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『ぼくたちは勉強ができない』 問61. 彼らは 安くんぞ 面する [x] の志をしらんや 感想

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さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第23号』 「ぼくたちは勉強ができない」 問61. 彼らは 安くんぞ 面する [x] の志をしらんや の感想(ぼく勉 61話感想)です。


先日実施されました,「ぼくたちは勉強ができない」の人気投票の結果発表が行われました。というわけで,所感をば。


結果発表!


今回の「人気投票結果」,ポイントは大きく分けて3つです。

(ポイント)
1.結果はほぼ順当だった。
2.各ヒロインのコメントが無難。
3.いつの間にか「ヒロインレース」扱いになっていた。


まず「結果の順当性」について。

とても順当な結果だったのかなと。割とTwitterにおける人気・ファン熱の熱さが目立っていたヒロインが順当に上位を占めていったかなと。

とくにどこかで書いた記憶はありませんが,個人的な予想としては2位と3位が逆かなと思っていたぐらいで,ほぼ想像通りの結果でした。「史上最も予測困難」のアオリには申し訳ないけれど,あんまり驚きのない結果だったかなと。

そんな中,ちょっと意外性というか,目立った順位となったところを中心に感想を述べて行きたいと思います。



まず10位。海っち。



海っち

そんなに人気があるキャラという印象はなく,どちらかというと猪鹿蝶の鹿島さんあたりとどっこいではないかと思っていた位置づけな彼女が10位入り。おめでとうございます。

やっぱりあのキスシーンがエロかったからですかね。ラブコメ漫画なんて彼氏ができた途端人気が下がるもんだとおもっていましたが,根強いファンがいた模様。



次。8位。関城紗和子さん。


ポニーテールは振り向かない

今回,洋菓子さんとともに関城さんを推してみたわけですが,思っていたより票数集まっていたなと。逆に驚きです。ぼくも洋菓子さんも10票ぐらいしか投じていない。

それで365票ってことは幅広く関城ファンがいるってことですからね。出番に対する投票数を考えればかなり健闘,大健闘だと思います。次週は「久しぶりのあの人」らしいので,9位の桐須美春さんか関城さんかといったところでしょうか。出番,増えるといいですね>洋菓子さん。



次。6位。唯我水希さん。


ヤンデレ枠

いわゆるSEISAIである。ぶっちゃけた話,関城さんは水希を超えないだろうと思っていたのでそこは予想通りだったのですが,驚いたのは主人公であり兄である唯我成幸の上を行ったことである。え,そんなに...? ほとんど単行本の幕間ぐらいしか登場していないじゃん,水希。

やっぱり実兄に対する「ちょっと壊れたレベル」のブラコン感が人気なんですかね。ちょっと病んでいるというか。ヤンデレキャラというか。

作者的には完全にネタキャラという位置づけだと思いますが(実妹だからどうしようもない),これで血がつながっていないとかいうネタが出てきたら流石にびっくりである。絶対ないと思うけれど。そういうのはラノベだけでいいと思います。



次。4位。緒方理珠さん。


ふしぎ巨乳枠

当番ヒロインは間違いなく5位以内でシェアすると思っていたのでその事自体は意外ではなかったのですが,問題は順位(と票数)である。4位か。2000票台か。

連載開始時の人気傾向としては,古橋さんより緒方さんの方が高かったし,成幸と口部接触をするなど一時は「本命」と思われていただけに,これは意外である。


とはいえ緒方さんの描かれ方を鑑みれば,いろいろ難しい部分はあるのかもしれないね。
彼女の設定として「他人の心理がわからない」というのがベースにあり,それを克服するための「心理学を学びたい」という勉強の動機づけである以上,他人の心理や感情を読めない。普通のヒロインらしい感情の吐露ができない。


それが転じて「不思議ちゃん」というキャラ付けになっていってしまうわけです。そこに魅力を感じられるかどうかがポイントなんだろうね。もちろん,不思議ちゃんでも人気のあるキャラが存在する作品はあると思いますので,描き方次第でどうとでもなると思いますが。

物語進行上,「心理・感情の機微を悟れるようになる」のは成幸を好きと認識するその瞬間に集約していくのだと思いますので,そう簡単には覚醒させられないという制約があり。まあ扱いが難しい存在ではあります。今後のテコ入れ(←テコ入れ言うな)が期待されるところです。


最後。2位。古橋文乃さん。


何気に勝負のツインテ

これはちょっと意外でしたね。てっきり2位はうるかだと思っていたので。

当初人気では緒方さんの後塵を拝し,中盤では武元うるかさんに牽引役を奪われ,最近では飛ぶ鳥を落とす勢いの怠慢先生の存在感の前にどうなるのかいなと思っていたのですが,なんと2位です。4000票超えです。大したものである。

「約束された敗北の黒髪ヒロインを憐れむ会」(通称「いばらの道会」)会員としては,まあようやったなぐらいな目線で結果を受け止めましたけれど。ちなみに僕は古橋さんに一票も投票してない(おい)。


まあ2位・4000票の要素としては,ここ最近の古橋さんのエピソードが割と面白かったことも要因としてあるのかなと思ったり。

他のヒロインが「可愛いに集約される話」とか「ドジっ子ギャップで萌えさせてくれる話」に集約しがちなのに対し,古橋さんは未公開設定の「重さ」もあってストーリー的に読ませるものがある。
数少ない伏線感というか,後日炸裂しそうなネタ振りが見受けられる。そんなエピソードとしての面白さも票に繋がったのかなと思わなくもなく。


記号的に分かりやすい「黒髪ヒロイン」ということもあり,基礎票があるとはおもっていたが,うるかの上を行くとはねえ...。

純情乙女役はうるかさんに振られてしまっているだけに,その分ハンデはあったと思うのですが,まあ大したものである(2回め)。これで最終回に顔ぐらいは描いてもらえるかもしれない。


...
......


せっかくなので,「予想通り」だった結果についても少し言及しておくか。

15位。唯我文乃さん。


状況指定は黒髪ヒロインの常道

いやこれ,古橋さんじゃん...というツッコミはいらないのです。

シチュエーションを指定した投票というのは過去作品にもありましたし,多分投票する人いるだろうなと思っていました。確かに問39は面白かったし,古橋さんにお姉ちゃん属性を与えられた回で印象深かったので。ちなみに僕は一票も投じていない。



次。7位,唯我成幸。


主人公の通る道

ラブコメ主人公の定番位置というアオリが笑えるのである。

いわゆるヒロイン多めのラブコメにありがちなのが,人気投票の上位はヒロインたちで,主人公である野郎は7位あたりに沈むというのが定番の位置である。一条楽しかり。コガラシさんしかり。まあハーレムラブコメというテンプレである限り,このあたりの順位は動かないというか。当然の結果かと思われ。

ただ「ぼく勉」に関して言えば,成幸が一種ヒロイン的な位置づけになっているので,もう少し投票数が多くてもいいかなとは思いましたけれどね。おお成幸よ,水希に負けるとは情けない...。



そして最後。1位。桐須真冬先生。



怠慢!

あ,はい。
最初から桐須先生が1位だと思っていました。


ぼく勉は「人気のあるキャラのエピソードを集中的に投入する」という傾向があります。人気投票が始まってからはほぼ均等割といった感のお話し配分でしたが,それ以前は「また怠慢回かよ...」というくらい怠慢先生のエピソードが多かった印象(そしてそれは面白かった)。読者傾向的には怠慢先生がぶっちぎりなんだろうなと思っていたので。


しかしビックリしたのはその票数である。5,233票である。総投票数が21,251票だから,実に24.6%を怠慢先生が占めたことになる。これは凄い。四分の一殿と呼んであげるに相応しい大勝利である。

先行文献を当たってみると,かの「ニセコイ」の人気投票でも概ね2万5千ぐらいの総投票数であったわけですが,トップを分け合った桐崎さん・小野寺さんでも票数は4000票を超えるくらい。それより1000票も多いのである。

読者の裾野という観点においては,「ぼく勉」はまだニセコイを超えていないことは10位以下の票数の少なさからも窺えるわけですが,そんな中一人5000を超える得票数を叩き出した桐須先生への人気集中度は想像以上である。投票した諸兄らの努力と,桐須先生に敬意を表したい。




...まあ裾野の話をすると異論があるかもしれませんが,コミックスの売上や票の分散状況,日頃のブログ感想アクセス状況からみて,多分に裾野はそんなに広くないというのが「ぼく勉」の印象ではある。票の分散状況を印象づける調査としては,以前行ったTwitter調査からも窺える。

「ぼくたちは勉強ができない」の人気投票に参加される方にお尋ねします。ぼく勉の人気投票に何通送った(送る予定)か教えてください。*投票後RTいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。#ぼく勉 #ぼくたちは勉強ができない #ぼく勉人気投票

? ayumie (@ayumie) 2018年2月27日


ご覧の通り,100票以上の投票が13%もいる。人数にして28人もいる。つまり28人だけで2800票以上の投票を今回の投票で行っているということである。

これはぼくのフォロワーさん,あるいはフォロワーさんがRTしてくれた範囲内で投票してくれた人211人中28名ということだから,実際にはもっと多くの複数投票があったものと思われる。

特段「誰に投票したか」は尋ねなかったのですが,おそらく上位5名あたりはまんべんなく複数投票があったと推測されます。6位以下との票数のかけ離れ具合から鑑みてもそれは妥当な推測かなと。

言い換えれば,一部の熱心なファンが多いというのが本作品の特徴であり,裾野を広げていくのはこれからなのかな,というのが今回の人気投票から窺える「ぼく勉」の実像という気がしなくもないです。



まあそういう結果もあり,「2.各ヒロインのコメントが無難」という印象が強まったんですけれど。



無難な挨拶


全体でこれだけの投票があり,おそらく複数投票した人物も少なくなかったと思われる今回の人気投票。別のラブコメ漫画の人気投票結果では,大量投票者に対するキャラからのメッセージというのもあり,そういう「ファンへのリップサービス」があるのかなと思いきや特にありませんでした。


どっちかというと無難なコメントと言うか,真面目かよ!というメッセージが添えられているのみである。この辺りは先行文献に対する「反省」みたいなものもあるんだろうね。


本作はどうしたって「ニセコイ」という先行文献を意識しながら描かれているわけですが,ニセコイで批判された部分は全部「避けて」通るように慎重に慎重にコントロールされている感がある。

ニセコイのときには「千葉県のYさん」をはじめ,変に有名になってしまった読者の存在を作品側が煽ってしまったりしたわけです。それは人気投票の盛り上げとか,作品に対する話題性は高めたけれど,同時に「じゃあそれ以外に投票したファンはなんだったの?」的な反応がまったくなかったわけではないと思われ。

あまつさえ作品に登場を窺わせるという行為は「熱心に応援してくれたファンに対する返礼」以上の意味はなかったにしても,「他の読者はどうでもいいのか」的な反感が一切なかったのかというと,絶対ないとは言い切れないものがある。


なので,そういう「ファンへのリップサービス」みたいなものは無かったわけです。個人的には「おフランスのYさんありがとう」(紗和子)とか見てみたかった気がしますが(笑),まあそういうのが無いのが本作の特徴であります。


ついでに言えば,投票期間中にほとんど人気投票実施中である旨の告知が無かったことも関係あるのかなと。熱いファンが多いだけに,ファン同士の投票合戦や結果に対するファンの勝手な妄想が暴走しがちなのがラブコメの人気投票です。

ただの推測ですが,途中全く人気投票に対する告知がなかったのは「極端にファンを煽るのはやめよう」という意識が働いたのだと思われ。



ファンを抑えに行く印象のコメント


これも先行文献の反省点を活かした対応なのだと思いますが,多人数のヒロインが出てくるラブコメの宿命として「結ばれなかったヒロインのファンをいかに鎮魂するか」が作品の評価を左右します。

なまじ人気投票とかでファンを熱くさせ,結果としてファン同士の対立を深め,結末が気に入らなかったファンが作品を叩きまくる...みたいなスパイラルを避けたい。そんな意識がとても強く出ているような気がしました。


確かにニセコイ末期の作品評価を思い出すと,結末をつけることに身震えしそうなものがあってもおかしくはないですが(笑)。あ,いやあれはファンの対立云々以前の物語進行に対する違和感の表れだったのでしょうけれど。なんにせよ少し先行文献の失敗を意識しすぎの部分もあるように思います。


良く言えば「ニュートラル」で「万人受け」する作品です。悪く言えば「冒険のない」作品にもなる。全く異なる作品ですから,本作独自の作品らしさを追求すればいいと個人的には思いますけれどね。


...
......


最後。「いつの間にか『ヒロインレース』扱いになっていた。」

これは担当編集が筆が滑らせただけだと思いますけれど。「人気投票」であってヒロインレースではないと思っていたんだけれどなあ。ヒロインレースと言ってしまうと,恋の結末を想起させてしまうものがあるだけに。


ヒロインレース?

ぶっちゃけた話,「桐須先生の人気が高い」ということと「ヒロインとして成幸と結ばれる」のかということは全く別問題なので,このあたりの表現は少し気を使ったほうが良かったのかなと思ったり。それこそ後々のファンの論争を押さえたいのであればなおさらである。

まあこの作品はラブコメでありながら,物語の軸としては「できない奴を理解し,諦めさせるのではなく実現できるように支えよう」というものがあり,それはそれぞれ目標を持つヒロインたちが勉強を通じて実現していく形をとっている。そのナビゲータとして唯我成幸という主人公が存在するという構造を持っています。



問1.より


そうした「できない娘」の夢の実現と,恋愛的結末は実は直接的には関係ない(間接的にはある)。


なので,「成幸と誰が結ばれるのか」というヒロインレースという側面に関して言えば,「まだほとんど何も決まっていない」状態。もちろん桐須先生と結ばれる可能性も絶対ないわけではないですが,まあ今のところあまりそこは深く考えなくてもいい局面なのかな,と思ったり。


以上,長々となりましたが「ぼくたちは勉強ができない」第1回人気投票結果に対する所感でした。まる。



...
......



さて,そんなこんなで今回のお話の感想です。ここまで書いてとっても疲れたので,ポイントを2,3に絞って簡単に感想をば。


今回のお話は「模擬面接」のお話。なるへそ...人気投票1位の対価としての怠慢先生回というわけですか。ふむふむ。


そんな模擬面接はいつもの「氷の桐須」ができない娘たちをぶった切っていくそれだったわけですけれど。気になったのは古橋さんの面談かな。

言語化という意味では古橋さんの能力的には面談対策は完璧!という志望動機だったわけですけれど,その後がいけない。追質問の「長所は?」という質問の前にバッサリと切られる古橋さん,哀れでしたね。


志望動機は完璧だったが...

しかしまあ,こうしてみると古橋さんの進む道みたいなものがちょっと見えた感もなくもないですね。お母さんに影響されて星に興味を持ち天文学を学ぶ。それは一つ動機づけとしてOKです。

それを将来自分の長所とどう組み合わせていくのかという点においては,そうした星や天文の知識を下に創作とかしていってもいいんじゃないかなと。天文作家なり,SF作家なり,漫画家なり。


ぶっちゃけた話,文学の中にあった星を元に「お母さんの星を探す」なんて夢自体が本来は「できんのか?」という話ではある。そこに答えなんか存在しないからである。
お母さんの星がどうゆう文脈で母娘の会話で出てきたのか判りませんが,きっと深く詰めてはいない部分でしょうし,それが何であるかは作中で明らかになるわけでもないでしょう。



お母さんの星とは(問39.より)


結局のところ,お母さんとの会話の中や,モチーフとなった作品を読み解きながら「たぶんこれだろう」と推定するのが現実の限界である。それを一生の生業というか,夢とするのはなかなかに難しい。あくまで高校生らしい漫画的な夢である。


そんな夢を応援し,実現のためにサポートしてあげているからこそ唯我成幸と古橋文乃の関係はピュアで子供っぽくもあり,美しくもある。(これは他のヒロインの夢と目標との関係もそうなんですが)。




突っ込まれて立往生

しかし少し落ち着いてみて,彼女が将来天文学を学んだ後に「何をするのか」ということを妄想してみれば,天文学を文学方面に活かしていくというのは学んだことと彼女の長所を組みわわせた目標となりうる,などと思ったり。そんな彼女の作品の中で「お母さんの星」が明らかになるというのもまたいいかな,とか思わなくもないです。




あ,あくまで個人的な印象なので「ネットに書かれたからこのネタは止めておこう」とか思わなくてもいいんですよ。(誰向け発言)



...
......


次。「唯我成幸の面談」について。

これは中々にカオスでしたね。ぶっちゃけた話,唯我成幸の頭がおかしくなったのかとおもいました(まて)。

まず今回明らかになった事実として「成幸は推薦狙い」というのが明らかになりました。あ,推薦ってやっぱりそっちの推薦なんだ。

以前からの説明だと「スーパーなんちゃら推薦」とは大学進学後の諸費用すべて面倒見てくれるという返済なしの奨学金みたいな扱いだと思っていたので。まあ,両方兼ねているのかもしれませんが。


しかし推薦試験をうけるということは,成幸はもう夏とか秋口には推薦試験を受けるんじゃないだろうか。ぼくの中の推薦試験のイメージって結構早いイメージが有るんだけれど。違うの? 少なくともセンター入試よりも前ですよね...年内には終わっている印象。

ということは,成幸やうるかはさっさと受験が終わってしまい,その後に「できない」理珠と文乃の一般入試試験がくるという感じになるのかしら。あ,あとあしゅみー先輩も。それはそれ,作劇が難しそうではある。このあたり,物語進行がどうなるのか気になりますね。



で,肝心の面談練習では緊張緩和のために唯我成幸が次々と妄想を繰り広げていくというコメディ展開。

あ,はい。
要するにこれは怠慢先生のコスプレ展示というファンサービスなんですよね。1位おめでとう!みんなの怠慢をじっくり堪能してね!みたいな。



ファンサービス

とはいえ見たこともないチャイナドレス姿を妄想するあたり,唯我成幸の頭はどうかしてしまったのかと心配になるレベルである。なんて妄想してやがる...成幸ーーー!というやつである。


そんな中身が全くないスッカスカなお話しかと思いきや,何気に怠慢先生がぶっ込んでくるから「ぼく勉」侮りがたし...なところである。


「できない自分」を認め,向き合えること。


唯我成幸の最大の長所。
そこをきちんと桐須真冬先生は認めていたという...。



理解


なんでしょうね,これ。「親父以外ではじめて」という成幸の気持ちもさることながら,こんな風に成幸のことを認め,成幸にそれを伝えることができるなんて。桐須先生どうした。まるで先生みたいじゃないか(まて)。


まあ桐須先生は進路指導担当の先生として,受験生がきちんと合格できるようにアドバイスを行っただけです。ある意味「職務を遂行しただけ」といういつもの怠慢先生と何ら変わらないわけですけれど。

だがしかしである。
そんな風に「自分の長所を認めてくれた」ことに対して唯我成幸が嬉しさを感じ取るのは不思議じゃないし,そうやって相手のことを認められるようになったというのも家族であっても自分を見せないという桐須真冬にしてはこれまでの彼女とは大きく異なる。なにより本作の主題を怠慢先生が理解しているというのは大きい。


個人的に教師と教え子が結ばれることは少年誌では「無い」というかあってはならないというのが持論ではありますが,今回の二人の面談からはちょっとだけ「桐須先生も恋愛対象候補として加えてみようかな」というサインみたいなものを感じ取らなくもなく。気のせいかもしれませんが。



桐須先生が理解を示してくれたことの意味

少し先走った妄想をすれば,唯我成幸は最終的に「先生」になっていくのでしょうし,その立場に立ったときであれば「先生同士でお付き合い」というのは十分あってもいいと思うのですけれどね。まあ最低でも5年後のお話しですけれど(ん)

まあ物語の文脈的には理珠か文乃と結ばれないと変なことになりますし,恋愛の記号である武元うるかにも可能性が高いと思いますので,先生ルートは本当に最後の最後まで先生の人気が落ちなかったときの「大穴」みたいなもんだと思いますけれどね。

まあどんな風にもお話しを展開できそうなのがいまの「ぼく勉」なので,今後の推移を見守りたいと思います。

というわけで今回の感想はまる。




最新刊ぼくたちは勉強ができない 6 (ジャンプコミックス)は5月2日発売。電子版はこちら

20位以降の順位は単行本で発表とか。うーん,今回は買うかどうか悩みます。まる。



*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第23号 「ぼくたちは勉強ができない」問.61 ,問.1 問.39より引用しました。

『ぼくたちは勉強ができない』 各話タイトルリスト

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ぼく勉ニストの洋菓子さんが作成していたタイトル一覧をお借りしまして,作品の各話タイトルリストを作成してみました。

ヒロインズに付与されているポイントは,洋菓子さんが与えてくれたそのお話でメインを張ったと考えられるヒロイン(メインヒロイン=1ポイント,準ヒロイン=0.5ポイント)と推定されます。また,概要・備考欄もお借りしたデータそのまんまです。洋菓子さんありがとうございます。

問題はこの後どうやって更新したものかなと。僕が続きを入力してもいいのですが,点数つけるのが僕だと一貫性がなくなりますよね...。概要と備考もありますし。ちょっと考えますね。

*表はぶっちゃけ見づらいです。PCやタブレットなら大丈夫ですが,スマホの場合横表示必須かと。


『ぼくたちは勉強ができない』タイトルリスト

なお,一気に最新話を確認したい人はこちら

WJ話数各話タイトル1天才と[x]は表裏一体である2天才の憧憬は[x]である3天才の来訪は[x]の一大事である4魚心あれば、天才に[x]心あり5高嶺の天才は[x]に憂う6天才は[x]によって文明を思案する7かくして天才どもは[x]を楽しむ8誰が為に天才は[x]に抗う9天才は[x]にも心通ずるものと知る10それは乙女なる天才の[x]なる一日である11かの数値は天才による[x]も応報である12彼女が天才に望むもの即ち[x]である13天才の焦慮は時に[x]と反比例する14林間の天才は[x]に迷走する15浴場にうだる天才は[x]をさらける16かくして前任者は天才を未だ[x]する。17青春とは天才の熱意と車輪と[x]である18天才[x]たちはかくして勉強ができない19天才と[x]は互いの空模様を思い做す20天才は不鮮明な世界の[x]にたゆとう21それは[x]の天才に繋がる禁断のものである22前任者の秘匿領域は[x]な有様である23天才たちの花園に[x]は不可欠である24果敢なる天才は[x]の流説に抗う25事の発端は天才の[x]なる敢闘である26天才の一挙手一投足は時に[x]を翻弄する番外編(うるか中学入学編)27怖じる[x]に天才は憂い 彼は慮る28禁断の地にて彼は[x]が為奮闘する29天才は飽くなき探求の末[x]に至る30されどなお天才は[x]の究明に勤しむ31かの新天地にて迷える子羊は[x]と邂逅する32先人はかくも愚直に[x]な明日を見る33天才と先人寄れば[x]の懊悩となる34威厳ある前任者は時に[x]にかしづく35人知れず天才は[x]共の戯言に踊る36時に天才は[x]に憂い孤独に仇をなす37時に天才どもが砂上の[x]は連鎖する38喧々たる夜に果たして[x]は勉強ができない39天才の目に天の光はすべて[x]である40先人は己の選択に[x]をもって向き合う41前任者の姿は時に青き[x]へと遡行する42水面駆ける天才は唯々[x]に映ゆ43天才は時に[x]を共に分かち追懐する44天才と彼はその[x]なる判定に銘々慮る45彼女の[x]は前任者にとって青天霹靂である46彼女はかくも容姿媚態に彼を[x]する47露知らず[x]はその深淵をのぞかれるものである48渚に失せものでありて先人は艶然と[x]する49それは九死の前任者に唯一[x]させるものである50湯の花に咲くは天才どもが[x]の痕である51天才は変遷する季節と[x]模様に憂う52天才は時に蒙昧たる[x]の究明に邁進する53時に隣の[x]は青く捗捗しいものである54先人の誇りは時に[x]どもの事情とは背反する55彼らは戯れに[x]なる言の葉を披瀝する56運命は時に前任者を抗えぬ[x]へといざなう57天才の変貌は時に[x]の盲目となる の感想58荒ぶる夜 たまさかに 天才の心 [x] にあらず59時に天才は限定された[x]において奮闘する60先人の[x]は時に彼の献身となる61彼らは安くんぞ面する[x]の志をしらんやWJ話数各話タイトル


『かぐや様は告らせたい』 第97話 藤原千花は刻みたい 感想

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さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第23号』「かぐや様は告らせたい」 第97話 藤原千花は刻みたい 感想(かぐ活)です。



第97話冒頭の図


あ,はい(察し)

一コマ目を見た瞬間,笑いがこみ上げてくるというのも中々になかなかなエピソードですね。脳内で余裕の夜神月の例のシーンが再生されてしまいましたよ。駄目だ,まだ笑うな...だが...しかし...! て感じですよ。


ハーサカ(男)+藤原(ラッパー)+白銀会長(ラッパー)。


この組み合わせを見た瞬間,何が起きたか大体想像がつくというものです。前回のややこしい誤解の件。藤原書記が思いっきり空回りした感がありますね。ここまで三者の思惑がずれている出来事ってそうそう無いと思いますよ。まさにカオス。ケイオスってやつですよ。


OK。
今回の話を時系列を追って再確認してみよう。

ことの始まりは白銀会長がクラスメートにだまされて合コンに誘い出され,それを阻止せんと四宮さんの指示でハーサカが合コンに潜入。流れでハーサカが白銀会長を落としにかかるというハーサカの例のアレでした。(第83話第84話



例のアレ(第83話より)


四宮さんに近侍として,友人として愛されているにもかかわらず「人は演じないと愛してもらえない ありのままの自分が愛される事なんて絶対にない」などと寂しいことを言っていたハーサカ(スミシー・バージョン)こと早坂愛さん。

あの時どうしてあの後会長がラップを歌ってハーサカが白目をむくことになったのか,いまいちよくわかんなかったんですよね。それが今回の「これ」でようやく合点がいきました。なるほど。白銀会長はラップを歌う自分に自信が無く,それが自分の「弱さ」だと思っているから,あの後ラップを披露したんですね...。

いや,そんなん説明されなくちゃさすがにわからんて。というかよくもまあこんな長い伏線張ったものである。



しかしながら,ハーサカこと早坂さんはあまりの歌の酷さにかぐや様と共に遁走。何気にこの時,藤原書記が呼ばれていたのにあわてて遁走しているのが笑えます。これもちょっとした伏線だったのね...。



【悲報】白銀会長が自分の弱さを通じて愛の姿を示そうとする→結果w (84話より)





そして今回の話に至る。

妹の白銀圭ちゃんに殺人教唆されるに至って呼び出された藤原千花が白銀会長を特訓するといういつもの流れに至るわけです。大好評,藤原母による会長特訓シリーズですよ。しかし今回はそう単純なものじゃなくて,変化球できたところがまた笑えますね。


思いと想い


あ,はい。

日本語って面白いですね。同じ音なのに意味するところが違う。今回「ラップ」で韻の話をしているわけですけれど,物語の根幹となる会長と藤原書記の「意思不疎通」がそんな風に起きているのがすごい。芸が細かすぎます。



この最初のボタンの掛け違いを経て,藤原千花は「会長はラップを通じて愛の告白をしたいんだ」という誤解をします。会長の方はスミシー・ハーサカの悲しき愛情感に対して「そんなことは無い」と言いたいがために,自分の弱みを克服しようとしているだけなのに。


コミュニケーションギャップ



だめだ。会長が真剣であればあるほど笑いがこみ上げてくる。へっぽこラブ探偵と振った女に愛たるは何なのかを教えようとするお節介な男の対比がどうにもなりません! なんなのこの天才的喜劇は。



そんな会長の熱い思い(注:想いではない)を勝手に「想い」と感じ取って舞い上がった藤原書記が最高にお可愛いですね。なんて目をしてやがる...藤原―――!


後悔先に立たず








そしてその結果がこちらになります。


3人目(ナミさん)


なんて目をしてやがる...藤原―――!






あ,はい(3回目)
まあ知ってた。そうなることは。ハーサカ,白銀圭につづく三人目の犠牲者として藤原千花の名が墓碑に刻まれたのであった。

というわけで,いつものように特訓が始まるわけですが今回の特訓はちょっと一ひねりしてあって面白かったですね。
音楽的素養はばっちしの藤原さんもラップについてはほとんど素人。方や声だけで相手を瀕死にできる半天狗さんのような音撃使いのくせに知識だけは豊富な頭でっかちな会長。

そんなわけでラップについて知らない藤原さんに対して,白銀がラップについての知識を授け,その後に藤原書記が会長にラップの実践を教えるという...。書いているこっちもカオスなことになってくるような物語進行が行われる羽目になるわけであります。




いきなり主客逆転

はい,ここ笑うところですよー。

藤原書記に教わるはずの会長が,いきなり上になって藤原さんに知恵を授けにいくわけですけれど。どうしてそんな上からいけるんですか,会長。ここでいきなり主客逆転しているところがマジ卍です(意味不明)。



...そして会長が「おに」の鉢巻をしているところでゲラゲラ笑ってしまう。


わけがわからないよ...

なんでお前が藤原書記に教えているんだよ。どう考えてもインプットとアウトプットのバランスがおかしくなっています。会長が上達するためにまず藤原女史を上達させて,藤原母がみゆきち君を上達させる...いや相互補完な関係なんだけれど,やっぱり可笑しいわこれ。本当にありがとうございます。



その結果,藤原書記卍解。



BA・N・KA・I


素直に思いの丈を歌詞に乗せて歌う藤原書記の姿が格好いいですね。なんて声,出してやがる...藤原―――!


「へいYO!! 会長ポンコツ無能!」
「お前を埋葬 問答無YO!」
「勉強以外なんにもできない!」
「教えるこっちは難易度甚大!!」
「一体全体我慢の限界!」
「偽り散々三行半じゃん!」
「アンタのリズム トンデモWAC!」
「マンマのミルク 飲んでろF●CK!」


歌を聞くにつれどんどん凹んでいく白銀会長がとってもお可愛いです。てか藤原書記そんな風に思っていたのか。概ね会長の評価としては正しいけれど。

ラップの知識は甚大で,詰め込むことばかりが得意。でも実際にラップを上手に歌うことができない。そんな会長にこれから教えなければならない藤原さんの魂の叫び...受け止めました。お前ならやれる。やれた。やれたとは言えない。


3!FREEZE! ACt2!


まあ逃げ出したくなる気持ちは分からなくもない。音程とリズム,フュージョンするとデットロック状態になる白銀御行にラップを教えるなんてまさに苦行である。はじめてバレーボールを習ったときからまるで進歩していない...。(by安西先生)





......で,87話のこのシーンにつながるわけです。


なるへそ。今回のお話は,カラオケ後にあった「柏木渚大相談会」の日に生徒会室外で行われていたわけですね...。かぐや様の知らないところで他の女に手解きを受けていただけじゃない。他の女に手ほどきを授けた上で,手解きを受けていたという。



まさかのW手解き(第87話より)

知らない女を内側から染めて,その女からも内側から染められているという。ええい,ややこしい!状態が起きていたわけです。かぐや様にばれていたら二人はどんなふうになっていたのか,私,気になります!



そして冒頭の一コマに至る。

はい。今回の誤解,会長はハーサカに愛とは何たるやを自分の弱点を克服することで伝えようとしているだけなのに「好きな相手に告白する」という誤解に加えて,前回の誤解であるところの「白銀会長はハーサカ(男)が好きである」という誤解がミックスされた状態。



第97話冒頭の図

それが冒頭の一コマだったわけですね。
もう止めて!笑いすぎて,僕のライフはもう0よ!



また面白いのは,会長が伝えたい相手=スミシー・ハーサカであり,藤原書記の頭の中にある会長が伝えたい相手=ハーサカ(男)であり,それは同一人物(早坂愛)であるという点ですよ。これ,どうやって折り合いつけたんだろう。



藤原千花の誤解(第96話より)

現時点の状態はあくまで藤原視点なわけですよね。早坂さんはハーサカ(男)状態なんだから。つまりこの場にハーサカを呼び出したのは藤原千花ということになる。

会長が伝えたい相手はスミシー・ハーサカ(近侍)ですから,このまま会長がラップを披露する意味が白銀御行的には無いわけです。そこ,来週どうにかするのかな?



会長が「ところでハーサカ(スミシー)さんは?」とかいう当然至極の問いかけをするのか。そうなれば,ハーサカなる人物が2名いることが当然ばれるわけです。白銀会長と藤原書記に。

あるいはそんな状況を予想して,ハーサカ(スミシー)が「理由あって男装で行きます」と会長に事前に連絡しておいたのか。それならこの場は誤魔化せます。
が,会長的には男装で来る意味が分からないし,「人は演じなくても有るがままの自分を愛されることもある」ということを伝えたいわけですから,そうした演技を最後まで看過するとも思えない。


歌い終わった会長が,「いつまでそうしているんだ,ハーサカ...」と男装のハーサカの髪をといて女子であることを明らかにするのかもしれない。



そうなると面白いのは,藤原書記はハーサカ(女)=早坂さんと認識している点ですよね。そこですべての早坂愛の「嘘」がばれる展開なのかしら。スミシー・ハーサカもいない。ハーサカ(黒執事)もいない。秀知院のクラスメートとしての早坂愛がそこにある。

例え演じていたとしてもそうやって白銀会長や藤原書記と関わってきた時間に二人と向き合っていたのも「早坂愛」である。彼女の嘘がばれようとも,真正面から白銀会長と藤原書記は早坂愛を受け入れるのかもしれない。



ポンコツDJ白銀さん

次回予告,「次号,すべての出来事がグルーヴする」という言葉からは,すべてが明らかになるようでもあるし,そうではないような感もある。


そもそも早坂愛に「演じなくても人は愛される」ことを伝えるならば,白銀会長だけではなく四宮かぐやもその場にいなければおかしな気がしますし。おすし。


なんとなくこの場は四宮さんの機転で何とかするような気がしなくも無い。赤坂先生,割とネタを寝かせる方にお話を持っていく傾向がありますからね。一応両方のパターンを予想しておく。


それはさておき,そんな会長のラップを聴いて早坂愛がどんな思いを抱くのか興味津々ではある。演技ではなく本気で会長に惚れてしまったら...というのもちょっぴり波乱要素で面白いですが,さてさて。この漫画はそういう漫画じゃないからなんともいえませんが。

というところで,今回の感想はひとまずまる。


...
......


さて。さてさて。
拾いそびれた小ネタを拾っておきますか。



今回はコメディが主旋律の腹が捩れる展開だったわけですが,それにしてもこの白銀圭ちゃんの表情が凄いですね。女子の表情じゃないよ。


アシリパさぁん!?


目が完全にイっちゃっている。アシリパさん並である。いくら兄の歌声が酷いからってそこまで言いますか。しかしよく考えてみると割と白銀会長は簡単にディスられてますね...。今回の藤原書記のラップもそうだし。


で,ラップです。

なんというか,会長の薀蓄ぶりがすごいですね。好きなものに対する情熱が薀蓄にすべて振り向けられたということでしょうか。さすが詰め込みに定評のある会長である。


インテリジェンススポーツ


インテリジェンススポーツ。なるほど...これが「iの原点」か...。言っていることはメッチャそれっぽいのに,中身が伴わないところが会長である。このギャップも今回の笑いどころでしたね。なんかもう,そういうパワーワードが出てくるだけで笑ってしまう。



そんな人間失格ならぬラッパー失格な白銀会長に対する藤原書記の絶望感がパないですね。あの日々は無駄だった!! 駄目な奴は何をやっても駄目なんだ―――! とかよっぽどである。



唯我成幸さん全否定である。


まあそんなこと言いながら,最後にきちんと「できる」子に育て上げてくるあたり,藤原書記は実は凄いのかもしれない。できない奴をわかってやれる女,藤原千花はなんだかんだでいい女なのかもしれない。

ということで,再度まる。


かぐや様は告らせたい 9 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第23号「かぐや様は告らせたい」第97話,83話,84話,87話,96話 より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第98話 早坂愛は話したい 感想

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さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第24号』「かぐや様は告らせたい」 第98話 早坂愛は話したい 感想(かぐ活)です。


さて。
前回,時系列がごちゃごちゃして混乱した読者もいたようですが,そんな読者のパニックを予想してかきちんと「最近のあらすじ」(時系列順)をつけてくれる赤坂先生の配慮が暖かいのである。



あらすじ


先週のお話の感想が今週のお話の原稿に間に合うはずは無いから,完全に先読みキャッシュでこのコマを入れたということになりますね。赤坂先生マジ天才。


一応補足しておくと,こんな流れになるのかな。

・合コン回。ハーサカ「ありのままの自分が愛されることなんて絶対無い」と会長に告げる→流れで二人でカラオケへ(第83話)

・カラオケ入室直後。ハーサカが自分の正体の一部を明かす(第98話冒頭)

・自分弱みを見せるために会長,ハーサカにラップを披露(第97話中盤回想・第84話)

・その結果,ハーサカ耳の中になまこの内臓を入れられる感覚を味わう(第84話)

・会長「そんなことない」とハーサカに告げるために,藤原書記にラップの練習について相談・特訓の流れ(第97話)

・柏木渚が生徒会室で恋愛相談しているその外で,藤原・会長が特訓(第87話)

・お泊まり会。藤原,会長がハーサカ(男)を好きと誤認(第96話)

・特訓終了,ハーサカを誘う。藤原会長は本当にハーサカ(男)が好きと誤認(第98話)

・ハーサカ,会長と藤原に呼び出される(第97話冒頭・第98話中盤)


とまあ,時系列を整理しておいたところで今回の感想です。



藤原母による再教育により,ラップの技術を一定レベルに到達させた白銀御行会長。となれば思いを伝えるタイミング即断即決。早速,ハーサカ(女)にアポイントメントを取ることになったわけですが...。



グルーヴ


あ,はい。


いろいろと各人の持つ情報とその思惑とがグルーヴしておられる。

白銀:ハーサカ(女)さんに「演じなければ愛されないなんてことはない」という「思い」を伝えたい。
藤原:会長はハーサカ(男)に恋する「想い」をラップで伝えたい。
早坂:よく分からないけれど会長にデート?に誘われたけれども,藤原がいるようなのでハーサカ(男)モードで行こう。
かぐや:ハーサカに大事な話って何? 浮気ですか?(注:会長がハーサカと会おうと浮気ではない)


完全にこんがらがっておられる。

面白いのは,藤原書記とかぐや様だけが「色恋沙汰(?)」というニュアンスで捉えたところですね。早坂さんの七変化のせいで「ハーサカ=男」と認識している藤原書記はホ○(コンプラ)的な意味で捉え,かぐや様は会長は自分が好きなはずと信じているくせに「ハーサカ=女」を誘ったことにピキっときている。

まったく別の視点なのに会長の「思い」を「想い」的に捉えたところが笑えます。



意地悪

そんな早坂がどんな認識で会長に誘われたと思っているかはわかりませんが,色恋沙汰とは思っていないでしょう。会長がかぐや様一筋であることは承知していますからね。その上で「会長とデート」と言っているのは,いつも無理難題を投げかけてくる主に対する「意地悪」なんでしょうが。



次。ハーサカ男女兼任問題。

前回感想でも指摘していたんですが,これどーすんのかなと思ったらなかなか上手い処理をしたもんだなと正直感心することしきりである。



本当の自分...の一部

なるへそ...。
事前に白銀会長には「本当の自分」として,四宮家から与えられた職務をばらしていたのね。なので「何でそんな格好」という当然至極の疑問を「藤原さんの前では男装でなければならない」という真実をもって処理するという算段。こういうの,本当に上手いですね,赤坂先生。

結果,会長はハーサカ=女,藤原書記はハーサカ=男(かつ,会長はハーサカ(男)が好きと誤認したまま)でお話を進めることができたという。なるほどねえ。


...とはいえ,いくつか気になることはある。

会長認識では「ハーサカが本当の自分をさらけ出したから,自分も弱みを含めた本当の自分をさらけ出す」という流れで例のカラオケルームにおけるナマコの内臓ラップを演じることになったわけですけれど。

ハーサカは本当の意味で全てを語っていないですよね? いろんな意味で。
本当に「本当の自分」をさらけ出しているのであれば,ハーサカは職務について語るだけではなく,自分の本当の名前と所属...秀知院学園の同級生である早坂愛であることを会長に告げなければ「すべてをさらけ出した」とはいえないんじゃないかしら。

まあそのあたりのことは会長もおぼろげながらなのか,たまたまなのかわかりませんが,「ハーサカが本当の自分をさらけ出しきっていない」という感覚を抱いていたんじゃないかなと今回の会長ラップ(リズムと音程が合っているバージョン)から僕は感じ取りましたけれど。



仲良くなりたい

一方で,「普通に仲良くなれませんか?」という台詞からは本当の早坂愛の気持ちに通じるものも感じなくも無い。無いんだけれども,カラオケルームにおける発言においては「この仕事を上手くやり遂げるための演技」が入っていたように思います。

今回の結末を鑑みればあながち「本音」も含まれていたのかな,とか思わなくもないですけれど,台詞は演技・内容は無意識に本音が出た的なニュアンスですかね。そんな風に感じたり。




というわけで,前回冒頭のシーンに至る。
怯えるハーサカはいたし方が無いとして,藤原書記と四宮さんの反応が面白いですね。



かぐや様はお可愛い

前回予想したとおり,本当の自分をさらけ出すならば相手は会長だけではなく「四宮かぐや」に対してもだろうと思っていたので,四宮さんがついてくるのは予想通り。

そして案の定の嫉妬がお可愛いのである。今回はハーサカ(早坂愛)回だったわけですが,何気に四宮さんがとてもお可愛い回でもあった。歌=和歌を送って恋心を伝えるとか,平安時代の恋愛事情なんかを引いてきて,元ネタとなった竹取物語を想起させるとかなかなかに上手い構成。


......そして気になったのは藤原書記の反応である。ハーサカ=男と誤認したまま話が進むのは当然なのですが,ここで漢字が「思い」になっているんだよなあ...。



ハーサカ君への「思い」

もし恋愛的な意味で捉えているならばこれまでの書き分けから当然この台詞では「想い」になるはずなんだけれど。ただ実際に会長がハーサカに伝えたいのは「思い」なんで合っているといえばあっているのですが。単行本で修正が入るのか,気になります。



...
......



そんな背景知識をもって披露されるMC御行のラップシーンを眺めると,なかなかに奥深いね。

正直なところラップはトンとわかりません。わかりませんが,歌にのせている気持ちは読み取れます。

「演じなければ愛されない」というハーサカの言葉に対して本当にそうなのか?という白銀御行の問いかけ。なまじ演じてばかりいる白銀会長だからこそ含蓄深いじゃないですか。重みがあるじゃないですか。



自分を知る男・白銀御行


最初に自分で言っているように,白銀御行は「ポンコツオンチの修理品」レベルの歌い手である。そんなことは当の本人がきちんと認識している。ソーラン節もそうですし,校歌もバレーボールもそうでしたけれど,基本的に白銀会長は「できないことだらけ」である。努力しなければ出来ないことを本人が百も承知している。

日頃の精一杯の虚勢は「そうでありたい」という当の本人の願いである。理想である。そのためには何事にも代えて努力して「なりたかった自分」になってみせる。そんな努力と根性の人なのである。


どうしてそうまでして「上」を目指すのか。
それは自分のそうありたいという姿,四宮かぐやに釣り合うような男になりたい,ありつづけたいという気持ちから生じているのである。その気持ちは「本気」である。




本気と書いて"マジ"なやつ


本気だからこそ,ファッションじゃない。遊びや見せかけの演技(着替え)で済ますことができない。演じる必要なんかない。あるがままの自分,地を這い泥を啜ってでも成し遂げてやろうというその気持ちは本物である。作り物ではない,本物(ノンフィクション)である。

できない自分をハーサカの前で晒し,できるようになりたいと努力してできるようになった姿をハーサカに晒す。どちらも演じていない,本物の白銀御行である。会長はそんな姿を通じてハーサカに「演じていなければ人は愛されない」などということを否定したかったのである。


日頃演じている優秀で天才な自分の姿は演技じゃない。できないならできるようになればいい。できるようになったら,それは本物の自分の姿となる。

白銀御行は天才ではなく,天才肌の努力人である。そんな本気を通じてそうありたい「天才」の自分に近づくのは,ほかならぬ孤高の天才であり比類無き佳人である四宮かぐやと対等につきあえる男となるためである。こんなに説得力のある姿はないじゃないですか。そんな白銀御行を四宮かぐやは愛しているんだから。



届け,御行の思い




そんな会長のラップに乗せられた言葉の意味をハーサカが受け止められたのかどうかは...実はあいまいだったように思うのですけれど,そんな会長の出来なかったラップができるようになった姿を通じて「それがどれほど凄いことか」理解したのは間違いありません。藤原母とともに感動しているシーンが涙を誘います。


そのレベルに達すること自体が信じられないほど,ポンコツラッパーだった会長が成し遂げた奇跡。そんな本物の所業をみたからこそ,単なるうわべだけの演技ではない,本当の姿の重みが伝わったでしょうし,そこまでやる理由が四宮かぐやと釣り合う自分になるためという背景があることは,聡い早坂愛には分かったかもしれませんね。


しかしまあ,ここで重要なのは早坂愛にとって「演じないでも愛されたい相手は誰なのか」ということですよ。

今回のシャウト的には,日ごろ仕事として演じ続けている自分に嫌気がさしていること,本当は自分も甘酸っぱい青春を堪能したいということが彼女のストレスというか,気持ちの整理がつかなかった部分だったわけですけれど。それは誰にわかってもらいたかったのかな?

男友達としての白銀御行とのつながりももちろん彼女の欲求を満たす一つの要素にはなるでしょうけれど,それは「演じないことで愛されたい相手」ではないですよね。

...と考えると,やはりそれは主である「四宮かぐや」の方がより近いんだろうなあ,と思わなくもないのですが...。



天才=四宮かぐや

訳もわからないまま嫉妬に駆られてこの場に現れた四宮かぐや。そんな彼女がやはり「天才」であるということは,ちょっと聞きかじっただけのラップをあっというまにマスターしているあたり分かりますね。


藤原母が白銀会長からラップの理論を学び,白銀会長が藤原母からラップの実践を学ぶ。それを達成するには「リズム」と「音程」という二大魔王を倒さなければならなかったわけですし,それこそ藤原書記は卒倒しそうなレベルの教授を行ったのでしょう。

努力すればいつかはマスターできる「天才肌」の会長が,そうした血の汗流し血の涙を流しながら努力して到達した境地に一瞬で追いつく。白銀会長が何かの強迫観念に取りつかれたように努力を続けるのは,そうしなければ四宮かぐやという本物の天才に敵わないからなわけです。

そう考えてみると,二人の恋の決着はやはり最後は白銀御行から四宮かぐやに首を垂れる形になるしかないような気がしますけれど。逆に,そうした圧倒的な力関係の差があるからこそ,かぐや様から告白させたい気もしなくもないですが。



話がそれました。
そんなかぐや様がラップのやり取りを通じて,あっさり早坂愛の問題の所在を指摘するところもまた「天才の所業」なのかなと思ったり。実に鮮やかに早坂愛の本質をラップにしておられる。



言いたい放題


「無理無理♪
人にはある向き不向き♪

この子はいつだって心に予防線♪
自分の本音表に出さない篭城戦♪

キャラ作り演じる彼女の処世術♪
ニセの自分をスケープゴートだもの安全圏♪

傷つきたくないただの臆病者!
駄々こね続ける少女のYO!

泣き虫!足踏み!それがやり口!」


なんのかんので四宮かぐやは彼女の本質をきちんととらえている。処世術のためにキャラを演じ,傷つかないために本当の自分を出さない。どんなに大人ぶっても,どんなに優秀な使用人を演じても,底にあるものは傷つきやすい臆病な女の子である。

そんなことをしっかりと見抜いて理解してるわけです。


それは四宮かぐやが彼女の仮面を見抜くのは容易いというレベルの天才だからかもしれないし,単純に日頃本音を垣間見せるような距離で早坂愛と過ごしているからということもあるのかもしれない。ここ微妙なんだよなあ。



演じて隠していた部分と言えるのか


割と本音を見せ合っているような二人に見えるだけに,案外早坂愛はかぐや様の前では「演じている部分が少ない」と思うんだよね。であれば,やはり早坂愛が愛されたい相手ってのは別にいるんだろうし,そのことを四宮かぐやが認識していると考えたほうが良いのかもしれないなあ。

もちろん,今回早坂がシャウトしたように,本当になりたい自分というのは本音の本音でしょうし,そうしたことが実現できるように主の四宮さんと友達になりたかった白銀会長につげたという側面はその通りなんでしょうけれど。

ただまあ,それを演じていなければ四宮さんに使用人として友人として愛してもらえないという風にとらえてはいないようにここまで感じるので,やはりその台詞の部分については別の誰かについて述べているのでしょうな。多分に「お母さん」だと思いますが。


そういう意味では本音の自分,なりたい自分を四宮さんに言い返せた今回の所業は,来る本丸であろう「母親」に対する練習課題的な意味があったのかな,と思ったり。




本当の自分をさらけ出す

「かぐや様がうらやましい」
「私もしたい青春っぽいこと!」
「私もほしい!男友達!」


かつて従業員用の風呂場で漏らした本音が主の前でついに炸裂する。


本音(第54話より)



演じることなく,本当になりたい自分をさらけ出したこと。そんな「本当の早坂愛」を引き出したのは,白銀御行と四宮かぐやの共同作業ということになりましょうか。

そんな「天才たち」の姿がまぶしかった,『かぐや様は告らせたい』第98話でした。まる。



...
......


さて。
以下,拾いきれなかった小ネタになります。


まずはMC御行のラップに対するこの反応。



藤原の思い,早坂の思い


ナマコの内臓を耳に入れられたような感覚を味わったハーサカこと早坂愛さんが涙流して感動するのは当然として,この藤原書記の反応である。

コンプラで吹く。〇モや商業誌ではダメなんだろうなあ...LGBTをはじめ多様性が認知される世界ですし。それに対する四宮さんの当然の突っ込み(ハーサカ=女なので,文脈的に意味不明)なのも構図的に面白いです。


次。
四宮さんにかまわずハーサカへの「思い」を告げようとする会長に対してこの四宮さんの乱入が笑えます。



ほぼ言いがかり

「不埒なだまし」「稲妻の天罰」......いや,別に白銀会長は何もだましていないし,かぐや様に天罰を食らうようなことは何もしていない。会長が女友達と会おうとラップで思いを伝えようと,それは何の問題もないのである。浮気でも何でもないんですが,当然のように責める四宮さんがお可愛い。

二人の間でお互いが好きあっていることは暗黙の了解ですし,得てして女性はこんな反応を取りがちなものではありますけれど。付き合ったら付き合ったで四宮さんの言動に振り回されそうな白銀会長の未来が気になります。


あ,ついでに言えばこのシーンでハーサカのことを「早坂」って思いっきり呼んでしまっていますけれど,これは会長と藤原書記にはきちんと伝わったのかな?

次段で取り上げた内容を鑑みれば,藤原さんには伝わっていないですね。一方で会長には伝わった可能性がちょっとある。あるがままの自分をさらけ出さなければ,本当の男友達にはならないような気もしますし。このあたりの答え合わせも気になります。




さらに次。
四宮さんの乱入と本質を突いた物言いにブチ切れて,思わず本当の自分の気持ちをシャウトした早坂さんと会長のこのシーンである。




友情...なんだけれど。


ハーサカの友人であることを当然のように受け入れている白銀御行とそれに感動するハーサカこと早坂愛。そんな姿をみて「男の友情」と述べる藤原千花がすごいのかポンコツなのかよくわからない。何とも言えない笑いがこみ上げてきます。

ハーサカのことはあくまで「男」として認識しているんだけれど,二人の間にあるのは恋じゃなくて「友情」なんだということは理解したってことですよね。うーん,まあ,きちんと会長の気持ちは伝わった...ということでいいのかな?

それだけみゆきち君が凄かったということなんでありましょう。




というわけで,気になる最後1ページである。


Here comes new challenger!?

学年が上がるころにはサポート役がもう一人増えるとな...?
女子ですよね。これは女子ですよね。当然,高校女子ですよね。これはこれ,波乱要素として気になります。あるいは,分家筋の四条家より,いよいよ四条帝が来るということかもしれませんけれど。個人的にはサポート役は女子がいいですけれどね(フンスフンス)。






からかい上手の早坂さん

というわけで,最後の「からかい上手の早坂さん」がお可愛かったのでした。再度まる。



かぐや様は告らせたい 9 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第24号「かぐや様は告らせたい」第98話 ,第54話より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第99話 四条眞妃は頼りたい 感想

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さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第25号』「かぐや様は告らせたい」 第99話 四条眞妃は頼りたい 感想(かぐ活)です。


稀代の名作となれるのではないかと巷で評判の新感覚ラブコメ「かぐや様は告らせたい」もついに99話までやってまいりました。九十九(つくも)です。白寿です(違)。おめでとうございます。



祝・100-1回

つまり次回はいよいよ100回目ということで,なんとYJ連載100回記念特設サイトが開設されるとか。5/25(金)AM10時オープン。これはもしかして何かクルー!の予兆なんでしょうか。期待が高まります。


...
......


さて,そんな記念すべき99回目のかぐや様は告らせたいは,みんな大好き四条眞妃さん再登場であります。四条さんといえば「残念な四宮さん」「氷の解けた四宮さん」ともいうべき存在。彼女の魅力は何なのか。一言で言えば,「負け犬」であるという点に尽きます。



四条眞妃は時代の敗北者じゃけぇ...


そう,四条さんはとっても「残念な娘」なのである。


かつてヤマカムさんにおいて筒井先生は残念な子を描くのが上手いと評されていましたけれど,いやいや,赤坂先生もポンコツ娘を描くのはなかなかにどうしてよ。偏差値77の秀才どもがこれでもかというくらいに残念な天才であることを描いてきたわけですが,こと四条さんはそれがとても際立ちます。

国の心臓とも言われた四宮家...の血筋を引くものでありながら,「負け犬」。こんなおいしい立場があるでしょうか。いやない(反語)



限りなく四宮かぐやに近しい血筋であり,面影があり,可愛らしさがある。にもかかわらず,四宮かぐやが体験したことが無い「敗北の味」を知る女。それが四条眞妃さんです。


限りなく高慢かと思いきや,ぽっきり折れやすい。意地をはるかと思えば張り切れず,素直な心情を吐露したりする。涙は流せ枯れるまで...といわんばかりに感情をむき出しにすることもできる。そんなしぐさのすべてがお可愛いのです。



お可愛いこと


いわば四宮かぐやが敗北した世界のシミュレーションというべき四条眞妃さんですが,ぶっちゃけた話かぐや様以上にお可愛いところがある。それはきっと,負けを認めているからこそ至れる境地なんだろうねえ。負け犬だからこそ,素直になれる。敗北者だから強くなれる。素直な女の子はお可愛い。ズバリそういう構図なわけですよ。





それはこの石上の四条さんに対する距離感からもわかりますよね。


この距離感である

こんなふざけた態度,四宮さんにとるのは距離感が近づいた今であっても中々難しい。彼女の琴線に触れるようなことであれば,「讎」とか言われるのが関の山だというのに,容赦なく突っ込みますからね。実に生き生きと。

まさに四宮バリアが解けた感のあるこの距離感こそが,彼女の可愛らしさの源泉なのでしょう。


...
......


とまあ,そんなわけで今回は久々登場の四条眞妃さんの大相談会その2ということになります。

流れ的にはいつものように柏木神とその彼氏の間で葛藤する四条さんの悩み相談,というわけですがポイントが3つありますね。振り返ってみましょう。



『1.ボランティア部における女たちの暗闘』

まあ,今回の相談のそもそものきっかけは,他ならぬ柏木夫婦が運営する「ボランティア部」の部員不足に起因する人材募集に応じてあげたからであります。



根は悪くない「可愛い子」


出来上がったカップル,それも神っているカップル。しかも相手の男は自分がずっと恋焦がれている人。そんな状況にもかかわらず,敢えて応えてあげるところに四条眞妃さんの「人の良さ」が見え隠れします。うむ,そういうとこだぞ,お前が残念なところは。




人はなぜわざわざ傷つきに行くのか

あ,はい。
まあこうなる。当然のことながら,二人がイチャイチャするところを陰ながら見せつけられるという展開に相成るわけです。畜生。人はどうして傷つくと分かっていてわざわざ傷つきに行くのか。それが「恋」というものなのか。難しいところですね。


まあ相談を受けている石上と白銀会長からすれば「わざわざ傷つきに行かなくっても...」という気持ちもあろう。しかしそうと分かっても相談に乗ってあげるのは,二人の人としての優しさか。否,石上会計は人の恋の不幸にワキワキして。白銀会長は仄かに過ぎる自責の念に駆られて。


そう,そうなのである。
考えてみればこの二人が「ボランティア部」をすることになったのも白銀会長の助言がきっかけだし,そもそも何故そんな助言をしたかといえば,お付き合いし始めてすぐ別れようとした柏木渚に二人が仲良くなるキッカケづくりをしてあげるつもりだったからであった。

つまり四条さんから見てみれば,なにもかも「白銀御行会長のせい」なのである。知らぬは本人ばかりというところがシュールですね。まさに秀知院のバルカンの火薬庫。いつかこれが爆発するのかと思うと,おらワクワクしてきたぞ!



で。
もう一つ気になるのは,他ならぬ柏木さんの行動ですね。

ボランティア部の部員が足らないからというのはまあ本当のことなんでしょうが,それにしてもピンポイントで四条さんを誘うのかいな。なるほど,幼等部からのお友達とならば当然それはアリ寄りのありなんでしょうが,しかし以前浮気を疑った相手である。ちょっとはてな?が頭に過ぎる。


こうしてみると,柏木渚の「思惑」というのも気になります。本当に邪気の無いことだったのかなと。日頃物腰も柔らかい常識人にみえる柏木さんですけれど,あれで恋が絡むと病んでますからね! まあ女はみんなあんなものかもしれませんが。



柏木渚の思惑

となると,やはり四条さんが推測したように「イチャイチャを見せ付けるため」という背景がある可能性は否定しきれない。一方で仮にも幼等部からの親友にそこまでやるかという気もしなくもない。うーむ,このあたりどうなんですかね。


それでですね。このようにかぐや様がいないところでお話が進む時というのは裏で別の進行があるケースが「かぐや様は告らせたい」では多いんですよねえ。前回の柏木渚の相談のときにも裏進行で会長は藤原母にラップを教えっこしていましたし。

そんなことを鑑みると,もしかしてこの進行の裏では柏木さんが四条さんの件についてかぐや様に相談しているとかいう可能性はあるんじゃないかなと思ったり。さすれば今回の策の際どさもわからなくもないかなと。なんというか発想が「敵を狩る」スタンスというか。この思想,四宮流に通じるものを感じなくもない。

もっとも「えげつない人たち」に含まれる柏木さんですから,ご自身の発想で四条さんを牽制しようと考えたのかもしれませんけれどね。その真相は今後の展開を注視したいと思ったり。



『2.柏木さんの彼氏』

さて四条さんと柏木さんの想い人である「柏木さんの彼氏」なんですが。誰もが思いつつも誰も突っ込まなかった案件に鋭く切り込んでいく石上会計がカッケーですね。さすが言葉のナイフ使いのことだけはある。


Youはなんであの人を好きに?


だってねぇ。
登場時にはいかにも「モブ」みたいな体裁で現れたしなあ...。これといった特徴も無いうだつの上がらない優男...という印象しか読者にも無かっただけに,現在の「振り切った柏木さんの彼氏」なんて予想しようもないのである。なんで?どうして?ってなもんですよ。

そんな不調法者に対する四宮家の血筋を引く者であらせられる四条眞妃さんに言わせると,あれで「包容力がある」「心が安らぐ」「あったかい人」ということになるそうです。ふうむ...まあ確かに柏木さんに対する態度を見る限り優しそうではあるけれど。

まあ蓼食う虫も好き好きといいますからね(辛辣)

好きになっちまったら,もうどうしようもねぇんだ...てなもんですよ。はい。昔誰かががそう言ってました。



そして今回明らかになる,衝撃の事実がこちらになります。



キャプテン翼

柏木さんの彼氏の名前は「翼」。


てっきり彼の名前は「柏木さんの彼氏」という名前なんじゃ...という思いを読者どころか登場人物までが抱き始めたところでのまさかの情報開陳です。

ふうむ。姓はまだ非公開ですが,とりあえず「柏木さんの彼氏」などという記号じゃなくて,「翼」という名前を持つアイデンティティを有する人物なんだということが証明されましたね(UMAかよ)。


その姓ですけれど,情報が小出しで敢えて出てこないというのはなんか裏がありそうではある。翼くんはボールは友達な人ではなくて,どこぞの大病院の跡取り息子というのが既知情報であります。そしてこれまで登場した病院関係者といえば,ズバリこの人ですよね。



名医・田沼正造(第69話より)

世界名医十選に選ばれし神の手を持つ名医・田沼正造その人です。

以前コメントでもそうではないかという指摘があったような気がしますが,ここで姓が隠されたことでもしかしたら本当に「田沼」かも知れない可能性が出てきた気がします。そうでなかったら姓も明らかにしても良さそうですし(今回のシーンにおける文脈的には「名前呼び」は理解できますが)。

こちらも今後の展開を見守りたいと思います。




『3.似たもの同士』

さて,今回は四条眞妃さんが石上と会長に相談するという体を取ったわけですが,その実こいつら実に似た者同士だったりする。かぐや様を含めてだけれど。

四条眞妃さんが「時代の敗北者」となってしまったのは他でもない。告白すべき時に告白しなかったからです。いや,まあ多分告白するつもりはあったのでしょう。

瀬踏みのつもりで盟友・柏木渚に彼女の存在を探らせたら,まさか相手が勘違いして柏木神に告白して勢いで応諾してしまう...そこに天才ならぬ天才肌の白銀御行が絡んでいたという普通ならありえないような状況がそこに存在してしまったから...。だからこそ「タイミングの悲劇」が際立つわけです。



わかる

さっさと告白すればよかった。でもできない。

断られたらどうしよう。彼女(彼氏)がいたらどうしよう。そんな思いが先に立てば,自分が動くのではなく相手に動いて欲しいなどという小賢しい「逃げ」に行きたくなるのも当然至極であります。

確かに断られるのは怖い。僕にもそういう時代があった。その昔,職場の新人研修でめっちゃ仲良くなった女の子がいて,これは絶対イケると思ったら文字数(聞きたくありません,そんな話!)


話がそれました。
しかしそんな四条さんと白銀会長,石上,かぐや様との違いはまだあります。君たちはまだ負け確じゃない!ということです。



妄想


もしも自分が然るべきタイミングで然るべき告白をしなかったなら。もしも自分よりも先に他の誰かが告白してしまったなら。実際問題として「ありえない妄想」だとしても,自分以外の誰かが想い人に告白し,相手がそれを受け入れてしまう可能性は確かに存在する!


それに対する明快な答えははっきり出ているんです。嫌というほど分かりきっているんです。



ここ,なんかガルマ=ザビ(もしくはカミーユ=ビダン)な石上

石上にせよ,会長にせよ特大のブーメランが頭に突き刺さっているわけですが,真実は一つ。好きになったら速攻で告白すべきなんですよ。そうじゃないと5歳の時から相思相愛の想い人を横から掻っ攫われるような悲劇が起きてしまうんです!

そんな分かりきったことを理解した上で速攻で告白できないのは,拒絶されるのが怖いからでさる。告白し,断られることで「もう二度と成就しない自分の恋」と向き合うことができないからである。その心理たるやよく分かります。


よく分かりますが,「その壁」を乗り越えた者のみがたどり着ける真の境地。「恋人同士になれる」という"中間地点"にたどり着く事ができるわけです。いうならばハンター試験で言うところの表の試験に過ぎないんですよ,「告白」って。



ただそれだけの話

四宮さんと白銀会長は両片思い状態でありますし,傍から見ればそれは「両想い」にしか見えない状態です。ほんの少しの勇気があれば,ほんの少しプライドをかなぐり捨てさえすれば,そこには恋の中間駅がまっている。そこから先の長い長い「恋」(裏ハンター試験)における息継ぎをすることができる。

既に決着してしまった恋をじりじりとこねくり回しているだけの四条さんとは違い,二人には「その先」の可能性すらある。まだだ,まだボールは生きている!(キャプ翼)ってやつですよ。





...そして,失敗を恐れて告白できなかったらどうなるのかという「先例」は目の前の四条眞妃さんが体現している。そのことも四条さんも認識していて,石上や会長にそうならないように助言している。



ともだち

なんやかんやで今回「友達」になった3人ですが,こうしてみるとなかなか良いトリオになりそうですね。かつて失敗してしまった先行者が,これから未来がある二人に助言をする。相談をしにきていたのに,結果として彼らに助言をしている容易なっている構図が面白いです。


そして,もうひとつ,四条眞妃VS四宮かぐやという構図も面白いですね。

言うまでもなく,四宮さんは白銀会長を憎からず想っていますし,石上会計にしても彼の成長を促したり,恋愛を見守ったりと一種の「姉」的なポジションでいるわけですが。

そんな関係性の中に,四条さんが「友達」という距離感で入り込んでくるとなかなかに波乱要素ではある。四宮さん的には四条さんも「女」です。四宮家の分家筋とはいえそれなりの格と才能,要望を兼ね備えた「天才」の一人なわけですから,気にならないわけないですよね。言うならば,かぐや様が勝手に一人相撲を取りに行ってしまうかもしれない予感がある。



かぐやは勝手に99ダメージをうけた!!

加えて,石上に対するサポート役としても「姉争い」をしそうな雰囲気がなくもない。特段石上のことなんて虫けらぐらいにしか扱っていなかった四宮さんですけれど,気がつけば変わり始めた自分の世界にいる仲間の一人となっています。そんな人間関係に踏み込まれたら,思いもよらず(姉としての)対抗意識を持つのは想像に難くない。


ましてや四宮家は「人を見たら従わせろ」な家系ですからね。勝負とならば四条さんはかぐや様の敵ではないでしょうが,そもそも四条さんに争うつもりがないからね。ここ,ポイントですよ。

ハーサカの一件の傷が癒えないところあれですが,勝手に空回りして,勝手にお可愛い姿を露呈する四宮さんの姿が今から目に浮かびます。そんな小咄がやがてはいることも期待したいところです。まる。


...
......

さて。さてさて。

四宮さんは四条さんから見て「再従祖伯叔母」だそうですが,そんな遠い遠い縁石関係にも関わらず,二人はとっても似ているところがあります。そこがまた会長の心をくすぐるのかもしれませんが。


セッ...!!(下・第61話より)

そんな二人がよく似ていた今日のシーン。
初体験=キスの誤解もそうですけれど,やはりセッ...についても同程度の知識と羞恥心らしい。実に似通っておられる。

以前も予想しましたが,このまま生徒会室に入り浸るようになって最終的に生徒会に入る日が来るのかどうか。あるいはヤマカムさんのところで議論されていたように,竹取物語に由来のある人物が生徒会に入るのか。そんなところも気になります。

というわけで,再度まる。



...
......


【おまけ】天才たちの恋愛心理戦:鉄血の四条眞妃




*次回の放送は午後5時から放送します(嘘)。



眞妃 :「ああ。
(そうだ。私たちが今まで積み上げてきたもんは全部無駄じゃなかった。これからも私たちが告白を止まらないかぎり恋は続く)」








会長 :「ぐわっ!」
石上 :「先輩?何やってんだよ?四条先輩!」







眞妃 :「ぐっ!うおぉ~~!」
柏木神:「チュッ!チュッ!」
眞妃 :「はぁはぁはぁ...。なんだよ、結構辛いじゃねぇか。ふっ...。」




(BGM : フリージア♪)







石上 :「し...四条先輩...。あっ...あぁ...。」
眞妃 :「なんて声出してやがる...石上。」

石上 :「だって...だって...。」
眞妃 :「私は四宮家の血を引きし者...四条眞妃よ。こんくれぇなんてこたぁないわ。」

石上 :「そんな...。」
眞妃 :「恋を守るのは私の仕事よ。」








石上 :「でも!」

眞妃 :「いいから行くよ。好きな人が待ってんだ。それに...。」
(渚、やっと分かったんだ。私たちにはたどりつく場所なんていらねぇ。ただ進み続けるだけでいい。告白を止めないかぎり、恋は続く)




(回想)

(柏木神:「告白したら許さない。」)
(眞妃 :「ああ分かってる。」)









眞妃 :「私は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり,その先に私はいるぞ!












だからよ...,(告白を)止まるんじゃねぇぞ...。

(「天才たちの恋愛心理戦:鉄血の四条眞妃」48話 終)

かぐや様は告らせたい 9 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第25号「かぐや様は告らせたい」第99話 ,第61話,第69話より引用しました。

『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』 第五章 煉獄編 感想

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さてと。それでは『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』 第五章 煉獄編 の 感想 です。


普段『現実逃避』をごらんの皆さんはこの映画を多分見ていないでしょうし,今ごらんいただいている方の大半は一見さんだと思います。

なので普段は書かないのですがお断りしておくと,『現実逃避』では基本的に感想の対象を鑑賞・読了されていることを前提に感想を書きます。したがいまして,当然のことながら作品の内容について言及があります。未視聴の方はそのつもりでお読みになるか,作品をご覧になってからお読みになることをお勧めします。

なお1時間ぐらいでささっと書いた非常に荒い妄想ですので,細かいツッコミはほどほどにご容赦ください。

(以降,念のため少し空白をあけます)




















さてと。それでは感想です。


第五章 煉獄編

これまで2202の感想を書こうかなと思ったことはあるのですが,ここまで見送ってきました。なんとなく感想を書くタイミングを逸したということと,僕ぐらいの緩い感想者が書く内容はファンの皆さんなら普通に考えるでしょうから。

しかしまあ,今回は少し作品の根幹となるようなお話であったと思うので,ちょっと感想を書いておこうかなと思ったり。



ご存知のとおり,2202は元題材となる作品として「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」と「宇宙戦艦ヤマト2」という存在があり,それを再解釈・再構成した物語となっています。前作の2199もまた,もともと存在する作品をベースに再解釈・再構成をして今風にアレンジしたものであります。


このあたり賛同・異論さまざまなご意見あろうかと思いますが,いわゆる「旧作」とよばれるオリジナルコンテンツをベースにアレンジされてきたというのは間違いないと思います。「旧作」は当時熱狂的なファンが存在したように,多くの人に受け入れられ愛された作品ではありますが,当時のアニメにありがちな「普通に考えると?なツッコミ所」も多々あったとは思います。

2199においてはそうしたツッコミ所をそれなりに「理屈づけて」再構成し,物語として一つの文脈を整えた...という点において成功した作品ではないかと思っています。すなわち,「宇宙戦艦ヤマト」の面白かった要素はそれなりに活かし,設定の荒いところ,矛盾しているところに理屈づけてそれなりの整合性を持たせる。よくできた物語の再解釈・再構成だったと思っています。



そして2202においても,物語の要素をある程度再解釈し,一つのテーマを与えて再構成するという手法がとられていたと思います。旧作で「?」と思われていた部分にそれなりに理屈をつけてなんとかしようとした手法も残っていると思います。

たとえばガミラス大戦後わずか数年でどうやって軍事力を回復したのか。なぜ突然ガトランティスに地球が狙われたのか。なぜデスラーは「ああ」だったのか。国が滅んだわけでもない元総統デスラーは何故ヤマトと戦うことになるのか。ある程度の「整合性」をつけようとする意思は感じます。



とはいえ今のところ物語は旧作からはかなり逸脱している印象があります。少なくとも2199を観ていた時にはあったワクワク感があまりないことも要因にあるのでしょう。宇宙戦艦ヤマトは,その是非はともかく星間戦争ものとしてのある種の戦略・戦術を楽しむ側面があると思いますが,そういった部分はかなりつぎはぎ感があって爽快感・ワクワク感に欠ける側面があります。



第5章で言えば,地球連邦艦隊が白色彗星を迎え撃つ土星沖会戦がひとつの見所だったと思います。旧作においてもあそこはかなりファンを熱くさせた場面だったのではないかと思います。

当時,白色彗星帝国のガス体を何とか吹き飛ばしたはいいものの,その後なすすべも無く都市帝国に壊滅させられたシーンを覚えているファンからすれば,「なんで効きもしない主砲をバリアに打ちっぱなしだったのかな」とか,「あそこで波動砲を撃っていれば...」みたいな思いはあったでしょう。

それがそうならなかったのは,多分に本作が「宇宙戦艦ヤマト」の物語であり,「最後はヤマトクルーが何とかする」という展開にしなければならないという製作側の「想い(都合?)」があったでしょう。




「あの時」無かった第2撃

第5章においてはそれなりの展開を波動砲艦隊に役割として与えようとした意思は見られたと思います。だだまあ,それが逆に波動砲大バーゲンセールみたいな「単純な戦闘」となり,2199の冥王星戦やバラン戦で見られたような「ワクワク感」に欠ける戦闘になってしまったのは皮肉だと思いますが。




しかしそうした「バトルもの」として見た時の2202の戦闘シーンがいまひとつに感じるのは,多分にこの物語は「戦争」で解決するものではないという思いが製作者側にあるからのように感じます。だからこそ戦闘シーンはあまり脚本に力が入っていない。そんな風に感じます。

それはきっと,製作者が本作のテーマとして「愛」を据え,『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』という作品を通じて描こうとしているからそう感じるのでしょう。


たとえば,第5章の最後のシーンである加藤の行動(修正しました)にそれが現れていると思います。

地球を守るべき波動砲艦隊が彗星帝国に破れ,現状として彼らと対抗しうるのは「トランジット波動砲」なる通常の波動砲の乗数倍の威力を持つ波動砲に賭けるしかない状況に陥ります。

その時,加藤は桂木透子(=サーベラーのコピーの一人)に自分の家族を救うチャンスを与えられます。ヤマトの波動エンジンを停止させる見返りに遊星爆弾症候群の特効薬の製造法を教えることを約束される。それがあれば遊星爆弾症候群に苦しむ彼の息子・翼や同じ病の病人を救うことができるわけです。



映画を見終わったとき,加藤がその誘惑を受け入れたことに皆さんはどう感じたでしょうか。僕は最初非常に「ぽかーん」とした気分になりました。

加藤は軍人です。それも一兵卒ではなく,航空隊隊長という士官側の人間です。それが自分の家族の命と地球の存亡をかけた状況下において,「家族愛」を選択するということがあるのだろうかと。普通に考えて,それは「無い」わけです。



加藤の乱

仮に約束が守られても,彗星帝国の本体に飲み込まれたヤマトからどうやって特効薬の製造法を地球に伝えるのか。地球がガトランティスに蹂躙され,滅ぼされた後に,翼や真がどんなきもちで生き延びるのか。そういう「細かいこと」を考えていけば矛盾だらけです。意味不明です。





しかし少し時間がたってからあのシーンの意味を再考すると,2202のテーマ的にはあそこは「愛」を選択するで正しいという持って行き方をしたいんだろうなと推察しました。


他ならぬ加藤自身が述べています。
アケーリアス文明の遺産を引き継ぎ,単なる人造生命体であり人類を滅ぼすことだけを目的とするガトランティスには地球をあっという間に蹂躙するだけの軍事力があります。それは地球やガミラスの総戦力を大きく上回っているわけです。なんでこんな「取引」を持ちかける必要があるのかと。


それに対して桂木透子(=サーベラー)は「ゲーム」と述べています。彼女の目的はおぼろげながら想像できますが,彼女もまた人間的な意味での「愛」を抱えた存在なんだろうということが示唆されています。

ズォーダーとサーベラーの間で生まれたと思われる赤子(たぶんミルなんでしょうが)の図がなんども流れますけれども,そこから読み取れることはサーベラーもまた人間的な意味での「愛」を(無自覚ながら)知る者であり,彼女なりの思惑でそれを大帝に認めさせたいという想いがある。そのためには加藤をそそのかし,「愛」するとはどういうことなのか大帝に見せ付ける必要があった...のではないかと推察します。



先に波動砲艦隊を率いてバルゼー艦隊と対峙した山南司令は次のような趣旨の言葉を述べました。「力に頼るものはより強い力によって倒される」。かつて旧作において大帝が地球と対峙した時に述べた言葉ですね。

力対力で争う限り,より強い力を持つガトランティスには勝てません。旧作だって最後はテレサの特攻でなんとかしただけです。地球が軍事力で勝ったわけじゃない。

そういう意味ではトランジット波動砲がどのような効果を持とうと,「力では大帝を屈服できない」という設定は残るのだと思います。本作で描こうとしているのはきっとそうしたバトルものとしてヤマトが何とかするようなお話ではない。



銀河に人類の種をまいたアケーリアス文明が,人類が暴走したときの安全弁として設けた「装置」がガトランティスという人造生命体。人類を滅ぼすためだけの存在です。SFではいくつもの作品で取り上げられた,コンピューターが人類を「害」とみなして駆逐しにかかる,そんな類型に属する展開です。


しかしガトランティスは人間の姿かたちをしている。性行為をすれば生殖もできる。かれらが人ではなく破壊装置として定義されているのは,そこに人類として共通に持つ価値観である「愛」-男女の愛,家族愛,人類愛...そういったものが「無い」から簡単にコピーが作れる「モノ」としてガトランティス人を描いているのでしょう。


一方で,「ガトランティスは十分に人間的」という論考が第5章で入りました。

...実を言うと土星沖会戦でそれを感じることはまったく無かったのであの描写は「?」だったんですが...人間の姿をしているというならば土星沖会戦以前にわかっていたことなので...。


それはともかく,ガトランティス人が暴走したコンピューターと違うのは,彼らも作られたものとはいえ「人間」であり,人間の持つ「愛」を自分たちを持つと認めざるを得ない状況に陥れば,翻意するなり自壊するなりの展開に持っていける...。そういう「落とし所」があるのだということは十分予測できます。


第6章でももろもろドンパチがあり,ヤマトもまた戦闘において活躍するシーンがあるのでしょうが,結局のところ最後は力ではなく「ガトランティス人もまた人間であり,人間的な意味での愛を理解できるものである」ということをズォーダーに認めさせる...。
その結果,ガトランティス人の行動原理である「すべての人類を滅ぼす」という根底の生存理由をひっくり返す...そんな展開で物語を収めるのだろうなと思ったり。



「人形」のサーベラーと桂木透子が存在する意味

それはきっとトランジット波動砲でも,宇宙戦艦銀河でもガミラス=地球連合艦隊による解決ではない,別の文脈での「解決」になるのでしょうね。恐らくは,桂木透子サーベラーやヤマトクルーの「愛」を通じて思い知らせるのでしょうが。


...まあなんだかんだで「愛の物語」にはなりますし,2202を通してみた場合文脈が整ったものにはなろうかと思います。それが「宇宙戦艦ヤマト」という物語としてやるべきだったのかどうかは,見終わってみないと分かりませんが。


そんなところで感想は御仕舞。まる。


宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち 第五章(セル版)






画像は『宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち』 第五章 煉獄編 セル版 より引用しました。

なぜ「早売り」なるものが存在するのか

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さてと。それでは今回のお題は『なぜ「早売り」なるものが存在するのか』 についての所感 です。


皆さんのお手元にはどんな風に(印刷媒体の)書籍・雑誌が届いているか,ご存知ですか?

日本の出版流通の特徴の一つとして「委託販売制度」てのがあります。最初に言っておくと制度とか表現されることが多いけれど,これは単なる「商慣習」です。正確に言えば「そんな風に商売するのが普通なので,関係者の多くがそのルールに則って出版物を売り買いするという"商契約"」です。


全国にべらぼうな数の書店があります。それから駅の売店などでも扱っています。加えて最近ではコンビニで出版物を販売するのも常態化しています。こういった出版物を販売する場所のことを便宜上「販売拠点」と呼びます。

で,出版社が直接出版物を販売拠点に売りさばこうとしたら,出版社は配送業務だけでべらぼうなコストがかかってしまいます。そこで日本では出版物をとりあえず「取次会社」という出版物の問屋に集め,取次会社が販売拠点に再配本するという仕組みをとっています。


出版社はとりあえず「取次会社」に出版物の販売を委託する。取次会社は,書店の規模や発注実績・注文状況に応じて配送する書籍・雑誌を一まとめにして発送します。こんどは取次会社が販売拠点に出版物の販売を委託します。こうした販売方法のことを「委託販売制度」と呼んでいます。

最初に述べたように,制度といっているけれど,出版物の売買にあたってどの程度の期間委託販売をお願いするとか,代金はどのように回収するとか,その割合はどの程度とか,そういうのを出版社と取次会社,取次会社と販売拠点で「契約」を行い,取り決めているのです。そういう商売のやり方が日本の多くで行われている,ということです。


ちなみに。
地方の駅前とかに,いますぐ潰れそうなお客さんが入っていない書店があるでしょ。何で潰れないのかといえば,あそこにおいてある本は「預かっている」だけなのでおいた段階では仕入れ代金を払う必要はありません。売れた時に,契約で決まっている取り分を「利益」として受け取り,残りを取次会社に払えばいいのです。

ですから本が売れないから一気に負債が溜まるということでもありません。(もちろん売れなければ利益が上がらないので,経営できなくなることはありえます)

そして売れた出版物について取次会社は契約で決まっている取り分を「利益」として受け取り,残りを出版社に戻します。

そうすると出版社は返品の山になって大赤字となりそうなものですが,そこにはカラクリがあります。値付けの段階で「○割返品されても利益が出る」値段にしておくのです。なので出版社の販売計画がよほどずさんか出版物の内容がまったく消費者に見向きもされないものでない限り出版社も利益が出ます。


つまりこうした「委託販売制度」という商慣習を支えていられるのは「消費者がコストを払っているから」ということになります。



...
......



で,本題の「早売り」ですけれど。
「早売り」なるものが存在するのは,この出版流通のしくみによって発生しているのです。

出版社は出版物の「公式発売日」を定めます。で,出版社は公式発売日を定めた以上,全国の販売拠点に公平に出版物が行き届くようにする必要があります。したがって,本来の販売日ぎりぎりではなく,ある程度余裕を持って出版物を取次会社に流します。取次会社は一律すべての出版物を全国に流しているわけではなく,中間拠点となる書店問屋に配本していくわけです。

こうした書店問屋の中には,勤務形態だったり地方の事情に基づいて「公式発売日」よりかなり早めに販売拠点に出版物を流すことがあります。これが「早売り」が生じる原因です。


したがって「早売り」している書店というのは,本来「公式発売日」よりも早く棚出ししてしまっているということになります。



で。
じゃあ「早売り」している店がなにか「違法行為」をしているのかというと,それは「消費者には分からない」のです。先に述べたように,「委託販売制度」に基づいて店に並んでいる書籍・雑誌を「いつ売るか」というのは出版社と取次会社,取次会社と販売拠点の間の「契約」に基づいているからです。

契約上「(公式販売日前の)○日から販売してよい」となっているならば,販売拠点にとってそれは契約違反にはなりません。もちろん,そういう契約になっているかどうかは「消費者」には分かりません。そもそも「いつ売るか」は出版社と取次会社と販売拠点の問題であって,「消費者」には関係の無い話だからです。



たとえば『週刊少年ジャンプ』の公式発売日は一般的に「月曜日」です。

しかし県によっては「土曜日」であったり「日曜日」であることが常態化している県もあります。新幹線構内のキオスクなどでは土日から並べて販売しているところもあります。

そのことは集英社もジャンプ編集部も当然ご承知のことと思いますが,そのことで大きく問題として取り沙汰されないのは恐らく「そういう契約になっている」のか,「契約書上には書けないが,商慣習としてそれを暗黙に認める」ことになっているのだと考えられます。

そもそも「売ってはいけないもの」であるならば,なぜ売られているのかということにもなります。逆説的に,その地域では「売ることが認められている状態(契約)になっていると消費者としては判断するしかないでしょう。


...
......



さて,ここまでが「どうして早売りが存在するのか」という話です。次に「早売りを買うこと」について個人的見解を述べます。


先に述べたように,早売りされているか否かの合法性なりルール違反か否かは「消費者」が関知していないことです。どんな事情で「公式発売日」以前に売られているか,知りようが無いからです。したがって「公式販売日」以前に買える状態にあるか否かについては消費者が善悪を決めようがない問題だと思います。

そもそも「公式発売日」なるものは,全国一律に同時に商品を流せる状態にするための期日であり,それを守る義務があるのは「販売拠点」です。公式発売日前に売られている状態が契約違反かどうかは販売拠点と取次・出版社のみが知ることであり,消費者はその契約に一切関係ありません。


消費者にできることは「物として既に売られている状態にある商品」を買うか・買わないか「判断」するだけです。「公式販売日」以前だから買わないという判断もアリです。「ものとして売られている」から買うという判断もアリです。


個人的には「売っているものを買う・買わない」かは個人の判断だと思っています。したがって消費者視点で見て「早売り状態にある出版物」を買うことについては,他人の関知する部分ではないと思っています。どうぞご自身の判断で,とおもいます。



しかしその内容に「言及するか」否かは別問題だと思っています。

「公式発売日」以前に販売が認められている場所で購入したとして,その内容について言及をしたり,感想をインターネット上げたりすることは「公式発売日」にならないと出版物を入手できない大多数の人にとっては「ネタバレ」になりますし,そのネタバレを読んだ人が「じゃあ来週のジャンプは買わなくていいや」となったら,あきらかに著者・出版社の経済的利益を損失させることになるからです。


「早売り買っても早バレするな」と僕は思っていますが,それは前者と後者では大きく意味が異なってくるからです。


「早売りを買うこと」については消費者は「商契約」の枠外にいるので,基本的に買うこと自体は自由意志で決めればいいことだと思います。そのことによって,著者・出版社に不利益があるわけでもないからです。

しかし「早バレ」をしてしまったら,消費者としての立場ではなく,著者・出版社に対する経済的損失を与える立場になってしまいます。また,公式発売日に本誌を読んで楽しみたいと思っていた他の読者に対するマナー違反にもなってしまいます。



...今回,この記事を書くきっかけとなったのは「コンビニに6/4発売の『ワンピース』の最新刊が既に販売状態になっている」という話題でしたが,なぜコンビニにワンピの最新刊が早めに並ぶのかは僕も事情は分かりません。


推測するならば,1巻200万部以上も売れるという『ワンピース』という作品であれば,公式販売日に全国の販売拠点にコミックスが並ばないということは「あってはならないこと」であり,出版社の責任としてきっちりと全国津々浦々に行き渡らせておく必要があったということなのでしょう。

そのために相当早い段階で出荷されているのでしょうし,それを「いつ販売するか」は商契約上,あるいは契約書上には無くても商慣習上「届いたら棚出ししてよい」ことになっているのでしょうね。


売られているものは買っていい,と僕は思いますし,その上で公式発売日までに中身や感想を触れなければ何の問題もないと思います。


そんなところで今回のエッセイは御仕舞。まる。

『ぼくたちは勉強ができない』 問65. 祭りのはじめは矢継ぎ早 彼らに [x] が降りかかる 感想

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さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第27号』 「ぼくたちは勉強ができない」 問65. 祭りのはじめは矢継ぎ早 彼らに [x] が降りかかる の感想(ぼく勉 65話感想)です。


前回より始まった,一ノ瀬学園文化祭。

ぼく勉にしては珍しく中長編の予感を漂わせるエピソードでもあります。仕込みもばっちりですしね。


仕込みはばっちり(問64.より)

ヒロインズはそれぞれの立場で文化祭に参加ということで,理珠はうどん屋。うるかはイベント。文乃は眠り姫の劇。そして怠慢先生は講演...ということで,まあ順繰りにイベントを消化していくのだろうなあと。そしてクライマックスは後夜祭で打ち上げられる花火のジンクス...。まあ盛りだくさんにネタ振りをしております。


ぶっちゃけた話,今回の長編ではここのところ「うどんネタ」ばかりで精彩を欠く理珠さんがメインになっていくのだろうと思いきや,予想外に最初にうどんイベントを消化。

あ,あれ...筒井先生はもう理珠の扱いはこんなんでいくのかな...とか思わなくも無かったのですが,考えてみると「祭り回」も最初にちょろっと文乃出しておいて最後は持っていったので,後夜祭の主役は理珠になる可能性も微粒子レベルで存在するのかな,とか思わなくも無かったり。



今日の「うどんノルマ」

で,その「うどんイベント」ですが,誤発注により100玉が1000玉の在庫になってしまったというしょうもない事案を行きがかり上,成幸がサポートするという定番のソレ。まあこれだと理珠と成幸の間が恋愛的には何も進まないんだよなあ...。しかし逆にこの「さらっとした流し方」が後半に対する期待を高めているような気がしないでもないです。





さてうどん屋のPRをしつつ,前回「謎」となっていたうるかのイベントが明らかに。


フレッシュフルピュア!

フルピュアコスプレによるアイドルライブショーとか。あ,あれ...シンクロじゃないのか。フルピュアのコスプレを着て歌って踊るイベントとか,もはや水泳部全然関係ないですね。完全にうるかの個人的趣味の延長線上にある。これ,水泳部の出し物じゃなくて,うるかwith海川っちの個人参加イベントと言っても良いのでは...とか思いますが,まあそれはそれ。


ふむ。
「魔法少女フルピュア」を知った後に気になって視聴し始めたら嵌ってしまった...とか。ふむ,どこの世界の日曜日のお父さん状態ですか。まあニチアサ民にとってはよくあるパターンですね。そのうち「げんじつとうひ」とかいうサイト名でうるかが感想記事を更新し始めても驚いたりしない(ん)。



日曜日のお父さん状態


にもかかわらず,うるかの衣装だけ見つからない...という展開になった段階で,「あっ(察し)」てなもんですよ。もう一人,別のイベントでコスプレ強要されそうな人がいましたっけね,そういえば。






はい,怠慢。



怠慢なんだよなあ...


まあ色々突っ込みたいことはある。確かに衣装があるとは聞いていたけれど,なぜ何の疑問も持たずにその服を着てみたのか,とか。なぜサイズが合わないなと思いつつ背中のファスナーを閉めてみたのか,とか。そもそもそのファスナーはどうやって上げたのか,とか。なぜ扉の前で決めポーズをとっていたのか,とか(最後のは答え出ているけれど)。


ふう。
桐須先生は安定のコスプレ回だろうと予想はしていましたが,まさかこれほどとは思っていませんでしたよ。怠慢先生はとんでもないものを盗んでいきました。うるかの出番です!




がっくり。



不覚上手の真冬さん

仮にも教師ともあろうものが,水泳部のイベントを妨害する形になってしまうとは。反省する怠慢先生がお可愛いことですね。しかしそこで唯我成幸に秘策があるという...。たった一つだけの冴えたやり方とは一体なんなんでしょうね。


衣装が脱げない以上,3人そろってフルピュアのステージを実現させたければ,「桐須先生が水泳部と一緒にアイドルステージをする」しかないわけなんですが...。しかしそうなると武元うるかさんの立場とは。てなことになりますしね。


解答案は二つ。

1.うるかと怠慢先生が二人羽折でステージに立つ。
2. 怠慢先生がセンターで踊り,うるかはマイクで歌う。


はい,いいですかー。試験問題に解答二つ書いたら×ですよ。というわけで,まあ,2だろうな。二人羽折はいかにも厳しいし。こうすることで一応うるかのファンとしての矜持は保たれますし,イベントにも参加できます。まあこの辺が落とし所なんでしょうな。


とはいえ,思いっきりうるかのイベントを怠慢先生が盗っていった感が残ってしまうのが玉に瑕ではある。このあたりバーターで桐須先生の講演会をうるかがサポートするようなエピソードも入るのかなと思ったり。そうじゃないとバランスに欠けるところが生じてしまう気がしなくも無いので。


というわけで,今回のお話の感想についてはひとまずまる。



...
......



それにしても相変わらずの「夫婦感」溢れる会話が進行する成幸・真冬ペアである。


夜のコスプレは正義(まて)

とはいえ,一男子としてはこの唯我成幸の発言はまったくもって同意できないね。それ脱がすより,着ているほう萌えるとは思わんか,普通(まて)。


いや冗談ですけれど。
成幸は単純に衣装をうるかに届けたいだけですけれどね。べつにこの後滅茶苦茶セッ...したとかじゃないからね。しかし文字どおり受け止めた桐須真冬先生の表情が素晴らしいです。視線だけで相手をコロす...ぐらいの鋼の意思を感じてゾクゾクします(おい)。


つーか,このシーン要るかね?


スル...

いや要るんですけれどね(え)。

安定の尻ポーズなんですけれど,いつ見ても思うのは怠慢先生のフェティズムは尻よりも太ももなんだよなあ...ということをしみじみと感じざるを得ない。「スル...」という擬音が...なんていうかその...「この教師,スケベすぎる!」感で溢れていますね(褒めてる)。




次。
古橋文乃,激おこプンプン丸(古)である。

午後からやる「劇の台本にキスシーンがある」「王子役が誰か分からない」って...うんまあ,そりゃ普通は怒る。俺だって同じ立場だったら怒る。



古橋文乃怒りのアフガン(さらに古)

好きでもない相手とのキスシーンが想定され,しかもその相手は不明。ぶっちゃけ恐怖である。どんな気持ちで横たわって寝ろという話である。このあたり「まあぼく勉だから...」で流される緩さであり,想定される王子が主人公の「唯我成幸」であることを読者視点では承知しているから描写されていますが...。

なんというか,漂ってきますね...某ジャンプ最長ラブコメとおんなじ雰囲気が...。



さて,そんな古橋さんのキスシーン,そもそも成立するか否かという点においては「キスは不成立」というのが当然の流れなんだろうなと。

劇的には「キスシーン」がなければ眠り姫は成立しませんし,キスシーンぽいものはどこかで描写されるのでしょう。ここまで事故キスの理珠,妄想キスのうるか,演技キスの桐須先生は描写されています。であれば,未接触のキスシーンは古橋さんにも有ってもいいのかなと。



「接吻ワ神聖ニシテ侵スベカラズ」(問30より)

ただまあ唯我成幸に言わしめれば,「キスとは神聖にして犯すべからず」な出来事である。両思いの二人であって始めて許される行為であるが故,特段お互いに恋心も抱いていない古橋・唯我ペアによる接触キスは普通に無かろう。というか,どうやって成幸に王子役をやらせるつもりか全く分からんし。


まあ嵌められて王子役として舞台に立たされた結果,台詞等はすべて周囲の人間がアテレコする形ですすめるのかなと。で,肝心要のキスシーンについては「舞台を壊したくない,でも古橋の気持ちも考慮したい」ということで「キスシーンもどき」で誤魔化しておわり...なんでしょうなあ,きっと。


まあそれで成幸と文乃についてはなんとか折り合いをつけることができそうではある。ただ,うるかと理珠の気持ちはどうなっちゃうのかしらん,というアレはある。文乃は成幸に恋心を抱いていないと信じている二人ですし,事実そのとおりなんですけれど,演技とはいえ「キスシーン」を見せられたらどうなんだろうなと。



迷・信・上・等(問64より)

まあその後の展開に大きく影響しそうですよね。とくに本人たちと言うより周囲の人間たちの行動に。


「われわれはジンクスなんてあいまいなものには頼らない」という鹿しまんたちの思惑はさておき,二人のキスシーンに影響された恋する二人とその周辺たちによって「ジンクスだけはいただく」という流れに行く可能性は微粒子レベルで存在する!


ま,結局,そういう思惑の人間が複数いたために「全員が物理的にこんがらがってつながって終わり」みたいなオチになるんじゃないかと思いますけれど。誰がなんと言おうとジンクスはジンクスですからね。ジンクスが成立したら結ばれるってのであれば小野寺小咲は泣いていないんです!

ラブコメにおいてジンクスなんて飾りです。偉い人にはソレがわからんのです!


そんなわけで,まあこのあたりは無難なオチで終わりそうな気がプンプンします。いま「恋の結末」を示唆する必要はあまり無いですしね。



たぶんきっとこんなオチ(問64より)


というわけで,再度まる。





最新刊ぼくたちは勉強ができない 6 (ジャンプコミックス)は5月2日発売。電子版はこちら




*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第27号 「ぼくたちは勉強ができない」問.65,同64,同30 より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第100話 石上優は語りたい 感想

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さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第27号』「かぐや様は告らせたい」 第100話 石上優は語りたい の 感想(かぐ活)です。


というわけで,既報通り「かぐや様は告らせたい」がアニメ化決定と相成りました。おめでとうございます。




YJ連載第100回&アニメ化おめでとう!


そんな記念すべき第100回の語り手は石上優。語るのは週刊ミドルジャンプで連載中の「モモちゃんは考えない」(通称「桃缶」)のアニメ化に関する話題です。ああ...今回はそういう流れか...。物語始まってそうそう,メタい空気が漂ってきます。


「桃缶」とは,言うならば「かぐや様は告らせたい」という作品の漫画内でのメタ表現といいますか。「青年誌なのにパンツもおっぱいも出さないラブコメ」という比喩を用いながら,本作をメタ的に表現するための素材といいますか。まあとにかく今回は全編を通してメタな空気が漂っておりましたねー。さすが記念すべき100回目・アニメ化発表に合わせた物語構成である。


メタすぎる...

なにがメタいって,

・「かぐや様」アニメ化に合わせて「桃缶」アニメ化の話題を取り上げ
・作者が三ヶ月に一度は休む=赤坂先生をはじめ漫画家が単行本作業などで休むことの比喩
・アニメ化を喜ぶ石神の満面の笑み=作者やファンの素直な喜びの気持ち
・本誌が買えないときでも作品ベースで購入できるミドジャン!アプリ=ヤンジャン!・アプリ
・初期から応援していたファンの古参アピール,声優語り,女子には秘めておきたいヲタ属性=リアルファンあるある

とまあ,盛り沢山なわけですよ。メタですよ。メメタァですよ。



そんなメタな空気を漂わせながら繰り広げられる石上と会長のアニメトーク・オタトークがなんともねえ...あるあるなんですよねえ。今回の石上ときたら「理想的なオタク像」をそのまんまですから。


ここ羽川翼(オタ感)

それまで楽しそうに会長とアニメ化について語っていたのに,藤原・四宮ペアの前では「僕は見ませんけれど」と突然裏切るとか。そのくせ,会長がヲタ否定トークをすると,思いっきり傷ついてみるとか。


見事なまでの「オタ面倒くせ!」な展開です。本当にありがとうございます。



面白いのは,桃缶は好きだけれど特段オタの領域に入っているわけでもない白銀御行会長の右往左往ぶりですよね。

ぶっちゃけた話,白銀は一般的な「オタ」のイメージから程遠い存在である。整った容姿。学年1位をキープし続ける秀才。何事も努力を伴う形で理想の自分を作り上げ,本物の天才である四宮かぐやに惚れられて...。傍から見ればリア充そのまんまであり,オタから程遠い存在である。

しかし実際のところ,青年誌を読むような漫画ファンの多くは学生・社会人であり,日頃は普通に学業や仕事をこなし,家に帰ればお父さんであったり,お兄ちゃんであったり。オタとは程遠い一般人の方が恐らく多いのである。

今回の白銀御行は言うならば「漫画は好きだけれどオタと呼ぶほどでもない,そんな趣味をちょっと隠して普通に生活している一般ピーポー」の記号みたいなもんである。思いっきり僕なんかそうなので,「あー,わかるわー」と白銀の立場に共感しなくもないのである。


いや,そうはならないだろ...

そんな白銀が,突然の石上の裏切りに動揺する辺りの葛藤は,いかにも「かぐや様」というか,漫画チックであったりしてそのギャップが面白かったりする。

いやいやいや。
普通そんなふうにならないから。「非実在の女の子が好み」「そうゆう趣味を否定しませんが」ときたらそこは"お可愛いこと"ではなくて,「キモ!」とかそういう反応だろう。その発想に至らないところが白銀御行であり,彼がオタではないことの証左とも言えよう。


その証拠がこれである。


白銀御行は吹っ切れない

「隠し事とかしたくない」
「ありのままの自分で四宮に接したい」

なんともナイスガイである。オタならこういう発想たぶんはしない。白銀会長が二次元ではなく,三次元の住人として生きていることの証であろう。

自分の好きな人にありのままで接したいという考え方は,先日のハーサカとのやり取りが影響している部分もあるだろうし,なによりも四宮さんに対して自分を素直に出せるようになってきたという証でもあるわけですから。


そんな葛藤のさなかにぶっこんでくる藤原書記がまたメタいですよね。


メタぃ...

あ,はい。
なるほど...赤坂先生の中で,藤原書記の声は「めちゃ高い猫なで声」なのか...。CVのキャストが気になりますね(オタ的発想)

頭に変なアクセだけじゃなくて特大のブーメランを突き刺している藤原千花が愛おしいですね。そしてオタ属性をひた隠そうとしているにもかかわらず,余裕のツッコミをしている石上優会計の姿が涙を誘います。秘めてもうちに出にけり...というやつですよね。はい。

そんな緊張感あふれるオタVS女子の間にふわっとボールを投げ込む藤原さんは一服の清涼剤みたいなもんです。


一服の清涼剤...?


あ,はい。(二度目)

ここまで人畜無害だった四宮さんにおかしな情報をぶっこんでいくスタイルの藤原書記である。


また偏ったアニオタ像をもってきたな,藤原(笑)

年下のキャラをママ扱い...? 自分の嫁と言い張って結婚...?

え,そういう人たちなの,アニオタ(困惑)
少なくとも僕がオフ会であった人たちは違ったぞ(笑)


普通に常識人が多かったし。部屋にこもって漫画・アニメ三昧というよりは,普通に働いて,家庭を持ったりしている人もいて,ただ趣味は漫画だったりするしそういう趣味をオープンにはしていないだけというかね。今回のお話で言うところの会長風なライトな雰囲気を持っている人が大半でしたよ。(もちろん語る内容はヘビーでしたけれど)

...ああでも,等身大の「推しキャラ」の立看板が透明プチプチで包装されて送られてきて真顔になった話とか,そういうことは実際にあった人もいましたけれど(笑)。それも結婚式をやるとかじゃなくて,単純にヘビーファンでそのキャラを推しているからグッズとして思わず買った,とかいうお話でしたしねえ。


今回の藤原書記の例で言えば,「二次元嫁と結婚」てのは時々話題として聞かなくはないですけれど,ああいうのはあくまで「オタク道」みたいなネタ的な笑いだと思っているんですけれどね。オタクとしてのネタであって,本気でやっている人はごく一握りの重症な方だけじゃないかなというのが個人的な印象なんですが。

まあそういう「イメージ像」こそが一般人のもつオタ像あるあるということを描写しているんでしょうね,これは。



オンドゥルルラギッタンディスカー!!

しかしそれはそれ,アニオタにそういうイメージを四宮さんに植え付けた藤原書記の行動は会長にとって大きかったのであった。突然日和る白銀。おもむろに傷つく石上。


おーおー,ずいぶん好き勝手なことしなさる...


先に守りに入ったくせに白銀が自己防衛に入った途端に傷つく石上優である。まあ気持ちはわからなくもない。学校内で信じる者が誰ひとりいなかった石上にとって,白銀御行は自分を認めてくれた人である。言うならば石上優という人物の社会に対する「出島」が白銀御行である。そんな白銀が突然裏切り返しを噛ましてくるなり思いっきり傷つくあたり...

うっわ,オタ面倒くせ!(あるある)

な反応である。うん,まあ,気持ちはわかるけれどさ。先にオンドゥルったの石上じゃん...(笑)


ここからの石上と白銀の会話はなんというか,男同士の友情というかちょいと痴話喧嘩じみた空気が流れていてちょっと笑えますね。白銀・かぐや・石上優の三角構造である。トライアングラーである。


トライアングラー・白銀

好きな女の前で唐突にオタを疑われるような言動をバラされ,それに言い訳をするとかぐやに対して立つ瀬がなく。かぐやに言い訳をすれば石上に対して立つ瀬がなく。

結果,ブチ切れる白銀御行ということになります。「定義」とか言い出す辺り,白銀御行にもオタ気質ありますね...。まあもともとハマると深くなる男ですからね...。


つまり何が言いたいのかというと,この四宮かぐやさんがなんとなくお可愛いということであります。逆ギレ気味の会長に神妙となる三人の中でももっとも呆然感ありますね。


お可愛らしさの中にある違和感

というか,この構図,竹刀がかぐやの右足を貫いてしまっているように見えるけれど漫画的表現でしょうか。


というわけで,アニメ化おめでとうございました。久しぶりのミコ落ちも懐かしゅうございますね。そんな最後までメメタァな第100話でした。まる。


...
......

記念すべき第100話にアレなんですが,非常に感想が書きづらかったのである(笑)


「かぐや様は告らせたい」のアニメ化という一大イベントを,作中人物がメタ的に語ってオチを付けるという構造だったわけですけれど,それだけにどうやって感想をかけというのだという難易度がありましたね。読者のオタ度を試された感があります(古参風)

しかしまあ,僕も読み始めたのはジャンプ+で無料公開されてからで感想を書き始めたのは花火回からですからそんなに初期からというわけでもないのである。それでもYJで記念すべき第100回を迎え,アニメ化まで至ることになろうとは感慨深いですね。


さてそんな「かぐや様は告らせたい」ですが,赤坂先生のアニメ化に対する思いが寄せられているので引用したい。


アニメ化に寄せて,赤坂先生のお言葉

ふむ。
赤坂先生のアニメ体験,何気に自分のソレとかぶる何かを感じますね。僕もそんなに深夜アニメとか観る方じゃなかったのですが,たまたま夜中にやっていた「ニセコイ」のアニメを見たことがこの年になってラブコメというジャンルに入り込み,毎週漫画を読むようになり,最後には感想まで書くようになってしまいました。

ぶっちゃけ漫画感想を書くということは何も生み出さないわけであります。オリジナルの作品を書いているわけでもない。人様のコンテンツに乗っかって,あーだこーだと漫画の楽しさ・面白さを語り,今後の展開を予想しては楽しみ,作品の登場人物の言動ややりとり,行く末を面白がる。まあそれだけです。


その点,アニメが自分の人生に彩りをあたえ,創作活動に潤いを与えてくれたことが今の漫画家としての赤坂アカ先生につながっているというのは感慨深いというか。良かったなあと素直に感じるというか。

日々暮らす中で,楽しいこと苦しいことありますが,そんな週の真ん中のお楽しみとしての「かぐや様は告らせたい」は確かに生きる上での一段落というか,ちょっとした息抜きになっているような気がします。


こんなブログ書いておいてアレですけれど,最初に書いたように僕は普通の働きマンであり,家庭マンであり,漫画の感想に人生かけているわけでもなんでもありません。そこがプロ漫画家と一般ピープルの大きな違いでしょう。同じようにアニメや漫画にちょっとした潤いを与えてもらい,生きる力に変えていく。

創作者と読者,立場は全く異なりますが,創作物としての漫画(そしてアニメ)がそれぞれの人生に影響を与えている。そんな状況に一読者として仄かな漫画家さんとのつながりを感じられて,なんとなく嬉しかったです。



おめでとー!

最後に,改めて連載第100回&アニメ化おめでとうございます。まる。



かぐや様は告らせたい 9 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第27号「かぐや様は告らせたい」第100話 より引用しました。

『ぼくたちは勉強ができない』 問66. 祭りの行方はいざ知らず [x] どもは華やかに舞う 感想

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さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第28号』 「ぼくたちは勉強ができない」 問66. 祭りの行方はいざ知らず [x] どもは華やかに舞う の感想(ぼく勉 66話感想)です。


まずは前回の答えあわせから。

誤ってうるかのフルピュアの衣装を着てしまった桐須真冬センセ。水泳部の思い出作りを妨害する形となり思いっきり反省しきりといった相からの,唯我成幸さんによる「たった一つの冴えたやり方」が提案...というところで以下次号,だったわけですが。

正解は,「2.真冬ちゃんがフルピュアの衣装を着て出演する」で正解でした。まあ世間の予想も概ねこんなもんだったと思われる。


フルピュッア♪ フルピュッア♪


しかしもう一つの問題である,「じゃあうるかはどうなるの?」という課題についてはまさかの解決策である。もう一人キャラを増やす...なるほど,ニチアサ名物追加戦士という奴ですね...登場回だけやたらブーストされた強さを誇るという...。


して衣装とは,まさかの唯我成幸の即興手縫いである。おお!洋菓子さんの予想が半分以上あたっているではないですか。縫ったのが追加キャラという違いは有ったけれどさ。


うるかさんも追加戦士枠(成幸さんの手縫い衣装)で登場

まあ「うるかが歌う」という予想まで含めて,ほぼ予想の範疇どおりだったかな,水泳部の催しについては。






しかしまあ,この怠慢,ノリノリである。


月光に冴える一輪の花,ピュアム--------ンライト!


大勢の生徒の前で「氷の女王」のイメージもなんのその,堂々とセンターで踊っておられる。踊れる理由は昔取った杵柄で「振り付け覚えるの得意」属性...という。おっと,この緩い漫画にしては伏線がきっちりと回収されていますね。フィギュアスケーターな過去をきっちり使ってくるとは...。


しっかしまあ,追加戦士フルピュア・ダークネスでうるかさんのDE・BA・Nは回収されているというものの,ぶっちゃけ目立ち度では完全に桐須先生が食っちゃっていますね...。なんだこの勤勉先生。二つ名は怠慢なのに...(おい)



そしてちゃっかり打ち上げに参加する怠慢先生である。どうした先生...お前,そんなに社交的だったっけ...?


この怠慢,社交的過ぎる...!!

まあ舞台が終わって水分補給,てなくらいなシーンなんでしょうけれど,本当に変わったな桐須先生...。という印象は否めない。



真冬ちゃんのイメージでいえば,幼女向け販促番組のコスプレして舞台で踊るくらいなら死を選びそうな印象でしたけれど。もちろんそこには「生徒の思い出作りを守りたい」という教師としての矜持があったからこそ,羞恥心とか関係なく取り組めたんでしょうけれどね。


教師・桐須真冬(24歳独身/推定)

とはいえ,すべてを能力主義で突き進んでいた「氷の桐須先生」にしてはここまで生徒に関わっていくようになったというのは多分に変化といってよかろう。その変化を引き出したのが唯我成幸なわけですけれどね...。なんつーか,成幸の万能感がパねぇことになっているような気がしなくもないですが。



で,うるかです。

今回,こうして怠慢先生とのコラボが実現したのも先日の唯我くん水泳教室の縁...てのもありましたかね。そうしたかかわりがあったからこそ,教師がピュアコスして一緒に踊るなんて成り行きも受け入れられたのかもしれないしね...。


シャワー室での交流(問63.より)


ふむ。
どうやら作品的にはうるかと桐須先生を組み合わせて扱っていく方向性がありそうな感じですね。こりゃ先々面白そうではある。そのうち桐須先生に恋愛相談する武元さんとか出てきても不思議じゃない。その相手が唯我成幸と知ったときの怠慢先生のリアクションも楽しみである。


次。
水泳部ライブで宣伝してもらったとはいえ,うどんのはけ具合はたったの200りず玉だという...。いやこれ,普通に捌ききれる感がしない。仮に「眠り姫」の舞台で宣伝してもらっても+100程度であろう。なんかちょっと見えてきた感があるね。



理珠たまのDE・BA・Nはまだまだこれからだぁッ!

ここまで緒方さんが「うどんネタ」を中心にほぼマスコットキャラを演じているだけに留まっているのが気になっていたんですけれど,どうやら今回のケツもちは緒方さんぽいな。というのも普通に考えて文化祭の最後までうどんは売り切れまい。


とならば,物語進行的には「最後に売れ残りそうなうどんをどうするか」というエピソードを通じて唯我成幸がまたがんばっちゃう展開が大トリでありそうな気がしますね。売れ残りそうだった残り800りず玉のうどんを成幸らの姦計...もとい策で捌ききる。改めて成幸に惚れ直す緒方理珠,の展開あるだろこれ。

ひょっとかしたら花火の時に緒方さんとぐるぐる巻き(物理)でつながるのは理珠かもしれないね。隠密行動をとっている親友(関城紗和子)の存在も気になりますし。おすし。


で,そのうどんの捌き方ですけれど,いくつか案を挙げておきます。当たったら褒めて(承認欲求)

1. 突然開かれる「大食いうどん大会(わんこうどんも可)」で捌く
2. 文化祭の打ち上げ企画として生徒全員に振舞う
3. あしゅみー先輩にお願いしてメイド喫茶ならぬ「メイドうどん」屋にして集客する

...メイド喫茶のいつのもバイトちゃんたちが直接やるのはまずいから,生徒たち(+怠慢先生)がメイド服を着て売りさばけば800りず玉ぐらいどうとでもなろう。
とりあえず洋菓子さんのために関城さんにメイド服着せてあげてください(謎リクエスト)。



...
......

さて。
いくつか小ネタを拾っておこう。


まずぴちぴちピッチな衣装をどう脱ぐのか問題を抱えていた桐須先生ですが,ここでも唯我成幸がすべてを解決してくれました。


剥き出しの黒鳥



まさかのキャストオフ(仮面ライダーカブト)である。なんだよ...あの糸くず,「ゼクター」だったのかよ...。

何気に真冬ちゃんがキレてないのが意外である(ゴゴゴしてるけれど)。普通は大騒ぎだろ,それ。「今の思い出は完全に抹消しなさい」では済まないレベルである。真冬先生,クロックアップで一瞬で着替えたのだろうか...。




次。
同時並行で進行中の「眠り姫」の件である。

一体全体どうやって唯我成幸に王子役をやらせるつもりだったのかと思いきや,まさかの「うどんの宣伝」との等価交換だった。いやいやいや。それおかしいだろ。「うどんの宣伝」はたまたま誤発注で生じた状況であって,それを成幸が手伝っているのも完全に成り行きである。偶然に偶然が積み重なった必然である。



状況は利用する女・鹿島さん(タイツ派)

あの誤発注までが「いばらの会」の策だったとしたら(ちょっとたちが悪いが)すごいけれど,あれ完全に偶然の誤発注だったからね。まあ,なんやかんやで鹿しまんは成幸に「取引き」をもちかけて手伝いを口実に王子役をやらせるつもりだったんだろうけれど。うどんは状況を利用しただけ,ということにしておこう。


古橋文乃にキスするだけの簡単なお仕事です


何気に酷いことしてるな,鹿しまん...。キスシーンは無いといっておきながら古橋さんを眠り姫役にし,誰にでもできる仕事といって王子(キッス)役をやらせようとする。可愛い顔して割とえげつないのである。


しかしまあ,そう簡単に悪事は成立せず,唯我成幸は桐須先生が着るはずだった着ぐるみの中に収まるのであった。


走る走る,俺たち!

あ...(察し)


なんというか,この文化祭で一番働いているのは間違いなく衣装の配達業者だよね。


誤配送の連続で,展開がとんでもなくカオス,ケイオスな状況になりつつある。

・武元うるかが着るはずだったフルピュアの衣装→視聴覚室(装着者・桐須真冬)
・桐須真冬が着るはずだったニャンポレオンZの衣装→男子更衣室(装着者・唯我成幸)
・唯我成幸が着るはずだった王子様の衣装→ ? 

これが三竦みになっているなら,唯我成幸が着るはずだった衣装は「水泳部の部室」に届けられるはずである。で,装着者は「武元うるか」になってもおかしくないわけなんですが...。



...しかし問題は,うるかがその衣装を着る必要性がまったく無いという点ですよね。むしろ今,服を着る必要がある人物が一人います。そしてその人物はこの後もコスプレをする必要のある人物です。

いま水泳部にいて,とりあえず服を着る必要のある人物...。キャストオフした結果,剥き出しの黒鳥となってしまった桐須真冬先生が王子の服を着てしまうという可能性は微粒子レベルで存在するね。



ただまあ,そうなると肝心の桐須先生の「講義」はどうなるのかということである。唯我成幸であるならば,無論世界史の知識は十分だろうから真冬先生に成り代わって講義ぐらいできるのかもしれんが(なんだその万能感),それはあるまい。



神聖ローマ帝国はなぜ解体に至ったのか(問64.より)

というのも桐須先生が神聖ローマ帝国について語ることになっているし,そもそも桐須先生は衣装が間違っていることに気づくはずも無いからである。

一方で,唯我成幸は被り物をしているので,中の人が成幸であるということも佐藤先生・鈴木先生も気づかないし,いばらの会の連中も分からないのである。結果,着ぐるみを着ている成幸は佐藤先生らに最終的に捕まり神聖ローマ帝国の講義会場に引っ張られる。

同時並行で成幸が着るはずだった王子服を桐須先生が着ていることをいばらの会が探知したとしたら,王子役の成幸が被り物をしているということが判明するはずである。そして成幸と桐須先生が講義会場で出くわし,何があったか事情を察することになる。


とはいえ,その時点で講義も演劇も開演間近なはずである。いまさら着ぐるみと王子服を着替えている余裕は無いのである。



...
......



...つまりこうだ。
すべてを察した唯我成幸はニャンポレオンZの衣装を着たまま演劇を手伝いにいく。もはや時間が無いので,王子はニャンポレオンZであるということで押し通す。で,眠り姫にキッスさせる。着ぐるみ越しで。


これならば,キスシーンは成立するし,古橋さんも一安心であろう。着ぐるみの唇に触れたからなんだっつーのというお話である。そういうケアがあるならまあ許す,という話にならなくもない(そうか?)。

そして仮にそれをうるかや理珠が見ていてもなんら問題ないのである。中の人が唯我成幸だなんて,分からないからである。これで古橋さんとのキスシーンにもやもやするというシチュエーションはクリアできる。


はい,ここで一つ問題です。
たった一人だけ,眠れる古橋姫にキッスすることを意識せざるを得ない人物がおります。そうです,着ぐるみの中にいる唯我成幸その人であります。


「見せてもらおうか。唯我成幸の男気とやらを!」
(西・アズナブルさん)



古橋姫爆誕!


ふう。ふつくしい...
このふつくしさを前に何も意識せずにキスシーンを成幸は演じきることができるのか。オラ,ワックワクしてきたぞ! 来週もまた見てくれるよな!

というわけで,まる。

(おまけ)調査中です。ここでしても仕方ないけれど。

【調査】あなたは「現実逃避」を読んだことがありますか?https://t.co/9MvDUPy5s1 *誰が回答したか私には伝わらないので心配ありません*個別に伝えたいことがあれば引用RTまたはリプライで#ジャンプ感想ブログ #現実逃避

— ayumie (@ayumie) 2018年6月10日





最新刊ぼくたちは勉強ができない 6 (ジャンプコミックス)は5月2日発売。電子版はこちら




*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第27号 「ぼくたちは勉強ができない」問.65,同64,同30 より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第101話 生徒会は進みたい 感想

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さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第28号』「かぐや様は告らせたい」 第101話 生徒会は進みたい の 感想(かぐ活)です。


今回のカラー扉絵「夜明け後の静」と「かぐや様」がコラボとか。
コミックス新刊がでるという販促企画も兼ねている様子。



お可愛いこと

個人的には流し読みといった感の「夜明け後の静」なわけでありますが,こうして平成末期の秀知院の制服を着ている静さん(だよね?静コスのかぐや様じゃなくて)というのもなかなか乙なものでありますね。

そんなにじっくりと制服に着目したことなかったですけれど,女子の制服ワンピースなんですよね。それはそれで珍しい...。かつポーズがポーズだけに妙になまめかしい雰囲気を静さんから感じます。なんでだろ。秀知院の制服にニーハイというのも珍しいからだろうか。赤坂タッチの絵からエロスを感じます。

一方のB面(通じねぇよ...)にはウェディングドレス姿のかぐや様の姿が。端的に言います。すばらしいですね!


かぐや様の紅玉色の瞳と対比的な白とブルーの花束,純白のウェディングドレスがとっても映えてお美しいことになっておられる。ぜひ白銀御行会長との結婚式には列席したい(無理)。


...
......


冗談はさておき,今回のお話は「三者面談」(進路相談)です。

ああ...。昔どこかのラブコメでもそんなのあったような気がするなあ...。記憶違いでしょうか。こちらの進路相談は恵まれた環境と潤沢な資金を兼ね備えたご令嬢・ご子息の進路そうだんですからちょいとレベルが違います。公務員(兼)ヤクザとかそんなちんけな夢は語らないんです。


貴方の夢は何でしょうか。内部進学か音楽大学か。



「私の夢は総理大臣です」(CV:杉本清)


あ,はい。
政治家の娘が言うと「本気なのか」と先生も身構えてしまいますよね。まあ藤原千佳という人材をしる読者としてはご冗談でしょうファインマンさん,とばかりに笑い飛ばすところですが。そういうとこだぞ,藤原。




その他,関連諸兄の進路先は次のようになります。


トライアングラーの進路

ふむ。
四条さんの一方的懸想とはいえ,三角関係のトライアングルを見る限り意外な方向に進んでおりますね。柏木さんとその彼氏で別大学を選択しておられる。うん,まあいいんですけれど,高校生ぐらいのカップルなんて距離が離れれば一気に揺れ動いてしまうものですからねえ。柏木女史の危機管理感覚がどうなっているのかようわかりません。

そんな柏木女史の目標は「良い大学を出てよい会社に入る」などとパンピーみたいなことを述べておられる。いやいやいや。キミ,大手造船会社会長の孫なんだろ? そんな庶民的な目標を抱くのかいな...。これはちょっと意外ですね。立場と才能の無駄遣いを感じる。


そして四条さんと柏木さんの彼氏は外部進学。あ...(察し)。
これ,四条さんと柏木さんの彼氏が同じ大学に行く方向だろ,常考。


偏差値77の秀知院で3位であれば,選択肢は色々あるでしょうが,経済学部が強いというならばやはり国内最高学府あたりが候補なんでしょうな。もっとも柏木君の彼氏が理Ⅲに受かるかどうかはわかりませんが。それとも地方国立大学の医学部も視野に入れているんですかね。私,気になります。

...というか,先日「翼」という名前が四条さんから明らかにされたのに「柏木の彼氏」扱いなところが涙を誘います。翼くんのアイデンティティとは。と疑問符を投げかけたところで本題。



...
.....



かぐや様(と早坂愛)の進路相談であります。


さて三者面談といいつつも,こちらの曲者二人の悩みどころはそれぞれ親であります。

片や「人を見れば支配しろ」な家訓の当主であり,国の心臓とまで言われし四宮財閥総帥・四宮雁庵。ま,来るわけないですよね。「お父様はまったく私に関心が無い」と嘆くくらいの父娘関係な二人ですから。



父来ない


実際のところ,四宮雁庵が「本当に娘に興味が無い」のか「娘との距離感が分からない」だけなのかは良く分かりませんが,初期のかぐや様のステ振りから鑑みて,前者の可能性はある程度高いのかなと。そして母は他界...ということで,四宮さんの三者面談には血縁者が来ないのがデフォルトです。

このあたり,すべて諦めているのにどこか諦めきれていない四宮かぐやさんが愛おしいですね。早坂さんのことをマザコンと言っていますけれど,ぶっちゃけ四宮さんも父親からの承認要求に飢えている。一種のファザコンなわけで。



一方の早坂愛といえば,「演じなければ愛されない」などと寂しいことを言っていたわけですから,母親との関係は相当一方的なものなのかと思いきや,ズブズブのマザコンだった。

「娘に興味が無い」「冷たい人」とか言いながらも母親の顔を見ればこの笑顔である。そんな早坂奈央さんが四宮雁庵の名代であると知れば,自分のためではなかったんだと拗ねてみたり。そんなことないと否定されれば甘えた顔を見せてみたり。



早坂愛は甘えたい


ぶっちゃけ今回の早坂さんはとてつもなくお可愛いな! やはり女子はこのくらい素直なほうがお可愛いんですよ。これ,豆な。






そんなかぐや様のために,赤坂先生は取って置きのプレゼントを用意してくれました。新しいお義父さんです!


父来る。


秀知院体育祭において電撃的にかぐや様と接触し,四宮さんの恋心を素っ裸に暴ききってしまったからかい上手のお義父さんが再び登場である。もうこんなん笑うしかないわ。


徹底的に攻めてせめて攻めまくる白銀父である。
それに対して防戦一方の四宮さんの四宮さんがお可愛いのである。なんだ...結局,父親だろうと義理父だろうと四宮さんは敵わないのか...(笑)と思うと自然と笑みがこぼれてしまいますね。かぐや様の反応がお可愛すぎて。


ただのセクハラ親父である。

こんなん結婚したらどんな恐ろしいことが起きるか,今から楽しみである。朝食食べながら圭ちゃんも同席する中で,「夕べは凄かったねぇ」とか平然と言いそうな勢いである。味噌汁を吹く会長の姿が目に浮かびます。




そんな四宮父に対する近侍・早坂愛の母であり四宮雁庵の名代でもある早坂奈央さんの人物評がこちらになります。



この娘にしてこの母である。


ひのい...酷すぎるわぁ...(腹抱えて笑いながら)



おい,名代!そんなノリでいいのか,本当に。

早坂家は四宮家との抗争の上軍門に下る形となり,現在は側近職的な業務をになっているものと思われます。そんな雁庵の側近である早坂母に「かぐや様の好きな人のお父さん」という情報を入手された以上は,当然ハーサカとして情報収集していた以上の人物評価をしたいところでしょう。

言うならば,かぐや様と結婚する可能性のある人物の周囲の身辺調査も兼ねて,ということなんでしょうね。とりあえず,早坂母的には「合格」なんでしょうね。かぐや様の進路相談に同席させるくらいだから。まあ雁庵の目を通るかどうかは別問題ですけれど。



この有様である。




そんなかぐや様の進路希望は「親に言われたとおりにするだけ」とのこと。

ふむ。
この進路相談自体にはなんら意味が無くて,名代の早坂奈央にせよ,義理の父(候補)として同席した白銀父にしても,かぐや様の進路に対する「決定権」なんかないわけだよね。他ならぬ四宮さん自身に無いように。


父娘

その決定権を持っているのは親,すなわち「四宮雁庵」しかいない。どんなに娘に興味が無くても,娘の学業・職業・結婚...ありとあらゆることの決定権は四宮家当主が決めること。そんな家であることが,かぐや様の言葉から推測できます。


どんなに周囲に変化を促されても,どんなにかぐやが変化していっても,最後の「そこ」は根本的に変化できない。四宮家に生まれた以上,それは無理とはじめから諦めている節がかぐや様にはある。



...となると,気になるのは「白銀御行」との恋についてである。

今回,白銀御行は「スタンフォード大学」への進学を希望しました。さすがは秀知院特別推薦状を得し者であり,使えるものを使ってきっちり自分を高めるつもりのようである。まあスタンフォードで彼が何をするつもりなのかは今後明らかになるのかどうかは分かりませんが,今確実なのは「四宮かぐや」と共にすごす期間は1年(ないし1年半)ということである。



進路・海外留学


思いが結ばれようと結ばれまいと,机を共にしてすごせるのは僅かな期間である。四宮かぐやの学力であれば,スタンフォードに実力ではいることは可能なレベルなのだろう。にもかかわらず,進路については「親の意向」に従うしかない。

仮に二人の想いが結ばれて,恋人同士になったとしても,大学卒業後に再び会うことがあっても結婚できるかどうかは分からない。結婚すらも「四宮雁庵」がノーといえば,四宮かぐやは逆らうことができないのだろう。



今回,白銀御行は一つの決意をしました。文化祭の最終日までに四宮かぐやから告られなければ,自分から告ることを。



本気の恋愛頭脳戦


その結果については改めて考えるまでも無く,両片思いの二人が結ばれるのことは「告白さえできれば」必定である。そこに疑問の余地は無い。問題はその先である。二人の思いが通じ合ったとき,それを四宮家が認めなかった時,果たしてふたりはどうするのか。

以前,赤坂先生はインタビューで「近々二人をくっつけるかもしれない」と述べておられました。そして付き合ってからの二人の関係もまた,いくらでも描くことができると。


いま挙げたような「四宮家の意向」みたいなものは,これから行われる「本気の恋愛頭脳戦」を経て,恐らくは白銀御行からの告白に至り,その先に恋人同士になっても「どちらが先に相手をデートに誘うか」とか「どうやってキッスしようか」とかそうした恋人同士の駆け引きを散々やった先の話です。遠い遠い未来のお話です。

しかしながら,四宮かぐやが四宮の家訓とその権威である父・雁庵に縛られている以上,最終的には二人の恋愛(と結婚)について四宮家がOKを出さなかったときにどうするのかという問題は残る。


そこで白銀御行に試練を課されるのかもしれませんし,最終的にはかぐや様自身もまた父・四宮雁庵との対峙は避けられない。文脈的には「それを乗り越えて結ばれる」ことが最後のピースとして描かれるのでしょうけれど,そこに至るまではまだまだ長そうな予感がしますね。229話を超えるくらいでしょうか(え)。


というわけでまずは文化祭,そこで繰り広げられる「本気の恋愛頭脳戦」が楽しみである。まる。


...
......


さて。
そんなマジでシリアスな白銀御行モードでありますが,あくまで「かぐやから告らなかったら」という話である。これはあくまで恋愛頭脳戦。ゆえに,獅子は相手に告らせるまで全力を尽くすはずです。簡単には白銀からの告白にはならんでしょうな。

文化祭という大ネタでもあり,色んな企画が考えられます。うどんを1000食売りさばいたり,コスプレでアイドルライブを行ったり,眠り姫の劇を行ったり。まあそんな様々なイベントの中で,いかにしてかぐやに告らせるか四苦八苦する白銀御行の雄姿に期待したい。

しかしまあ,文脈的には白銀会長から告る形になると思いますけれどね(身も蓋も無い)。この二人に関してはそれしか解決策はないだろうと思っているので。




閑話休題。

せっかくの実母来校という場面だったのに,結果的にかぐや様の保護者名代というお笑い方面に走ってしまった早坂奈央さん。結局娘の進路相談は一コマだった。



転・職・希・望


ええ...!?

個人的にはとても納得がいかなくもない。月収数十万,貯金数千万だとしても,かぐや様のお世話を延々とし続けるってかなりの苦行ではなかろうか。あたりもきつい時もあるし,わがままだし,無理難題を押し付けるし。ブラックもブラック,真っ黒クロスケ職場である。

しかしまあ,それはそれでアリと個人的には思わなくもなかったり。

こんな状況にもかかわらず四宮さんを支え続けてきたのは,きっとかぐや様のことが「好き」だからだよね。であるならば,仕事としてではなく「友人」として「姉」として接するのもありだと思うのである。ハーサカさんには自前の会社でも起業してもらってやり手社長として生きていく道もアリと思っている。




次。石上優。

1年生ということで長期的視野にたったプランはまだ無いのは当然にしても,選択肢が実質ニートのみというのはどうなんだろうね...。社長業は兄が継ぐんだろうし。


働いたら負けだと思っている


金持ちで財を食いつぶすだけでも生きていけるというのはある種の人々にとっては「理想的生活」なのかもしれませんが,まあかぐや様に見込まれた石上優ですから,そんな楽な道はないのだろう。

ぶっちゃけ,中小のおもちゃ会社はいつ傾くか分からない業種ではある。個人的にはソシャゲ会社でも立ち上げて,「課金税」を課していくだけの簡単なお仕事に転業したほうがいいとおもう(まて)。

まあそういうことができそうにない石上だからこそ,自分のやりたいことを見つけていければと思いますが。




最後。伊井野ミコさん。

彼女の経歴・家族構成的に法曹関係以外はなかろうというところでしたが,案の定,そっちの道を志望。法曹三者といえば,弁護士,検察,裁判官とありますが,まあ「検察」だろうね。正義の人だし。



検察起訴有罪率(ほぼ)100%という恐怖

司法判断を下すのは裁判官だけれども,現状では検察起訴の有罪率はほぼ100%である。いうならば起訴・不起訴で司法判断しているに等しい状況なわけで,独立して捜査権・起訴権をもつ検察こそ司法の中の司法というイメージが僕にはある。

でもって伊井野さんは正義の人,悪を見過ごせない人である。であれば,多分「検察」だよなー。しかしまあ,伊井野さんが検察官になったら石上は海外に移住したほうが身の安全は確保されそうではある。それ以外の方法で日本に居続けるためには,伊井野さんと結婚するぐらいしか回避方法が見つからない。

なかなかの無理ゲーではありますが,ぜひ石上会計には激レアカードを引き当ててほしい。



というわけで,再度まる。


かぐや様は告らせたい 9 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第28号「かぐや様は告らせたい」第101話 より引用しました。

『ぼくたちは勉強ができない』 各話タイトルリスト

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ぼく勉ニストの洋菓子さんが作成していたタイトル一覧をお借りしまして,作品の各話タイトルリストを作成してみました。

ヒロインズに付与されているポイントは,洋菓子さんが与えてくれたそのお話でメインを張ったと考えられるヒロイン(メインヒロイン=1ポイント,準ヒロイン=0.5ポイント)と推定されます。また,概要・備考欄もお借りしたデータそのまんまです。洋菓子さんありがとうございます。

問題はこの後どうやって更新したものかなと。僕が続きを入力してもいいのですが,点数つけるのが僕だと一貫性がなくなりますよね...。概要と備考もありますし。ちょっと考えますね。

*表はぶっちゃけ見づらいです。PCやタブレットなら大丈夫ですが,スマホの場合横表示必須かと。


『ぼくたちは勉強ができない』タイトルリスト

なお,一気に最新話を確認したい人はこちら

WJ話数各話タイトル1天才と[x]は表裏一体である2天才の憧憬は[x]である3天才の来訪は[x]の一大事である4魚心あれば、天才に[x]心あり5高嶺の天才は[x]に憂う6天才は[x]によって文明を思案する7かくして天才どもは[x]を楽しむ8誰が為に天才は[x]に抗う9天才は[x]にも心通ずるものと知る10それは乙女なる天才の[x]なる一日である11かの数値は天才による[x]も応報である12彼女が天才に望むもの即ち[x]である13天才の焦慮は時に[x]と反比例する14林間の天才は[x]に迷走する15浴場にうだる天才は[x]をさらける16かくして前任者は天才を未だ[x]する。17青春とは天才の熱意と車輪と[x]である18天才[x]たちはかくして勉強ができない19天才と[x]は互いの空模様を思い做す20天才は不鮮明な世界の[x]にたゆとう21それは[x]の天才に繋がる禁断のものである22前任者の秘匿領域は[x]な有様である23天才たちの花園に[x]は不可欠である24果敢なる天才は[x]の流説に抗う25事の発端は天才の[x]なる敢闘である26天才の一挙手一投足は時に[x]を翻弄する番外編(うるか中学入学編)27怖じる[x]に天才は憂い 彼は慮る28禁断の地にて彼は[x]が為奮闘する29天才は飽くなき探求の末[x]に至る30されどなお天才は[x]の究明に勤しむ31かの新天地にて迷える子羊は[x]と邂逅する32先人はかくも愚直に[x]な明日を見る33天才と先人寄れば[x]の懊悩となる34威厳ある前任者は時に[x]にかしづく35人知れず天才は[x]共の戯言に踊る36時に天才は[x]に憂い孤独に仇をなす37時に天才どもが砂上の[x]は連鎖する38喧々たる夜に果たして[x]は勉強ができない39天才の目に天の光はすべて[x]である40先人は己の選択に[x]をもって向き合う41前任者の姿は時に青き[x]へと遡行する42水面駆ける天才は唯々[x]に映ゆ43天才は時に[x]を共に分かち追懐する44天才と彼はその[x]なる判定に銘々慮る45彼女の[x]は前任者にとって青天霹靂である46彼女はかくも容姿媚態に彼を[x]する47露知らず[x]はその深淵をのぞかれるものである48渚に失せものでありて先人は艶然と[x]する49それは九死の前任者に唯一[x]させるものである50湯の花に咲くは天才どもが[x]の痕である51天才は変遷する季節と[x]模様に憂う52天才は時に蒙昧たる[x]の究明に邁進する53時に隣の[x]は青く捗捗しいものである54先人の誇りは時に[x]どもの事情とは背反する55彼らは戯れに[x]なる言の葉を披瀝する56運命は時に前任者を抗えぬ[x]へといざなう57天才の変貌は時に[x]の盲目となる の感想58荒ぶる夜 たまさかに 天才の心 [x] にあらず59時に天才は限定された[x]において奮闘する60先人の[x]は時に彼の献身となる61彼らは安くんぞ面する[x]の志をしらんや62親友が天才に描くもの即ち[x]である63その姿に想起するは[x]どもが夢のあとである64誰しも[x]の前は忙しなく 期待を胸に奔走する65祭りのはじめは矢継ぎ早 彼らに [x] が降りかかる66祭りの行方はいざ知らず [x] どもは華やかに舞うWJ話数各話タイトル




『ぼくたちは勉強ができない』 問67. 祭の騒ぎは留まらず [x] どもは茨の道を往く 感想

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さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第29号』 「ぼくたちは勉強ができない」 問67. 祭の騒ぎは留まらず [x] どもは茨の道を往く の感想(ぼく勉 67話感想)です。


文化祭もいよいよ中盤戦。

いよいよ古橋さんが演じることを「強いられているんだ!」(CV:乃村健次さん)な眠り姫の劇が開演というところで,存在感がまったくなかったあしゅみー先輩が普通に歌っておられた。



先輩...? なにやってんだよ,先輩..!(CV:田村睦心さん)


お,おう。

割と余裕ですな,小美浪先輩。医学部浪人というお立場にもかかわらず,卒業した学校の文化祭でバンド活動などしておられる。まあそれを言ったら,メイド喫茶で働いている段階で「時間配分とは」というツッコミがはいるところですが,「そういう漫画」じゃないのでそこの事情はゴミ箱に捨てておこう。

そこの事情はまあゴミ箱に捨てておいて良いんですけれど,「伝説の先輩」と2年間も一緒に学園生活を過ごしていたのに,あしゅみー先輩を認識していなかった唯我成幸は一体全体なんなんだぜ...というツッコミ入れておきたい気がしますが。

多分に,文化祭のときも単語帳めくって勉強しているような今は亡き「キリッとした成幸」だったんだろうなあ...。


そんなあしゅみー先輩と古橋さんがここで邂逅している点は留意しておきたいね。今後の展開に関わって来る部分だからね。


あしゅみー先輩がギター背負ってやってきた

古橋さんは「あしゅみー先輩がギター背負って高校に来ている」ことを認識しましたよ,ここで。


...
......


ということを踏まえての「眠り姫」であります。

既に劇は開演というのに,王子役を予定していた成幸はニャンポレオンZの着ぐるみを着て先生方に追われている有様です。この段階で劇はほとんど破綻している。



うわ...この演劇「雑」すぎ...(@ty●e)


横たわる古橋さんが「雑」と思わずモノローグを流すほどの雑な進行であります。このあとの展開も含めてアレなんですけれど,この雑さ加減は「わざと」なんだね。


要するに,今回の眠り姫は「古橋さんと成幸を公然キスさせる」という目的を前提に,「いばらの会」の面々がクラスを巻き込んで劇を用意しているわけです。過程や詳細などどうでもいいのだぁ!(ディオ様)というノリで計画を立てられているわけです。まさに舞台というより「舞台装置」な眠り姫の演劇。


だから舞台も雑だし進行も雑。王子は「成幸」でなければならないので,学園長の余計な気回しも「いばらの会」からしてみればただの障害です。王子公募という段階でもはやギャグだし,眠りを覚ますキス云々以前にもう古橋さん怯えて目を覚ましているやん...というレベルの劇崩壊ぶりです。


なんて声,出してやがる...鹿島ー!(CV:細谷佳正さん)


この緩さ...あのジャンプ最長ラブコメでもなかなかお目にかかれなかったレベルの緩さである。つまりこれは「計算された雑さ加減」と見做してよかろう。描かれているものが「コメディ(ギャグ)」であることを意識して描かれているわけですな。




とまあかなり緩い物語進行です。ぶっちゃけ謎すぎなレベルであります。
...しかしまあ,ふと冷静になって振り返ってみると,恐らくこの「文化祭」シリーズには2つの視点が入っていんだろうなあと思ったり。


1. ヒロインズと成幸の間の関係性をさらに近づける
2. ヒロインズのサポートキャラの見せ場を作る

この2点ですね。

この演劇が古橋さんの意図と全く関係なく進行しているのは最初から明らかなわけで,そこでイニシアティブを持っているのは「いばらの会」の面々です。いわゆる猪鹿蝶さんです。



・武元さんがアイドルステージを行う上でのサポートキャラが「海っち・川っち」。
・緒方さんがジンクスを成功させるためのサポートキャラが「関城紗和子」さん。
・古橋さんと成幸を強制的に恋仲にしようと勝手にサポートしているのが「鹿島・猪森・蝶野」さん。

おそらくは,人気投票でそれなりの票数を得たサブキャラたちに,それなりの見せ場を見せてやろうというのが今回の趣旨の一つなんでしょうなあ...。


ツッコミが追いつかない緩さ

まあこうなると何でもありだな...と思わなくもないですが,それはそれ彼女らのDE・BA・Nを期待していた層への筒井先生なりの返答なんじゃないかと思ったり。



...ちなみに,桐須真冬先生のサポートキャラは誰だと思いますか?

本来は「桐須美春」さんなんでしょうけれど,彼女は実質的にサポートキャラになっていないですよね。もしかしたら,先生の「講義」のときに現れるかもしれませんが。

むしろ今のところ,実質的に桐須先生のサポートキャラとなっているのは「唯我成幸」なんじゃないかと僕は思うのですけれどね。

桐須先生の困難に対して助けを出し,彼女の窮地を救ったり,それができない娘たちとの距離感を縮めたり。それを桐須先生が恋愛的な意味で捉えていない点においても,成幸こそが先生の(漫画における活躍上の)サポートキャラなんだろうなと。


...
......


閑話休題。


なぜそこにいる!(ギャング・ベッジ)

なんやかんやで舞台の「直上」に現れた王子役(ただしニャンポレオンZ)の成幸。ふふ...ここもかなり「変」なんですけれどね。なんで体育館「床下」にあるダクトから入った成幸が「上」にいるんだろ...

しかしそういうツッコミは無しにして(こればっか),突然倒れる舞台セットの書き割りに対し,ついに成幸王子が舞台に参上。



ニャンポレオーーーーーンZ!(CV:もも●ロZ)

ぐったぐたの劇でしたが,いちおうここで王子(いばらの会が勝手に任命)が姫を救う形にはなっているんですね...。古橋姫の親衛隊のいばらの会よりも素早く着ぐるみのまま飛び込む辺り,成幸の人の良さが表れています。


さてここでの古橋さんの認識です。

王子役の公募男子が迫りくる,それを阻止しようといばらの会の面々が乱闘を始める,そんな中で舞台の書き割りが倒れたところを空から降ってきたニャンポレオンZが助けてくれる。そんな状況。


キヅイタ(第200話)

で,はたと気がついた。このニャンポレオンZには問題がある...じゃなかった,ギターがある。あの「あしゅみー先輩の」ギターを背負っているわけです,ニャンポレオンZが。


ここで古橋さんはこう認識したはずです。


ニャンポレオンZ=あしゅみー先輩という認識

「なんでかわからないけれども,ニャンポレオンZの着ぐるみを着た"あしゅみー先輩"が助けてくれた」

と。そしてこうも思ったわけです。

「この収拾をつけるためには,とにかく眠り姫が王子役とキスをして終わりにしなければならない」(じゃないと公募王子にキスされる)

と。この窮地を切り抜ける「たったひとつの冴えたやりかた」がある。それはこの着ぐるみのニャンポレオンZを王子と見立ててキスすることです。



だから「ごめんなさい」なんだよね。


ごめんなさい

古橋さんの認識では中の人は「あしゅみー先輩」です。中の人がどこぞの男子だったらきつかったでしょうけれど,中身が知人の女子だと思えばキスぐらいできる。着ぐるみの上からだし。突然で申し訳ないけれど,あしゅみー先輩助けて!っというのがこのときの古橋さんの気持ちだったんだと思いますよ。


古橋さん視点では「これでいいのだ」なわけです。「全く問題なし」なわけです。



......"お前がそう思うんならそうなんだろう お前ん中ではな!"



無問題なキス


ところがどっこい,そうは問屋がおろさないのが「古橋さん以外の人間」ですよ。


まずは猪鹿蝶やら舞台の演劇を観ていた面々から。

「あの」文学の森の眠り姫がキスした相手となれば,当然相手は誰なのか詮索せざるを得ないというもの。そりゃ大騒ぎだわさ。無論,古橋さん的には「いやいや,アレは卒業生の小美浪先輩だし。着ぐるみの上からだし」と説明すりゃいいと思うのでしょう。

しかし唯我成幸とのキスをもくろんでいた「いばらの会」の面々はそうはいかないのである。劇の主目的であった「成幸との公然キッス」は潰えたわけですから,当然ニャンポレオンZの正体を暴こうとはするでしょう。これがどうなるのか,というのが問題の1つ目。





...もう一つは他でもない,「唯我成幸」さんですよ。

わけも分からず手伝いを求められ,することもわからないまま「教え子」の古橋さんの身の危険に巻き込まれ助けたら,いきなり古橋文乃にキスされた。

はい,こういう状況になります。



いいですか。あの「姫コスプレ」の古橋さんがどんどん迫ってきて,着ぐるみ越しにキッスされるんですよ。これは赤面どころか硬直せざるを得ない。


唯我成幸の目がテン!

舞台上で「古橋姫とキスしたのは誰だ」と殺気立つ面々の中,フリーズするのはとても危険ですね...。まあ中の人は混乱してそれどころじゃないでしょうけれどね。



そこで古橋さんが「いやいや中の人はあしゅみー先輩だから」と正体を明かすよう促しなんかした日には,もうどうにもならないですね。僕が成幸の立場だったら,多分とりあえず逃げる。そりゃにげますわ,あの唯我成幸が古橋さんにキスされたなんて学校内に周知されたらたぶん男子社会的に死ぬ。それ以前に古橋さんと気まずい。かなり。

なので,おそらくは「成幸は遁走」するんでしょうなあ。逃げられるかわからないけれど。その時,古橋さんが一緒に逃げるかどうかはわかりませんが,その後に起こることは明々白々です。



もろもろ終わったあとに,あしゅみー先輩と再会した古橋さんが「礼」を言う。身に覚えがないあしゅみー先輩が「あれは後輩(成幸)だぜ」と告げる。または,「着ぐるみを着た状態の成幸とあしゅみー先輩が同時にいるところと出くわす」とかとか。

あるいは,この場では真相は明らかにならないのかもしれないね。あしゅみー先輩は「誤解をわざと解かない」というのもありかもしれないね。

その結果,唯我成幸の方は古橋さんを意識してしまうが,古橋さんはなんでそんな反応を取られるのかわからない...というギャップを楽しむのも乙かもしれん。まあ最終的には古橋さんも真相を知るんでしょうけれど。



なんにせよこの顛末の「肝」は,最終的に着ぐるみキッスの相手が成幸だったと古橋さんが認識するとところまでが流れでしょう。


...まあ,着ぐるみ越しですし。古橋さん的には「大したことない」ことで処理できるのでしょうけれど,問題はやはり成幸側だよなあー。どうしても「迫り来る古橋文乃さん」のイメージは鮮明に焼き付くだろう。ここまで「教え子」であり「姉」であった文乃さんを今後どう捉えるのか,私,気になります!







なおこの後「いばらの会」の面々は古橋さんに滅茶苦茶怒られた模様(未来視)



というところでまる。

...
......
.........


さて。さてさて。

一応来週にもお話は続くらしいので,前半はそんな流れなんだろうなあと。後半は多分別の流れ...それこそ先生の講義になるのかもしれないし,いよいよ花火を巡る「駆け引き」が武元さんや関城さんを通じて演じられるのかもしれませんけれど。

しっかしまあ,こんな出来事があったあとで,成幸が使い物になるのか心配ではある。


ここであしゅみー先輩も加わったことですし,多分に「ジンクス」とやらは五人のヒロインと同時に「絡まる(物理)」とかいうオチなんでしょうけれど...そんために暗躍しそうな関城さん,猪鹿蝶,海川コンビも見ものである。


つまり何が言いたいのかと言うと,「からかい上手のあしゅみー先輩」の臀部がエロいということであります。


フェチズムを感じる...

というわけで再度まる。





最新刊ぼくたちは勉強ができない 6 (ジャンプコミックス)は5月2日発売。電子版はこちら



*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第29号 「ぼくたちは勉強ができない」問.67 より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第102話 白銀御行は告らせたい 感想

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さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第29号』「かぐや様は告らせたい」 第102話 白銀御行は告らせたい の 感想(かぐ活)です。



前回の進路相談において,「秀知院スーパーワンダフリャ特許推薦状」(違)を用いてスタンフォード大に進学することを決めた白銀御幸会長。2年後の夏にはメリケンです。彼に残された時間はあと僅かである。

そんなことをしっかりと認識した上で,この文化祭を「恋の関ヶ原の戦い」と肝に銘じ,ここでこの恋を決める。そのためには告白も辞さずというプライドを捨てた勝負に出てまいりました。



白銀半端ないって。アイツ半端ないって。


その心意気や良し。

「羞恥心を捨てる」「男らしくガツガツ行ってやる!」との決意が素晴らしいですね。ここまで秀知院が誇る二人の天才には大きな問題が有りました。それは策を弄すれば弄するほど上手くいかないという事実です。なまじ頭が良すぎて小手先のテクニックに走り,詰めを誤り,攻めきれなかったこと数知れず。むしろ上手くいくのは策を弄せずに「あるがままの自分を出した時」というのがこれまでの傾向です。




これまでの事例(第46話より)

一緒にお月見をした時もそうでした。かぐや様が携帯電話を壊してスマホを買い替えた時もそうでした。頭と心空っぽにして「あるがままの自分」を出している時のほうが,はるかに相手に「ときめき」と「狼狽」を与え,相手を追い詰めてきたではありませんか。

そんなことを鑑みると,今回の白銀御行は大いに期待できるところ。


...
......


というわけで,久々の「恋愛頭脳戦」スタートゥ!


そして今回のバトルステージは「文化祭」です。最近のラブコメでは文化祭ブームなんでしょうか。あ,頭が...いえ何でもありません。別にアイドルステージをやったり,眠り姫を演じるわけではありませんからね。はっはっは。


というわけで,かぐや様のクラスでは「コスプレ喫茶」をやります!


コスプレ回


あ,はい。
こっちもコスプレかよ。まあ偏差値77の秀知院学園においてそこまでのおふざけはなかなか無いといいますか,おそらくこの種のイベントはこれが最後になるかもしれません。ある意味貴重なコスプレ回になりそうですね。登場する度にコスプレをしている女教師が出てくるような漫画じゃないんです!


しかしまあ,四宮さん普通にコスプレをするつもりでおられる。え,いいの?

そもそもコスプレ「喫茶」なるもの,奉仕を前提とするサービスである。国の心臓と言われし四宮家の血を引く者として支配することはあっても奉仕することは家訓に反するような気がしなくもないですが,そこはそれクラス行事には素直に従うわけですね。まあ誰にキスされるか分からない眠り姫を演じるよりは気が楽そうですし。おすし。

無論,権謀術数の世界に生きる四宮さんですから「コスプレして有象無象に奉仕しろ」と言われてはいお客様,というようなタマじゃないわけですが。当然これを梃子に,会長を籠絡する作戦である。転んでもただでは起きない四宮かぐやさん十七歳である。



お可愛い企み


ふむ。
まあ男子たるものコスプレには弱いものです。俗説によれば,男子は割と視覚から異性に対する恋愛深度を深める傾向があるそうです。普段は見られない四宮さんのあーんな衣装やこーんな衣装を見せられれば,ときめきも通常の3割増し以上となるというものかもしれません。ある意味効果が期待できる「策」ではある。

というわけで本邦初公開(ではないかもしれない)。四宮かぐやさんのコスプレ作戦!


露出や色気に頼らず,「お可愛らしさ」を強調するセレクト第一弾はサンタコスプレである。彼の日野三春氏も愛用したという赤いサンタ服である(違)。四宮さんの紅玉色の瞳も映える,お可愛い赤いサンタの登場はまさに悩殺・瞬獄殺まちがいなし!...だったはずなのに



お可愛いこと


あれぇ?

思っていたレスポンスと違います。一体全体何が起きているのか。
普段の会長ならば「まあ,いいんじゃないか」とかクールに決めながらそのまま後ろを向いて顔をニヤつかせるのが関の山だったはずである。しかし今回の白銀御行は違うのであった。そこにあるのは天才肌なだけのなまくら刀じゃありません。強い意志。何かを決意した男の瞳をしています。


決意した男の瞳


そうである。
今回の白銀御行は本気汁なのである。2年後に確実に訪れる四宮かぐやとの別離。更に4年間の空白期間。それを鑑みれば残り限られた時間を恋愛心理線に使うのではなく,ラブラブカップルにある方を選択するほうが絶対に良い。

いや,そんな条件をつけなくても元々お互い好きあっていることを承知しているのですから,意地を張り続けてきたこれまでがアホなだけだったんですが。お前ら,本当に天才なのか...? というもっともなツッコミはさておき白銀御行は本気です。いざとなったら気持ちが伝わってもいい。こっちから「告白してもいい」。

そんな「凄み」が白銀御行にはある。




ぐふう。
いつもの白銀会長との違いを感じ取りながらも,いまさら攻め手を変えることもできないのが四宮さんである。ここまできたらコスプレで勝つ。コスプレで押し切ってやるー! 強運のコスプレだ!... などと錯乱した岸辺露伴のような気持ちで選択した衣装がこちらになります。



将軍「スンバらしいコスプレだ!ムスカ,この娘はどこのお店で会える!?」

...などとモウロ将軍も述べており...というくらい新鮮だ!気のせいかいつもより胸部にも色気を感じます。横島忠夫がいたら「乳!尻!太ももー!」とか叫んでいるところですよ,奥さん(下衆)。ごく普通のスカート丈カットをしたJKスタイルなのにケシカラン感じがするのは何なんでしょうか。「かぐや様同人版」とのコラボなんでしょうか。




しかしそんな世の一般男子全般の反応を見透かすかのように,白銀御行は断言するのであった。


「駄目だ。それは駄目だ」(三日月)


かぐや様もビックリである。清水の舞台から飛び下りる気分で着用した極短ミニスカだったのに。普段は決して見せない御御足をたっぷり露出して白銀御行を悩殺に行ったのに。まさかのダメ出しである。がっかり。がっかり。


思わず目も虚ろになる四宮かぐやからの〜


「他の男共に 四宮の肌をジロジロ見られるのは 我慢ならない」





MIYUKI SHIROGANE!!(第20話より)


ブラボー!Oh,ブラボー!

なんなんだこれは。秀知院の会長は化け物か。ここにきて,自らの独占欲と心配が入り混じった,わかりやすい好意の発露!きわどい。めっちゃ際どい。四宮かぐやを自ら愛する者と定義し,自分以外の男にその姿を見せることは許せない。そんな強固な意思。プライドを捨てた男の姿がそこにあった。

セリフの際どさもさることながら,この断固とした姿が素晴らしいのである。白銀△□☓(さんカッケー死角無し)というやつである。もはやどっちが攻めているのかわからない。やはりこれまでのように,策を弄する者ではなく,素直にあるがままの姿を見せたほうが強かった。

追い込んでいるつもりの四宮さんである。しかし真に追い込まれているのは実は四宮さんなのではないか...?


それって...

思わず問いかけたくなるその気持ち。そこに確かにある白銀御行の本心に触れた時,問うことさえできれば恐らく手に入る欲しくてたまらなかった「白銀御行からの告白」がもう目の前にある。期せずして自分が弄した策の通りの展開になったのである。



ああ...でも....

しかし,そこで四宮さんは引いてしまうのである。聞けば「勝っていた」にもかかわらず。いつもの「罠」だと脳内に警笛が鳴り響き,一歩引いてしまうのであった。無念である。

たぶんに,訊けば「かぐやが好きだ」という答えが返ってくる予感は本当に感じていたんでしょうね。にもかかわらず脳が「罠」というシグナルを出したのは,きっと「怖かった」んだと思うんだ。四宮さんは。

あと一歩で想いが叶うという瞬間に,その答えを聞いた後に生じる変化が怖かった。二人の関係がどうなってしまうのか。そして白銀御行の気持ちに対して一瞬の喜びを抱いても,その後に訪れる「海外留学」という進路決定に関する報告を聞いて陥る混乱と悲しみ。四宮さんにはわかるはずもないけれど,何かの予兆を感じ取ったのかもしれないね。


まあ何があったって二人は付き合いたいのだから,訊いておけばよかったと思いますが。


そういうとこだぞ


というわけで一旦仕切り直し。心の準備です。
ここまで明らかなように白銀会長は十中八九自分が好き。あとは会長の気持ちを確かめるだけ。気持ちを落ち着かせて確かめるだけ。

一度は「怖さ」からか逃げてしまったけれど,この勝機を逃すようでは四宮家の血が泣こうというものです。年には年をいれ,四宮かぐやが選んだ最後の「勝負服」は...。



白銀御行十七歳。秀知院学院の学年一位として君臨し,生徒会会長二期目を任ずる秀知院のトップ中のトップである。天地魔界に敵なしとまで言われ(いわれてない),今,覚悟の扉を開くーーーーーー


猫耳メイドだった。


四宮はんぱないって。アイツはんぱないって。猫耳つけてめっちゃ奇跡的存在になるんやもん。そんなん出来ひんやん、普通。 pic.twitter.com/YCssCMdt5p

? 「かぐや様」はんぱないbot (@Kaguya_Hanpa) 2018年6月20日



『白銀御行の心の叫び』
四宮半端ないって。アイツ半端ないって!猫耳つけてめっちゃマリアージュになるんやもん。そんなん出来ひんやん、普通。





壊れた。


3!Freeze! エス・エイチ・アイ・ティー!



四宮かぐや全身全霊の一撃は,あまりにも強力すぎて魔貫光殺砲に貫かれたが如く白銀御行のハートをぶち抜いたのであった。そして招かれざる客きたる。


...
......


(*これよりいつもの鉄血劇場でお送りまします)



石上:なんて格好してやがる...藤原ー!(誤認)


かぐや:ああ...ああ....





(BGM:フリージア♪)



石上:恥が欠落したイカれた格好をするのが副会長の仕事か...




(キボウノハナー♪)




白銀:俺は止まんねぇからよ...四宮がかわえー(奇跡的存在)である限り,俺の恋はどこまでも続く...!







白銀:だからよ...そのコスプレを止めるんじゃねぇぞ....。まる。



かぐや様は告らせたい 10 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第29号「かぐや様は告らせたい」第102話 同20話,46話より引用しました。

『ぼくたちは勉強ができない』 問68. 祭りの佳境はめいめいに [x] を求め空騒ぐ 感想

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さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第30号』 「ぼくたちは勉強ができない」 問68. 祭りの佳境はめいめいに [x] を求め空騒ぐ の感想(ぼく勉 68話感想)です。


まずは前回の答えあわせから。


前回予想の焦点はいくつかあったと思うのですけれど,

(前回の予想
古橋さんはニャンポレオンZの正体を「あしゅみー先輩」と思っている(理由はギター)。
古橋さんがキスできたのは相手が「あしゅみー先輩」であり,着ぐるみ越しのキスなら女の子同士ノーカンと思っている(だから「ごめんなさい」)
「古橋さん以外」の人間はニャンポレオンZの正体を暴こうとする。勿論成幸は逃げる。
成幸は古橋さんからキスされるのでドキドキする
そしてあしゅみー先輩は古橋さんに「自分じゃない」と告げる

とまあ予想していたのですが。
ふ...我ながらちょっと怖いぜ。ほとんど当たっているじゃないですか。まあ誰にでも予想できる内容だったけれど。

見聞色を鍛えすぎてマークされたかもしれないブログ(嘘)なだけはありますね...


というわけでほぼ前半の流れは予想通りだったかなと。ついでにいえばコメントお返事で書いた,「来週は古橋さんのキスシーンから始まる」ってのも当たってましたね(フンス!フンス!)



...
......



というわけでこちらが着ぐるみが無い,唯我成幸視点の(?)キスシーンであります。



古橋姫は最高のプレーをした。


前回あっさり目めなキスシーンの"引き"を補える最高のキスシーンでありますね。もちろん「着ぐるみが無かったら」というifであり,実際には触れちゃいないんですけどね。ただのイメージに過ぎません。


イメージには過ぎませんが,それはそれ,唯我成幸からしてみれば驚天動地な出来事であることは否めまい。着ぐるみ越しとはいえキッスはキッスである。自分は着ぐるみを着ていても,相手は素顔の古橋姫ですからね。そりゃあ赤面の一つぐらいするわ。


ある日キスは突然に


しかしまあ,ここからの唯我成幸の切り替えもまた見事であった。起きた出来事のやばさを感じ取ったのか,あっという間に「遁走」である。






『唯我成幸さんの後始末』

ドクンドクン。



効いてる効いてる...


ふむ。一応,一定の効果はあったようですね。

そりゃ女の子の顔面がいきなり近づいてきてキッスですからね。桐須先生のときは「演技」と割り切って自分から顔を近づけただけだし,うるかの時は夢見心地で現実なのかどうか判断つきかねる状況でしたしね。

もちろん,直接接触した緒方さんが最強なわけですけれど,あれはハプニングだったからなあ。そういう意味では女の子から主体的に受けたキスを唯我成幸が"認識"している「最初の事例」といってもよかろう。






...しかしまあ,その後の展開を鑑みると意外と引きずっていないというか。普通にうどんイベントに入っているというか。ドキドキ興奮が冷め遣らぬとはいえ,理珠さんとポッキーうどんとかやって赤面していますし。おすし。


文理両道

そういう観点で見てみますと,割と成幸が淡白と言えなくも無い。まあ単純にそれどころじゃないというか,あの後先生らに衣装を返したり,いばらの会との恐怖の面談があったりとしましたからね。イベントがイベントで上書きされていく感...ジャンプ最長ラブコメでも経験した感覚ですよ,こりゃあ。



まあ,恐らく古橋さんとの「キスもどき」についてはまた別の機会に譲るということになるのであろう。どちらかというと今回のお話においては「伏線張り」という側面が強いかなと思ったり。






『古橋文乃さんの後始末』
一方の古橋さんです。

とりあえず強引に劇を締めて...てところが実に落ち着いていますよね。いきなりキスしたこともそうですし,なかんずく計算された言動のように見えます。



なんて演技...してやがる...古橋ィ!


というわけで,実際はどうだったのかというと,ほぼ予想通りの展開...。野郎どもを抑えるための奇策であり,相手は「あしゅみー先輩」と思っていたわけですから。








......というところからの,あしゅみー先輩の爆弾発言となります。


節子,それはワイじゃない


...


......


.........




なんて声...出してやがる...古橋ィ!

古橋イ㌔。



なかなかに本人の意識的にはかなり「悲惨」なことになっておりますが。あしゅみー先輩となんちゃってキスで誤魔化したと思ったら,相手は「どこの誰とも知らない野郎」だったと。なるほど...なるほど...。


ここで一つ指摘しておきたいのは,「あしゅみー先輩」もまた着ぐるみ王子が誰なのか分かっていないという点ですね。



古橋さんの発言は「困ってるわたしをみかねて...王子の着ぐるみまで用意して助けに来てくれたんですよね」です。ここで「ニャンポレオンZ」の着ぐるみとは言っていない。

そして証拠の「ギター」ですが,それも成幸に預けたという認識があしゅみー先輩には無い。ですからあしゅみー先輩が「それは成幸だぜ」という指摘には決して至らないわけです。



つまり現状,古橋さんと「キスもどき」をしたという認識を有するのは唯我成幸ただ一人となります。そして本人は墓まで秘密にするつもりなので,このままだと現状ドラマが生まれません。ジャンプ最長ラブコメでよくあった「続きはいつも無かったことにされた」というアレに落とし込まれそうな雰囲気すらある。




だ・け・ど!

なかなかに伏線が張っているんじゃないかな,という気がするんですがね。どうでしょうか。

『キッスの伏線を考えてみる』
伏線1.あしゅみー先輩にとって古橋さんのキスの相手=「王子コス」という誤認

これは,現在行方の分からない王子の衣装がどこかで出てくる前振りではなかろうか。結局,桐須先生は着なかったので,王子の衣装はどこかに誤配達されているのである。前々回の感想で予想候補の一つとして挙げた,やはり"水泳部にそれは届いていて,それを「うるか」が着るパターン"なのかもしれないね。

だとすればだ。
王子コスをみたあしゅみー先輩が「あれはうるかだったみたいだぜ」と教えることで,古橋さんに一つの安寧がもたらされるのかもしれない。という可能性が一つ。



伏線2.成幸さんがギターを背負ったまま歩いている

件の「ニャンポレオンZ王子」はあしゅみー先輩のギターを背負っていたわけですが,鈴木先生らにきぐるみを回収されてからの成幸はギターを背負って歩いているんですよね。それを「いばらの会」をはじめ,不特定多数の人間に見られている。



ギター侍・唯我成幸


怒りに燃えるいばらの会の面々は「ニャンポレオンZ=成幸」と気づかなかったわけですけれど,これどうなんかな。王子の正体探しをしている面々からすれば,ギター侍ならぬギター王子が行方不明となり,直後に唯我成幸がそのギターを背負っている。因果関係は明白なわけなんですが。

普通の世界ではそうやって「成幸=ニャンポレオン王子」と特定される可能性もあるのですが,これはこういう漫画なのでそっちの線は可能性として低そうですけれど。一応可能性としては指摘しておく。

特にあしゅみー先輩はギターを最終的に回収しなければならないだけに,気づく可能性はありますよね,一応。


...という状況を統合した結果,どんなことが起こりうるか。仮説を立ててみましょう。



仮説.断片的な情報が統合された時,「武元うるかが文乃のキスの相手=成幸と気づく」説


「古橋文乃の状況」

あしゅみー先輩から「王子=うるかでは」という情報がもたらされた場合,古橋さんはそこに救いを求めるものの,もしそうでなかった場合の状況に耐えきれず,「うるかに確認しない」可能性があるのではないか。

つまり,あれは「うるかだった」で自分をごまかす。



「武元うるかの状況」

古橋さんの劇を観ていた・ないし騒動を聞くことで古橋さんがニャンポレオンZとキスしたことを認知する。相手は誰かと思っていた矢先,あしゅみー先輩からギターのことを聞かれるが「分からない」。

その後,うどん会場で成幸が持っているギターを発見する...

という条件が重なった時,うるか(とあしゅみー先輩)は古橋さんのキスの相手=成幸と気づく可能性があるのではないか,と思ったり。


...ただまあ,あしゅみー先輩にはキスの相手=成幸とわからないような展開にしていますし,うるかも他者の恋愛事情に鈍感という描写がこれまでなされていますので,こういう事が起こる可能性はあまり高くないと思いますが。

とは言え,うるかが起きたことを知るというのは,結構漫画的には話の転換になりそうな気がします。特に積極的に成幸にアタックするきっかけにはなりそうな気がするのですが,どうでしょうかね。



ま,そんな展開になるかどうかはともかく,古橋さんにとっては「誰とキスしたのか」一大事ですし,いばらの会をはじめ周囲の人間にとっても同様です。仮に上記のようなことが何もなくても,最終的に古橋さんが相手は成幸だったと気づく瞬間はどこかであるんでしょうね。



追及は終わらない

それこそ,古橋文乃師匠が唯我成幸に誰ともしれない相手にファーストキスをしてしまったことを相談する,というパターンも平行して起こりそうな予感。
それはそれで面白かったりする。もちろん成幸は言えないでしょうが,それはそれでドラマだぜ。

相談を受ける時にキスのことを思い出してまともに顔が見られない成幸がいたり,キスについて後悔している文乃を見て傷つけないようにこのことは黙っていようとこっそり思ったり。


少しでも古橋師匠を意識する部分がでてきたら,そんなことにチクっと胸が痛くなったりしたら,それはそれで笑える...もとい面白い展開ではある。まあなんにせよ,物語に「活」を入れてくれるといいですね,この着ぐるみ越しのキスが。



守りたい。この笑顔。

じゃないと物語が始まらないしよぉ!古橋師匠の恋物語がよぉ!

というわけで,まる。


...
......


さて。さてさて。
キッスの後始末はそのくらいにして,最後に緒方さんとのやり取りについてであります。


『緒方理珠さんのターン!』
今回のエピソード,本質的には緒方さんへのテコ入れがメインだと思っていたので,この後展開される「恋うどん」と花火のジンクスは緒方さんにとって大チャンスの可能性が大である。


攻める。



攻めダルマ・緒方

素で攻めるときの緒方さんのピュアさときたら,こっちがクラクラしてしまいますね。どこぞの恋愛頭脳戦もそうですけれど,こと恋愛にあっては「素直」が一番である。意識せず,素で語ることによって相手に自分を意識させる。どこぞの会長と令嬢にも見習わせたいところである。


思わず古橋さんと緒方さんを意識する唯我成幸が恋愛色に染まっているのが微笑ましいですね。なんだかラブコメみたいじゃん(おい)




で。うどんポッキー。


UDON POCKY

くっくっく...やるではないか...。いくらまだ完全体(恋愛的な意味において)になっていないといってもな...。


思わずどこかで見た幼児に「恋人」と突っ込まれるラブラブカップルである。そして照れるのも一瞬,成幸がなにか思いついた模様。

...まあ,たぶんWストローよろしく「うどん2玉入ったどんぶりをカップルでシェア」しながら花火のジンクスを迎えよう的な販促なんでしょうけれど。言うならば「恋うどん」やね。

うどんポッキーで繋がりながら花火を見るなんてええやんけ...という発想ぽいですけれど。



恋うどん

ふむ。
ただ仮にそうだったとして,前提として箸ですするんだろうから「合せ箸(箸渡し)」になってしまうような気がするのですが,そこはどうクリアするのかな。フォークでも用意するのかしら。

あるいは揚げスパみたいに揚げうどんにしてスティックで売るのかしら。(効率悪そうだけれど)そこんところが気になるのである。


...
......


そしてもう一つ気になるのが,ここまで以上に存在感の無い親友「関城紗和子」さんですよ。


『花火のジンクスはどうなるのか?』
明らかに花火のジンクスに絡めてなにかするつもりだったはずなのに,ここまで一コマもありません。いいんでしょうかそんなんで。泣いている子も(洋菓子さん)いるんやで!←*ジョークです。


関城紗和子の逆襲(問64より)


花火のジンクスを聞いていた時に,明らかに行動の意思を出していたのは関城さんとうるかです。まあ自主的に動けるうるかは良いとして,あとのヒロインズは自主的に動く要素があまりありません。緒方さんはまだ自覚してないし。

なので,緒方さんのサポートは関城さんがすることになるわけですが,ここまで姿も見えないとはどういう算段なのか気になるところではある。まさか最後に出てきて花火の瞬間に「ドン!」と成幸めがけて付き押すとかそれだけじゃなかろうな...。





そして。
たかがジンクス。されどジンクスといえでも「振り返ってみればまさに本当だった」というエピソード冒頭のモノローグがあった以上,他のヒロインについても検討する必要があろう。現段階で「恋愛可能性」を潰したくなければ,ここはどんな形であっても最初の花火が打ち上がる時に唯我成幸とくっついて置く必要があるので。



ヒロインたちの戦争が始まる(問64.より)


まず古橋さん。彼女は自ら成幸に接触する気は全く無いので,ほおっておくとくっつけません。まあ普通に考えて「いばらの会」だろうな。成幸との公然キッス作戦が失敗した以上,せめてジンクスは取りに行くという行動にでるのは容易に想像できる。



次。
あしゅみー先輩もまたくっつく必要はないのだけれど,親父的には「花火時にくっついている写真」をとっておく必要があるのかもしれない。からかい上手なあしゅみーさんだからこそ,からかい半分でくっつく可能性もありうる。そういう意味では特にサポート役がいなくても接触はできるかもしれない。



最後。
桐須真冬先生。彼女が一番厳しいのですが,サポート役になれそうなのは桐須美春しかいない。描かれていなかったけれど,「神聖ローマ帝国はなぜ崩壊したのか」という講義を聞きに来ている可能性は微粒子レベルで存在する。

であるならば,「夫婦ですか!」と思いこんでいる二人を分断しようとして,逆にくっつけてしまうハプニングとかあるかもしれないね...。まあハプニングだったら他の要素でもいいんですけれど。うどんを食べに来ていたら「太郎さん」に出会って思わず成幸にしがみつくとかでもね。


ま,なんにせよ現段階では最終的に「5人娘(?)」とくっついているのだと思いますが,そのプロセスがどう描かれるのか,楽しみであります。


というわけで,再度まる。




最新刊ぼくたちは勉強ができない 7 (ジャンプコミックス)は7月4日発売。電子版はこちら


さて。


誉め方が気になる。

一瞬で観客の心をひきつける演技と即興劇力。それを「瞬時に客の心をつかむとは 古橋姫おそるべし」と言われるのは,やはり古橋家の父は芸能系なんだろうか。たまたまかもしれないけれど,少し気になりました。まる。




*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第30号 「ぼくたちは勉強ができない」問.68,同64 より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第103話 白銀御行は告らせたい② 感想

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さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第30号』「かぐや様は告らせたい」 第103話 白銀御行は告らせたい② の 感想(かぐ活)です。


「白銀御行が海外留学を決めたので,四宮かぐやに対して積極的にならざるなくなった件。」の連載開始第2弾。今回もまた積極果敢な恋愛心理戦が繰り広げられる秀知院高校生徒会室であります。

前回は四宮かぐやが積極的にコスプレで攻め,白銀御行は告白してもかまわないという背水の陣できわどい台詞を連発しまくりました。その結果,壮絶な砲撃戦の末に両軍壊滅というまさかの結果に陥ってしまいました。その二の轍を踏んではいけない。



というわけで,今回の白銀会長の策は「文化祭デートに誘ってみよう」ということになります。



文化祭デートに誘ってみよう


ふむ。
「デートに誘う=告白ではない」とは言いえて妙ですね。確かに告白はしていない。しかし「お前に気があるんだよ」ぐらいのニュアンスは確実に相手に伝わる。いざとなったら気持ちを伝えてもいいという強固な意思をもつ白銀会長にしては思い切った心境です。


それはそうです。
四宮さんと両想いであることは当事者である二人が悟っている。にもかかわらず「相手から告白させたい」というマウントの取り合いのためだけにこの半年間を無為に過ごしてきたわけです。こんなもったいないことがあろうか。意地を張らずに告ってしまえば二人とも幸せになれるのに。

しかし白銀会長に残された日数は僅か1年すこし。留学直前まで日本に居てもせいぜい2年です。人類滅亡まであと1年な宇宙戦艦よりちょっとだけマシなだけです。残された僅かな時間,恋の駆け引きに使うよりもラブラブカップル(笑)になったほうが良いに決まっています。



という流れにおいての「恋愛頭脳戦」だったわけですが,今回もニヤリングの嵐でしたね。最初ッから最後まで頬が緩みっぱなしでした。

ぶっちゃけた話,白銀御行と四宮かぐや,両者は相手のことが好きなわけです。恋愛的に。そんな二人がこれまで恋人になれなかったのは,「相手から告白させよう」という一種のマウントとりであり,カップル成立後の力関係をも見越した恋愛頭脳戦の結果です。


しかしながら今回は違います。


攻める!

今回の二人はとても積極的に動きます。まずは告白の状況までいかに至るのか。そのための場作りとしての「文化祭デート」を白銀は企画しているわけです。勿論その裏には「四宮さんから告白させよう」という狙いがあったことは否めません。

とはいえ話は途中から様相が変化してきます。
当初の目的は「相手から告白させるため」といういつものパターンだったのに,途中から「二人で文化祭デートに行きたい」けれども「でも相手を誘うには勇気が足らない」というカップル成立直前の男女が通るあの瞬間を二人は共有しているわけですね...。



会長が勇気を振り絞ってデートに誘ったのに,四宮さんは気づかずにスルーしてしまう。あわてて取り繕って再チャンスを求めるものの,一度拒否されたことで会長は引いてしまう。



プレイバックPART2






どうにもならない気持ちを何とかするために,早坂から「今度はかぐや様から勇気を出して誘ってみれば?」という助言を受け,珍しく四宮さんも壁を乗り越えて再度声をかけてみる。

これがいかに画期的なことかお分かりでしょうか。



早坂愛がまともな助言をしている件

これまでの二人であれば,「相手から告白させないと自分の負け」という観点にたってしか考えられませんでした。しかし今の二人は相手に気持ちが伝わることは否定していないわけです。最終的にどちらかからか気持ちを伝えることによって二人は結ばれることができる。その最後の一歩。その最後の勇気の壁を乗り越えられるかどうか,というところまで二人はやってきたということなんですね。


会長としては限られた期限というものがある。一方の四宮さんは,理由は分からないけれどもここに来て会長が自分の気持ちを隠さず歩み寄ってきてくれている。ならば自分も歩み寄れればもしかして...という譲歩をしはじめているわけです。

変われば変わるものですよね。あんなに「相手を屈服させる」ことに執着していた二人なのに。いざ「恋の成就」を目の前に差し出されれば,周囲の人間がみんな思っていた「素直になれば幸せになれるのに」の境地に至ったわけですから。



勇気と愛気

一度は会長の誘いを無為に断ってしまった四宮さんが見せる勇気!
これがとんでもなくお可愛いことじゃありませんか。


先立つ羞恥心。同じ立場の会長の気持ち。自ら行ったことに対する後悔。これまで会得した技術(ルーティーン)。それらをすべて統合して四宮さんから会長にお誘いを改めてかける姿は最高にお可愛かった!


しかしまあ,こいつら本当に似たもの同士なわけですよね。
相手の言葉を真正面から受け止められず,あれこれと考えてしまう。どんな意味なんだろう?二人で行こうという意味なんだろうか?でもこの間断られたし...

もう一歩勇気が足らない。そして四宮かぐやもまたもう一押しの勇気が足らない。


これまでの恋愛心理戦と今回の大きな違いは「意思」ではなく「勇気」なんでだとしみじみ感じるシーンでありますね。これまでだったら「何とかして相手から言わせよう」というポジション合戦だったのに,今回はそこはもうクリアされているんです。自分から言うのが嫌なんじゃない。自分からもう一言言うには勇気が足らない。そういう話なんです。




あと一押しの勇気を...!!


白銀御行と四宮かぐやのツインシュート!
くっ!勇気が足らない!


ここマジでニヤニヤしながらのたうち回っちゃいましたね。お互いに好きあっている男女が告白直前にして勇気を求める恥じらいの姿。最高かよ!究極のニヤリングシーンである。ラブコメでいえばクライマックスである。




だれか!だれか僕たちに勇気を!




というところ出来たのが恋愛三大将であります。


恋愛三大将

いやいやいや。
こんなん,死にそうな奴が最後に頼る奴だろ(笑)。どんだけ追い詰められているんですか,会長は。


石上の青春ヘイト。伊井野の恋愛警察。まあこいつらは平常運転というかまあいつも通りだったんで,まあ「普通にルカナンかけてくるよね...」という感じだったんですけれど,最後に現れたラブ探偵もまた意図通りに動かないというか。動かそうと思っちゃいけないか。



もうやめて!白銀とかぐや様のライフはもうゼロよ!

藤原書記をコントロールしようとしては駄目なんだ,ということは初期の初期の頃から言われていたじゃないですか。書記だけに(え)。
四宮さんもそのことを知っていたし,こういうときは無心が一番にもかかわらず,なまじ藤原書記なんかにすがったから藪の蛇をつつくことになる。



ちくしょう。
これだけ勇気を振り絞ったのに。お互いにデートができるように精一杯努力したのに。またしても白銀御行と四宮かぐやはすれ違ってしまうのか...

...というところからーの,四宮さんの勇気がすばらしかったですね!


恥ずかしさに耐えて良くがんばった!感動した!


山田かつてない...じゃなかった,未だかつて無い奇跡である。勇気である。あの「四宮かぐや」が,二言目には会長から告白させようとどす黒い表情を浮かべていた四宮家の血を引きし者が,文化祭デートのために最後の勇気を振り絞ったのである。

これに応えなければ男じゃないのである。白銀御行もまた勇気を振り絞る。

ここだ!ここで決めるんだ!

怒涛の会話のキャッチボール。以心伝心のコミュニケーション。これまで二人を阻んできたものがいま,昇華する――――――――――!!!



ドドドドドド...ゴゴゴゴゴゴ....!



そうだ。
俺たちが今まで積み上げてきたもんは全部無駄じゃなかった。
これからも俺たちが立ち止まらないかぎり恋の道は続く。


からの〜




藤原?何やってんだよ?藤原!


こ・れ・は・ひ・ど・い(爆笑)

全力で勇気を振り絞ったのに。二人の気持ちは「一緒に文化祭デートに行く」で固まっていたのに。すべてをぶち壊しにかかる暗殺者・藤原の言葉が響き渡ります。今の流れ,どう考えても会長とかぐやさんで行く流れだったでしょ。そういうとこだぞ,藤原。




なんて声,出してやがる...会長!



俺は秀知院学院高校会長,白銀御行だぞ。こんくれぇなんてこたぁねぇ。
文化祭を偵察するのはオレの仕事だ。

いいから行くぞ。文化祭が待ってんだ。それに...
四宮,やっとわかったんだ。俺たちには辿り着く場所なんていらねぇ。ただ進み続けるだけでいい。止まんねぇ限り,恋の道は続く。



オレは止まんねぇからよ。お前らが止まんねぇ限り,その先(北高文化祭)に俺はいるぞ!

だからよ...止まるんじゃねぇぞ...。(またこのオチか...)



行くのを止まらなくてよかったですね,会長(絶望顔の四宮さん)



...
......



さすがに「鉄血のオルフェンス」ネタがくどくなってきた感がある。正直スマンカッタ。


まあ多少真面目に分析もどきをすると,最終的に自分たちの「勇気」と「意思」で解決できることなのに,そこに第三者を介在させた段階で会長とかぐや様の「負け」は確定していたんでしょうね。もとより二人の事柄に過ぎない「惚れた腫れた」な出来事です。関係ない人間が介在したら,不確定要素が増す。まあ当然だったのでしょうね。

しかもそろいもそろって「こいつら」(石上・伊井野・藤原)ですからね。他人の恋愛にはヘイトしか示さない石上会計と。恋愛=不純異性交遊の取締対象となる風紀委員・伊井野さんと。思ったとおりには決して動いてくれないンガくくな藤原書記と。

絶対に頼っちゃいけないメンツがそこにあった。これが大きな敗因でしょうなあ。


サ●エさんかよ...


とはいえ,本当に二人に勇気があれば,強い意志があれば,周囲の言葉に流されることなく自らの意思を貫くことも可能だったはずである。あそこで「いや,俺と四宮が行く。なぜなら(口から出まかせ)...」ぐらい言ってこその天才たちの恋愛頭脳戦じゃないですか。勇気と愛気じゃないですか。

まあそこまで推しきれなかったのは尺とお話しの都合なので詮無いことですが,白銀御行の覚悟はもう一段階高める必要があったということなんでしょうねえ。

...というわけで,いよいよ次週は白銀会長自らが設定した文化祭がやってくるのだと思いますが,ここで最後のひと押しをしてかぐや様に告らせようとするのか。あるいはタイムリミットがやってきて,覚悟を決めた会長の本気の告白が見られるのか。楽しみが止まらないわけであります。

という訳で,まる。


...
......


さて。さてさて。
いくつか小ネタを拾っておこう。


まず今回の題材に取り上げられた,他校の文化祭。「北高」なるものがいきなり登場しました。名前だけなら普通の公立高校ぽいわけですけれど,きっとそうではないんだろうなあ。秀知院の文化祭と比較するようであれば,やはり秀知院系列の名門校なんだろうか。秀知院北高とかそんな感じ?なのかもしれない。

ひょっとかしたら,例の大友京子さんの転校先あたりという可能性もあるんですかねえ。彼女の学校名は不明だったと思いますが。しかし,ま,石上も一緒に楽しんだというならば彼女にエンカウントするような場所ではない可能性が高いですかね。まあ今後この学校が出てくるかどうかはなんとも言えないところである。




次。
会長に誘われたにもかかわらず,自ら棒に振った主に対する早坂近侍の容赦のないツッコミが面白いのである。


早坂半端ないって!

早坂の声はそのまんま読者の声である。あーあ...。せっかく会長が勇気を振り絞ったのに。あっさりと断ってしまうなんてもったいないお化けがでるのである。地団駄を踏む勢いで悔しがる四宮さんを尻目に,気のせいか早坂さんがなんか嬉しそうと言うか,ある種の嗜虐的な表情を浮かべているように見えるのは気のせいだろうか。


そんな早坂さんに構わず無理難題をふっかける四宮かぐや様である。


ド●えもん

四宮さんは早坂さんのことを本当になんだと思っているのだろうか(笑)
いくら後悔で錯乱しているとはいえ,無理難題にも程がある。

もちろん時を巻き戻すなんて,スタンド使いでもド●えもんでもない早坂愛さんにはできないわけですが,そこで現実的にできることを助言してあげるあたり,早坂さんの「姉属性」が出ていたなあ,と思ったり。なんのかんので突き放さず,かぐやさんのことを考えてあげる早坂さんもお可愛い。



最後。
かなりどうでも良いことですし,個人的嗜好の問題でもあるので公言するのもアレかと思いますが,ぶっちゃけこの娘はお可愛かった。


前髪パッツン後ろ一つ結び可愛い

ポニーテールと言うほどでもない,ちょっと後ろ髪を一つ結びにして,前髪パッツンで左右に髪たらしーの...ああ,こういうの悪くないですね。お可愛いと思います。構図で言うならば,文化祭デートを誘って振られているのがボクみたいな人間ということになるのでしょうか。

この子が再登場する可能性は殆どないと思いますが,ちょっと目についたのであった。


という訳で,再度まる。

かぐや様は告らせたい 10 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第30号「かぐや様は告らせたい」第103話 より引用しました。

『ぼくたちは勉強ができない』 問69. 祭りの終わりは寂しくも華やかに [x] どもを祝福する 感想

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さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第31号』 「ぼくたちは勉強ができない」 問69. 祭りの終わりは寂しくも華やかに [x] どもを祝福する の感想(ぼく勉 69話感想)です。


ふむ。

どうやら筒井先生は修羅の道を行く気になったらしい。


ここまで「ぼく勉」という物語はなんだかんだで勉強を通じたヒロインズとの関係というものに終始していたと思うのですよ。緒方さんにせよ,古橋さんにせよ,うるかやあしゅみー先輩,桐須先生に至るまで基本的にヒロインと成幸が係わり合いを持つのは「勉強」という要素が中心だったわけです。


ラブコメとしての「恋愛」の部分は基本的にヒロインからの一方通行であり,理珠とうるかを除けば主体的に成幸を恋愛的に好きなわけでもない。もとより成幸自身がヒロインに対して恋愛感情を持たないニュートラルな「ヒロイン」だったからこそ,恋愛的な意味でのお話はほとんど進んでこなかったのですね。



それがここに来て一つ「仕掛け」を追加してきました。文化祭当初に言及された「花火のジンクス」ですね。



花火のジンクス


大方の予想と異なり,今回,一人のヒロインと手をつなぎあって観ることになりました。その正体を読者には隠すような形で。こういう仕掛けを入れこんできたのは,それなりの意図がある。


成幸自身が「今は勉強第一」「恋愛など二の次」という姿勢を貫いている以上,恋物語としてのぼく勉はこのままでは進展しないまま受験を向かえることになります。そうなると,ラブコメとしての恋愛的要素抜きにして今後もコメディを中心とした漫画構成を続けざるを得ない。

ラブコメとして「恋愛要素」は増やしたい。でも結末に至るまでの過程はある程度描きたい。


そんな折衷案としての仕掛けが「花火のジンクス」というわけですね...。なるほど。


最初にジンクスを紹介した上で,「今思い返してみれば...あの『ジンクス』はまさしく本物であった」との未来視点からのモノローグを入れる。その上で,実際にただ一人のヒロインと手を結ばせて花火を見させる。

これにより,特定のヒロインと恋愛的に結ばれることが読者に示され,このときの相手こそが成幸のお相手である。そんなことをこの段階で示す。


この描写からははっきりしたヒロインを特定するに至りません。逆光で,髪型も服も肌の色も曖昧なまま描かれている。
こうした曖昧な描写から,読者は5人の中の「誰か」であることを推察し,それが誰であるのかという視点を持って今後の物語を読むことになる。




こうした一種の謎解きめいたものは『ニセコイ』の「約束の女の子」で用いられた手法と同様である。描き方は異なれど,意図は同じである。
読者に「このヒロインと結ばれるのであろう」という冗長性を与えつつ,正体を明かさないことで読者の探究心を引き出す。

本作品のラブコメの「恋」の部分の柱立てをこの69話にして新たに追加したということになるのでしょうか。



しかしまあ,この手法を用いるからには筒井先生にもある種の「覚悟」が必要となってくるのだろうなと僕は思います。



その手は誰のものか

このように誰とでも解釈できるようなシルエットのみを示し,読者に対してはそれは「謎」として提示する。そしてこの人物と結ばれることを示唆される。もちろん,作者は物語の展開や読者の人気傾向,あらゆる状況を読んだ上で最後に「実は彼女は○○だった」とできます。そういう意味では作者のフリーハンドは残っている。

ただし,このように表現してしまった以上「必ず」このヒロインと結れる必要性も出てきたということも否めないわけです。こうした手法を用いるときに注意しなければならないのは,こうやって読者に示して受け入れた「前提」を崩してしまうと「作品に騙された」と読者が感じてしまいがちだからです。



かの『ニセコイ』がコミックス1000万部売れるほどに支持されたのは,「偽物の恋人」と「約束の女の子」の設定に基づいた物語構成が優れていたからだ...というのは一つの理由として認められると考えています。
一方で最後の結末に対して賛否両論渦巻いたのは,読者に示した「設定」を最後に崩してしまったことが大きかったからではないかとも思います。

かの物語の評価の分かれ目はそこだったのではないかと思います。一見,彼らは特定のヒロインと結ばれなかったことを残念がっていたように見えたかもしれません。

しかしその原因は,作品が読者に提示した暗黙の了解(設定)を最後に崩したために生じたものです。彼らは特定のヒロインと結ばれなかったことだけに怒りを覚えていたのではない。作品が示していた暗黙の了解(設定)が突然壊されたことに違和感を感じたのではないでしょうか。そのことが「作品に裏切られた」という思いを一部の読者に与えたのではないか...。そんな風に感じます。




であれば,だ。



ジンクス(問64.より)


今回このように「文化祭の最終日の最初の花火を見るときに触れ合っていた男女は結ばれる」というジンクスが示され,その上で「今にして思えばあのジンクスは本物だった」とした以上は,ここで示されたヒロインとは必ず結ばれる必要がある。
そうでないと「ぼく勉」読者は最後に作品に裏切られたと思ってしまうでしょう。


今後,読者にとって「花火のジンクス」を共にしたヒロインは誰なのかということが大きな関心事になると思います。また物語が進むにつれて「花火のジンクスのヒロイン」は誰だったのか,ちらちらとヒントめいたものも出てくるでしょう。

そうして物語に「恋の謎」を取り入れることで活を入れる一方,その伏線に作者は拘束される。「筒井先生は修羅の道を行くつもりらしい」と最初に述べたのはそのためです。




...まあ現時点では誰とも言えるような描写になっていますし,5人全員に可能性があるように描かれています。現時点でこの人物が誰なのか考えても無駄でしょう。
それっぽいヒントはある。描写内容を分析してば誰の可能性があるのか示すこともできる。でも本作品の感想においては僕はそれを示さないことにします。


5人の誰が?

というのも,作者はいかようにも結末を設定できますし,仮に読者があれこれ予想したとしても最後に結末だけ「変える」ことができるからです。




今回の末にこんなアオリがあります。

これにて終演...
そして,いつかきっと思い出す。この遠い日の花火の意味を。


でもね,この言葉には少し違和感を感じませんでしたか。僕は感じました。というのも「花火の意味」はありましたかね?


もちろん「花火のジンクス」というものがあり,そのとおりの「接触」を成幸は誰かとした。そして物語の最後に結ばれた女の子がその娘だった,という位置づけになるのでしょう。

しかしそれは結果論です。「結末から逆算するとそうだった」というだけのことです。「花火の時に手を握っていたから結ばれる」という因果関係ではないはずです。今回描かれた事象はほとんど偶然の出来事。そこに主体的な意味があったでしょうか。

この部分はかなりセンシティブなネタ振りの箇所と思われるので,いつものように僕があれこれ予想・妄想を書いてしまうと,変なレスポンスがあるかもしれませんので書きませんが...まあ,「意味はある」と思われますが...具体的な言及は避けておきます。



先に述べたように,作者はいかようにも対象者を変えることができるし,下手に予想したり強弁したりすれば「裏をかこう」とするかもしれない。なので僕は予想をしないでおきます。
色々と自分の推しキャラに対する思い入れはあるでしょうが,そんなことは心のどこかに留め置いて皆さんも無心で読まれると良いのではないかと思ったり。


というわけで,本件に関する感想はひとまずまる。


...
......


さて。さてさて。


歯に物が詰まったような言い回しでアレでしたが,もうちょっと具体的に今回のお話について言及できる部分について感想を述べていきましょう。


まず一点目。うどんの件。

結局のところ成幸の思いついたのは「恋人対象にうどんを売る」でした。まあ大方の予想通りでしたね。ハートのもみじおろしにどれくらい訴求力があったかなんとも言えませんが,カップル向けにラブアイテムを売るというのは中々上手い商売であると言わざるを得ない。



売りあしゅみー!

そして理珠関係者が総動員で売りさばくのを助けてあげるってのも良かったですね。こういうときあしゅみー先輩はマジ頼りになる。熱いうどんを片手で持ち上げながら片足立ちとか,フィギュアスケーターでもやってんのかレベルのバランス力もすごいです。



それから強調しておきたいのは,今回も武元うるかさんがお可愛かったという件ですかね。


お可愛いこと

うるか・成幸呼びもすっかり定着し,演技抜きでラブラブカップルかよ!的な空気をかもし出しておりますし。おすし。
そして成幸さんのお手製の衣装をしっかりと着込んだまま脱がないところも乙女チックで可愛いのである。乙女かー!だよっ武元さん,て感じである。


次。
煤だらけの着ぐるみとキスを演じた古橋文乃嬢である。


ボフン!


ニヤニヤ...

ふむ。案の定,着ぐるみ越しのキスシーンを思い出して赤面する唯我成幸の図である。そうそう,これこれ。こういうのでいいんだよ(どこから発言...)。高校生ぐらいの男女が第三種接近遭遇をする。そして羞恥心のあまり赤面する。そういう普通の反応いいね。


一方の古橋さん,平常心を保っていそうなのに考えるのは「キスじゃない」という自己否定である。いやお前からキスしたし。相手は着ぐるみだけれど。



レモンの味など無い!

まあこれをファーストキスにカウントする必要はないと思いますし,レモンの味もしなかったし。というか普通しないから,レモン味。


それでも相手が気になるというのはまあ今後の伏線にはなるのだろうなあ。
面白いのは以前から指摘しているとおり成幸は相手が古橋さんだと知っているけれど,古橋さんは知らないという点ですよね。

今回の描写から鑑み,ギターを預けていたのは「成幸」という事実はあしゅみー先輩しか知らない。かつ,王子がニャンポレオンZであることもしらないし,ニャンポレオンZがギターを担いでいたことも知らない。
言い換えれば,ギターを持っていたのがニャンポレオンZで,王子=ニャンポレオンであることを知れば,あしゅみー先輩はキスの相手=成幸が分かるわけだ。



古橋=あしゅみーの絡みも面白い

これはそのうち,古橋さんとあしゅみー先輩が絡む話がありそうな予感ではある。なんとなくだけれど,あしゅみー先輩が気づいた上で成幸に「古橋姫のキッスはどうだった?ああん?」とか問い詰めそうな気がするけれど。そして成幸が「絶対に黙っていてください!」とか言いそうな予感。

まあこれはこれ,今後の楽しみではある。



さらに次。

「花火のジンクス」の実現のためのサポートはどうなるのか,という点でしたけれど案の定,関城さん・いばらの会・海っち川っちがドンとつき押したのであった。ああ,そんだけかい...関城さんのDE・BA・Nはよぉ...。うどん10杯も食べた友情に対する報いとしてはどうなのかな...。



DE・BA・N

いや,関城さんは報われることなんか考えて緒方理珠のことを応援しているのではない。もっと崇高な心でサポートしているのだろう。





まあ最後に嫌われてしましましたが。これも関城さんにとってはご褒美みたいなもんですからね(多分)


説教

そしてもう一組,いばらの会の連中もお説教が確定。うん知ってた。見聞色で見ていたからな...(おい)。






最後。例の王子の衣装の件です。



夕べはお楽しみでしたね

まさかの小林王子。お前かよ!
ああ...そういえばお化け屋敷だったね...3-Bはね...。今夜は王子とフルピュアでいけそうで何よりである(何が)


というわけで,再度まる。




最新刊ぼくたちは勉強ができない 7 (ジャンプコミックス)は7月4日発売。電子版はこちら


まあ実際のところ,花火の時に誰と手をつないだのか,描写から絞り込めるのも事実である。いくつかの描写がある特定の人物を指している...ように見えなくもない。

それが誰であるのか,いろいろ理屈づけて考察することは可能なのですが,それを書き記してしまうと恐らく筒井先生は「それ以外の結末」に変えてしまうでしょう。いくらでも変化をつけることが可能ですから。

ニセコイ時代の反省を踏まえつつ。ひとり自分の中で温めておこうと思ったり。ああでも,後で「あの時の予想はあっていた・外れていた」と振り返るために,後で自分がどう予想したのかと書き記し,洋菓子さんにDMしておこう。

洋菓子さん,当たったら証人になってね(笑)まる。



*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第31号 「ぼくたちは勉強ができない」問.69,同64 より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第104話 白銀御行は告らせたい③ 感想

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さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第31号』「かぐや様は告らせたい」 第104話 白銀御行は告らせたい③ の 感想(かぐ活)です。


「白銀御行が海外留学を決めたので,四宮かぐやに対して積極的にならざるなくなった件。」の連載開始第3弾。連続シリーズで3話目とは,どうやら赤坂先生は本気のようですね。これはマジで『告白』イベントがありそうな予感がプンプンしてまいりました。



そんな告白やる気(させる気)満々マンな白銀御行ですが,四宮かぐやに対する直接勝負は今回はお預け。一度自分を客観的に見直す機会を取ることに相成ったわけであります。



或るモンスター童貞の悩み


ふむ。

そういう風に考えるか。読者視点であれば「ほぼ出来上がっているカップルのくせに意地の張り合いで幸せになれていないだけ」なわけですけれど,客観的に見れば当然至極の考えである。もしかして自分は四宮かぐやに見合っていないのではないか。その疑問符は凡人に対してなら投げかけても不思議ではない。

しかしまあ,こう言っちゃ何ですが今回ほぼ唯一会長が客観的に自分を見つめなおそうとした部分だというのに,検討対象が「四宮かぐやにとって魅力的であるのか?」という部分に立っていたので,まったく見当はずれな視点となっているのが笑えます。


言うまでも無く,四宮かぐやは会長が好き。もしかしたらあの寝不足で目のつりあがったキリッとした顔が好きなのかもしれませんが,そこはそれ,読者視点(=客観的視点)においてはそれ以外の部分も含めてかぐや様は会長が好きなことは明白です。凡人ならいざ知らず,この問いかけは対四宮という観点から言えばまったく客観的になってない。


そんな出だしからのボタンの掛け違いから始まる今回のドタバタ劇だったわけですが,ぶっちゃけ面白かった(毎回の賛辞)。なんでしょう...この...客観視できない痛々しい男とそれに振り回される部外者たちの群像劇の可笑しさは...。




というわけで今回の喜劇もスタートゥッ!


『ケース1:伊井野ミコさんの場合』


ずい。


客観的問いかけ...?

いきなり告られた。



(唐突な昔話)
その昔,フォン=ブラウンは宇宙に行きたくて行きたくてたまらなくって,ロケットを開発することに情熱を費やしたとか。その彼が実用的なロケットとして作り上げたのがA4ロケット(後のV2号)である。1940年代の技術にもかかわらず,適切な燃料と重量であれば宇宙にも飛び出せるそのロケットが実際に発射されてロンドンに到着した時,彼はこういったそうです。

「 ロケットは完璧に動作したが、間違った惑星に着地した」
(終わり)


つまりそういうことだ(どういうこと?)


「白銀御行の行動は女子に対する告白として完璧に機能したが,間違った女に告白した。」


ということであります。アホー!


くっくっく。
照れてる照れてる。



照れやさん(違)


はっはっは。いやいやいや。いいですねえ,この伊井野ミコさんの表情は。素晴らしいじゃありませんか。このまんざらでもない表情。考える時間を求めるという行為から伺える,恋愛成就可能性。どうしよ...と悩むその姿はまさに乙女そのものじゃありませんか。

めっちゃチョロイな,伊井野!




『ケース2:藤原千花の場合』

からーの...


なんて顔...してやがる...伊井野ー!


いきなりのW告白モードである(誤解)


しかしまあそこは年季の入った藤原書記,頬を朱に染めながらも「遊び」であることを認識した。その結論がこちらになります。


「死んだ方がマシ...」


いきなりオルガる(打ち崩れる)白銀御行の豆腐メンタルが悲しいですね(笑)。

なんといっても奴は曲がりなりにもこれまでモテてしましたし。おすし。それなりに学園内では評価され,金銭的にはともかく頭脳・容姿・権力においてスクールカースト頂点の自負があったのでしょうな。
それが無残に打ち砕かれるとならば,まあ仕方が無い側面もありますけれど。「あれでちょっと自分に自信があったんだぜ...会長...」とか思われていると思うと,きっと顔から火が吹きそうなダメージでしょうな。


して,その理由とやらはこちらになります。


会長の躾はもうごめん。


ふむ。
要するに「母親気分にさせられるので,恋愛対象にならない」の一言でぶった切られたということなわけです。まあ仕方が無いですよね...これまでの藤原ママの苦労を思えば一概に藤原書記を責められないものがある。

しかしそんな想いも裏腹に,いざ冷静に客観的に自分の好みの男性を鑑みれば,それは「出来ないことことがあってもみっともなく超遷移し続けるようなそんな頑張り屋さん」が好みだった!というところまでが華麗なるオチですね。



ほほう!



藤原書記の戦闘力が...!


これはすごい。スカウターの数値が1500まで上がりましたよ!(フリーザさまinナメック星人の村)


へっへぇ。ほっほぉ。
ここまで「好きな人などいない」として自分の好みの男性が何なのか,特に言語化もしてこなかった藤原書記でありますが,ここにきてこの表情はなかなかにどうしてよ。いざ客観視してみてみれば,会長みたいな男は実はタイプだった!

実に良い。実に良いですね。
もし白銀御行という人物を四宮かぐやの横からかっさらうようなことができる女がいるとすれば,それは藤原千花だけだろうというのが僕の見立てでしたが,こうして戯れからとはいえ想定彼氏として会長を見据えたときにこのような反応が来るとは。これは意外でしたね?



しかしまあその後の反応を見る限り,それ以前に「ダメな子の躾はもう御免」という感情が先立つあたり,藤原書記が会長に惚れる展開は100%ないなと。


やっぱねーわ...

男子としてタイプでも,母が子に惚れることが決してないのと一緒です。なんつーかその...ちょっとインモラルなアンニュイな空間が藤原さんの周囲に領域展開されていることからも,この「母子関係」は恋愛感情では覆らないんだろうなあ。




からーの...




『ケース3:四宮かぐやの場合』


会長を客観視するという戯れだったのものが,いつのまにか会長悪口大会なるドMな会に変貌させられそうなところにホワイトナイトの登場である。

そしてここで読者としてもう一度思い知らされますよね。やはり大本命・四宮かぐやは他の有象無象とは比較にならないほど突出した存在であるという事実を。



今の会長で良い


白銀御行を全肯定である。

そしてそれは当然そうなる。はるか昔,氷のかぐやと呼ばれた昔から今に至るまで,側にいて教えてもらった人としての優しさ。心の中に醜さのない,良い人。打算のなく動くことができる,そんな四宮かぐやの見える景色を変えてくれた人。

四宮かぐやを変えてくれた人,いろんな初めてを教えてくれた人,そんな白銀御行のあるがままを四宮かぐやは大好きだからである。




圧倒的破壊力である。


ベホイミ・ベホマ・ベホマズン!

この威力の前には藤原千花など拡散波動砲の前に立つ豆鉄砲のようなもんである。「チハたん」である。干からびたカエルみたいになっていた白銀会長,あっという間にいつものテンションである。


そりゃそうである。
自分が他者から見てどう思われるかが重要なのではない。重要なのはただ一人。白銀御行が恋い焦がれ,添い遂げたいと思う女性はただ一人。四宮かぐやに肯定してもらえさえすれば,白銀御行にとって他者の評価も客観的評価も関係ないのだから。


げに恋愛とは恐ろしいものよ...。


つまり何が言いたいのかというと,確かに四宮かぐやは全宇宙一であったと。もしルーティーンに頼らなければな...!


安定のルーティーンかぐや様



という訳で,あらためて両想いのふたりがお可愛いかったのでした。まる。


...
......


余禄。


さて,会長に踏み台にされてあっさりとお払い箱にされるという悲劇(違)を味わった伊井野ミコ嬢でありますが,なかなかに今回も愉快でしたね。


改めて会長を客観視してみると,その才能はマジで尊敬できるし。会長選選挙においては圧勝モードだったのに自分を助けてくれるような優しさを見せてくれるし。考えてみればかなり良物件ではある。ではあるのですが...


顔がタイプじゃない


お,おう...。会長もなかなか酷いことするけれど,お前も大概に酷いな。と同時に想定自己評価よりも低い扱いにへこむ会長もお可愛いのであるが,それはさておき。


そんな伊井野さんの好みはと言えば,顔は平野●耀くんとか...



肖像権保護のため画像引用無

あ,はい。
キン●リか。キ〇プリですね。「ZIP!」♡


軽く「やほぉ」で調べてみましたが,まあアレですね。例のメンバーグループの一員だけあってめっちゃ「キラキラしちゃっているボーイ」な感じの方なんですよね。ふーん,伊井野さんメンクイとは聞いていたけれど,こういう系統なのかい。むしろ会長系みたいな感じが好みかと思っていたので意外ではある。


つばめ先輩に振られた後の石上会計の最終的つれあいは伊井野ミコさんだと思っているわけですけれど,こうしてみるとビジュアル的には系統から外れているのかな?

とはいえ,石上会計,イケメンの部類だとは思うので,髪をきちんと整えて翼君みたいに垢ぬけた色にカラーリングして,胸元開けたシャツなんか着せてみれば,案外そんな風に見えなくもないのかもしれないとか思ったり。


...まあそんな冗談はさておき,実際に人を好きになるならないはビジュアルよりもその人の本質であると思います。容貌がどうであるかよりも,その人物の中身がどうであるかが重要である。それは先の四宮かぐやさんの振る舞いからも明らかです。



伊井野さんはこの先生き残れるのか

今回,伊井野さんが挙げた「理想の人物像」,周囲からは存在全否定でしたけれども,こと伊井野ミコさんに限って言えば実在するのである。そう,自分が一番苦しかった時に自分を思いやってくれたあの「ステラの花」の人である。




あ,はい。


ステラの花の人

まあ文脈的に考えて,これは石上優の仕事だからね。行為の気持ち悪さ(笑)は四宮副会長のお墨付き。二人のそんな陰ながら支えあう姿も学校長に見破られていたし。

先々の先の話であろうけれど,伊井野さんのカウンターパートナーはやはり石上優なんだろうなあ,と改めて思わせてくれた第104話でした。





結局,だれも客観視出来ちゃいねぇ...

という訳で,再度まる。

かぐや様は告らせたい 10 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第31号「かぐや様は告らせたい」第104話, 35話,46話,70話より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第105話 伊井野ミコは愛せない① 感想

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さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第331号』「かぐや様は告らせたい」 第105話 伊井野ミコは愛せない① の 感想(かぐ活)です。


先週はまさかの休載でした。普段,休載の時は「来週はお休みです」的な案内が書いてあるのでてっきりあると思ってヤングジャンプ買ったわけですが,載っていないと知ってがっかりしつつも少しほっとしたり。先週はちょいと忙しかったもので。

それにしても2週間ブログほったらかしだったのに,毎日こんなブログを見に来てくれる人が大勢いることに感謝である。というわけで2週間ぶりの「かぐや様は告らせたい」の感想です。





......というわけで,秀知院文化祭もついに開催直前までやってまいりました。白銀会長の尽力もあり,二日間開催をもぎとり例年に無い大規模開催だそうです。
あ,そうなんだ...二日開催って高校の文化祭だとデフォだと思っていたんだけれど,進学校だとそんなもんなんですかね。


しかしまあ例年にない規模ということもあり,準備もその分大変であるという流れからの文化祭実行委員会(文実)に対する生徒会役員共からの派遣社員ならぬ派遣委員として伊井野さんと石上が任じられるという今回の流れになります。



...
......



それにしても今回は小野寺さんがなかなかいい味出していましたね。


文化祭実行委員会はパーティーピーポーでリア充なウェーイ系の面々の集合...という,石上優が応援団でも見たような表面的な評価がまずあるわけです。なるほど。「人は見かけが9割」とか言う人もありますし,その外見や言動からそんな風に感じ取ることもあるかもしれない。



ウェーイ系(いつか来た道)

「かぐや様は告らせたい」世界における小野寺麗さんは,そんなウェーイ系の記号的象徴として描かれています。そんな彼女が提案する文化祭のスローガン案は相変わらずのウェーイ系でありますし,それを迷わず肯定するつばめ先輩を含めて,伊井野さんとは異なる世界の住人のように感じる。


とはいえだ。とは言えだよ?

かつて石上優が体験したように,そして今回伊井野ミコが理解したように,実際のところ「その人の外見や言葉遣いをみるだけでその人のすべてを表している」と捉えるのは間違っているわけですよね。


次から次へと繰り出される一見カスのように見えるスローガン案。真面目な伊井野さんにとってはわるふざけとしか思えない議事進行である。思わず反発して口を挟むあたりが石上と違うところですけれど,そんな伊井野さんに対して小野寺さんは言う。



小野寺,曰く

「いや真面目なんだけれど」
「そうやって自分と違う価値観否定ばっかしてたら話進まなくない?」


それな!
なかなかに含蓄深いですよ,この突っ込みは。

一見ふざけたような意見や議事進行であっても当の本人たちは実に真剣なのである。文化祭を楽しくしたい。盛り上げていきたい。その気持ちは嘘偽りの無いものである。それが単に伊井野さんの価値観とは異なるというだけで。


そして続けて伊井野さんに意見を促すあたり,小野寺さんの言動は実に公平(フェア)である。多分聞くまでも無く伊井野さんと小野寺さんの考え方は違う。それでも自分と違う価値観を否定するだけではなく,相手の意見を聞いた上で判断しようとする。


ぱっと見派手なギャルで,言っていることもノリと勢いだけに見える彼女が実にしっかりと考えている。相手をきちんと見据えて発言している。

実は成績がよいという風に描かれている小野寺さんですが,こういう表現の出し方が良いですよね...「かぐや様」はキャラをしっかり描けているというか。設定だけじゃないというか。



それは議題がキャンプファイヤーになった時,突如豹変する伊井野ミコさんに対する反応にもきちんと現れています。


キャンプファイヤーに思い入れのある伊井野さんは,これまでの慎重論を配してキャンプファイヤーの実現を熱く主張するわけです。

小野寺さんにスローガン案を出してみろといわれて黙した時とは異なり,「自分の意見」を自発的にしっかりと主張している。「ちゃんとしているか・していないか」ではなく「やりたいか・なぜやりたいか」で主張している。

これ,小野寺さんが示した「議論の指針」に沿っているんですよね。お題目ではない,中身がはっきり伴った意見。



否定ではなく,議論

だからこそ,小野寺さんは冷静にツッコミを入れるわけです。やりたいことはわかった。じゃあ,それをどうやって実現するのか,と。


子安先輩もそうなんですけれど,ウェーイ系のノリと勢いで決めている連中という印象論とは異なり,小野寺さんたちは本当に真面目に議論しているわけですよね。最初から最後まで。

文化祭のイベントについて検討するにあたり,その実現性を検証し,どうやったら実現できるか考え,具体的にアクションする。物事を進めるときに当然行われるプロセスですけれど,きちんとそれを確認するために小野寺さんは物言いを入れたわけです。

決して伊井野さん個人に対する反発や,意地悪から出たものではなく。



それがはっきり分かるのは,具体的なアクションに至った時の小野寺さんの言動ですよね。



同じ目線・同じ向き

キャンプファイヤー実現のために近隣の住民の皆さんに一人ずつ頭を下げ理解をいただく。伊井野さんが文化祭でやりたいことを示したこと。その実現のために身を粉にして行動すること。

そんな伊井野さんのやりたいことと実現のためのプロセスに共感できたから,自分もまた「キャンプファイヤーを楽しみたい」という気持ちがあったから,小野寺さんは伊井野さんと一緒に頭も下げる。一緒にがんばる。





めっちゃエエやん,こんなの...

決して相容れないと思われたウェーイ系の記号的象徴だった小野寺さんと,堅真面目系の記号的象徴であった伊井野さんが最後に同じ方向を見て同じように行動する。






めちゃアガる

最後に表面的ではない,お互いの本質を理解した上での気持ちとアクションの一致に至ったところに,今回のお話の奥深さを感じたのでありました。まる。



...
......



そんなわけで今回の主人公は実質,小野寺さんと伊井野ミコさんだったわけですが。もう一つ柱が石上優だったのかなと思ったり。


文化祭実行委員会に伊井野さんと一緒に派遣という,めっちゃ気乗りしない案件だったにもかかわらず,子安つばめさんが実行委員長と知ったらコンマ秒でOKというノリ。

それを表層的に捉えてしまうとアレなわけで,その実,石上優と伊井野ミコ,石上優と子安つばめの関係性を浮き彫り立たせたお話だったなと思ったり。



石上優の子安先輩に対する気持ちはもちろん本当に好きなんでしょうし,そこに偽りは無いのだと思います。一方で,その気持ちはどこまで愛を伴ったものなのかなという点も気になるところではある。



距離感

子安先輩は確かにお可愛い。そして石上優にも分け隔てなく接してくれる。石上優を立ち直らせてくれたもう一人の恩人であり,「いい人」である。

でもそれってどうなんだろうね。
石上の気持ちは恋で間違いないだろうし,真剣そのものだとは思う。でもじゃあ子安先輩と石上優が結ばれることはあるのかというと,「竹取物語の設定」というメタ的な視点をのぞいても無いというのが明確に分かる。


石上優が彼女に惹かれた属性の一つ,誰に対しても分け隔てなく接してくれる「いい人」の側面。それは石上自身が分かっているように,自分だけに対してではなく誰に対しても振舞われるものである。



いい人だ...

今回,伊井野さんが小野寺さんに突っ込まれて注目されアガってしまった時に対するフォロー。それは石上優に向けられるものと同じである。そこからも分かるように,子安つばめ先輩は石上優に対してなんら恋愛感情はない。そこにあるのは「いい人」としての属性である。


石上もまた,子安先輩にいいところを見せようと一夜漬けの知識を駆使して他の男子とマウント合戦したり,柄にも合わない愛想を振舞ったりとしてる。しかしそれも高嶺の花の女子に対する憧れや好かれたいという気持ちに過ぎなくて,そこに描かれる描写は気持ちが乗っかるほど重いものでもない。



それに対して伊井野さんに対する石上の距離感・言動には「重み」があったように感じます。


一見反発し合い,相手を認めていないように見える二人の距離。しかし石上優の伊井野さんに対する姿勢にはある種の思いやりがこめられている。そんな風に感じます。


キャンプファイヤーをやりたいのに,子安委員長や小野寺さんに反証され注目されて自分の意見を言いよどむ。そんな時,石上優は伊井野さんのフォローに入るわけです。



言葉の意味


「助けてやろうか?」というその言葉や表情には優しさや愛情は感じないかもしれません。しかしそこには石上の思いやりがこめられている。



多分,石上は直接的に伊井野さんに代わり,何かキャンプファイヤー実現のための提案するつもりは無かったのでしょう。この発言は伊井野さん自身に発言させる環境を作るためのものに過ぎない。

こういえば,伊井野さんは自分に対する反発心から緊張が解け,自分の言葉で意見を述べることができると考えたからです。事実,伊井野さんはとうとうと自分の意見をみんなの前で述べ,果てには実現までたどり着けた。

これは相手を深く理解していなければできませんし,相手を思いやっていなければできないことですよ。そこに石上優の伊井野ミコに対する気持ちが見て取れます。


それは頑張ったなという白銀会長のねぎらいに対する石上の反応にも見て取れます。個人的な好き嫌いは抜きにして,石上優は伊井野ミコのいいところを「認めている」。そんな姿勢は,伊井野さんのいうところの「高い目線からの評価」となっていることは否みませんけれど,そこは問題じゃない。



相手を認める

石上優は子安つばめ先輩よりも深い意味で伊井野ミコを理解しているし,(恋愛感情ではないにせよ)気持ちを向けていることがはっきり描かれているからです。


そんなことを鑑みると,やはり石上優は子安先輩とは結ばれないのだろうし,石上のカウンターパートナーは最初から最後まで伊井野さんなんだろうなあ,ということが改めて確認できたのでした。


...
......


さて。さてさて。

伊井野・石上の双方の成長(?)を見て取れた今回のお話,なかなかに感想の言語化が難しいお話でした。しかし総じて言えば,とても満足できるお話だったといえる。というわけで,余談です。


『伊井野ミコは愛せない』


となると気になるのは今回のサブタイトル,「伊井野ミコは愛せない」とは何なのかということである。



伊井野ミコは"愛せない"

愛せないとは何を指しているのだろうか。

ウェーイ系の人たち?
いやいや,それは最後にある種の心の交流を感じ取ったではないか。多分違う。



キャンプファイヤーの描写に見られる家族との交流こと?

いやいやそれは彼女の大切な思い出であり,いまもな愛する家族とのつながりの強化を深層心理でもとめていることからも,見当違いな話である。伊井野さんは家族を愛しているし,家族もまた伊井野さんを愛しているであろう。仮に親から愛されていない部分があったとしても,それならば「伊井野ミコは愛されない」になるはずだから違うはずである。



それとも石上優のこと?


伊井野と石上

たしかに石上は伊井野さんを認めているけれど,伊井野さんはそうした影ながらの石上の行動を認めていないようにも見える。とはいえ,生徒会長選のときの白銀の言動を「配慮」と感じ取れたように,石上の配慮が感じ取れない伊井野さんではないと思われる。

ふーむ,これは何なんだろうな?
文脈的に見れば石上の「良いところ」を素直に認められない彼女のその姿を現しているのかもしれませんけれど。

まあ「伊井野ミコは愛せない①」とあることからこのエピソードだけでは完結しないことなのだろうし,おいおい分かってくるのだと思いますけれどね。



『奉心祭の前と後』

今回明らかになった,秀知院学園の文化祭名「奉心祭」。ふむ,なかなか意味深ではある。心をこめて物事にあたることとか。心をこめて人と向き合うとか。いろんな意味を含めていそうな名前である。

生徒会の面々一人ひとりが違う意味でこの文化祭と向き合っていくことになりそうですね。



校長の名前

...というか,校長の名前は「山内隆」だったのか。あんな風貌・言動しておいて普通やね...うん,普通。




そんな奉心祭の日程は12/21-22とか。12月とは明示されていないですけれど,冬休み前だから12月でしょう。となると,この後に来るのはクリスマスと正月かあ。なるほど。



奉心祭の日程


この文化祭で四宮かぐやと白銀御行の恋が結実するというのはどうやら本当ぽいなあ。スケジュール的に。恋人同士になれれば当然クリスマスは一緒に過ごしたいですし。おすし。

そこでどっちがどう相手を誘うのかとか,どんなデートをするのかとか,あるいはキッスなんかもあるのかとか,いろいろ盛りだくさんにニヤリング展開が期待できそうである。


そして正月!
一月一日元旦は当然,四宮かぐやの誕生日である。

正月といえば新年というだけでめでたいのに誕生日も伴うとならば,白銀御行一世一代の大仕事になりそうである。とはいえ,四宮家の特殊事情もあるだけに一筋縄ではいかない予感が今からプンプンします。こちらも期待である。




つまり最終的に何が言いたいのかというと,文化祭実行委員の一年生の二つ結びっ娘がお可愛かったということであります。シッポ髪可愛い。



シッポ髪は正義

という訳で,再度まる。



かぐや様は告らせたい 10 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第33号「かぐや様は告らせたい」第105話 より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第106話 文化祭を語りたい 感想

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さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第34号』「かぐや様は告らせたい」 第106話 文化祭を語りたい の 感想(かぐ活)です。


今週より本編完全連動のスピンオフ4コマ「かぐや様を語りたい」が始まりました。



かぐや様を語りたい


以前予告で見たときは「誰だっけこいつら...」という二人組だったわけですが,これまでもちらほらと作品には登場しているとのこと。そうだっけ。




確認してみた。


第1話より


ふむ,第1話に騒いでいた女子が彼女たちですね。なるほど,本当に初期の初期から登場していたんですねー。

そんな二人のお名前は紀かれんさんと巨瀬エリカさん。ぴっかぴかのマスメディア部であります。



マスメディア部

「紀」姓となると紀貫之をはじめとする文芸の系譜を感じなくも無いですが,実際のところどうなんでしょうかねえ。それを言うなら「巨瀬」も古代豪族でさかのぼれば孝元天皇にまで行き当たるという巨瀬氏がありますから,そのあたりからとった可能性もありそうな。いずれも名門秀知院らしいといえば,それっぽいです。

さて二人が所属するマスメディア部とは要するに「新聞部」みたいなもんなんでしょうけれど,そこは金持ち学校の秀知院学園ですからね。マスメディア部の広報範囲が壁新聞どころか学内放送やら動画配信の域に達している可能性もあると思われ。今後のラウドスピーカーぶりが気になります。


個人的に前髪パッツン黒髪系はポイント高いわけなんですが,巨瀬さんもさることながら紀かれんさんもなかなかどうしての美人さんよ。二人ともよくも悪くも残念美人ではありますけれど。





かぐや信者!


国の心臓四宮家の令嬢であり,学年2位の才媛!
まあ女子の憧れ,関心の的となるのは無理からぬことであります。表面だけみていればな!


内面がいかに「残念なアホの子(会長限定)」ということが知れていないのがせめてもの救いでありますよね...。四宮さん,特にこの子達に崇拝されなくても何も困りませんけれど。えてして偶像とは勝手に偶視されるものなのだということを確認した所存。



駄目だこいつら...早く何とかしないと...

一応二人には特徴があって,かぐや様にゾッコンなのが巨瀬さん。会長を尊んでいるのが紀さんという役割分担はされているのかな。今回は,そんな二人が文化祭を迎えた秀知院学院の主たる面々にインタビューをしていくお話。



『かぐや様の場合』

四宮さんの部活動は弓道部。そういえばそんな設定もありましたね。その腕前は中学大会全国優勝とか。とかとか。

いや,それ普通に新聞に載るレベルのアレだとおもうのだけれど,顔写真は断固拒否したんですかね...。普通に撮影されそうですけれど。そこは四宮の支配力でマスコミも自主規制するんですかねぇ...。四宮メンバーには(おい)


そんなかぐや様に対する勝手な幻想と,四宮さんの情けない内面のギャップがどうにもならないですね。主にかぐや様の裏事情の方が。


高校弓道の全国大会は12月24~26日開催!


なんだその設定は。ご冗談でしょう,ファインマンさん...とおもって調べてみたら,本当に平成29年度はその日程だった。なんだその,高校生&顧問泣かせな日程は。そういうとこだぞ,
公益財団法人全日本弓道連盟。


しかしまあよくよく考えてみれば,弓道は普通に男女同じ部なんだろうし,スポーツ部の活動で部内でカップルができるなんて普通のことなのかもしれないから,全国大会がクリスマスと日程かぶっていても問題ないのかもしれないな...カップルにとっては(超謎理論)。顧問は知らんけれど。


とはいえ有象無象の部員はいざ知らず,四宮かぐやにとってそれは由々しき問題なのであった。なんかやたら会長が積極的だしー? このままだと告られるかも知れないしー?



Romancing Shi・Ga


まあ仮に今回の「会長の決意」が無かったところで四宮さんは勝手に「今度のクリスマスには会長が誘ってくるかもしれない」という蓋然性にかけて,全国大会を蹴るような気がしますけれど。俺ら(読者)が知っている四宮さんはそういう女です。

しかし一方的になにやら幻想を抱いている人たちにとっては,そんな四宮さんの姿ですら精錬に見えるのであった。ここ,笑うとこだぞ?




そんなかぐや様の実力とはこういうことであります。



なんじゃそりゃ


あ,はい。

四宮かぐやこそ「天才」なのであって,努力の人である会長とは一線を画しているのがこういうところでも分かりますよねえ。口で言うのは簡単ですけれど,そんなうまくいくのかよってな話です。

というか,どうして四宮さんが部活に熱心でもないのか分かったよ。会長がいるほうが楽しいという意味で生徒会活動に専心するのは当然にしても,そもそも理想的な射の形を同じ動きで行っているだけって...そりゃもう弓道じゃなくて「ただの動作」,作業じゃん。

ズキューン!もいいけれど,その所作の空しさに気づかないあたりかぐや様もマスメディア部も大概ではある。



『子安つばめの場合』

ここにきて急速に存在感が増しつつある,子安つばめ先輩。さすがは子安貝の暗喩なだけあって,ストーリーにも絡んでくる感がある。


そんなつばめ先輩の部活動は新体操部。しかもバレエから新体操という転向派であります。そんな彼女の一言がこちらになります。



子安つばめはやってみたい


ふむ。
どこかの怠慢先生とは真逆の発想である。一見享楽的にもみえて,それはそれ,一つの価値観の持ちようでもある。だからこそ応援団もやるし,文化祭実行委員長もやるし...と多種多芸な活躍ぶりなんでしょうが。

石上が彼女に惹かれるのは単純に彼女が「いい人」というだけではなく,前向きでポジティブで何事にも真摯に取り組む様にあこがれるのかもしれないなあ。自分には無いものをそこに見出して。



第94話より

というなかでさり気なく振られる「新体操部の演劇」の件。そういやそんなネタ振りかつてあったなあ...。生徒会に書類申請を出しに来ていたっけ(そしてその時にかぐやに石上の想いがばれている)


そしてさらっと触れられる「奉心伝説」とやら。ちゃちゃっと検索してみたところ,それっぽいのが出てこないので,このあたりは赤坂先生のオリジナルネタなのかな。奉心祭の由来になったということで,物語の核心を突きそうなネタ振りではある。その伝説とは...



想い人に心臓を捧げた愛の物語


ほ,ほっほー...。
なんかぶっこんで来た感がありますねえ。この文化祭で四宮かぐやに告白しようとしている白銀御行にもつながるんでしょうし。子安つばめに懸想している石上優にもつながるんでしょうし。

なにより,この演劇を演じてみたいと思った子安つばめもまた誰かに思いを抱いている感がマシマシにあります。プンプンします。そしてそれは石上優ではないのはほぼ確実じゃ!そう,コーラを飲んだらゲップが出るのと同じくらいにな!

なかなかどうして軽いノリで始まった「奉心祭」ではありましたけれど,今後のお話にも関わってきそうな側面ではある。





『龍珠桃の場合』

とまあ,ここで天文部部長にして秀知院のえげつない人たちの一人,龍珠桃さんが入ってきたのは意味があるのだろうな。まあそうでしょうね。



脚エッロ(そこ?)


竹取物語によればかぐや姫が大伴御行に与えた難題は「龍の首の珠」である。そのまんま四宮かぐやと白銀御行の構図に当てはまるキーワードが「龍珠」である。そのモチーフと思われる龍珠桃さんがインタビュアーになったのは恐らく今後の展開のための「顔みせ」なんだろうなあ。

実際インタビューの中身なんか何も無かったですし。おすし。そのまま流れで白銀会長にインタビューに移ったあたり,白銀会長の告白に彼女が関わってくる暗喩がプンプンしているのである。実際,どんな局面になるのかよく分からんけれど。


告白,という意味においては四宮かぐやは白銀会長に告白されたがっているわけですし。改めてそこに「難題」を持ち込む必要はどこにも無いわけで。ここで龍珠さんが関わってくる要素はストレートに告白する限り無いんだよなあ。

しいて言えば,文化祭のさなかに起きる「事件」の中で,龍珠さんが会長と関わる局面があるということなんでしょうねえ。それが間接的に告白の障害となる。心理的か物理的か分かりませんけれど。

ちょっと情報不足で何ともいえないのですが,多分にそんなイメージ。


先入観いくない

イメージといえば,マスメディア部の面々の龍珠さんに対する印象(思い込み)があんまり過ぎるのである。ヤクザの娘だからといって先入観を持つのはよくない。この世にはヤクザの親分兼公務員とかいう正義のヤクザが出てくる漫画もあるのだから気にしない...(白目)。




『白銀御行の場合』

龍珠さんから会長という,ちょっとよく分からない流れが何故起きたのかといえば,ここにきて「生徒会が勝手に張りぼてをつくる」という謎要素が入ってまいりました。

屋上に大きな玉(宝玉)を飾る悪ふざけをする慣わしという...。へ,へぇ...。


どこかで見たスタイルのオブジェ

これはあれかね。「蓬莱の玉の枝」というか蓬莱の玉の部分ということになるんですかねえ。それを生徒会(会長)が作るというのもなんか変な話ですけれど。そもそもあれは車持皇子に対する課題だしなあ...。


しかし意味が無い遊びのようで,その実意味があるというのはかぐや様でよくあることなので,恐らくこれも会長の告白と関係が出てくる可能性が微レ存である。他ならぬ会長が作ってますし。何か仕掛けを入れ込むぐらいのことはあるのかもしれない。


とまあふざけたインタビューの流れからのこれですよ。



男らしく決める


おお!


これは期待できそうであるな! 白銀御行一世一代の告白の有様が!




てかそのナレーション,ギャグっぽくオチにしているけれどあれなんでしょ。実際に10年先まで語り継がれる告白伝説になっちゃうくらいの壮大なネタ振りなんですよね?ね?



いよいよもって来るべき時が満ちてきた感が満載になってきたところで,今回のお話はまる。



...
......


『番外編・TG部の場合』



TG部

言っていることが何一つ分からない...


3ヘル...スペツナズヘルメット...。
仕方が無いのでぐぐったのですが,それでもよくわかんなかったよ!ゲーム内に出てくる防御アイテムの一つで,LV3のものを3ヘルっていうのかな。関連してなのか,なんかこんなものまで売っているし,Amazon

Karabiner 98 Kurz(カラビーナー・アハトウントノインツィヒ・クルツ, K98k, Kar98k)はWikiさんに載っていましたが,要するにスナイパー銃の類ですかね。




...て,こいつらが企画しているのはリアルサバイバルゲームじゃん!
TG(テーブルゲーム)じゃないじゃん!


駄目じゃん...駄目じゃん!


という訳で,これにて本当にまる。



かぐや様は告らせたい 10 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第34号「かぐや様は告らせたい」第106話,第1話,第94話および「かぐや様を語りたい」第1話 より引用しました。
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