し,若くして出産を促すという仕組みになっているわけですね。なるほどなー。イイハナシダナー(おい)



で,問題は根島と莉々奈ですよ。

莉々奈の方は,そもそも「恋愛」とか「結婚」とか「性交」とか,知識としては知っていてもどちらかというと知識だけというか,実態が伴っていないわけですよね。それが根島と一緒にいる過程で徐々にネジに惹かれていっている。「恋」とか「性」というレベルにおいて,ネジをそういう対象として見始めているわけです。


妄想が捗りすぎ。



そんな自分がまだよく理解できていなくて,葛藤しているのが今の莉々奈の状態。



ネジに押し倒されて「怖かった」というのは,そういうことをすることの怖さもあったのかもしれないけれども,それ以上に根島に惹かれていること,根島となら「そういうことになってもいい」と思ってしまった自分の気持ちに混乱しているわけですよね。



怖いのは自分の気持ち


莉々奈はもともと一般女子とはちょっとずれている感性の持ち主ですから,そういう混乱も人並み以上にあったのだと思います。でも政府通知の相手に徐々に惹かれていき,やがて「恋」となり,「性」の対象として見る。そういう「政府通知制度」に則ったプロセスに乗っかっているようにも見えます。



一方のネジはというと,同じように莉々奈のことを愛しく思ったり,女性として意識してドキドキしたりはするけれども,根源のところは違うんだよね。


やっぱり根島は高崎さんが好き。


その辺を厚労省の矢嶋さんには見透かされてしまっているわけだ。ネジが政府通知の相手である莉々奈ではなく,本当に好きな相手,高崎さんを最終的に選んでしまうであろうことを。



完全にバレテーラ

ただ政府の役人としては,厚労省の政策遂行担当としては,「本当に好きな相手」(恋)ではなく,「お前の女だとあてがわれた相手」(嘘)の方と結ばれてもらわなければならない。だからこそ,ネジの真面目な性格を逆手にとって嘘をついて促してみたわけだ。


とはいえ,矢嶋さん自身,ネジがそれでもしないだろうということは予測していたわけで。


たとえペナルティがあろうとも。きっとコイツは「恋」する相手を選ぶ。そう思っていたからこそ,あんな問いかけをしたんだろう。



恋と嘘


「政府通知制度」がどれほどのものか知りませんが,これまでも当然ながら政府通知制度に逆らって自由恋愛を貫いた人間はいただろうし。理屈上は「自由恋愛」というものを否定することはできないから,政府通知に従わなくてもいいというのが基本ルールです。事実上,それを拒否にくい社会にするというところがなんとなくお国柄が出ている感じですけれど(笑)。

ですが,そうした裏事情をわかった上で,政府通知制度を拒否した人間はきっといるでしょう。そうした人間を見つめてきた厚労省の役人だからこそ,ネジがそういう人物だということを見透かしたんでしょうね。



ふむ。
となると,問題は今後の展開ですよ。ぱっと見,莉々奈は「ネジとそうなってもいい」と考えてしまった自分が怖くて,そんなネジの側にいることで自分が思っても見ない反応を示してしまいそうなことを怖れて,ネジと距離をとったように見えます。



そして運命の歯車は狂っていく

それに対して,根島はどうなるんでしょうかね。莉々奈と距離をとりつつ,今度は高崎さんと再会する。ふうむ...? ここで「よく考えろ」というセリフがずしりと根島にのしかかってきそうな感じですね。いきなり高崎さんとセクースには行かないと思いますけれど,そんなことが試された時に,根島は莉々奈に思いを馳せることがあるのでしょうか。



本物の「恋」と「嘘」の恋。



『恋と嘘』,いよいよ始まったな,という予感がしてならない厚労省特別講習編でした。まる。












そんな『恋と嘘』第3巻は11月9日より発売。

恋と嘘(3): 週刊少年マガジン


しかしあれだな。

きっとネジのことだから,厚労省の特別講習であったことをそのんまんま高崎さんに話しちゃうんだろうなあ。でもって高崎さんにメチャクチャ怒られるわけだ。莉々奈ちゃんのことをきちんと大切に扱わないとだめだと。莉々奈のことをきちんと結婚相手として扱わなければダメだと。

でもきっとネジは高崎さんを選んでしまって,でもって高崎さんもそれを拒みきれずに受け入れてしまうんだろうなー。


そんなドロドロしてくる予感がしてたまらない。



*画像は『恋と嘘』第46~57話 より引用しました。

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