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『かぐや様は告らせたい』 第107話 藤原千花は闘いたい 感想

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さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第35号』「かぐや様は告らせたい」 第107話 藤原千花は闘いたい の 感想(かぐ活)です。


奉心祭の準備もたけなわな秀知院高校でありますが,ここで一つ緩急をつけたお話がぶっこまれてまいりました。ここまで会長を中心とする恋の進展に力点を置いてきただけに,今回のお話は久しぶりに純粋にコメディを堪能するお話。




文化祭準備ともなれば力仕事のオンパレードと相成るわけですが,そんな力仕事にすぐ音を上げるてしまったのが石上優という男子。そんな石上を煽る藤原,反論する石上という殴りやすいボディ同士のノーガード戦がキレッキレですね。



ノーガード戦はじまる


そんなわけで唐突に始まる全生徒会腕相撲トーナメントと相成ったわけであります。


あ,はい。

藤原さん,準備に飽きて遊びたかったのね,きっと。売り言葉に買い言葉といえども,ちょっとタイミングよく遊びのアイデアが出てきたし。おすし。

そんな藤原書記コーディネーター兼選手からの提案が次のようになります。



リセッター藤原


ああ。

もうこの段階でオチが見えてますよね。壮大なブーメランが藤原千花にぶっ刺ささるところがほぼ全ての読者の脳裏に思い浮かびます。

なし崩し的に巻き込まれた会長も四宮さんも,なんのかんのでお互いに手を握るチャンスてことで仕事放棄して遊び始めるあたりアレですよね。恋愛脳な高校生のスパイスがビンビンと読者に降りかかります。



まあこの段階でおよそ全ての試合展開と結果が見えてしまうのです。多分,石上と藤原さんはあっさり負けるんだろうし,かぐやと会長はお手手つなぎたい気持ちからだらだらと試合が伸びちゃうんでしょ?

実際ほぼそんな展開になるわけなんですが,この「絶対来る展開をどきどきしながら待つ」感じが何というか,ダチョウ倶楽部の芸を見ている時の感じというか,お約束がお約束としてきちんと成立するのをマチカネタンホイザな感じというか,なんかそういうのありましたね...今回は。





『第一試合 石上VS かぐや!』

というわけで予想通りの試合展開に。


石上優は敵わない


なんて声,出してやがる...石上ィ!


ここで前回の弓道部ネタがきちんと活きているあたり,赤坂先生の構成力に脱帽である。

万年帰宅部で引きこもり候補生だった石上と,中学時代より弓道日本一少女とでは地力が違ったのであった。まあそんな背景抜きにしても,石上が四宮さんに勝つことなんて天地が裂けてもあり得ないと思いますが。


それにしても,いいよね,この目...。


虫けらを見る目

虫けらを憐れむようなというべきか。予想以上に期待外れでがっかりしつつも,ああやっぱりこんなものかと言わんばかりの上位階級者の目つきというか。ゾクゾクします(おい)




そしてこの藤原書記の笑顔である。


心底嬉しそう

なんて顔,してやがる...藤原ァ!今日一番の笑顔じゃないか。





『第二回戦 白銀 VS 藤原!!』

最初は第一試合だったのに,ここは第二回戦なのか...。多分単行本で修正はいるんでしょうね(すごいどうでもいい)


で,勝負です。


ダチョウ倶楽部芸・藤原

フェアプレー精神を前面に出すあたり,好感度が高いですよね藤原選手。



まああらかた予想されていたわけですけれど,このセリフの後にこの展開というのがトコトン藤原書記ですよねえ...。神経衰弱の時からずっとそうですけれど,基本,藤原書記は「勝負に汚い」んです!



かぐや様は見ていた


勝ちにこだわるあたり競争心高い秀知院の生徒らしいですけれど,ここまで「過程なんぞどうでもいいのだ!(DIO様)」的なダーディープレーヤーも珍しいですよね...。潔くないというか。




で,案の定のフルボッコである。


いつか来た道

いつぞやと全く同じ表情で同じように石上から罵倒される藤原さんがお可愛いですね。あ,でも録画までしておいたんですね...。きっと藤原先輩はセコい手を使うに違いないと確信して最初から録画していたとしか思えませんね。その粘着質さ加減も石上優らしいのである。




そしてこの石上優の笑顔である。


心底嬉しそう

なんて顔,してやがる...石上ィ!今日一番の笑顔じゃないか。






『決勝戦 かぐや VS 白銀!!』

まあ普通に考えてしまうと,いかに弓道日本一とはいえ日々是おさんどんな白銀御行とならば,男子の筋力で女子に負けるはずもなく。

プライドとプライドの激突!
気迫と気迫のぶつかり合い。まさにこれは「真竜の戦い」の再現か...!と言わんばかりの外野の盛り上がりがなんとも寒々しいですね。当の二人はこんなもんですからね。



真竜の戦い...!?


あ,はい。

まあそういうことになりますよね。惚れた腫れたな二人なら,とりあえず手を握り合っているこの瞬間を堪能しようという方向に。こいつらの恋愛脳を舐めたらいかんのです!


あるある。
現実ではほぼこんな状況無いけれどラブコメ漫画あるある的な瞬間ですねえ。握り合う手と手,いつまでも握り続けたいから終わらせたくない。まあ手をつなぐ程度なら普通にある状況ですけれど,それあ腕相撲となるとまあ普通はない状況ですからね。

そんな「あるある」と「ねーよ」のギャップが心地よいですよねえ。ああ,コメディ読んでいるんだな...って感じで。




というところで,「かぐや手汗問題」。


女子としてノウ!

まあ男ならまず気にしない状況ではあるんですけれど,女子ですからね。汗は女の大敵であります。もし相手(会長)にこんなこと思われていたら,まず女子として詰みます。

かぐや半端ないbot @Kaguya_hanpa
かぐや半端ないって。アイツ半端ないって。男子と腕相撲して手汗かいているんやもん。そんなん出来ひんやん,普通。


それはノウ! 女子として圧倒的にNo!




というわけで,不本意ながら全生徒会腕相撲トーナメントを制し,「第一回マッスルクイーン」の称号を四宮先輩は受けたのであった。



伊井野さん,容赦ない

いや,何気に,本当に何も考えていないんだろうけれどぶっこんでくる伊井野さんも半端ないって。ついでに自らの危機を脱するために乗っかってくる藤原千花も。



というわけで,恋戦線真っ最中の生徒会役員共の一時の休息でした。まる。


...
......


こういう久しぶりの「遊びモード」は心地よいのだけれど,ここしばらくのクライマックス感においてはなんかこうボールを外された感があるというか。あわよくば空振ってくれれば儲けもの的な緩急のつけ方というか。

そんなお話でしたね,今回は。



最も「だらしない人間」決定戦

まあ最後は底辺同士の対決で藤原書記が負けてるあたり,予定調和的なギャグとして一本成立していたと思いますけれど。てかゴリラゴリラ藤原って,FUJIWARAの原西さんの芸を指しているのね,きっと。





さて話は少し戻って。

先日,ヤマカムさんの記事を拝見していて気が付かされたのですが,ミコちゃんが幼少期にキャンプファイヤーに参加していたお祭りは「捧心祭」の表記だったという。



捧心祭(小等部文化祭?)


前回のつばめ先輩の劇の元ネタでは「奉心伝説」と言いつつ好きな人のために心臓を「捧げた」人の物語と出ておりました。ヤマカムさんの記事でも指摘されているけれど,「捧」は「ささげもつ」という意味で用いられる言葉である。


一方の「奉」は,同じくささげ持つという意味もあるけれども,いろんな意味がある。以下,デジタル大辞泉の引用。

ほう【奉】[漢字項目]
[常用漢字] [音]ホウ(漢) ブ(呉) [訓]たてまつる

(1)〈ホウ〉
1 ささげ持って差し上げる。ささげる。「奉呈・奉納・奉幣」
2 うやうやしく押しいただく。「奉戴(ほうたい)/遵奉・信奉」
3 上からの命を謹んで受ける。「奉職・奉勅」
4 目上に仕える。「奉公・奉仕」
5 目上や貴人に対して謹んで事をする意を表す語。「奉賀・奉還・奉迎・奉伺・奉祝・奉答・奉読・奉拝」

(2)〈ブ〉謹んで受ける。仕える。「奉行/供奉(ぐぶ)」
[名のり]うけ・とも・な・よし


漢字が変わって,「心」の持っていきかたを改めて考えたとき,あり得そうなのはやはり5番目の意味だろうか。

「目上」「貴人」は四宮かぐやを指す。現代の竹取物語のかぐや姫の暗喩,四宮かぐやに対して謹んで事(自分の「心」)を差し出すという,「俺たちの物語」(白銀御行)に相応しい文化祭にするために,敢えて「奉」の字を当て込んだのだろうか。

また読みは異なるが(2)の意味,「謹んで受ける」というのも(四宮さんが下にくるニュアンスはおかしくなるけれども),その心をかぐやが「謹んで受ける」という風にも読める。


「奉心祭」というかつての文化祭とは異なる表現となった今回の文化祭。そんな意味が込められているのかもしれないなと思ったり。


というわけで,再度まる。




かぐや様は告らせたい 10 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第35号「かぐや様は告らせたい」第107話,105話より引用しました。

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