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『ぼくたちは勉強ができない』 問73. 天才の質疑はいみじくも [x] どもの攻防となる 感想

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さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第35号』 「ぼくたちは勉強ができない」 問73. 天才の質疑はいみじくも [x] どもの攻防となる の感想(ぼく勉 73話感想)です。

さて久々の「ぼく勉」感想です。


ぶっちゃけ家族持ちともなるとブログ感想を書くという行為そのものが難しいと言うか,時間的余裕がないというのが実情です。すくなくとも週2回も感想記事を書いていたら普通に破綻してしまう。「かぐや様は告らせたい」の感想を書くだけでも精一杯てのが実際のところ。

にもかかわらず,今回は珍しく休日にゆっくり時間が取れたので久々にぼく勉感想でも書いてみようかなと思ったり。ぶっちゃけ休みの使い方としては下の中,いや下の下ですね(村上社長)という気がしなくもないですが,まあ趣味なんて基本無駄なものなのです。そういう風に世の中できている。


...
......


で,まあ運命の文化祭の第一花火における接触とやらもあったのかなかったのか,特段意識されないままここまで推移しているわけですが,ぼく勉のいいところは「普段意識されていなくても無かったことにはならない」という点だと思いますね。

これまで唯我成幸はラブコメの主人公らしく,多々いろんなヒロインとその意図と関係なくフラグを立てまくって来たわけです。そのフラグは普段は意識されていないわけですけれど決して無くならない。そういう意味では個々のエピソードの積み重ねと物語の整合性が取れていて,非常に好感度の高いラブコメとなっております。

世の中には,個々のエピソードの積み重ねなんかまるで無かったようなラブコメもあるんやで!(謎弁)





...あ,ラブコメと言えば,実写版『ニセコイ』のキャスト出てましたね。


なんて顔してやがる...メンバー...!!


最初に思ったのは「あ,鶫いるんだ?」でした。

ここまで鶫の存在を伺わせるニュースがなかったので一つ驚きです。個人的に実写版はとことん突き抜けていけばいい(他意はない)と思ってますので,好きなように描いてもらえればと思いますが,こうしてみると割とコメディ寄りで,漫画表現をなるべく再現する方向でいく感じみたいですね。

大人のコスプレ感は否めないですが,これはこれでまあ一つネタにはなりそうな予感。とりあえず鶫が一番再現性高いのではと思いました。



例のCM(kawaii!)

なお,小野寺さん役の池間夏海さんはぶっちゃけた話,普段の髪型のほうがお可愛い気がしなくもないですが,一応アシンメトリーにするんですね。てか作者コメントを観る限り,楽は小野寺さん好き設定残すのか...。

小野寺さんが楽を好き設定は映画の見る側には示さないほうが映画終わったときの余韻が良くなると思いますけれどね。そのあたりシナリオがどうなるのかも興味深いです。

一応「ニセコイ」ファンの絞りかすとして観に行くつもり。有名人2人と一緒に小野寺さんの骨を拾いに行ってきます。



...
......

というわけで前座はおわりにして,本編の感想です。

ここまで理珠→あしゅみー先輩→うるかときて,今回は「約束された敗北の黒髪ヒロイン」である古橋文乃師匠の登板回であります。



約束された敗北の黒髪ヒロイン

古橋さんと言えば,文化祭で唯我成幸と知らずに着ぐるみ越しのキスを決めたわけですけれど,先般のうるか回では「二人っきりになっても全く唯我成幸に意識してもらえない」という相変わらずの敗色濃厚ぶりを披露してくれました。

まあ仕方ないね。二人の関係性は教師と教え子の関係であり,師弟関係であり,姉弟関係でありますからね。色恋沙汰に発展する余地はほとんどありません。キスなんて存在しなかったんや...と言わんばかりの展開に,全国の約束された敗北の黒髪ヒロインファンが涙したものです。







メッチャ意識していた

て,あれぇ?

意識していた。
そりゃそうだ。実際の成幸と古橋さんは姉弟でもなんでもないわけですから。ぼく勉に出てくる可愛いヒロインに迫られて着ぐるみ越しとはいえキスして意識しなかったら,唯我成幸は不感症か男色を疑われるわ。

というわけでぼく勉の作劇は「あったことを無かったことにはしない」という物語であることが再確認できました。プロセスってのは積み重ねだからね。あったことが作劇の都合でなかったことになる方がおかしいんです。そんなの物語の体を成していませんからね...(しみじみ)。




しかしまあ,面白いのは成幸は意識するけれど古橋さんは意識しないところですね。まあ当たり前と言っちゃあ当たり前なんですが。というか古橋師匠,自分のファーストキスの相手はどうでも良くなったのか(単に保留されているだけでしょうけれど)...


で,普通に「姉弟ごっこ」をはじめる古橋さんもアレですけれど,この後の意識の変化がなかなかに面白かったですね。軽いジャブで振ったつもりの「キス」の話題に対して唯我成幸は思わず吹き出す。そりゃ吹き出すわね...当のキスの相手が目の前にいるんだからね...



文乃半端ないbot

文乃半端ないbot @humino_hanpa
文乃半端ないって。アイツ半端ないって。キスした当の本人が誰とキスしたか聞くんやもん。こんなんできひんやん,普通。





その反応に機敏に対応してくる古橋文乃姉さんの反応がこちらになります。



どういうことかなこの野郎

あ,はい。
最初読んだときは,この時はまだ「嫉妬」していないと思っていたんですよね。でもよく考えてみるとちょっと変である。その後(うるかと理珠)どっちとキスしたのと尋ねているわけですよ。つまりキスの相手は成幸に恋心をいだいている二人のどっちかを想定したということになる。

だったら,胃をキリキリさせる必要無いよね。成幸を好きな友達は二人。付き合えるのは一人。どっちにせよ一人は振られるわけで,そのどっちかとキスする分には「友達の恋は成就する」状況には変わらないわけだからね。

じゃあなんで文乃姉ちゃんは胃をキリキリさせているのかな,ということに相成るわけであります。



唯我成幸の男意気

とはいえ問い詰められて答えられるはずもない,唯我成幸その人であります。古橋さんとのキッスは墓場まで持っていく。その不退転の決意で今日まで生き延びてきたわけですから。気づいていない古橋さんに内緒にしておこうという男心,弟心でありますよ。



が,しかし文乃姉ちゃんにはそんな配慮は通じないのであった。弟を笑われた矢車の兄貴かよってくらいに怒り心頭になっているわけであります。


地獄姉弟

まあ一応「友達じゃない二人以外の新たな女とのフラグかよ?」という体はとっておりますけれど。友達じゃない女を選ぼうとしてんのか,この愚弟は!という殺意の波動を感じなくもないですけれど。だがそう解釈してしまうと,ここからの流れが説明できませんし。おすし。





...しかしここで桐須美春の再登場は意外でしたよ?

桐須先生の妹であり大学生という,一見使い所が難しいキャラであるわけですが,なるほどこういう使い方をしてきましたか。「姉大好き属性」を活用させて古橋さんと絡ませてくるとはね。



桐須美春再登場の巻

というか,これ変装なんですかね。
彼女はフィギュアスケートの現役スターですから,そのまんまで街を闊歩すればいろいろ面倒なこともあるでしょうし。おすし(二回目)。それとも,単に視力の問題で,普段はコンタクトというだけの話かもしれませんけれどね。





そんな美春の登場に心穏やかではない古橋文乃姉ちゃんである。

自分に正体を明かさないお可愛い女子と,正体を説明しない愚弟。文乃さんの不信感は募るばかりであります。また新たな女?と疑ったところにまさかのアンノウン登場ですからね。これ以上友達の恋路を邪魔する相手はいらないんです!

まあそんなこともないんだろうけれど,とりあえずキスの相手かどうか問うてみた。こいつだった。



は?


こっちが「は?」だよ!なに言っちゃってんの,この人!




そんな桐須美春の意図はこちらになります。


はい怠慢

ああ...そういう...。そういえばこの人,こういう思い込みの激しい人だった。成幸は怠慢先生と恋仲と勘違いしているんだったっけ...。そんな禁断の愛が暴露されないようにとあえて自分が泥を被るつもりになったという所存。うん,いい妹じゃないか(そうか?)

てか,この怠慢先生エロい...。怠慢成分が五臓六腑にしみわたりますね。



しかしまあ「世界中のすべての姉を愛すべし」という思い込みの激しさはなかなかに中々なものがあるな。どんだけシスコンなんだ,この子は...。

まあそういう「姉大好き属性」をうまく活用することによって,怠慢先生と成幸以外とは絡みにくい美春を活用してきたのは一つポイントかもしれないね。こうやれば「姉属性」を与えた古橋さんとの関わりをもたせることができるからね。



しかしまあ,そんな美春さんの配慮なんかそっちのけで不信感ゲージをためていくのが古橋文乃姉ちゃんなのであります。まあ傍から見ればいちゃついている二人にしか見えませんし。おすし(三回目)。成幸もつくづく罪づくりな男である。


スパコン発動2秒前

そしてこの段階でついに本人も「違和感」を感じているわけですね。


成幸が知らない女といちゃいちゃしている。キスしたと言っているけれど,その実ぽっと出の正体不明な女とキスしたとか信じられない。というか気に入らない。

「これが落ち着いていられるか」って別に古橋さんがムカムカする必要ないじゃん。自分の恋路じゃないんだからさあ(ニヤニヤ)



まずは君が落ち着け(つ 水)

にもかかわらず収まらない動揺。もやもや。怒り。それはね,「やきもち」だよ,文乃姉ちゃん。




なおも実姉と義姉(え)のために,演技を継続する桐須美春嬢もお可愛いわけですが,その演技のためのデバイスが例の3500円のパフェというところもいいね。これは台風回に文乃姉ちゃんと成幸が食す予定だったアイテムだけに。



止まらない気持ち

美春の差し出したパフェのスプーンに食いついたの,それなりの確率で食い意地もあっただろうけれど,やっぱり「私の目の前で成幸くんといちゃつくなんて1000年早いっ,だよ!」感がありますよねえ...。そいつは自分と成幸くんで食べるはずのパフェだっただけにね。





そんな描写からも明らかなように,そして帰りすがらの文乃のモノローグをみてもわかるように,今回の話は古橋文乃がついに成幸に対して「恋心」を抱きつつある,ということを公式に読者に示したというお話というわけであります。


まあ文脈的には「古橋さんが成幸を好きになってしまう」というのは,二人の友達が成幸を好きと気づいた段階から明々白々だったので読者的には"いまさら"なわけですけれど。

それが本人の自覚しない「もやもや」と,自然に動いてしまった行動による「やきもち」によってはっきりさせられたというか。まあ,恋物語としてみたときのぼく勉の,ある種の中間折り返し地点にきたのかなという感がありますね。





そして最後のモノローグ。



「キスの相手がりっちゃんかうるかちゃんだったなら
 それでよかったのに...
 それでよかったのにな」


というコレですね。


キスの相手が理珠かうるかだったのなら,「友達の好きな人と結ばれてくれるのなら」キスの件を「良かったと思える気持ち」を抱きつつも,成幸のキスの相手は「二人ではない」と認識しているわけです。

この時,自分の恋心にはまだ気づいていない「無自覚」な状況なので,いまだ友達を応援する立場からの思考になっている反面,「二人が相手だったら納得できたのだけれど,そうでなかったのなら納得できない」という気持ちを抱いている。


なぜ納得できないのか。
それは今後,古橋さんのエピソードの積み重ねの過程で気づいていくのでしょうね。


最後の柱のアオリ,

「ほんとの事を知った時,彼女はいったいどんな表情を見せるのだろうか。」

の二重の意味,その「もやもや」は自分もまた成幸が好きになっているという事実,その嫉妬の原因であるキスの相手が「自分自身だった」という事実。二つの事実に気づいた時,いよいよ古橋さんが恋のレースに参加する時が来るのかな,と思ったり。



...ま,しばらくの間は「無自覚の嫉妬」という形での表現でいけると思うんですよね。恋の師匠キャラ,姉弟キャラと属性を積み重ねてきた古橋さんですけれど,ここで「やきもちキャラ」という新属性を与えられたのはなかなかに「おいしい」展開ではある。

なまじ「ぼく勉」の世界は理珠といいうるかといい他人の恋心に気づきようが無いキャラ設定だったため,恋物語における「やきもち」という三大女の子かわいい属性を発露する機会がまったく無かったわけで。新たに設定を盛られた古橋さんの今後の活躍に期待したいところである。



それから,古橋さんは理珠と異なり感情を読み取る機微があるので遠からず自分の恋を認識する機会があると予想されます。そうすると,今度は「友達との友情と葛藤する乙女」属性という,これまた「おいしい設定」を盛られていくわけですね...。なんだこの出世魚状態。

まあ古橋さん的には大いに悩むでしょうし,自分の恋心を否定しようともするんでしょうけれど。文脈的には最後はそれを認めていく方向になるのだろうなあ...。



友情と恋

現状,古橋さんが理珠とうるかの恋心に気づいていますけれど,当の二人は気づかれていることを知りませんし。それを応援するというスタンスを取ったのも,自身が恋心を抱いていない時の話ですし。

自分の恋心と他人の恋心を比べた時,「身を引く」てのはラブコメヒロインとして無いだろうなあ...てのが素直な心情ではある。理珠やうるかが成幸と付き合っているならともかく,片恋相手であることを知っているだけだからね。

無論「その境地」に達するまではそれなりの葛藤があるでしょうし,それなりのステップを踏むことにはなるでしょうけれど。


そんなことをボンヤリと思いながら,今回の感想はまる。



...
......


まあぶっちゃけ古橋さん(とうるか)のような「約束された敗北の黒髪ヒロイン」は恋の成就云々以前に,「最終回に顔を描いてもらうところが当面の目標」ですけれどね。黒髪ヒロインが結ばれるなんて,妄想の世界でしかないとジャンプ最長ラブコメが教えてくれたから...(おい)

彼の漫画が後世に残した影響は甚大やで...




冗談はさておき,次週予告について。


予告

「ある決断を迫られた彼女の行動とは」および「秋になりそれぞれの進路にも変化が」なわけですけれど,さてこれは何じゃろな?


ローテーション的には次は怠慢先生の出番ですよね。
文化祭以降,理珠→あしゅみー先輩→うるか→文乃と(おおよそ)人気投票のランキングアップの形で回ってきただけに,そこは動かないと思うのですけれど。

内容的には進路相談役の桐須先生がメインで,生徒たちが順繰りに面談していく形になるのだろうなあと思いつつ,「決断を迫られた彼女」とあるんだよなあ。となると進路選択しなければならない人物の葛藤を通じた怠慢先生回という感じか。




進路変更がありえない理珠と文乃は除外するとして,進路が関わってきそうなのはうるかと関城さんかなと。



うるかと紗和子(問72および問62より)

うるかは水泳による音羽大学への推薦入学を考えているわけですが,女子的には当然「好きな人と一緒の大学にいきたい」ですよね。とはいえ成幸の進路先が音羽大学とは限らないのである。そこで一つ進路について選択を迫られる,というのが一つのパターン。


もう一つは緒方さんと同じ大学に行きたい関城紗和子さんである。文転してしまった親友,緒方さんと共に大学にいきたい場合,方法は二つ有る。一つは自分も文系となり同じ大学に進学するという方法。もう一つは文理の両方の学部のある総合大学に共に進学することである。


二人とも「他者の進路先に自身の進路先が影響される」ということだけに,決断を迫られるというのは普通にありそうではある。まあこのあたりが一つお話としてきそうな予感。





あと,その唯我成幸の進路先というのもそろそろ明確にする必要があろう。なんとなく良い大学にいき,家族に楽をさせてあげる。そんな目標しか持たない成幸ですけれど,そろそろ明確な目標を立てないと具体的な学部選択につながってこないのである。


いやまあ,成幸の将来の職業はたぶん「教師」でしょうし,そういう意味では教育学部なんでしょうけれど。もっとも,教員免許取るだけならたいていのの学部で可能なのではありますが。

勉強と恋という二本柱できただけに,そろそろ勉強のほうも明確な道筋をつけていかないといかんのではないのかな,と思ったりして。

というわけで,再度まる。





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*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第35号 「ぼくたちは勉強ができない」問.73,同62,72より引用しました。

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