Quantcast
Channel: 旧・現実逃避
Viewing all 164 articles
Browse latest View live

『ぼくたちは勉強ができない』 各話タイトルリスト

$
0
0



ぼく勉ニストの洋菓子さんが作成していたタイトル一覧をお借りしまして,作品の各話タイトルリストを作成してみました。

ヒロインズに付与されているポイントは,洋菓子さんが与えてくれたそのお話でメインを張ったと考えられるヒロイン(メインヒロイン=1ポイント,準ヒロイン=0.5ポイント)と推定されます。また,概要・備考欄もお借りしたデータそのまんまです。洋菓子さんありがとうございます。

問題はこの後どうやって更新したものかなと。僕が続きを入力してもいいのですが,点数つけるのが僕だと一貫性がなくなりますよね...。概要と備考もありますし。ちょっと考えますね。

*表はぶっちゃけ見づらいです。PCやタブレットなら大丈夫ですが,スマホの場合横表示必須かと。


『ぼくたちは勉強ができない』タイトルリスト

なお,一気に最新話を確認したい人はこちら

問各話タイトル理珠文乃うるか真冬あすみ紗和子概要・備考1天才と[x]は表裏一体である11お前らのこと幸せにしてみせるから!/2天才の憧憬は[x]である11天文学を学ぶんだ!心理学を学びたいのです/3天才の来訪は[x]の一大事である11兄ちゃんが・・・家に女つれこんだ-‐-!/4魚心あれば、天才に[x]心あり1一番!あたしに一生懸命にさせてやるんだから/5高嶺の天才は[x]に憂う1威圧してくる男の人が怖くて・・・/6天才は[x]によって文明を思案する10.5暗いのに乗じて抱きつくなんてそんな・・・/うるか乱入7かくして天才どもは[x]を楽しむ1「できない」奴にとって勉強は辛くて当たり前/8誰が為に天才は[x]に抗う10.5でも唯我さんだけは・・・!あきらめない!!/怠慢9天才は[x]にも心通ずるものと知る10.5目のやり場に大変困るというか・・・(汗が)/うるかの料理披露10それは乙女なる天才の[x]なる一日である1こ・・・このカッコ 似合って・・・ないかな/11かの数値は天才による[x]も応報である1おいおい随分ファットなミジンコもいたもんだな!/12彼女が天才に望むもの即ち[x]である11関城さん 唯我さん 邪魔/関城さん初登場!13天才の焦慮は時に[x]と反比例する11ウチの妹も家じゃそんな感じだから 気にするな/14林間の天才は[x]に迷走する114%未満の事象を優先してシミュレートするなど・・・/15浴場にうだる天才は[x]をさらける11いるんでしょ 唯我成幸 あ、ほんとうにいた/16かくして前任者は天才を未だ[x]する。1先生 実はいい人ですよね/17青春とは天才の熱意と車輪と[x]である1全然テキトーじゃないわね・・・/18天才[x]たちはかくして勉強ができない0.50.51Didn't you kiss someone, Nariyuki?/19天才と[x]は互いの空模様を思い做す0.51そのカッコ・・・好きな奴以外の前ではやめとけよ/古橋師匠誕生20天才は不鮮明な世界の[x]にたゆとう10.5なぜ眼鏡がないと注目を?/女心練習問題②21それは[x]の天才に繋がる禁断のものである111デジタルガジェット系全然ダメな人!?/22前任者の秘匿領域は[x]な有様である1先生・・・もう我慢できません。ふ、不潔!/23天才たちの花園に[x]は不可欠である1111パジャマとか・・・サイコーじゃないのよっ!/関城さん、セクスィー!24果敢なる天才は[x]の流説に抗う1いっそのこと、ほんとに付き合っちゃう?/女心練習問題③25事の発端は天才の[x]なる敢闘である13年の唯我先輩ですよね!キャーやっぱりぃ/26天才の一挙手一投足は時に[x]を翻弄する1お前の好きな奴って・・・俺・・・?/女心練習問題④番外編(うるか中学入学編)1今はまだ、青春の少し前。/27怖じる[x]に天才は憂い 彼は慮る11なんでもするから 一人にしないで/28禁断の地にて彼は[x]が為奮闘する0.510.50.50.5一応・・・Cも試していいですか・・・?/女心練習問題⑤29天才は飽くなき探求の末[x]に至る11聖母 関城紗和子 降臨/30されどなお天才は[x]の究明に勤しむ1唯我さんはキスについてお詳しいのですね/31かの新天地にて迷える子羊は[x]と邂逅する1今日もめいっぱい頑張りましゅみ~♪/32先人はかくも愚直に[x]な明日を見る1キスくらいしとくか?「彼氏」なんだし/33天才と先人寄れば[x]の懊悩となる10.51これ以上胃痛のネタ増やされてたまるか!/34威厳ある前任者は時に[x]にかしづく10.5パーフェクト! ドジっ子メイドかくあるべし…!/35人知れず天才は[x]共の戯言に踊る0.511やはりいつものお団子がセクシーで/パイナップル紗和子!36時に天才は[x]に憂い孤独に仇をなす10.51酸性試料をつけたリトマス試験紙のように情熱的/ホットパンツ+黒タイツ37時に天才どもが砂上の[x]は連鎖する0.510.510.5神は死んではいなかった…!/38喧々たる夜に果たして[x]は勉強ができない0.50.50.50.50.5ひゃうんっっ!!/巻頭カラー!39天才の目に天の光はすべて[x]である1とりあえず入る?おフトン…/40先人は己の選択に[x]をもって向き合う1密室で先輩に迫られて…/41前任者の姿は時に青き[x]へと遡行する0.50.510.5マジ制服コスプレとか…やりますねセンセ/42水面駆ける天才は唯々[x]に映ゆ1やること全部やり切ってから 思いっきり泣くの/ゆらぎコラボポスター43天才は時に[x]を共に分かち追懐する1好き 大好きだよ 成幸/44天才と彼はその[x]なる判定に銘々慮る10.50.50.5し…限りなくBと言って差し支えない A…かな/45彼女の[x]は前任者にとって青天霹靂である1半同棲中の禁断の恋人同士だったんですねっ!?/美春初登場46彼女はかくも容姿媚態に彼を[x]する1夫婦ですか!?/47露知らず[x]はその深淵をのぞかれるものである0.50.50.50.5「影の帝王」/成幸がメインヒロイン48渚に失せものでありて先人は艶然と[x]する1ていうか先生またピンチですか!?/問各話タイトル理珠文乃うるか真冬あすみ紗和子概要・備考




最新刊ぼくたちは勉強ができない 5 (ジャンプコミックス)は2月2日発売。電子版はこちら





『かぐや様は告らせたい』 各話タイトル 一覧

$
0
0



「かぐや様は告らせたい」のタイトルリストを仮作成しました。いろいろ間違いがあると思います。適宜更新していきたいと思っております。


YJ各話タイトルコミ巻コミ話セリフ本日の勝敗アオリ映画に誘わせたい11/ババ抜きをさせたい12/かぐや様はよく知らない13/白銀御行は答えたい14/かぐや様はいただきたい15/白銀御行は隠したい16/藤原ちゃんは出かけたい17/かぐや様は当てられたい18/かぐや様は歩きたい19/生徒会は悪戯したい110/1かぐや様は交換したい211/2かぐや様は止められたい212/3かぐや様は口付けたい213/4白銀御行はまだしてない214/5白銀御行は逃げ出したい215/6かぐや様はこなしたい216/7かぐや様は愛でたい217/8生徒会は言わせたい218/9かぐや様は送らせたい219/10白銀御行は話したい220/11かぐや様は差されたい321/12藤原千花は食べられたい322/13白銀御行は見せつけたい323/14石上優は生き延びたい324/15かぐや様は気づかれたい325/16白銀御行は働きたい326/17かぐや様は堪えたい327/18かぐや様は入れたい328/19早坂愛は防ぎたい329/20白銀御行は負けられない330/21藤原千花はテストしたい431/22かぐや様は嫌われたい432/23白銀御行は歌いたい433/24かぐや様は送りたい434/25藤原書記は見舞いたい435/26四宮かぐやについて①436/27かぐや様は許せない437/28かぐや様は許したい438/29かぐや様は呼ばせたい439/30白銀御行は出かけたい440/31白銀御行は出会いたい541/32早坂愛は浸かりたい542/33藤原千花は超食べたい543/34花火の音は聞こえない 前編544/35花火の音は聞こえない 後編545/36かぐや様は避けたくない546/37かぐや様は選ばせたい547/38生徒会は神ってない548/39白銀御行は捌きたい549/40かぐや様は祝いたい550/41柏木渚は見てられない651/42かぐや様は聞き出したい652/43かぐやたちは贈りたい653/44藤原千花は確かめたい654/45そして,石上優は目を閉じた①655/46白銀御行は見上げたい656/47かぐや様は結婚したい657/48早坂愛はオトしたい658/49第67期生徒会659/50かぐや様は呼びたくない660/51かぐや様は告ら"れ"たい761はい 喜んで引き分けこの流れ既視感が/最強タッグ結成か52白銀御行は描きたい762もう勘弁して白銀の敗北”いつも”のなら,それはそれで良いが/藤原書記,改め藤原画伯・・・。53白銀御行はモテたい763/54柏木渚は慰めたい764仮に好きだとしたらちゃんと本物の愛だから柏木の負け目つきが悪いところが好きな,かぐや様・・・/すべて見えているのは柏木さんだけ!?55伊井野ミコは正したい765/56かぐや様は蹴落としたい766/57伊井野ミコを笑わせない767/58伊井野ミコを笑わせたい768ん,言ってみ重厚なオートロックに不釣り合いな,小さな手・・・/本日の勝敗,皆の勝利。ただしかぐや様を除く。59かぐや様は呼ばれない769誰が妻よもう!!白銀陣営の勝利生徒会選挙,白銀勝利の裏で,かぐや様は何を思う・・・!?/役職は・・・!?60かぐや様は脱がせたい770具体的にはどういうパンツが好きですか?白銀(トランクス派)の敗北"エロ"ついに解禁か!?/トランクス派だったのか・・・。61かぐや様は出させたい871これ以上は気持ちよくて死んじゃうから!!白銀の勝利(肩こりが凄い取れた)何様目線!?/2週連続で下ネタ・・・。大丈夫か!?62伊井野ミコは抑えたい872校則違反ですけれどね藤原の勝利(ミコの発言力が5下がった)まさか・・・,またこの流れは!?/最悪の空気は紛れたか!?63白銀御行は読ませたい873ええー!?最終的にこうなるものなんですか!?白銀&石上&藤原の敗北 &伊井野の敗北久々登場白銀の妹が・・・号泣!?/「今日あま」はフィクションです。"別マ"を買っても載ってません。64かぐや様♥アクアリウム874だって私にとってここが水族館ですから白銀の敗北 敗因・ここが水族館だったいつもと雰囲気が・・・!?/よもや男子二人で・・・。65かぐや様は集めたい875一人でおとなしく死んでいてくださいよ本日のベルマーク勝負 1位白銀 255点(もやし850パック分)オチだけじゃい・・・前フリだってこなせるもん/やっぱりオチも・・・。66柏木渚はめんどくさい876僕たちはちゃんとしてるので相変わらず髪型はチャラいままの彼が・・・!?/A.結局はただのノロケ・・・!?67藤原千花は聞き出したい877・・・私 大事異なものは手元に置いておくタイプなの。伊井野(本日の主役)の敗北このタスキは,いつか見たやつでは!?/か・・・歓迎会は!?68かぐや様は怯えない878畜生 今回は否定できねぇ!!両社惜敗体育倉庫にて・・・とんでも展開!?/今回は,ミコちゃんファインプレー!?69かぐや様は診られたい879全部貴方のせいでしょ!?早坂の敗北何の変哲もない日常だが・・・!?/それだけは認めない・・・。70そして,石上優は目を閉じた②880そんなの・・・ 私だってわからないのに・・・伊井野の敗北風紀委員室かのような部屋で・・・!?/辞めずには済んだ・・・!?71かぐや様は触りたい 左頬触らずに言ってくっださいかぐやの勝利(ルーティーンを獲得した)心配の源は/武道の心得がアダとなり・・・!?72かぐや様は断らないナシ寄りのナシだろ勝利と敗北の体育祭に続く体育祭,間近今・・・!?/一体誰と誰のどんな"勝負"が待ち受けるのか!?73白銀圭は話せない本場の恋バナ想像以上にキツくて・・・白銀の勝利白銀家にて。/リアルな兄弟の形。84白銀御行は踊りたい引っ張られる網の気持ちを理解してください白銀の勝利(引っ張られる網の気持ちを理解した)あの有名な"民謡"に合わせ!?/結果オーライ!?75大仏こばちは取り締まりたいミコちゃんは基本的にザコです風紀委員の,とある日常――。/そう,それは"勝利と敗北の体育祭"・・・。76白銀父は聞き出したいいえとんでもない"特訓"の成果,発揮中!!/からかい上手の親父さん・・・。77秀知院は体育祭こういう時に来るんだ体育祭,開催中!/いつもとちょっと違う・・・。78そして,石上優は目を閉じた③おかしいじゃんかよ!!/79白銀御行と石上優うるせぇ,ばーか石上がアンカーを任された団体対抗リレー,スタート!!/走れ!!"いつもの"石上!!80大友京子は気付かないこの人たち いい人だ赤組の勝利"うるせぇ,ばーか"・・・捨て台詞を放ち!?/"忘れられない体育祭"――.81藤原千花は膨らませたい今からやらないって言ったら絶対意味出るよな・・・白銀&かぐやの敗北シリアス後の"お決まり"!?/また,日常へーかぐや様を照れさせたいなに今日の会長こんなにグイグイくるの!?かぐや&白銀の勝利2018年も恋する2人をよろしく願いします。/思い過ごしも恋のうち―83かぐや様は連れ出したい人は演じないと愛してもらえないいつぞや,背中を押していた級友が今回は・・・!?/一体どこまでイクの―!?84かぐや様は阻止したい下手なのに・・・すっごい大きい・・・白銀の敗北どこまでイクのか!?/・・・にしても,どこまでイクつもりだった!?85伊井野ミコは癒されたい今あいつを守れるのは僕だけだ石上&伊井野の敗北珍しい二人組が!?/恥ずかしい奴等・・・。YJ各話タイトルコミ巻コミ話セリフ本日の勝敗アオリ



『かぐや様は告らせたい』 第85話 伊井野ミコは癒されたい 感想

$
0
0

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第09号』「かぐや様は告らせたい」第85話 伊井野ミコは癒されたい の感想(かぐ活)です。


ついにやって参りました,秀智院高校の裏バカップル,伊井野ミコ×石上優の世界。


いやぁ...。僕も「かぐや様は告らせたい」世界のディケイドになってから(なってない)1年余り経ちましたけれど,ついに来るところまで来たという感じがありますね。ここが裏バカップルの世界か...。


かぐや様のパターンの一つとして,生徒会室に伊井野さんが入ってくるというものがあります。で,ここまでは会長なり四宮さんなり,藤原さんなりがそこに必ず介在したわけですけれど,今回はありそうで無かった「部屋にいたのは石上会計だけ」という状況です。



ハイマウントな伊井野ミコ


これはキタね。オレの読みなら,いけるぜ!石上!ってやつですよ。
見てください,この伊井野さんのハイマウントな蔑み顔を。


これはもう,最後に伊井野さんが悲惨な目にあって終わりという「最初と最後のギャップを楽しむ」パターンであることは,この下衆顔からも想像がつきます。私が上,お前は下!という圧倒的マウンティングの下,孤高の女帝のごとく振舞う伊井野さんの行動にはきっと石上会計もビンビンだったでしょう(なにが?)


それにしても不思議なモンである。あの体育祭の時には石上会計をきちんと「認めて」いるように見えた伊井野さんなのに,なぜここまで石上会計を蛇蝎のごとく嫌えるのか。



なぜ伊井野さんは石上優を嫌うのか


多分に,普段はこんなにズボラでいい加減な奴なのに,「実は似たもの同士である」という事実を直視するのが耐えられないのだろうな。

この回のお話を見ても分かるように,伊井野さんの神経はいつも張り詰めっぱなしの崖っぷちなわけである。そこに「お前が嫌っている石上とお前はソックリよ?」なんて大仏さんに指摘されたら,軽く自我崩壊するくらいのカタストロフィが待っているに違いない。

それに,体育祭の時は「一生懸命頑張っている奴が笑われるのは許せない」という,石上が伊井野さんの選挙の時にとった行動と同じ原理で動いていたからね。あの時といまは全く状況が別なので,「会話すら拒否」という男女の中でも最もキツイやつを石上会計にたたきつける伊井野さんであった。


...と,裏バカップル自体の会話が制限される中での,今回のネタ「イヤホンジャック差し忘れによる音漏れ」という奴である。


ああ,時々ありますよね。電車の中とかでイヤホン外れているのに気付かないままガンガンに音漏らしている人。イヤホンあるあるって奴ですよ。まああれは見知らぬ人の奴でも結構キッツいですけれどね。それが会話も拒否された仲の良くない相手なればなおのこと指摘しづらいもの。


そんな伊井野さんの癒され音楽がこちらになります。


環境音!





ラクダの鳴き声!





イケメンが励ますCD!


あ,はい。
伊井野さんの闇の深さは一体どうなっているのかと。



ちなみに環境音,はまあ普通に市販されていますよね。ラクダの鳴き声...はAmazonさんを探してみたんですけれど,ちょっと見つかりませんでいた。「そこになかったら,無いですね」って奴ですね(ん)。

「イケメン 励ます」でも坊坊主の励ますしか出てこなくって,やはり「そこに無かったら無いですね」状態です。なんかの怪しいところの会員にならないと買えないんですかねぇ(おい)



...いやしかしまあ,他人が聴いているのに居合わせたら石上会計ばりにドン引きになるでしょうけれど,考えてみてください。誰も自分を褒めてくれる人がリアルでもネットでもいなくって,孤独感でいっぱいだったら,こんなCDでもすがりたくなっちゃうのかもしれませんねえ。

僕はそこまで孤独感ないし,仕事でも家庭でも承認欲求満たされる局面がありますけれど,それでも真冬先生(怠慢)がひたすら褒めてくれるCDとかあったらこっそり聴いてみたくなるかもしれないしな!



怠慢先生の癒しCD(時価)(ぼくたちは勉強ができない 問.34より)


なので伊井野さんの現実逃避は決して他人事ではないのねん...(謎結論)



話がそれました。

そんなドン引きな状態に陥りつつも,なんのかんので伊井野さんのために苦難奮闘する石上会計は基本「いいやつ」なんだなあ,と思ったり。



いいひと

伊井野さんの感性のズレを認めつつも,彼女の頑張り屋さんなところやストレスに耐えていることに対する理解を示したり。中学時代の事件の件もそうでしたけれど,基本,石上会計は自分の正義と合致する人に対して共感して容認できる人なんだよね。

基本的に,相手が悪で無い限り否定しない。相手を認め,そんな相手を守ってやろうとする。伊井野さん然り,大友さん然り,愚かといえば愚かな部分があろうとも,一生懸命やっている奴を笑ったりしない。いやめっちゃいい奴なんですよ,石上会計は。



そんなことが今回のエピソードからも分かります。

ぶっちゃけ,伊井野さんが恥を掻いたってそれは石上会計のダメージにはならないわけですよ。自分の恥じゃないから,と割り切ってしまえばそこでおしまいです。あるいは「伊井野,イヤホン外れているぞ」と指摘するだけで終わりです。



守りたい。この笑顔。


でも自分が聴いていたことを知ったら伊井野さんは羞恥のあまり傷ついてしまう。そんな予想ができるからこそ,入室当初から蔑みの顔で自分を睨み,自分との会話を否定したような伊井野さんを救ってやろうとする。

そんな,愚直で要領の悪い,けれど「いい男」じゃないですか。


そんな配慮を一切無視する伊井野さんなわけですけれど,これは伊井野さんが一方的に悪いとは言い切れない事情もあると思うのですよね。

似たもの同士の二人ですから,もし立場が逆だったら伊井野さんも石上会計に恥をかかせまいとしたかもしれないじゃないですか。ん,いや,しないかもしれないけれど。伊井野さんがそういうことをする前提として,石上会計が何かに一生懸命取り組んでいるとか,伊井野さんが石上の努力を認める状況が必要ですからね。そういう前提はさておき,いまの伊井野さんのテンションは完全に「石上無視」モードですからね。



石上会計の必死さと,伊井野さんの塩対応のギャップ。
お前のためにこれだけ頑張っているのに,なぜお前はそんな態度なのか。石上は捨て身の行動をとったというのに。木っ恥ずかしい「萌えソン」を垂れ流すという人身御供まで行ったというのに。



「全ての世界の全ての笑顔を守る」


この高慢ちきで,鼻持ちならない伊井野さんの対応と石上優なりの正義の献身。このお話の肝は,「そんな石上優の全ての献身は伊井野ミコに省みられることが無かった」という事実であり,その結果,石上優が守りたかったものすべてが崩壊するというギャップであります。読者はそのギャップに腹がよじれるし,噴出すわけです。



伊井野ミコの,これまでの行い全てを罰するようなこの顔面崩壊シーンこそ,読者が冒頭に期待した「結末」であり,それがそのとおり完璧に再現される。

まるでいつもの食堂でいつもの定食を食べているような安心感が「かぐや様」にはありますね。



フフ...このギャップ! この表情こそ「かぐや様」よ!


そして守りたかったもの全てを伊井野さんの自業自得によって守れなかった石上会計の魂の叫びによって,読者はある意味溜飲を下げるわけです。伊井野さんに天罰(自業自得な結果)が下ったこと。石上会計の全ての行動が無に帰したこと。二人が最初から最後まですれ違ったままだったこと。

そんな裏バカップルのすれ違いが心地の良い,伊井野ミコ×石上優の世界でした。もし鳴滝さんが見ていたらきっと「おのれディケイドォォォ!この世界も破壊されてしまったぁぁ!」と叫んでいたことでしょう(意味不明)。

とまあ意味が分からない締めでまる。


...
......


そういやアレなんですけれど,なにげに石上会計から「つばめ先輩」に関する悩みとか出てますね。



生まれ出づる悩み


ふむふむ。つばめ先輩ね。子安先輩じゃなくてね。


あの何の役にも立たなかった体育祭(嘘)において,石上優をあるがまま認めてくれていた応援団の面々。その血盟騎士団の副団長たる子安つばめ先輩に関する「深刻な悩み」とな。


ふむ?ラブですか?ラブなんですか?


気のせいか,石上会計の頬が朱に染まっている感もなくは無いですしね。あっちゃー...やっぱり惚れてもうたか...。決して手に届かない子安貝の暗喩の人を。(演技なら凄い)


まあ今回は伊井野さんにさらっとスルーされてしまったのでお話は広がらなかったですけれど,藤原書記はしっかりと聞きましたからね。これはいつかエピソードが入る伏線とみて違いあるまい。これはいずれ石上会計がかぐや様(え)に恋愛相談する流れくるで...(藤原書記は後から乱入しそびれるパターン)。


...あ,いやね。石上会計は例の件があって以来,自分を隠すように髪を伸ばしているじゃないですか。これ,いつ切るのかなと思っていたんですよね。石上会計が髪を伸ばして隠しているのは,他人の視線が怖いとか,自分を見せたくないという心理の表れだと思っていたんですけれど,事ここに至っては髪を切ってもいいはずなんだよなあ。

生徒会だけではなく,応援団の中でもきちんと自分を認めてくれる人がいる。そういう状況にあるならば,もう石上会計は髪を切ってもいいはずなんだよね。

まあ石上会計は子安先輩に恋心を抱いているかもしれないし,告白することもあるかもしれないし,たぶんつばめ先輩は団長か誰か他の人と付き合っているから100%振られるはずですけれど。それが告白の前か後か分かりませんが,きっと石上優は髪を切るためにもう一度「目を閉じる」お話があるんだろうなあと。

そして今回,石上会計は伊井野さんを守れなかったわけですけれど,最終的に石上会計が伊井野さんを守れるという"結果"が出せるのはそういうことが全部終わった後なんだろうなあと思ったり。



伊井野ミコもまた変わらざるを得ない...


そんな石上を見ることで,頑なに同属嫌悪を貫く伊井野さんもまた,変わらざるを得ないのかなと思ったり。秀智院高校の裏バカップルの物語はまだまだこれからだぁ!ということで,再度まる。


*思いつき調査その2。よろしければ。(誰が投票したかはわかりません)

#思いつき調査 #拡散は任意でなんとなくぼんやりと思った疑問。駅や商業施設のトイレにおいて,洗面は使わずに「鏡の前で一生懸命ワックスやブラシで髪を整えている人」について,どう思いますか?

— ayumie (@ayumie) 2018年1月31日


かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい 5 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 6 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 7 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 8 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)



画像は週刊ヤングジャンプ2018年第09号「かぐや様は告らせたい」第85話,「ぼくたちは勉強ができない」問34.より引用しました。

『トマトイプーのリコピン』 第16話 まんがのゆくさき 感想

$
0
0



さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第10号』 「トマトイプーのリコピン」第16話 まんがのゆくさき の感想です。


ぼくにとっての「トマトイプーのリコピン」(以下「リコピン」)は,まあ一応読んでいるけれどファンというほどでもない。時々クスリと笑えるシュール系ギャグ漫画といった印象の漫画です。お昼のランチにちょこっと一切れついているフルーツ,口直しみたいなもので,まあ安定の巻末固定漫画です。


そんな「リコピン」の特徴は,流行ネタや時事ネタをうまく拾いつつ,何処かに作者の主張みたいなものを練りこんでいくスタイル。ぶっちゃけそのスタイルだと時期が外れたころに単行本を売るのは難しかろうなと思いますけれど,個人的にはこういう漫画は嫌いじゃない。



そんな今週の「リコピン」は漫画家ネタ。いや,ぶっこんできたなあという感がありますね。

漫画家の皆さんは日頃自分の思いを作品にこめて発信していくしかないわけです。最近は作品とは別にSNSとかで発信する方もいらっしゃいますけれど,基本的に漫画家は漫画でメッセージを伝えていくしかないわけで,それはどこか一方通行的なものになります。

つまり,読者に訴えかけたいことはあってもそれは漫画という枠組みの中で表現されるものであり,幅広い価値観や属性を持つ読者に対して作者としていいたいことがあれば,それは暗喩化され,ある種の総花的なものにならざるを得ない。そんな中,今回の「リコピン」はいい塩梅に生産者としての漫画家の「言いたくてもいいづらいこと」をぶっこんできたなあ,と思ったり。


漫画を読む側である「読者」には消費しきれないほどの漫画コンテンツがあって,それを「読む・読まない」の取捨選択は消費者であろう読者にある。それを「評価する・しない」の選択肢もまた読者側にあり,結果として成果物であるコミックを「買う・買わない」の選択肢も読者側にある。

漫画家が生産者であり,読者が消費者である以上,実のところ圧倒的に読者の方が強い立場にあります。そんな中,漫画家の本音とか言いたくてもいえない事は,王さまの耳はロバの耳のごとく身内や仲間内の漫画家内でぼやくしかない状況です。

今回のお話は,本来漫画家同士の語り合いの中ででてくるような出来事について,大石先生の考えを反映させながら漫画のキャラに言わせることで,うまく「視覚化・言語化」してくれたのかな,と思ったり。というわけで,以下所感です。



...
......


『連載するのは難しい』

一言で読者といってもいろいろであって,単純にその作品が好きな「ファン」もいれば,漫画を取捨選択して読む「読者」もいるし,読むことによって反発する「アンチファン」とかいろいろあって一括りにするのは難しいですよね。


特に近年の漫画家にとって問題なのは,漫画を読んでくれない「無関心層」とと作品を批判する「アンチファン」です。

以前の記事にも書いたのですけれど,無関心というのは漫画家にとって実はかなり堪える。特にジャンプのように極端にアンケート(+コミック売り上げ)が連載の生殺与奪を握っているようなシステムにおいては「読んでもらえない」というのはそれだけで大ダメージだったりします。



しかし,それ以上に大変なのが作品の「アンチファン」です。大量消費の時代,捨てるほど漫画が溢れている現在においてはファンは漫画に対してかなり冷酷だったりする。インターネット全盛時代,SNSのように簡単にリアルネームを出さずに「発信」できる状況下においては,友人間の愚痴で済んだような話が全世界に垂れ流されるようになっています。


これまでであれば,自分の周囲5m以内の友人と語り合っていたような「市井の漫画評論」がインターネットという単一メディアに流出することにより,個々の小さな感情が不特定多数の人間の集合感情として形成されることが非常に容易になっています。


その結果,ある事象について自分がどんな感情を抱いたかということが簡単に生産され,人の目に付くようになっています。良い情報が拡散するのも早いけれども,デマや罵詈雑言が一気に広まるのも早いです。



今回,リコピンでも「読者が作品に対してどんな感情を抱いたか」ということと,それに対する感情発露の方法として「ネットに悪口を書き込む」という流れが描かれています。実際,特に週刊少年ジャンプに連載するような漫画に対しては,毎週のようにファンとアンチがそれぞれの立場で漫画を読むことで生じた感情を垂れ流しているわけです。


そんなファンの言い分みたいのなものを,漫画内の漫画家を通じて描いていく。

・主人公に対する好感度が低い
・主人公の言動やその描写が嫌
・日々の暮らしで疲れているのに娯楽ぐらいノーストレスがいい

なんてのは,毎週のように何処かの漫画の「叩き」の要素として書き込まれている内容ではないでしょうか。


そういう素人漫画評価や漫画生活に対しての漫画家の心情として,

・面白くないと思うなら読まなければいいのに
・だったらおまえが描け
・漫画じゃなくて批判することを楽しんでいるんだろう
・時間と心と体力に余裕がないから簡単に直せない
・目の前のノルマをこなすだけで精一杯
・業界内の付き合いは大変
・生活のためお金のために描いている

なんていうのは,口には出さないけれども「漫画家なら一度は思ったであろうこと」が赤裸々に描かれています。

これを作品内の作品のキャラに言わせるという表現方法に気遣いながらも,ファンと漫画家の心情を表現するところが上手いですよね。それを「ずるい」と思うかどうかは人によりますけれど,こうやって「一般的な漫画家の反応」を劇中内の漫画家に言わせることで一般化して,「みんなにわかるように」表現しているのはすごい。


一方で,漫画家の大石先生としての考え(と思われるもの)は後段にきちんと描かれていて,ノミリン先生の心情変化を通じてそれは表現されています。例えば,


・なんで漫画が好きなのか
・悪い意見=アンチとは限らない
・「読者の声」に耳を傾けることも必要
・文句をいうほど読み込んでくれてる大事な読者がいる
・編集,印刷所,アシスタントさん,その他関係者がいるから漫画家描ける


というようなことも描かれていますが,多分大石先生はそういうことを(建前かもしれないけれども)漫画家として仕事をする上で「認識している」ということなんじゃないかと。


生産者と消費者の関係において,文句を全く言われない商品なんてあまりないと思います。そんな宿命的な関係の中で,消費者の声をどう扱うのか,というのは企業の対消費者の姿勢ですでに散々語られつくしていると思います。

よく言われるのは,「消費者からのクレームは改善のチャンス」ということですよね。理不尽なクレームに真正面から対処する必要は無いと思いますが,その苦情が論理的かつ的を射たものであれば,批判ではなくフィードバックとして受け止めていくことは多くの企業で行われていると思います。


読者の多様な意見を全て受け止めて反映する必要はありません。そんなことできるはずがないのですから。でも読者からのフィードバックの中で,ある程度の実数をもって行われる合理的な「批評」には,作品に活かせるヒントがあるかもしれません。

それを漫画家自身が行うのはかなり難しいです。ネットの声を拾うときに難しいのは,そうした読者の声の「実数」がはっきりしないというところがとても難しいからです。
簡単に多人数に成りすますことができる。掲示板やSNSを複数のアカウントを作って印象操作を行う。そうしたことをファンもアンチファンも行うわけです。「どちらがより大きな声か」を見せかけるためのそうした印象操作は一個人のファンレベルで容易にできてしまうからです。


特に「アンチ」となったファンの行動心理は複雑怪奇です。

「つまらないと思うなら読まなければいい」というのは漫画家ではない僕ですらそう思わなくもありません。それでもアンチファンが作品をたたき続けるのは,いろんな屈折した思いもあるのだと思います。「読んでいて不愉快だった」「この流れは納得できない」といった感情が暴走すれば,「徹底的に叩いてやる」という行動になりがちです。

突き詰めれば「人気を出させないようにしてさっさと打ち切りにさせよう」「コミックも叩いて誰も買わないようにさせよう」といった「足を引っ張る為の行動」に変化していくこともあります。こうなってしまうと,もはや作品改善の為の批評ではなく,ただの批判のための批判になってしまいます。


そんなノイズを含む生データをそのまんま受け止めるほど,漫画家は「時間と心と体力」に余裕がないわけで。ですからそういう声の中から「本当のファンの声」というものを作者の代わりに拾い出す人が必要なんだろうな,と。

第一義てきには担当編集者が担うべきものでしょうが,なかなかこれで週刊漫画の編集者は忙しいと思います。家族やスタッフといった周囲を支える人でもいいのでしょうが,やはり「大量の情報の中から真実を拾い出す」だけの情報評価ができる人の方がいいでしょう。

となると,やはり漫画作品をいくつも読み,漫画に対するレスポンスをたくさん受け止めてきた編集者がきちんと情報評価して「編集者の意見として」作家に伝えてあげることが必要なんじゃないかな,とぼくなんかは思います。




『漫画家が生活するのは難しい』


漫画内で扱われているのはコミックスの価格の話や違法漫画サイトの話ですけれど,突き詰めていけば漫画家の収入の話になるのかなと。


まずコミックスの件について。

コミックスの価格がほとんど上がっていないというのはまあ事実です。比較に上げられている1982年はバブル直前の時期ですけれど,バブルを経てデフレの時代が続く現在,なんだかんだでコミックスの値段は上がっていない。


漫画家は基本的に原稿料がもらえますけれど,1枚いくらの歩合制です。それだけでは経費を引いたら多分生活できない。ジャンプの場合専属契約を結べば給料的なものが出るので契約期間内はある程度漫画に専念できますけれど,そんなの有期雇用の給料みたいなものですから,それだけを頼るわけにはいかない。

となると漫画家にとって一番大きな収入源は「コミックスの売り上げ」ということになります。


以前,弊ブログにコメントくださった漫画関係者さんによると,コミックスの売り上げから得られる収入(印税)は次のようになっているようです。

"漫画の印税は単行本一冊につき10%なので、50万部売れたら、収入は2000万です。
そこから所得税で40%、消費税8%が引かれ、画材等諸々引くと手取り1000万以下になります。"


これはコミックスが50万冊刷ってもらえたらという話です。分かりやすくコミックス1冊に換算してみましょう。

コミックス1冊のうち作者に入る収入は420円(税込)のうち10%で,そこから所属税と消費税でほぼ半分引かれる。1冊当たり作家に入る収入(手取り)は20-23円程度ということになります。

今回,リコピンで「ソシャゲのガチャ1回でコミックス1冊分」という"物価"比較がされていましたけれど,"漫画家の収入(手取り)"という観点でいえば「ガチャ1回=コミックスが20冊程度売った額」程度ということになります。

ジャンプ漫画であれば,万単位でうれるコミックスも普通にあるのでそれでも大きな収入になりますけれど,打ち切り漫画ともなればその額はお察しということになります。


作中でも指摘されているように,価格を上げると購入数が減るという現状はある程度あると思いますので,なかなか価格を吊り上げられない事情はあるのかもしれません。厳密に言えば「価格が上がり,購入数が減ると出版社の含み損が増える」のであり,結果として「出版社が初版印刷部数を絞ることで漫画家の収入が減る」のかもしれませんが(印税は刷った数に応じて先払いで支払われるため)。


価格を上げずに漫画家の取り分を増やしたければ「印税率を上げる」必要がありますが,他のステークホルダーとの関係上,割合を変化させるのも難しいのでしょう。


加えて,先のファンとの関係性もコミックスの売り上げを左右します。

ファンのアンケート結果が芳しくなく連載が打ち切られれば,原資となるはずの連載本数が少ないためにコミックスの売り上げ冊数は減ります。またそもそも作品評価が悪いので部数が出ません。ファンに受け入れられなければコミックスの販売冊数が激減する。そんな関係性もあるわけです。



他ならぬ僕も,いまはコミックスを買うのはかなり絞っています。

いま電子書籍で購入しているのですが,電子書籍は基本的に作品のアクセス権をAmazon KINDLE のようなディストリビューターから買っているだけです。一度購入すれば,そのディストリビューターが作品を提供し続ける限り閲覧できます。非常に簡単に購入できる反面,読まなくなったりしたからといってこれを売り払うこともできません。基本,購入したものは延々と書棚に残ります。

そんな仕組みですので,できるだけ購入するのは「本当にいつまでも楽しく読めるような作品」に絞り込みたいという気持ちがとても強くなります。週刊連載ですから,「途中まで面白かったのに...」みたいなことになって「もうこの作品は読まないな」と気持ちが変化しても電子書籍を売るなり捨てるなりして整理することはできません(非表示機能はありますが)。


となると,読者としてできる自衛行為は,「作品が完結した時に"繰り返し読んでみたい"と思う作品だけコミックスを買う」という方法になるわけです。もちろん,連載途中でも「この作品は絶対に面白い」と思えば買いますが,そこは「現時点で繰り返し読みたいと思う漫画」という評価にたどり着いたものです。

特に「週刊少年ジャンプ」の漫画は電子版を定期購読しているので,よほどのことが無ければ定期連載を追っていくことで作品を振り返ることができます。また必要に応じて自炊(個人的に作品単位でまとめ,電子化すること。著作権的には著作権法第30条の権利制限「私的複製」なので可。もちろん頒布しては駄目)することもします。

そのようにして読み続けた作品のうち,「これは買っても大丈夫」と判断したコミックスだけ買います。全ての読者がそのような行動をしているとは思いませんが,「作品を評価する読者」が増えることにより,コミックスに対して支出する読者の数が純減する可能性もなくはありません。


もとよりコミックスによる収益は多くないのに加え,消費者(読者)の行動が渋くなっているような現状。漫画家の収入にとっては世知辛い時代が続いているなと感じます。


...
......


そして今回のお話では,最後に「違法漫画サイト」についても言及されています。

具体的なサイト名を挙げることは逆効果なので控えますが,インターネット上に漫画を違法アップロードし,それを閲覧できる違法な環境が存在します。もちろん作家や出版社もそれを是としていないのでしょうが,個々の作家や出版社だけでは対応できていない状況があります。


そうした違法サイトで漫画が読めてしまうのであれば,当然コミックスを購入する人も減ってしまいます。違法サイトで漫画を読む人が増える→漫画雑誌やコミックスが売れなくなる→漫画家や出版社の収入が減るという悪循環が続けば,最後は「漫画出版流通の仕組み」が潰れることになります。


インターネットは「無料のナレッジデータベース」という感覚の延長線上で「公開されているのだから読んでなにが悪い」という意識で違法漫画サイトを読むことは,結果として漫画製作に関わる人たちを苦しめ,最後には漫画出版が成り立たなくなります。

非常に難しい問題ではありますが,週刊少年ジャンプの連載漫画の中であえて取り上げたことは,こうした「問題意識」を読者に共有してもらいたいという願いがあったのではないかと思います。なかなか言い出しにくいことですが,漫画家が「漫画というメッセージを伝えるためのメディア」を通じてこうしたことを発言してくれた大石先生はすごいな,と思いました。



『おまけ:違法漫画サイトに対する私見』

最後に,違法漫画サイトに対する対処について,個人的に思いついたことをタラタラと書きます。


今回,大石先生が問題提起されたように,著作物には著作権がありそれを守ることによって著作物という文化的創造物のエコシステムがなりたっています。そうしたことについて,もっともっと読者(今後読者となる世代も含めて)に理解してもらう必要がある。それは重要なことだと思います。


一方で,それは著作権教育の問題であったり,著作権法の罰則強化などによって取り締まることで解決できることではありません。実際,漫画に限らず動画やら色んなコンテンツが正規ではない形で流通しているのが現状です。となれば,ある程度技術的に解決を模索する必要もあるのではないかと思います。

特に「違法漫画サイト」については,著作権法違反であることは明白なわけですが,著作権法に基づいて相手方を訴えるにしても著者が違法アップロードの相手方を特定して訴える必要があるというのは大きな問題です。加えて,公開先が日本国内でなければ,公開先のサイトの所在国がベルヌ条約を結んでいない限り日本の著作権法に基づいて争うことができません。


であるならば,法に基づいた訴訟措置ではなく,法に準拠した運用で対応するのも一つの手ではないかと。


「違法漫画サイト」に上げられている漫画は著作者自身が許諾して公開しているものはほぼ皆無かと思われます。であれば,作家・出版社・通信キャリアの中で「違法漫画サイトに対する運用ガイドライン」のようなものを定め,当該違法漫画サイトへのアクセスを遮断するような措置をとっても良いのではないかと。


これは法の運用ではなく,著者・出版社という漫画に対する財産権に関わる人の財産を守るための「運用上の措置」であるため,裁判や違法アップロードの相手方がだれだとかいうプロセスは問題にはしません。単純に日本国内で主に使われている通信キャリアは「違法漫画サイト」へのアクセスを遮断するのに協力する,というだけです。


具体的には携帯通信主要3社とそのMVNO,国内主要プロバイダ数社が作家・出版社の要請に基づき,その回線を通じたサイトへのアクセスを(プロキシを含めて)遮断するだけです。こうした違法漫画サイトにアクセスする人は,著作権教育を十分に受けてこなかった人が多いでしょう。当然,スマホやタブレットで読むような人が大多数でしょうから,その効果は絶大ではないかと思います。


無論,ドメインを変えたり,サイト名を変更することによっていたちごっこのような状態になることは考えられます。しかし個々の作家や出版社が対応していくよりは,遥かに容易な対策ではないかと思います。

こうした情報アクセスに対する遮断が行き過ぎれば「検閲」という行為に結びついていきます。なにが財産権を侵害する事例か乃判断を公権力に委ねるのも難しい問題です。そうした懸念に堪えるためにも,法による統制ではなく,ステークホルダーの主体的行動による財産保護の観点においてのみ運用するといった手法がよいのではないかと考えた次第です。



それから,もう一つ解決策が思い浮かびました。

リコピンの最終ページの図にあるように,こうした違法漫画サイトの問題点は本来対価を得るはずだった漫画家・出版社ではなく,違法に漫画をアップロードしたサイトの管理者が「広告収入」で儲けてしまい,対価を横取りしてしまっていることです。


であるならば,同じ仕組みを「公式」で作ってしまうというのも一つの手ではあります。

基本的に漫画は広告収入型の公式漫画サイトで無料公開する。その代わり連載漫画を「通読」したりしたいときにはプレミア料金を払う(コミックスの代わりですね)。コミックスの特典のようなものは別に用意して,コミックスの販売流通の余地を残せばなお良いでしょうか。

ただし,印刷雑誌としての週刊少年ジャンプによる収益をカバーできるほどのものではないでしょうから,印刷版発行から2−3日後に無料公開するというのが現実的な対応方法でしょう。

そんな仕組みにすれば,すくなくとも違法漫画サイトの管理者が得ている利益は出版社が回収することができます。先の「違法漫画サイトへのアクセスを遮断する」というのは対処療法ですが,こちらは違法漫画サイトの存在そのものが意味がなくなるので,根本的な対応になります。


これまでのビジネスモデルを大きく放棄することになるため,なかなか判断が難しいと思います。しかし既に漫画各社がアプリで電子版を配信しているような状況ですので,対価の回収方法を見直すだけで案外容易に対応できることかもしれません。

そんな素人考えのアイデアですが,最後にお示ししておこうと思います。まる。






「トマトイプーのリコピン」 第1巻はこちら。 KINDLE版はこちら


リコピンの単行本には追記がいっぱいあるそうですよ。
ファンの方はぜひ購入してあげよう。僕は保留中だけれど!(←酷いオチ)



『かぐや様は告らせたい』 第86話 かぐや様は食べさせたい 感想

$
0
0

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第10号』「かぐや様は告らせたい」第86話 かぐや様は食べさせたい の感想(かぐ活)です。


リアルでは立春だというのに,かぐや様の世界ではまだ馬肥ゆる食欲の秋とか。マンガでは良くあることですけれど,季節感がないのはラブコメのお約束なんですかねえ。ニセコイ然り,ぼく勉しかり...。暦どおりに話しを進めちゃったら巻数稼げませんからね!


冗談はさておき,今週のかぐや様もコメディモードでお送りしております。前回がディケイドなら今回は電王。生徒会ガチンコチャーハン対決の開幕であります。



時間の波をつかまえて


ふむ。
まあサブタイトルこそ「かぐや様は食べさせたい」ですけれど,実際のところガチンコなのは会長と石上会計であってね。そんな二人の争いに乗じてラブをコメらせようとして案の定失敗するかぐや様がお可愛かったです。

ま,四宮さんも知ってのとおり藤原さんを思い通り動かそうというのは無理なので,その段階で詰んでいたわけですけれども,今回は伊井野さんも加わっていましたからね。「怒りからデレ」を誘導するのに長けた伊井野さんですから,四宮さんを篭絡するのも詮無いことだったりする。



怒りのかぐやからの...


伊井野さんは「素」の状態なのに,四宮さんは勝手にテンパって,勝手に怒り出して,勝手にデレる。なんのかんので四宮さんは伊井野さんに不戦敗続きなんですよねえ...。会長選挙戦だって実質的に白銀の力によるところが大きかったし。

ある種の天敵というか,かぐや様の攻撃力を無想転生のごとくかわしきる「相性」があるのかもしれんな。



ちょろい!


いやしかし,かぐや様といい伊井野さんといい照れた顔がかわいいな!

伊井野さんときたら天敵の石上会計のチャーハンを食らっては,その旨さを認められずにツンしてみるものの,美味しかった事実を否定することもできず敬愛する藤原会計にそれを伝える(そしてすぐにばらされる)。

この照れ顔。このむくれ顔がすばらしいことよ。前回のポンコツぶりといい,今回の顔芸といい,伊井野さんの戦闘力がどんどん上昇してやがる!



ベジータ!伊井野さんの戦闘力はいくつだ..!?


挙句の果てに大食キャラ付けとは,伊井野さんの属性が盛りすぎてマジ卍である(意味不明)

これはあれなんかね。

伊井野さんのご自宅といえば「正義の両親」がいつも不在がちらしいんですけれど,伊井野さんの食事はどんな風になっているのかなと。
普通に考えればミコちゃん自ら食事を作るんでしょうけれど,そういう家庭環境だったら「人に作ってもらう食事」に飢えているのかもしれないな。その結果,実は「大食いキャラだった」ということなのかと思ったり。



そして,今回のもう一人の主役は言わずもがな藤原書記である。

石上VS白銀による「真竜の戦い」(チャーハン対決)を勝手に預かる王の中の王「味王」を名乗る藤原書記。その食通ぶりときたら,グルメ漫画もびっくりの薀蓄ぶりである。



王の中の王,「味王」じゃ。

で,今回のお話のもう一つの肝は,「味王」藤原が食通ぶる→的外れな薀蓄だった!という一連の流れになります。


このドヤ顔からの木っ恥ずかしい顔への変化を楽しむ。まさに読者にとって一粒で二度美味しい展開であります。やっぱりアレですね。藤原書記は追い詰められて死ぬ直前がもっとも愛らしいと思います。死にそうで死なないところがホロリとしてなんとも良いんだ...。



メガンテでやられる「味王」


こんなんくっそ笑うしかない。
いやあ,ドヤ顔の藤原書記がそのまんま自爆していく様はいとをかし,ってやつですよ。


そんな藤原書記に容赦のない男,石上優である。「言葉のナイフ使い」の異名を持つ石上会計ですが,そんな彼にとって「殴りやすいボディ」をしている藤原さんはまさにツッコミ甲斐のある存在なのだろう。



ふむ。こうしてみると生徒会の面々の強弱関係はなかなか面白いものがあるね。

意識・無意識の違いはあれ,結果として相手に対するマウントのとり方の高低が絡み合っている。しかも一概にこの強弱関係が固定化していない。一定の強弱のバランスは保ちつつも,変光星みたいに変化するのが生徒会面々の特徴ですよね...。



秀知院高校・生徒会における強弱関係図 ver 1.0

まあ個別の事情によって強弱の向きが変わったりもしますけれど。


...と言うわけで,チャーハン対決の勝者は白銀会長。でも,実質的に白銀会長の敗北でしょ,これは。完全に憐憫の情からくる「優勝」だもんなあ...。というオチで今回の話はまる。


...
......


今回のチャーハン対決,面白いんだけれど感想の言語化が難しいお話でしたね。こういうの,感想書きとしては難しいわ。


感想書きといえば,今回の藤原書記の的外れな指摘に際する冷酷な返しの流れ。ちょっと見ていて胸が痛くなりましたわ。ぼくもこれまでドヤ顔(というわけではないのだが)であれこれ漫画の考察をしてきたけれど,基本的に全部が全部当たるわけじゃないからね。



胸の...胸の痛かァ...!!


前々回の早坂さんとかぐや様の姉妹愛の話といい,古くはニセ何チャラさんの考察といい,一見つじつまが合いそうな考察という名の妄想をしてしたり顔なのに,実際はぜんぜん違かった!なんてのは毎週のようにありますからねえ。ぼくなんか,毎週が藤原書記(爆死モード)ですよ...(遠い目)。


そんな読者の的外れな妄想をニヤニヤと眺める漫画家視点を感じなくもない,第86話「藤原千花は恥ずかしい」でした(←あれ?)。再度まる。


かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい 5 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 6 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 7 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 8 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)



画像は週刊ヤングジャンプ2018年第10号「かぐや様は告らせたい」第86話 より引用しました。

『ぼくたちは勉強ができない』 問50. 湯の花に咲くは天才どもが[x]の跡である 感想

$
0
0


さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第11号』 「ぼくたちは勉強ができない」問50. 湯の花に咲くは天才どもが[x]の跡である の感想です。


というわけで,「ぼく勉」も連載1周年だそうです。おめでとうございます。



祝・1周年


連載一周年だけれど,作中ではまだ4ヶ月しかたっていない。そういう細けぇことはいいんです!ラブコメですからね。「お話を進めたらそこで試合終了ですよ...」と3代前の勉強係の安西先生が言っていましたし(嘘です)。
じゃんじゃん引き伸ばしてくれれば読者はブヒブヒ言わせてもらえるし,先生は巻数も稼げる。一石二鳥とはこのことだ(ん)。




で。
まずは扉絵にあるキャラクター人気投票に触れておかねばなるまい。


ラブコメに限らずジャンプマンガの定番となりつつあるキャラクター人気投票。企画者の意図が透けて見えるようなレギュレーションとなっております。



レギュレーション


・ハガキ応募制(応募券なし)
・締め切りは3月12日(投票期間がほぼ1ヶ月あり)


ということです。ぶっちゃて言えば「どんどんハガキ送ってね!アホみたいな大量投票待っているよ!」(意訳)てことですよ,これは。ハガキさえあれば一人で100枚・1000枚書こうと思えば書けちゃうもんね。第1回人気投票は明らかに投票を煽って総投票数を多くとりにいこうという狙いが裏にある。


他のラブコメでも大量投票で一躍有名になった読者がいましたけれど,ぼく勉感想勢には熱い推しキャラ持ちの読者がたくさんいる印象なので,そんな過当競争もいまから懸念されます。


ちなみにハガキの原資さえあれば1000枚ぐらいは多分書けます。1日33枚書けば投票期間31日で1000は越える。楽勝ですよね!(自分は関係ないと思って煽っていくスタイル)。


それを界王拳2倍にすれば2000枚,界王拳3倍にすれば3000枚でも送れます。もおフランスのYさんになれる!


...冗談はさておき,人気投票はお祭りなんで常識の範囲内で楽しむのがいいと思うし,ネタ投票みたいなのはなるべく避けたほうがいいと個人的には思いますけれど。「青春兵器ナンバーワン」の惨劇を繰り返してはいけない。



青春兵器ナンバーワンの惨劇


アレは酷かったからね。

ぼく勉の[猪鹿蝶]さんとか全く関係ないのに投票されているからね。さらに言えば千葉県のYさんに至っては全く関係ないからね! でもきっとネタ投票あるんだろうなあ...。
編集・齋藤さんは不可避として,筒井先生の娘さんとか,なぜか長谷川尚子さん(長谷川先生のお母さん)とかありそうで怖い。あとゴローとか。

あとは感想勢が熱すぎるのも本作の特徴なので,コテ名とかで投票されちゃう人がいなければいいんですけれどね。タ○ツな方とか...(フォロワーでもないのにすまぬ...)。

もっとも,そういう投票があってもさすがに集計から外されそうな気がしますけれど。


以上,人気投票については終わり。
(まだもうちょっとだけ感想は続くのじゃ)


...
......

で,本編の前に見開きです。


そう,ぼくたちは―――

ぱっと見に目立つのは中学校の制服を着た武元うるかさんですかね。次いで元ヒロインの二人(元言うな)


最近いまひとつ目立ちが足らない気がする緒方さんもきちんと胸を張って中央で立っておられます。また久しぶりに普通のストレートな髪型に戻った古橋さんの表情がどことなくいつもと違って印象的です。あしゅみー先輩と怠慢先生はうん,まあ,いつもどおりで(当番回あったばっかりだし)

何気に緒方・古橋・武元のお三方だけ頬を手に染めているように見えるのは,唯我成幸に対する恋心のなせる業なのか。あるいはこの後起こる騒動が「終わった後」を暗喩したシーンなのか。私,気になります。



...
......



というわけで今回は温泉合宿です。


温泉といえばこれ

あ,はい。
温泉合宿といえば,林間学校でよく起きるイベントでもある男女の風呂間違えるネタという定番が存在するわけです。実際,以前ぼく勉でも成幸が女湯に閉じ込められるネタやっているしね。

今回は定番をそのまんま持ってきた感じで,ぶっちゃけニセ何ちゃらさんでも似たような話を読んだような気がしなくもないですけれど,そこはそれきちんと定番をアレンジしてきた筒井先生におかれては「感謝の極み」というやつである。


なるほど。男が女湯に入ってしまう「ToLoveる」ではなく,女が男湯に入ってしまう「ToLoveる」かあ...。これは斬新である。


いや,前々から思っていたけれど,ぼく勉って成幸を中心としてヒロインズのどたばたを描く物語なんじゃないんだね。成幸という「ヒロイン」を周囲がよってたかって口説き落としにかかっている少女マンガみたいな要素が多分にあるんだよ。今回のお話で確信しましたね。ヒロインは「成幸」なんだと!


そんなヒロインに対する恋心を隠さない武元さんと緒方さん。


一体お前らは何と戦っているんだ...

なんつーか,あれですね。二人とも成幸が土下座して頼み込めば,緒方さんはキスぐらい余裕でさせてくれそうだし,武元さんに至ってはきっと最後までや(ピー)せてくれる(ゲス顔)。そんくらいの恋心がにじみ出ていて正直可愛かったです。



しかしまあ,今回のお話のメインはやはり古橋さんなんだろうな。

連載1周年ということ,キャラクター人気投票ということで投票がきちんと公平に執り行われるように全体回を装いつつ,お話の主旋律は古橋さんに当たっていたからね。


シャンプーをしながらふと思い出すのは唯我成幸くんのことである。


唯我くんのこと

まだ頑なに成幸に対する恋愛的感情を発露させず,応援キャラ・師匠キャラ・お姉ちゃんキャラという中立者に位置づけられている古橋さんですけれど,まあ最終的に恋を自覚するに至るのは自明の理というか,物語の冗長性上必至である。そんな彼女が思い至るのは武元さんと緒方さんのことである。

唐突に名前呼びになっていることに対する虚ろな思索。その流れでおもわず旅館でしっぽり布団を共にしたことを思い出したりしている古橋さんもまたお可愛いことです。そしてすぐに二人の友人のことを思い出してはブレーキをかけていくスタイル。

なに気に「成幸くん」ではなく唯我君に戻っているところも,成幸が「古橋」と呼んでいるところも二人のいまの距離感を表していますね。



うん,やっぱり恋物語としては古橋さんの恋が一番面白い気がするな。



問44より・古橋さん


物語の構造的には武元さんとくっつくのが自然なんですけれど,この後追いスタイルはなかなかにどうしてよ。

後追いだからこそ,自らの恋心に気付いて葛藤する様がきっと美しいだろうなと。二人に対する友情はさておき,最後に想いを伝えずにいられなくなるようなそんな流れが生じるのは今から目に浮かびますよね。

ぼく勉の恋愛面に絞って言えば,それぞれの夢を実現する過程としての「大学合格」が終わってからじゃないと恋物語が動かないのは,「いまは受験が大事」という成幸のセリフからもわかりますし。そういう意味では夏休み段階のここで古橋さんが恋愛感情を持っていないことは特段ディスアドバンテージというわけでもない。


ま,「あの日見た黒髪ヒロインの勝利を僕たちは知らない」という名言があるくらいですから,古橋さんが結ばれる可能性は針の穴に糸を通すより低いでしょうけれど,それでもちょっぴりだけ応援してあげたくなるね。「限りなくBに近いAさん」のことを。


そんな古橋さんのキャラ特性を煽るようにでてくる貧乳ネタ。



こ・れ・は・ひ・ど・い


がんばれ,古橋さんの可能性。










というわけで,『現実逃避』は

関城紗和子さん

に清き一票を投じさせていただきます!(洋菓子さんに言質取られたため)


問12より・関城さん


以上となります。まる。



...
......



さて。さてさて。
「ニセコイ」と「ぼく勉」は物語構造が全く違うお話なので,類似性を意識したことはほとんどなかったんですけれど,今回は題材が題材だけに,どうしても見たようなシーンがいくつか出てきてしまいますね。


似せるつもりは全くなかったのでしょうけれど。温泉あるあるネタである以上,致し方がないとは思いますが。



右:ニセコイ第24話より

異性が間違えて風呂に入ってしまった結果,ばれないように風呂に沈められる(性的な意味ではない)。まあこれはごく一般的な仕様のネタであって,温泉あるあるですよねえ。




右:ニセコイ第24話より

当の本人が隠れざるを得ない状況において,意中の人物の恋心を問うというもの定番ネタの一つ。恋心は知りたいけれども,表に出ることはできない。隠れて逃げ出さなきゃいけないのに,答えを知りたい。まあ温泉あるあるですよねえ。




右:ニセコイ第144話より

そして「見たかどうか」の確認。まあ気になりますよね,女子としては。ちなみにニセコイ24話では千棘も同様に気にしているんだけれど,雰囲気的にこっちの方がにていたので144話から引用。これも温泉あるあるですよねえ。



まあラブコメの文法みたいなもんだから,どうしてもお話の構造が被るのは致し方あるまい...。演出は変えてきていますしね。

それに基本構造としての軸としてぼく勉は「勉強と夢」,ニセコイは「ニセモノの恋と約束」という点で全く違います。そもそもヒロインの成幸に「好きな女子がいない」というのが大きな違いとなっておりますので,そもそも二つの物語は全く似て非なるものなんですけれどね。

特にその後者の違いこそが,物語の結末における読了感にも大きく違いを見せてくることになるんでしょうね。どのヒロインと結ばれようとも,きっと祝福された物語で終わるのだと信じたいです。ということで,再度まる。





最新刊ぼくたちは勉強ができない 5 (ジャンプコミックス)は2月2日発売。電子版はこちら




*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第11号 「ぼくたちは勉強ができない」問50,問12,問44及び 「ニセコイ」第24話・第144話 より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第87話 柏木渚は誅したい 感想

$
0
0

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第11号』「かぐや様は告らせたい」第87話 柏木渚は誅したい の感想(かぐ活)です。



ふむ。
今回のネタは「浮気ボーダー」ですか。なるほど...なるほど...。

柏木・かぐや・ミコちゃんという組み合わせの段階で波乱の予感がしましたけれど,読み終わっての感想を一言で言えば「最高だった!」としか言いようがないお話でしたね。



控えめに言って最高だった


ここに来てサブキャラだった柏木さんの立ちかたがビンビンすごいことになっているのと,伊井野さんの使い勝手が絶妙になってきて「かぐや様は告らせたい」,益々面白くなってきた感があります。というわけで,以下感想です。


『柏木渚と四宮かぐやについて』

今回のお話がテンポ良く面白かったのは,やはり四宮さんの対柏木評が目まぐるしく変化していく様ですよね。


何も考えずに読むと四宮さんの発言には一貫性がなくて,裏の事情が分かっていないとそれこそ混乱した伊井野ミコ状態になってしまいます。これにはきちんと法則性があって,四宮さんは柏木さんを客観的に見ている時と主観的に見ている時で,全く異なる反応を示しているわけです。



ブーメラン...ブーメラン...

柏木さんを客観視している時は,柏木渚の言動を冷静に見つめていて「この子面倒くさくて重い」「いつも周りを振り回す」「言うことも怖い」と評価しているわけです。



他方,柏木さんが面している状況が自分にも共通する事象であった場合,その出来事に対する対処法や考え方は主観的なものとなり,「重くて面倒くさくて怖い柏木渚」と全く一致する。つまり柏木さんを全肯定する評価となるわけです。

「他の女と二人で仲よさそうに話す」「知らぬ間に女性と密会」これは浮気。浮気が疑われる状況であればプライバシーの侵害も認められる。不正アクセスも信書開封も厭わない。相手の真実を確かめる為に素行調査は許される。



ふたりはメンヘラ MH

他ならぬ四宮かぐやだけが気付いていない事実,四宮かぐやと柏木渚はそっくりであるという事実を,四宮かぐやの柏木さんに対する主観的・客観的評価の双方から確認していくプロセスが,じつにコミカルに描かれている。これが今回のお話の肝の一つであります。

自分と違う女と会話をする!これは浮気!
自分と違う女と二人で雑貨屋に行く!これは浮気!
自分と違う女と二人で勉強する!これは浮気!



ふたりはメンヘラ S☆S


仮想敵・藤原千花を思い浮かべながら「絶対に許してはいけないわ」と語るその様は,「どっちをやるか...」と呟く柏木渚と目つきが一緒です。場面的にはとっても怖くてシュールなのに,読者的には「柏木さんのこと重いとか言っといてお前そのものだろ」という早坂さんばりの感想を抱かせるところがとってもコメディというか。笑えるというか。

まあかぐや様の身勝手でわがままで,でも何となく彼女のキャラから「よく分かる言動」に読者としては笑いっぱなしなわけですよ。



『翻弄される伊井野ミコ』

そんな似たもの同士の二人に挟まれて翻弄されてばかりの伊井野さんがまたお可愛い。


このツッコミ,まるで会長

伊井野さんは正義の人なだけに,言っていることはとってもまともなんです。なのにまともじゃない思考の二人に挟まれて「あれ...おかしいの私の方...?」となってしまう。


浮気の定義を争ってみれば法律論ではなく心の問題と諭される。プライバシーの侵害を訴えれば「彼女だから許される」という女の理屈で返される。次々と繰り返される女性の謎理論の前に翻弄されるその姿は,怒れる彼女を前に無力な男の姿に良く似ていて少し背筋が凍りますね(おい)



何も怖くない...大丈夫だよ...(窓の外で浮気[違]が同時進行中)

自分だけの世界に引きこもる伊井野さんがとても愛おしい。何度読んでもこのコマを見るたびに噴き出してしまう。




ん,まあ,そんな伊井野さんが唯一反撃できたのがカラオケの件ですかね。


オ、オンドゥルルラギッタンディスカー!

これ,普通に柏木さんと伊井野さんの言っていること「正しい」からね。


柏木さんの彼の行動にはある程度理屈が成り立っているんですけれど,二人でカラオケに行くってのは当然蛇足だからね。むろん誘ったのはマキちゃんでしょうし,彼氏くん的には買い物に付き合ってもらったお礼のつもりなんでしょうけれど。でも彼女から見ればこれは「アウト」だから。

ここで面白いのは,四宮さんがこのときは客観視できず主観的にカラオケの件を評価しようとしたところですよー。ここ,試験に出るからな!

つい先日,怒れるハーサカさんによってカラオケに拉致された未来の旦那様の行動を当てはめた時,四宮的には「浮気じゃない」と処理しないと困るわけです。なのでかぐや的評価としては「浮気じゃない」。



主観評価と客観評価が目まぐるしく変化する

このギャップ。このダブルスタンダード自体が面白いのですが,それをこれまで四宮・柏木ペアに断固反対してきた伊井野さんがばっさりと「これは浮気ですね」と断じる。このブーメランの突き刺さりっぷりが非常にコミカルで笑いが止まらない。

その上,狼狽するかぐや様をその瞬間だけ客観視する柏木さんもまた冷静で面白いわけです。自分の怒りはひとまず忘れて会長は誰かとカラオケ行ったのかな,と四宮さんの状況を冷静に分析する。この構図がまたシュールで笑えるわけです。よくもまあこんなお話展開できるものだと正直感心します。



『四条眞妃は寝取りたい』


ふむ。


右・弟20話より

柏木さんより成績の良い「マキ」ちゃんといえば,やはり四条眞妃ちゃんしかおらんがな。薄々そうだろうと推測されていたことが,これでほぼ確定。そろそろ四条家の話も出てくるということなんですかねえ。全国模試1位の四条帝もいかにも兄妹ぽいですしね...。

それにしても眞の妃と帝とはなかなか盛っている。こうなると四条家のご令嬢に懸想された彼氏くんの真名も気になってくるところではある。


...
......


それはさておき。

まあ彼氏くん的には浮気なんてつもりは多分ないと思っているんですけれど。おまけページの主たるマキちゃん的にはいろいろと思うところがあったのだろうな。



どうしてこうなった...(会長のせい)・第1巻 第6話より


そもそも彼氏くんに惚れていたのはマキちゃん(別名ウケルちゃん)であって,柏木さんは彼氏くんに好きな人がいないか確認する名代に過ぎなかったわけです。それが彼氏くんが会長に相談した結果,彼氏くんの暴走(壁ドン)につながって今に至る。そういう状況です。

一方の柏木さんも,これは本当に付き合っているのかとか,いろいろ思い悩んでいたはずなのにいつの間にか「浮気したらコロす」ぐらいの闇を抱えるようになっているから不思議なものですけれど。


でもまあマキちゃん的には納得いかないわけですよね。友情の崩壊には至っていないようですけれど,もともと彼氏くんを好きだったのはマキちゃんだったわけですから。あわよくば二人を別れさせて...的な思惑は持っていないわけでもない。



四条マキは寝取りたい(?)

じゃなければ買い物に付き合うのにかこつけて二人でカラオケなんて行かないでしょうし,ひょっとかしたら興信所がつけているのを把握した上で「浮気の証拠」を作り上げようとしていた恐れすらある。さらにはわざと女の子がドン引きするようなダサいハートのネックレスなんて選ばせているわけですから。

いずれは亀裂を入れんという思惑もあったと考えるのが自然と思ったり。


それに彼氏くんもこういう「勘違い野郎」なので,案外鼻の下を伸ばしていったのかもしれんしな...。


第1巻 第6話より

妄想は膨らみます。



...
......




ま,実際には付き合っている二人を別れさせるなんて,そんな簡単にはいかないわけですけれど。

いいですか。男子から初めてのプレゼントをもらって嬉しくない女子なんていないんです。そりゃハートのネックレスなんて今時どうなんだろうというセンスかもしれません。でも柏木さんはたったそれだけで全てを赦せるくらい,嬉しかったんでしょう。


柏木渚はチューしたい

というわけで,浮気→仲直りの愛情表現といういつものギャップで今回のお話は終わりとなります。まる。


...
......


というかね。このエピソードは個人的になかなか昔の記憶をなぞるところがあって。

昔,付き合っていた彼女に誕生日プレゼントを贈ろうとして何を贈ったらいいのか分からず,女友達に付き合ってもらってピンクの宝石(石の名は忘れた)のついたネックレスを買っていったら「嬉しい!でも(プロポーズの)指輪の方が良かったな」とかね...。

私にもそんな時代があった。まぁもちろんまだまだ気持ちは現役だけど...。


第69話より

この後に女友達に買い物を付き合ってもらったことを話したら怒られた(当たり前)


ま,そんな話は置いておいて。

神っているカップルともなればべろチューぐらいはデフォルト。予想もせずそのシーンを見ることになった生徒会の面々とマキちゃんの反応がオチという,最後まで振り切ったお話でしたね。まあ四条さんがちょっと可哀想ではありますけれど,横恋慕だから仕方がない側面ありますし。

全体としては,正直満腹としか言いようがない満足感であります。



ちなみにそれぞれのセリフはこんな対応なのかな。


本日の勝敗・生徒会の敗北


なんのかんので豊富な性知識の伊井野さんがお可愛いかったです。再度まる。

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい 5 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 6 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 7 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 8 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)



画像は週刊ヤングジャンプ2018年第11号「かぐや様は告らせたい」第87話 ,同69話,同第1巻第6話より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第88話 四条眞妃は何とかしたい 感想

$
0
0

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第12号』「かぐや様は告らせたい」 第88話 四条眞妃は何とかしたい の感想(かぐ活)です。



前回は「憂さ晴らし」を兼ねて柏木さんの彼氏にちょっかいを出してみたウケルちゃんことマキちゃん。まさかまさかの再登場であります。


マキちゃんは物語当初から柏木さんの彼氏ちゃんに懸想していることがアリアリで,他ならぬ柏木さん自身が協力して「彼女の有無」を確認しに行ったエピソードが残っているくらいです。それがいつのまにか彼氏くんを柏木さんに掻っ攫われているのだから,不思議なものですね。


第1巻・第6話より

てか,なぜその事実を忘れるのか,柏木渚。



でも,マキちゃんは元気印のポジティブ思考。
柏木さんのやんわりとした窘めに対して,決め台詞の「超ウケル!」を発しながら笑って答えるくらいに余裕。

まあそれくらい神経が太くなければ,人の彼氏とカラオケなんてできませんからね。



余裕のマキちゃん


「あ,あんたのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからね!」という古臭いテンプレツンデレみたいな態度をかましていきます。余裕,余裕。ぜんぜん余裕だから...






...だけど女の子だもん。涙が出ちゃう。


見栄張

号泣。


なぜ一度見栄を張る...。今回はそんな見栄張なマキちゃんと生徒会役員共が第三種接近遭遇するお話。


...
......


というわけで,お待たせしました。ついに登場,オマケページの主のウケルちゃんこと,四条眞妃さんであります。


マキちゃん=四条眞妃(確定)

うすうす推測されてきましたが,学年3位の四条眞妃さんがやはりマキちゃんの正体だったのね...。というかさりげなくとんでもない事を述べております。正当な四宮の血筋を引くものとな...?


ふむ。
四条,という名前から何らかの名家であろうという推測が成されてきたわけですけれど,四宮家の遠戚だったようですね。当然ながら四宮かぐやさんとは親戚ということになりますが,その関係は「再従祖伯叔母」だそうです。


まさかのかぐや様の遠戚


はい,『現実逃避』の読者の皆さんに代わってぼくがやほぉ!で調べておきました。検索トップでヒットした,「誰が書いているかわからないけれど自然科学分野は案外正確な記述らしいことで有名」なウィキペディアさんによると,


「再従祖伯叔父母」=(はとこおば,またいとこおば,ふたいとこおば)


だそうです。
後のかぐや様の会話ではかぐや様=本家,眞妃ちゃん=分家という表現でしたけれど,ここまで分岐したら本家・分家とかいうレベルなのかどうかつーね。四宮家からみたら傍流も傍流といった感がなくもないですが。


そういう背景知識を持ってすれば,四条眞妃さんのスペックが劣化かぐや様...というか「敗北を知ってしまったかぐや様」な位置づけになっていることがよく分かりますね。
要するに,四条さんは「意地を張りすぎて好きだった人(会長)を他の人に取られてしまったかぐや様」のシミュレーションモデルみたいなもんなわけですよ。



なのでちょっとした仕草や考え方はかぐや様と似ている。四宮の血筋というのも頷けます。



右・第1話より
似てる





右・第1巻第5話より
似てる!





右・第54話より
似てる!!



四条さんもまた四宮家の一員らしく,プライドは高く傲慢。同じ血を引きし者として価値観や言動も表情も似ている。


でも決定的に違うのは,「敗北者となったことがあるかないか」でしょうか。


四条さんは敗北の味を知っている。だからこそ見せられる「自分の弱さ」といったところでしょうか。これがかぐや様だったら気心知れた相手でもない人間に「涙は見せない」し,絶対に自分から「好き」とは認めない。それができるのは,四条眞妃さんが「負けた人間」だからですよね。

四宮の人間ならば常に勝利を追い求め,相手に支配されるのではなく支配することに固執する。それを貫き通せないところに,四宮の血筋といえど「敗北者」であることを甘んじてしまう四条さんの限界が見て取れますね...。


四条眞妃は時代の敗北者じゃけぇ...



その辺の詰めの甘さが四条さんの良いところでもあり,ダメなところでもあるというか。

ダメなところは,四宮的価値観において敗北者であるということ。

そもそも四条家が分家という立場に甘んじている段階で,家督相続競争に敗れていることが分かります。全てはその延長線上にあって,成績もかぐや様に及ばないし,恋愛においても成功することができなかった。今回,そんな「もしもかぐや様が意地を張りすぎて負けてしまったら?」を具現化したような存在として四条眞妃を定義したわけですね。


一方で良いところは「負けを認められるところ」であり,結果として意地を張らずに「素直になれる」ところです。

素直になった時の四条さんはお可愛い。
そりゃそうです。四宮かぐや様の類縁であり,「敗北者」とはいえ僅差で負けている程度です。元はいいんですよ,マキちゃんは!


かぐや様なら絶対に「好き」とは言わない


早坂さんも素直になった時のかぐや様のお可愛らしさを認めていますけれど,そうした素直になった時の姿を見せられるというのはなかなかに強力な武器であります。素直可愛いは正義!なのです。


お可愛いこと

言い換えれば,四宮さんは素直にさえになればあっというまに白銀会長を落とすことができる可能性がある!

あの白銀会長がですよ。「急に可愛いから断れない」なんて言っていますからね!

好きでもない相手に対してそう思うならば,好きな相手が「急に可愛かったら」たぶん即行でザラキーマでしぬる。四条さんは失敗したかぐや様の「if」でもあり,同時に四宮会長を落とす可能性を見出す成功したかぐや様の「if」でもあるのですね...。たぶん。


というわけで,篭絡された野郎ども二人を引き連れて,今後とも目が話せない四条眞妃さんでした。まる。


...
......


『生徒会の残り一人は誰じゃらホイ』

現在生徒会の枠はひとつ空いているんですよね...。庶務でしたっけ?

今回,白銀会長と石上会計と縁ができただけではなく,副会長の四宮さんも親戚ということ。まして会長は四条さんに対して取り返しのつかない「弱み」がありますからね。


白銀会長は四条さんに本当に酷いことをしたね...(棒)


そんなわけで引き続き相談事も増えるでしょうし,となるとやはり最後の女は四条さんが入ってくる可能性が微粒子レベルで存在するかもしれんな!

それはそれ,生徒会内の恋愛模様にも面白い影響を与えるかもしれんね。
四条さんの恋心については白銀・石上しかしらないわけですが,なまら四宮さんに似ている四条さんであれば会長が四宮的にアウトな言動や表情をしてしまうことでかぐや様の嫉妬を引き出すとか,あるかもしれんしね。



嫉妬の予感


また現在つばめ先輩にご執心と見られる石上会計においても,こういう「思っていること全部口に出しちゃう感じ」に共感できる以上,相性は案外良いのかもしれないし。つばめ先輩に対する恋心もアレですが,伊井野=石上ラインに対するカンフル剤的な働きをみせるかもしれんしね。

石上と相性が合いそうということは,逆に伊井野さんとは相性が微妙になるでしょう。柏木・四宮・伊井野連合VS四条・白銀・石上連合という柏木渚と彼氏くんを挟んだ対立軸を作ることからしても,四条さんが生徒会に入るといろいろ波乱が起きて面白いかもしれないね。



四条さんに期待大!

しょっちゅう生徒会に出入りする四条さんを見かねて四宮さんが出入り禁止にしようとしたら,四条さんが会長に泣きついて庶務任命とかあるかもしれないし。
あるいは逆に追い出したら会長が外で四条さんと密会するようになり,それならば生徒会室内で監視下に置いたほうがよいとかぐや様から庶務入りを進言するかもしれないし。

いずれにせよ,四条さんの生徒会入りはありそうな予感がします。



『取り消せよ,いまの言葉!』

敗れたといっても四宮の血筋だけに,なかなか優秀なところも見せてくれる四条眞妃さん。学年3位の学力だって,かぐや様と1点差ですからね。

傍流の傍流にも拘らず本家の四宮さんに噛み付いたりと,対抗意識も旺盛な様子。去り際に天然に爆弾をしかけていくあたり,なかなかのやり手である。


天然爆弾



しかしそうなると全国模試1位の「四条帝」が気になります。
マキちゃんがやはり四条眞妃だったように,普通に考えて四条帝は血縁者である可能性が濃厚である。

ここまで四条帝は会長を上回る得点をたたき出していることからいって,白銀会長の最大の難関となる可能性があると考えてきたのですけれど...。四条さんの「残念さ」加減からして,恐らく四条帝も優秀だけれどどこか敗北者の香りを漂わせている可能性がでてきました。



四条帝は天才なのか,努力の人なのか?


四条帝は傍流が本流を飲み込むような天賦の才を持つ男なのか,あるいは傍流が本流を乗り越えたい,敗北者のままでいたくないという気持ちが生み出した努力の男なのか。そのあたりちょっと気になりますが,白銀会長が努力の人なだけに似た系統ではないのだろうなと今のところ妄想していたり。

「帝」という名前からは竹取物語の帝役になるはずなんですけれど...。
「かぐや様は告らせたい」的には本家四宮家を乗っ取りを狙ってくるようなラスボスになるのか,それを白銀・かぐやペアで迎え撃つような構図となるのか。妄想の先の妄想なので,今こんなこと考えても仕方がないのですが,少し気になります。



...
......


さて。さてさて。

そんな四条さんが波乱を呼びそうな今後ですけれど,なんだかんだで男子の面々もそれぞれの恋を貫いていてお可愛いですね。


何気ない石上の言葉が四条さんを傷つけた

途中でも触れましたけれど,石上会計も恋で悩んでいる様子。

いつぞや藤原さんと伊井野さんに相談しそびれたつばめ先輩の件は本当に恋の相談だったようです。てか,この石上会計のセリフから見ると,つばめ先輩には既に付き合っている彼氏がいるのかな? やはり団長ですかねえ。

同じ無理筋の恋にしがみ付いているあたり,四条さんとは気が合いそうではある。



一方の会長といえば,はい,このとおり。


基準は「四宮かぐや」!

「可愛い」と言っても可愛いいから絆されてしまうんじゃないです。四宮っぽい可愛らしさだったからこそ,ついつい絆されてしまったという...。物差しはあくまで「四宮かぐや」,そういうわけなんですね。

そう考えてみると,白銀会長は最初から自身の恋愛対象を四宮さん一択にしぼりこんでいて,ちょっと似ているからと言って四条さんがトチくるって会長にちょっかいを出してきたとしても,ぶれたりしないんだろうなと。そんなことも今から予想的に妄想しておいたり。

再度まる。





かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい 5 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 6 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 7 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 8 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)



画像は週刊ヤングジャンプ2018年第12号「かぐや様は告らせたい」第88話 ,同話,同第1巻第1話,同第6話,連載第1話,54話より引用しました。

『ぼくたちは勉強ができない』 問52. 天才は時に蒙昧たるが[x]の究明に邁進する 感想

$
0
0


さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第13号』 「ぼくたちは勉強ができない」問52. 天才は時に蒙昧たるが[x]の究明に邁進する の感想です。


巻末の筒井先生のコメントが微笑ましいですね。

青春兵器の人気投票に入れて頂き,光栄と恐縮となぜ?という気持ちで一杯です!


ま,そうだよな。
良い子のみんな,ぼく勉の人気投票時に「長谷川智広」先生の名前とか投票しちゃダメだぞ♡



青春兵器の人気投票には本当に酷いことをしたね...


その青春兵器の人気投票になぜか名前が入っていた,猪鹿蝶こと猪森・鹿島・蝶野の優雅な古橋談義から二学期は始まる。


「夏はどうお過ごしでしたか」とか,受験勉強漬けで何の青春兵器もなかった古橋さんに酷薄なことをお尋ねになられる。


どうもこうも受験勉強漬けですよー,はははー

古橋さんの夏の思い出といえば,成績と胸のサイズを間違えられたり,予備校の合宿で限りなくBに近いAなブラを落としたりと禄なもんじゃなかったからですからね。ファンクラブの風上にも置けない愚問,愚問であり...え,なに写真?






シャルロッテ古橋


古橋ー!アウトー!


なんか完全に忘れていた夏の思い出。うれし恥ずかし朝帰りの記憶が電子化されて怖いインターネッツに流れているじゃあぁりませんか!

なるへそ。
てっきりこの件は二人の名前を記帳した「宿帳」からToLoveると思っていたんですが,まさかの文○砲だとはね。


しかしこれはまずい事態である。


トップ七武海も同意

理由はあるにせよ,男女同室で同衾・朝帰りの物証が朝帰り当日から怖いインターネッツに流れていたということですからね。件のインスタ主のフォロワーが0といえども,猪鹿蝶の三人が気づいたくらいだから普通に検索すれば見つけられる状態であったということですし。おすし。

なにが言いたいのかというと,この写真は当の本人が削除しようともとっくに複製が広まっている可能性が微粒子レベルで存在するということですよ。例えばですね。


う「あー,成幸かわいいよー!うううー...
  検索語「唯我成幸」...
  は! あたしってばいったい何やっちゃってんだか もー!!
  あ,あれ,この写真...(ずーん)」


みたいなことは普通にありうるわけです。もし普通の世界だったらな!




ま,こういう世界観なんで(問.49より)

まあ実際のところ,ここはカニやイルカが女教師の黒ビキニを取っていくような世界観なので,そういう問題はあまり考えなくてもいいのかもしれませんけれど。まだ仕掛けとしては「宿帳」があるしな!



...つーかあれだね。
唯我成幸という人物が段々アレな人になってきたような気がするのは気のせいだろうか。



アレな人


こうした多数の女性から一人の男性が懸想されるパターンを一般的に「ハーレムもの」というのでしょうけれど,得てしてハーレムものは着地が難しいわけですよ。ヒロインが増えれば増えるほど,他の推しがいるファンからは反発を食らう。構造的に落としどころが難しいのが「ハーレムもの」なわけです。

筒井先生もそこのところはよく先行文献を研究されていて,その解決方法のひとつに「主人公に好きな人を設定せず,人畜無害に徹底させる」という手法をとっていることがわかります。


この手法をとる限り,主人公が誰を選択してもその選択がそれまでの描写や選ばれたヒロインの好感度によって「その娘とくっつくなら仕方ないよね」という共感性を担保できるからです。

最後に袋叩きにあわないためにも,相当心を砕いているのはわかります。
そのせいかな。前回といい,今回といい,あまりにも男女関係に無頓着すぎやしないだろうか唯我成幸は...という印象を与えかねない展開が続いているような。



先週といい,朴念仁過ぎる...

朝帰りの写真がバレても説明すれば大丈夫,って大丈夫じゃないんだ!だよ! な・り・ゆ・き君!

少なくとも女性にとっては一大事だわさ。ここまで無頓着というか「恋愛的にぜんぜんぶれていませーん」という姿を貫き通すのもなかなかに,なかなかな感があるよ。



もちろんこれまでの描写から説明がつかなくもないのですけれど。

・説明すれば何とかなる,というのは例の怠慢先生との面談の時以来,なにか誤解を生じそうな事態がおきても説明すれば「きちんと分かってもらえた」という成功体験があるとか。

・そもそも唯我成幸は三人娘の「教師」なので「教え子」にはまったく恋愛感情を抱かないとか。


まあそんな整合性は一応取れているのですけれど,まあなんともいえない朴念仁さではある。



性的には照れる男の子(恋愛感情無し)

一方で「女子」を性的に意識するのは普通にあるので,怠慢先生の手ぶらに興奮したり,古橋さんが近いと恥ずかしがったりというのはあるんですけれどね。あと理珠さんのおっぱいを注視したりとか。

性には忠実なあたり健全な高校生といえば健全である。




で。

一方の古橋さんの方といえば,いまだ自覚はないもののちょっとずつ唯我成幸に対して恋愛的感情が蓄積されているような,ないような?

現在,古橋さんは「唯我君」と呼ぶときと「なりゆき君」と呼ぶことが混在しているんだよね。意識して規律を保とうとしている時は「唯我君」。特に感情的に高ぶっている時は「なりゆき君」なわけです。


でも感情的に高ぶっていても「唯我君」と呼ぶときもあるわけで。

つまりあれか。これは恋愛感情というよりも「心の距離」の問題なのかなと。二人でインスタのアップ主の特定をするために行動し,夢中になっていくうちに心的距離が縮まる。その結果,完全に二人の会話に没入している時は周囲に人がいようといまいと,心の距離が近くなっているので「なりゆき君」になる。



何も見えちゃいねぇ...

まさに猪鹿蝶の三人が言うところの二人の世界ですよ(違)



ただまあ,この心の距離が「姉」としての距離感なのか,「女性」として好きな人に対する距離感なのかはまだ曖昧になっているというか。
心的距離は近づいているけれども,二人の友達のために恋心とは思わないようにしている。それを「姉」という立場に落とし込んで自分を誤魔化している。そんなイメージなんでしょうか。


そんなことがよく分かるシーンがこちらになります。



「デートみたい」て言うんだよ(確信)



近づけば近づくほどな乙女心哉。




何気に取り繕う言葉が古橋さんの女心を解き明かしています。


複雑な乙女心

恋人めいたことを期待するようなせりふを述べてしまったことを反射的に「違う!」と否定するも,それを誤魔化すために紡ぐ言葉が「女心練習問題だよ!!唯我君!!」ですからね。

なぜ古橋さんがそんなことを発言してしまったのか。男性として少しずつ気になりつつも,二人の友達のために無理やり否定して「姉」としての立場に甘んじようと自分を誤魔化す古橋さん。

そんな心のうちを「唯我成幸」に解いてほしいという,甘々しい無意識の心理の表れじゃないですか,もー。







「殺意の波動」に芽生えた文乃

というわけで,今回の探偵デートは犯人・大森をつきつめた上,殺意の波動に目覚めた古橋文乃さんによって市中引き回しで御仕舞。まる。



...
......



じゅるり。早くケーキをよこすのです...

こうしてみるとぼく勉の感想を書く時は古橋回が多いな...。恐らく最後に敗北するであろう黒髪ヒロインを無意識に慰めたくなる病だろうか(おい)。

冗談はさておき,古橋回は感情の動きがうるか回と並んで激しいからですかねー。印象に残るお話が多いです。



というわけで余禄。


疾走する誤解列車

...というか,この時の鹿野さんは古橋さんの言い訳をきちんと聞いてあげたのだろうか。どう見ても聞いていないけれど。古橋さんの与り知らぬところで着々と二人の関係が既成事実化する流れ。どこかで暴発したりするのかしらん。




暴走する誤解特急

第三者の前でわきの下からがっしり彼女を抑えて興奮している二人はただのバカップルにしか見えない。なんのかんので一番迂闊なのは古橋さんだったというのがファイナルアンサー!




ということで,再度まる。





最新刊ぼくたちは勉強ができない 5 (ジャンプコミックス)は2月2日発売。電子版はこちら




*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第13号 「ぼくたちは勉強ができない」問52,問49 及び「ワンピース」744話 より引用しました。

『ぼくたちは勉強ができない』 各話タイトルリスト

$
0
0



ぼく勉ニストの洋菓子さんが作成していたタイトル一覧をお借りしまして,作品の各話タイトルリストを作成してみました。

ヒロインズに付与されているポイントは,洋菓子さんが与えてくれたそのお話でメインを張ったと考えられるヒロイン(メインヒロイン=1ポイント,準ヒロイン=0.5ポイント)と推定されます。また,概要・備考欄もお借りしたデータそのまんまです。洋菓子さんありがとうございます。

問題はこの後どうやって更新したものかなと。僕が続きを入力してもいいのですが,点数つけるのが僕だと一貫性がなくなりますよね...。概要と備考もありますし。ちょっと考えますね。

*表はぶっちゃけ見づらいです。PCやタブレットなら大丈夫ですが,スマホの場合横表示必須かと。


『ぼくたちは勉強ができない』タイトルリスト

なお,一気に最新話を確認したい人はこちら

問各話タイトル理珠文乃うるか真冬あすみ紗和子概要・備考1天才と[x]は表裏一体である11お前らのこと幸せにしてみせるから!/2天才の憧憬は[x]である11天文学を学ぶんだ!心理学を学びたいのです/3天才の来訪は[x]の一大事である11兄ちゃんが・・・家に女つれこんだ-‐-!/4魚心あれば、天才に[x]心あり1一番!あたしに一生懸命にさせてやるんだから/5高嶺の天才は[x]に憂う1威圧してくる男の人が怖くて・・・/6天才は[x]によって文明を思案する10.5暗いのに乗じて抱きつくなんてそんな・・・/うるか乱入7かくして天才どもは[x]を楽しむ1「できない」奴にとって勉強は辛くて当たり前/8誰が為に天才は[x]に抗う10.5でも唯我さんだけは・・・!あきらめない!!/怠慢9天才は[x]にも心通ずるものと知る10.5目のやり場に大変困るというか・・・(汗が)/うるかの料理披露10それは乙女なる天才の[x]なる一日である1こ・・・このカッコ 似合って・・・ないかな/11かの数値は天才による[x]も応報である1おいおい随分ファットなミジンコもいたもんだな!/12彼女が天才に望むもの即ち[x]である11関城さん 唯我さん 邪魔/関城さん初登場!13天才の焦慮は時に[x]と反比例する11ウチの妹も家じゃそんな感じだから 気にするな/14林間の天才は[x]に迷走する114%未満の事象を優先してシミュレートするなど・・・/15浴場にうだる天才は[x]をさらける11いるんでしょ 唯我成幸 あ、ほんとうにいた/16かくして前任者は天才を未だ[x]する。1先生 実はいい人ですよね/17青春とは天才の熱意と車輪と[x]である1全然テキトーじゃないわね・・・/18天才[x]たちはかくして勉強ができない0.50.51Didn't you kiss someone, Nariyuki?/19天才と[x]は互いの空模様を思い做す0.51そのカッコ・・・好きな奴以外の前ではやめとけよ/古橋師匠誕生20天才は不鮮明な世界の[x]にたゆとう10.5なぜ眼鏡がないと注目を?/女心練習問題②21それは[x]の天才に繋がる禁断のものである111デジタルガジェット系全然ダメな人!?/22前任者の秘匿領域は[x]な有様である1先生・・・もう我慢できません。ふ、不潔!/23天才たちの花園に[x]は不可欠である1111パジャマとか・・・サイコーじゃないのよっ!/関城さん、セクスィー!24果敢なる天才は[x]の流説に抗う1いっそのこと、ほんとに付き合っちゃう?/女心練習問題③25事の発端は天才の[x]なる敢闘である13年の唯我先輩ですよね!キャーやっぱりぃ/26天才の一挙手一投足は時に[x]を翻弄する1お前の好きな奴って・・・俺・・・?/女心練習問題④番外編(うるか中学入学編)1今はまだ、青春の少し前。/27怖じる[x]に天才は憂い 彼は慮る11なんでもするから 一人にしないで/28禁断の地にて彼は[x]が為奮闘する0.510.50.50.5一応・・・Cも試していいですか・・・?/女心練習問題⑤29天才は飽くなき探求の末[x]に至る11聖母 関城紗和子 降臨/30されどなお天才は[x]の究明に勤しむ1唯我さんはキスについてお詳しいのですね/31かの新天地にて迷える子羊は[x]と邂逅する1今日もめいっぱい頑張りましゅみ~♪/32先人はかくも愚直に[x]な明日を見る1キスくらいしとくか?「彼氏」なんだし/33天才と先人寄れば[x]の懊悩となる10.51これ以上胃痛のネタ増やされてたまるか!/34威厳ある前任者は時に[x]にかしづく10.5パーフェクト! ドジっ子メイドかくあるべし…!/35人知れず天才は[x]共の戯言に踊る0.511やはりいつものお団子がセクシーで/パイナップル紗和子!36時に天才は[x]に憂い孤独に仇をなす10.51酸性試料をつけたリトマス試験紙のように情熱的/ホットパンツ+黒タイツ37時に天才どもが砂上の[x]は連鎖する0.510.510.5神は死んではいなかった…!/38喧々たる夜に果たして[x]は勉強ができない0.50.50.50.50.5ひゃうんっっ!!/巻頭カラー!39天才の目に天の光はすべて[x]である1とりあえず入る?おフトン…/40先人は己の選択に[x]をもって向き合う1密室で先輩に迫られて…/41前任者の姿は時に青き[x]へと遡行する0.50.510.5マジ制服コスプレとか…やりますねセンセ/42水面駆ける天才は唯々[x]に映ゆ1やること全部やり切ってから 思いっきり泣くの/ゆらぎコラボポスター43天才は時に[x]を共に分かち追懐する1好き 大好きだよ 成幸/44天才と彼はその[x]なる判定に銘々慮る10.50.50.5し…限りなくBと言って差し支えない A…かな/45彼女の[x]は前任者にとって青天霹靂である1半同棲中の禁断の恋人同士だったんですねっ!?/美春初登場46彼女はかくも容姿媚態に彼を[x]する1夫婦ですか!?/47露知らず[x]はその深淵をのぞかれるものである0.50.50.50.5「影の帝王」/成幸がメインヒロイン48渚に失せものでありて先人は艶然と[x]する1ていうか先生またピンチですか!?/問各話タイトル理珠文乃うるか真冬あすみ紗和子概要・備考




最新刊ぼくたちは勉強ができない 5 (ジャンプコミックス)は2月2日発売。電子版はこちら




『かぐや様は告らせたい』 第85話 伊井野ミコは癒されたい 感想

$
0
0

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第09号』「かぐや様は告らせたい」第85話 伊井野ミコは癒されたい の感想(かぐ活)です。


ついにやって参りました,秀智院高校の裏バカップル,伊井野ミコ×石上優の世界。


いやぁ...。僕も「かぐや様は告らせたい」世界のディケイドになってから(なってない)1年余り経ちましたけれど,ついに来るところまで来たという感じがありますね。ここが裏バカップルの世界か...。


かぐや様のパターンの一つとして,生徒会室に伊井野さんが入ってくるというものがあります。で,ここまでは会長なり四宮さんなり,藤原さんなりがそこに必ず介在したわけですけれど,今回はありそうで無かった「部屋にいたのは石上会計だけ」という状況です。



ハイマウントな伊井野ミコ


これはキタね。オレの読みなら,いけるぜ!石上!ってやつですよ。
見てください,この伊井野さんのハイマウントな蔑み顔を。


これはもう,最後に伊井野さんが悲惨な目にあって終わりという「最初と最後のギャップを楽しむ」パターンであることは,この下衆顔からも想像がつきます。私が上,お前は下!という圧倒的マウンティングの下,孤高の女帝のごとく振舞う伊井野さんの行動にはきっと石上会計もビンビンだったでしょう(なにが?)


それにしても不思議なモンである。あの体育祭の時には石上会計をきちんと「認めて」いるように見えた伊井野さんなのに,なぜここまで石上会計を蛇蝎のごとく嫌えるのか。



なぜ伊井野さんは石上優を嫌うのか


多分に,普段はこんなにズボラでいい加減な奴なのに,「実は似たもの同士である」という事実を直視するのが耐えられないのだろうな。

この回のお話を見ても分かるように,伊井野さんの神経はいつも張り詰めっぱなしの崖っぷちなわけである。そこに「お前が嫌っている石上とお前はソックリよ?」なんて大仏さんに指摘されたら,軽く自我崩壊するくらいのカタストロフィが待っているに違いない。

それに,体育祭の時は「一生懸命頑張っている奴が笑われるのは許せない」という,石上が伊井野さんの選挙の時にとった行動と同じ原理で動いていたからね。あの時といまは全く状況が別なので,「会話すら拒否」という男女の中でも最もキツイやつを石上会計にたたきつける伊井野さんであった。


...と,裏バカップル自体の会話が制限される中での,今回のネタ「イヤホンジャック差し忘れによる音漏れ」という奴である。


ああ,時々ありますよね。電車の中とかでイヤホン外れているのに気付かないままガンガンに音漏らしている人。イヤホンあるあるって奴ですよ。まああれは見知らぬ人の奴でも結構キッツいですけれどね。それが会話も拒否された仲の良くない相手なればなおのこと指摘しづらいもの。


そんな伊井野さんの癒され音楽がこちらになります。


環境音!





ラクダの鳴き声!





イケメンが励ますCD!


あ,はい。
伊井野さんの闇の深さは一体どうなっているのかと。



ちなみに環境音,はまあ普通に市販されていますよね。ラクダの鳴き声...はAmazonさんを探してみたんですけれど,ちょっと見つかりませんでいた。「そこになかったら,無いですね」って奴ですね(ん)。

「イケメン 励ます」でも坊坊主の励ますしか出てこなくって,やはり「そこに無かったら無いですね」状態です。なんかの怪しいところの会員にならないと買えないんですかねぇ(おい)



...いやしかしまあ,他人が聴いているのに居合わせたら石上会計ばりにドン引きになるでしょうけれど,考えてみてください。誰も自分を褒めてくれる人がリアルでもネットでもいなくって,孤独感でいっぱいだったら,こんなCDでもすがりたくなっちゃうのかもしれませんねえ。

僕はそこまで孤独感ないし,仕事でも家庭でも承認欲求満たされる局面がありますけれど,それでも真冬先生(怠慢)がひたすら褒めてくれるCDとかあったらこっそり聴いてみたくなるかもしれないしな!



怠慢先生の癒しCD(時価)(ぼくたちは勉強ができない 問.34より)


なので伊井野さんの現実逃避は決して他人事ではないのねん...(謎結論)



話がそれました。

そんなドン引きな状態に陥りつつも,なんのかんので伊井野さんのために苦難奮闘する石上会計は基本「いいやつ」なんだなあ,と思ったり。



いいひと

伊井野さんの感性のズレを認めつつも,彼女の頑張り屋さんなところやストレスに耐えていることに対する理解を示したり。中学時代の事件の件もそうでしたけれど,基本,石上会計は自分の正義と合致する人に対して共感して容認できる人なんだよね。

基本的に,相手が悪で無い限り否定しない。相手を認め,そんな相手を守ってやろうとする。伊井野さん然り,大友さん然り,愚かといえば愚かな部分があろうとも,一生懸命やっている奴を笑ったりしない。いやめっちゃいい奴なんですよ,石上会計は。



そんなことが今回のエピソードからも分かります。

ぶっちゃけ,伊井野さんが恥を掻いたってそれは石上会計のダメージにはならないわけですよ。自分の恥じゃないから,と割り切ってしまえばそこでおしまいです。あるいは「伊井野,イヤホン外れているぞ」と指摘するだけで終わりです。



守りたい。この笑顔。


でも自分が聴いていたことを知ったら伊井野さんは羞恥のあまり傷ついてしまう。そんな予想ができるからこそ,入室当初から蔑みの顔で自分を睨み,自分との会話を否定したような伊井野さんを救ってやろうとする。

そんな,愚直で要領の悪い,けれど「いい男」じゃないですか。


そんな配慮を一切無視する伊井野さんなわけですけれど,これは伊井野さんが一方的に悪いとは言い切れない事情もあると思うのですよね。

似たもの同士の二人ですから,もし立場が逆だったら伊井野さんも石上会計に恥をかかせまいとしたかもしれないじゃないですか。ん,いや,しないかもしれないけれど。伊井野さんがそういうことをする前提として,石上会計が何かに一生懸命取り組んでいるとか,伊井野さんが石上の努力を認める状況が必要ですからね。そういう前提はさておき,いまの伊井野さんのテンションは完全に「石上無視」モードですからね。



石上会計の必死さと,伊井野さんの塩対応のギャップ。
お前のためにこれだけ頑張っているのに,なぜお前はそんな態度なのか。石上は捨て身の行動をとったというのに。木っ恥ずかしい「萌えソン」を垂れ流すという人身御供まで行ったというのに。



「全ての世界の全ての笑顔を守る」


この高慢ちきで,鼻持ちならない伊井野さんの対応と石上優なりの正義の献身。このお話の肝は,「そんな石上優の全ての献身は伊井野ミコに省みられることが無かった」という事実であり,その結果,石上優が守りたかったものすべてが崩壊するというギャップであります。読者はそのギャップに腹がよじれるし,噴出すわけです。



伊井野ミコの,これまでの行い全てを罰するようなこの顔面崩壊シーンこそ,読者が冒頭に期待した「結末」であり,それがそのとおり完璧に再現される。

まるでいつもの食堂でいつもの定食を食べているような安心感が「かぐや様」にはありますね。



フフ...このギャップ! この表情こそ「かぐや様」よ!


そして守りたかったもの全てを伊井野さんの自業自得によって守れなかった石上会計の魂の叫びによって,読者はある意味溜飲を下げるわけです。伊井野さんに天罰(自業自得な結果)が下ったこと。石上会計の全ての行動が無に帰したこと。二人が最初から最後まですれ違ったままだったこと。

そんな裏バカップルのすれ違いが心地の良い,伊井野ミコ×石上優の世界でした。もし鳴滝さんが見ていたらきっと「おのれディケイドォォォ!この世界も破壊されてしまったぁぁ!」と叫んでいたことでしょう(意味不明)。

とまあ意味が分からない締めでまる。


...
......


そういやアレなんですけれど,なにげに石上会計から「つばめ先輩」に関する悩みとか出てますね。



生まれ出づる悩み


ふむふむ。つばめ先輩ね。子安先輩じゃなくてね。


あの何の役にも立たなかった体育祭(嘘)において,石上優をあるがまま認めてくれていた応援団の面々。その血盟騎士団の副団長たる子安つばめ先輩に関する「深刻な悩み」とな。


ふむ?ラブですか?ラブなんですか?


気のせいか,石上会計の頬が朱に染まっている感もなくは無いですしね。あっちゃー...やっぱり惚れてもうたか...。決して手に届かない子安貝の暗喩の人を。(演技なら凄い)


まあ今回は伊井野さんにさらっとスルーされてしまったのでお話は広がらなかったですけれど,藤原書記はしっかりと聞きましたからね。これはいつかエピソードが入る伏線とみて違いあるまい。これはいずれ石上会計がかぐや様(え)に恋愛相談する流れくるで...(藤原書記は後から乱入しそびれるパターン)。


...あ,いやね。石上会計は例の件があって以来,自分を隠すように髪を伸ばしているじゃないですか。これ,いつ切るのかなと思っていたんですよね。石上会計が髪を伸ばして隠しているのは,他人の視線が怖いとか,自分を見せたくないという心理の表れだと思っていたんですけれど,事ここに至っては髪を切ってもいいはずなんだよなあ。

生徒会だけではなく,応援団の中でもきちんと自分を認めてくれる人がいる。そういう状況にあるならば,もう石上会計は髪を切ってもいいはずなんだよね。

まあ石上会計は子安先輩に恋心を抱いているかもしれないし,告白することもあるかもしれないし,たぶんつばめ先輩は団長か誰か他の人と付き合っているから100%振られるはずですけれど。それが告白の前か後か分かりませんが,きっと石上優は髪を切るためにもう一度「目を閉じる」お話があるんだろうなあと。

そして今回,石上会計は伊井野さんを守れなかったわけですけれど,最終的に石上会計が伊井野さんを守れるという"結果"が出せるのはそういうことが全部終わった後なんだろうなあと思ったり。



伊井野ミコもまた変わらざるを得ない...


そんな石上を見ることで,頑なに同属嫌悪を貫く伊井野さんもまた,変わらざるを得ないのかなと思ったり。秀智院高校の裏バカップルの物語はまだまだこれからだぁ!ということで,再度まる。


*思いつき調査その2。よろしければ。(誰が投票したかはわかりません)

#思いつき調査 #拡散は任意でなんとなくぼんやりと思った疑問。駅や商業施設のトイレにおいて,洗面は使わずに「鏡の前で一生懸命ワックスやブラシで髪を整えている人」について,どう思いますか?

— ayumie (@ayumie) 2018年1月31日


かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい 5 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 6 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 7 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 8 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)



画像は週刊ヤングジャンプ2018年第09号「かぐや様は告らせたい」第85話,「ぼくたちは勉強ができない」問34.より引用しました。

『トマトイプーのリコピン』 第16話 まんがのゆくさき 感想

$
0
0



さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第10号』 「トマトイプーのリコピン」第16話 まんがのゆくさき の感想です。


ぼくにとっての「トマトイプーのリコピン」(以下「リコピン」)は,まあ一応読んでいるけれどファンというほどでもない。時々クスリと笑えるシュール系ギャグ漫画といった印象の漫画です。お昼のランチにちょこっと一切れついているフルーツ,口直しみたいなもので,まあ安定の巻末固定漫画です。


そんな「リコピン」の特徴は,流行ネタや時事ネタをうまく拾いつつ,何処かに作者の主張みたいなものを練りこんでいくスタイル。ぶっちゃけそのスタイルだと時期が外れたころに単行本を売るのは難しかろうなと思いますけれど,個人的にはこういう漫画は嫌いじゃない。



そんな今週の「リコピン」は漫画家ネタ。いや,ぶっこんできたなあという感がありますね。

漫画家の皆さんは日頃自分の思いを作品にこめて発信していくしかないわけです。最近は作品とは別にSNSとかで発信する方もいらっしゃいますけれど,基本的に漫画家は漫画でメッセージを伝えていくしかないわけで,それはどこか一方通行的なものになります。

つまり,読者に訴えかけたいことはあってもそれは漫画という枠組みの中で表現されるものであり,幅広い価値観や属性を持つ読者に対して作者としていいたいことがあれば,それは暗喩化され,ある種の総花的なものにならざるを得ない。そんな中,今回の「リコピン」はいい塩梅に生産者としての漫画家の「言いたくてもいいづらいこと」をぶっこんできたなあ,と思ったり。


漫画を読む側である「読者」には消費しきれないほどの漫画コンテンツがあって,それを「読む・読まない」の取捨選択は消費者であろう読者にある。それを「評価する・しない」の選択肢もまた読者側にあり,結果として成果物であるコミックを「買う・買わない」の選択肢も読者側にある。

漫画家が生産者であり,読者が消費者である以上,実のところ圧倒的に読者の方が強い立場にあります。そんな中,漫画家の本音とか言いたくてもいえない事は,王さまの耳はロバの耳のごとく身内や仲間内の漫画家内でぼやくしかない状況です。

今回のお話は,本来漫画家同士の語り合いの中ででてくるような出来事について,大石先生の考えを反映させながら漫画のキャラに言わせることで,うまく「視覚化・言語化」してくれたのかな,と思ったり。というわけで,以下所感です。



...
......


『連載するのは難しい』

一言で読者といってもいろいろであって,単純にその作品が好きな「ファン」もいれば,漫画を取捨選択して読む「読者」もいるし,読むことによって反発する「アンチファン」とかいろいろあって一括りにするのは難しいですよね。


特に近年の漫画家にとって問題なのは,漫画を読んでくれない「無関心層」とと作品を批判する「アンチファン」です。

以前の記事にも書いたのですけれど,無関心というのは漫画家にとって実はかなり堪える。特にジャンプのように極端にアンケート(+コミック売り上げ)が連載の生殺与奪を握っているようなシステムにおいては「読んでもらえない」というのはそれだけで大ダメージだったりします。



しかし,それ以上に大変なのが作品の「アンチファン」です。大量消費の時代,捨てるほど漫画が溢れている現在においてはファンは漫画に対してかなり冷酷だったりする。インターネット全盛時代,SNSのように簡単にリアルネームを出さずに「発信」できる状況下においては,友人間の愚痴で済んだような話が全世界に垂れ流されるようになっています。


これまでであれば,自分の周囲5m以内の友人と語り合っていたような「市井の漫画評論」がインターネットという単一メディアに流出することにより,個々の小さな感情が不特定多数の人間の集合感情として形成されることが非常に容易になっています。


その結果,ある事象について自分がどんな感情を抱いたかということが簡単に生産され,人の目に付くようになっています。良い情報が拡散するのも早いけれども,デマや罵詈雑言が一気に広まるのも早いです。



今回,リコピンでも「読者が作品に対してどんな感情を抱いたか」ということと,それに対する感情発露の方法として「ネットに悪口を書き込む」という流れが描かれています。実際,特に週刊少年ジャンプに連載するような漫画に対しては,毎週のようにファンとアンチがそれぞれの立場で漫画を読むことで生じた感情を垂れ流しているわけです。


そんなファンの言い分みたいのなものを,漫画内の漫画家を通じて描いていく。

・主人公に対する好感度が低い
・主人公の言動やその描写が嫌
・日々の暮らしで疲れているのに娯楽ぐらいノーストレスがいい

なんてのは,毎週のように何処かの漫画の「叩き」の要素として書き込まれている内容ではないでしょうか。


そういう素人漫画評価や漫画生活に対しての漫画家の心情として,

・面白くないと思うなら読まなければいいのに
・だったらおまえが描け
・漫画じゃなくて批判することを楽しんでいるんだろう
・時間と心と体力に余裕がないから簡単に直せない
・目の前のノルマをこなすだけで精一杯
・業界内の付き合いは大変
・生活のためお金のために描いている

なんていうのは,口には出さないけれども「漫画家なら一度は思ったであろうこと」が赤裸々に描かれています。

これを作品内の作品のキャラに言わせるという表現方法に気遣いながらも,ファンと漫画家の心情を表現するところが上手いですよね。それを「ずるい」と思うかどうかは人によりますけれど,こうやって「一般的な漫画家の反応」を劇中内の漫画家に言わせることで一般化して,「みんなにわかるように」表現しているのはすごい。


一方で,漫画家の大石先生としての考え(と思われるもの)は後段にきちんと描かれていて,ノミリン先生の心情変化を通じてそれは表現されています。例えば,


・なんで漫画が好きなのか
・悪い意見=アンチとは限らない
・「読者の声」に耳を傾けることも必要
・文句をいうほど読み込んでくれてる大事な読者がいる
・編集,印刷所,アシスタントさん,その他関係者がいるから漫画家描ける


というようなことも描かれていますが,多分大石先生はそういうことを(建前かもしれないけれども)漫画家として仕事をする上で「認識している」ということなんじゃないかと。


生産者と消費者の関係において,文句を全く言われない商品なんてあまりないと思います。そんな宿命的な関係の中で,消費者の声をどう扱うのか,というのは企業の対消費者の姿勢ですでに散々語られつくしていると思います。

よく言われるのは,「消費者からのクレームは改善のチャンス」ということですよね。理不尽なクレームに真正面から対処する必要は無いと思いますが,その苦情が論理的かつ的を射たものであれば,批判ではなくフィードバックとして受け止めていくことは多くの企業で行われていると思います。


読者の多様な意見を全て受け止めて反映する必要はありません。そんなことできるはずがないのですから。でも読者からのフィードバックの中で,ある程度の実数をもって行われる合理的な「批評」には,作品に活かせるヒントがあるかもしれません。

それを漫画家自身が行うのはかなり難しいです。ネットの声を拾うときに難しいのは,そうした読者の声の「実数」がはっきりしないというところがとても難しいからです。
簡単に多人数に成りすますことができる。掲示板やSNSを複数のアカウントを作って印象操作を行う。そうしたことをファンもアンチファンも行うわけです。「どちらがより大きな声か」を見せかけるためのそうした印象操作は一個人のファンレベルで容易にできてしまうからです。


特に「アンチ」となったファンの行動心理は複雑怪奇です。

「つまらないと思うなら読まなければいい」というのは漫画家ではない僕ですらそう思わなくもありません。それでもアンチファンが作品をたたき続けるのは,いろんな屈折した思いもあるのだと思います。「読んでいて不愉快だった」「この流れは納得できない」といった感情が暴走すれば,「徹底的に叩いてやる」という行動になりがちです。

突き詰めれば「人気を出させないようにしてさっさと打ち切りにさせよう」「コミックも叩いて誰も買わないようにさせよう」といった「足を引っ張る為の行動」に変化していくこともあります。こうなってしまうと,もはや作品改善の為の批評ではなく,ただの批判のための批判になってしまいます。


そんなノイズを含む生データをそのまんま受け止めるほど,漫画家は「時間と心と体力」に余裕がないわけで。ですからそういう声の中から「本当のファンの声」というものを作者の代わりに拾い出す人が必要なんだろうな,と。

第一義てきには担当編集者が担うべきものでしょうが,なかなかこれで週刊漫画の編集者は忙しいと思います。家族やスタッフといった周囲を支える人でもいいのでしょうが,やはり「大量の情報の中から真実を拾い出す」だけの情報評価ができる人の方がいいでしょう。

となると,やはり漫画作品をいくつも読み,漫画に対するレスポンスをたくさん受け止めてきた編集者がきちんと情報評価して「編集者の意見として」作家に伝えてあげることが必要なんじゃないかな,とぼくなんかは思います。




『漫画家が生活するのは難しい』


漫画内で扱われているのはコミックスの価格の話や違法漫画サイトの話ですけれど,突き詰めていけば漫画家の収入の話になるのかなと。


まずコミックスの件について。

コミックスの価格がほとんど上がっていないというのはまあ事実です。比較に上げられている1982年はバブル直前の時期ですけれど,バブルを経てデフレの時代が続く現在,なんだかんだでコミックスの値段は上がっていない。


漫画家は基本的に原稿料がもらえますけれど,1枚いくらの歩合制です。それだけでは経費を引いたら多分生活できない。ジャンプの場合専属契約を結べば給料的なものが出るので契約期間内はある程度漫画に専念できますけれど,そんなの有期雇用の給料みたいなものですから,それだけを頼るわけにはいかない。

となると漫画家にとって一番大きな収入源は「コミックスの売り上げ」ということになります。


以前,弊ブログにコメントくださった漫画関係者さんによると,コミックスの売り上げから得られる収入(印税)は次のようになっているようです。

"漫画の印税は単行本一冊につき10%なので、50万部売れたら、収入は2000万です。
そこから所得税で40%、消費税8%が引かれ、画材等諸々引くと手取り1000万以下になります。"


これはコミックスが50万冊刷ってもらえたらという話です。分かりやすくコミックス1冊に換算してみましょう。

コミックス1冊のうち作者に入る収入は420円(税込)のうち10%で,そこから所属税と消費税でほぼ半分引かれる。1冊当たり作家に入る収入(手取り)は20-23円程度ということになります。

今回,リコピンで「ソシャゲのガチャ1回でコミックス1冊分」という"物価"比較がされていましたけれど,"漫画家の収入(手取り)"という観点でいえば「ガチャ1回=コミックスが20冊程度売った額」程度ということになります。

ジャンプ漫画であれば,万単位でうれるコミックスも普通にあるのでそれでも大きな収入になりますけれど,打ち切り漫画ともなればその額はお察しということになります。


作中でも指摘されているように,価格を上げると購入数が減るという現状はある程度あると思いますので,なかなか価格を吊り上げられない事情はあるのかもしれません。厳密に言えば「価格が上がり,購入数が減ると出版社の含み損が増える」のであり,結果として「出版社が初版印刷部数を絞ることで漫画家の収入が減る」のかもしれませんが(印税は刷った数に応じて先払いで支払われるため)。


価格を上げずに漫画家の取り分を増やしたければ「印税率を上げる」必要がありますが,他のステークホルダーとの関係上,割合を変化させるのも難しいのでしょう。


加えて,先のファンとの関係性もコミックスの売り上げを左右します。

ファンのアンケート結果が芳しくなく連載が打ち切られれば,原資となるはずの連載本数が少ないためにコミックスの売り上げ冊数は減ります。またそもそも作品評価が悪いので部数が出ません。ファンに受け入れられなければコミックスの販売冊数が激減する。そんな関係性もあるわけです。



他ならぬ僕も,いまはコミックスを買うのはかなり絞っています。

いま電子書籍で購入しているのですが,電子書籍は基本的に作品のアクセス権をAmazon KINDLE のようなディストリビューターから買っているだけです。一度購入すれば,そのディストリビューターが作品を提供し続ける限り閲覧できます。非常に簡単に購入できる反面,読まなくなったりしたからといってこれを売り払うこともできません。基本,購入したものは延々と書棚に残ります。

そんな仕組みですので,できるだけ購入するのは「本当にいつまでも楽しく読めるような作品」に絞り込みたいという気持ちがとても強くなります。週刊連載ですから,「途中まで面白かったのに...」みたいなことになって「もうこの作品は読まないな」と気持ちが変化しても電子書籍を売るなり捨てるなりして整理することはできません(非表示機能はありますが)。


となると,読者としてできる自衛行為は,「作品が完結した時に"繰り返し読んでみたい"と思う作品だけコミックスを買う」という方法になるわけです。もちろん,連載途中でも「この作品は絶対に面白い」と思えば買いますが,そこは「現時点で繰り返し読みたいと思う漫画」という評価にたどり着いたものです。

特に「週刊少年ジャンプ」の漫画は電子版を定期購読しているので,よほどのことが無ければ定期連載を追っていくことで作品を振り返ることができます。また必要に応じて自炊(個人的に作品単位でまとめ,電子化すること。著作権的には著作権法第30条の権利制限「私的複製」なので可。もちろん頒布しては駄目)することもします。

そのようにして読み続けた作品のうち,「これは買っても大丈夫」と判断したコミックスだけ買います。全ての読者がそのような行動をしているとは思いませんが,「作品を評価する読者」が増えることにより,コミックスに対して支出する読者の数が純減する可能性もなくはありません。


もとよりコミックスによる収益は多くないのに加え,消費者(読者)の行動が渋くなっているような現状。漫画家の収入にとっては世知辛い時代が続いているなと感じます。


...
......


そして今回のお話では,最後に「違法漫画サイト」についても言及されています。

具体的なサイト名を挙げることは逆効果なので控えますが,インターネット上に漫画を違法アップロードし,それを閲覧できる違法な環境が存在します。もちろん作家や出版社もそれを是としていないのでしょうが,個々の作家や出版社だけでは対応できていない状況があります。


そうした違法サイトで漫画が読めてしまうのであれば,当然コミックスを購入する人も減ってしまいます。違法サイトで漫画を読む人が増える→漫画雑誌やコミックスが売れなくなる→漫画家や出版社の収入が減るという悪循環が続けば,最後は「漫画出版流通の仕組み」が潰れることになります。


インターネットは「無料のナレッジデータベース」という感覚の延長線上で「公開されているのだから読んでなにが悪い」という意識で違法漫画サイトを読むことは,結果として漫画製作に関わる人たちを苦しめ,最後には漫画出版が成り立たなくなります。

非常に難しい問題ではありますが,週刊少年ジャンプの連載漫画の中であえて取り上げたことは,こうした「問題意識」を読者に共有してもらいたいという願いがあったのではないかと思います。なかなか言い出しにくいことですが,漫画家が「漫画というメッセージを伝えるためのメディア」を通じてこうしたことを発言してくれた大石先生はすごいな,と思いました。



『おまけ:違法漫画サイトに対する私見』

最後に,違法漫画サイトに対する対処について,個人的に思いついたことをタラタラと書きます。


今回,大石先生が問題提起されたように,著作物には著作権がありそれを守ることによって著作物という文化的創造物のエコシステムがなりたっています。そうしたことについて,もっともっと読者(今後読者となる世代も含めて)に理解してもらう必要がある。それは重要なことだと思います。


一方で,それは著作権教育の問題でもあるわけですが,著作権法の罰則強化などによって取り締まることだけで解決できることではありません。実際,漫画に限らず動画やら色んなコンテンツが正規ではない形で流通しているのが現状です。となれば,ある程度技術的に解決を模索する必要もあるのではないかと思います。

特に「違法漫画サイト」については,著作権法違反であることは明白なわけですが,著作権法に基づいて相手方を訴えるにしても著者が違法アップロードの相手方を特定して訴える必要があるというのは大きな問題です。加えて,公開先が日本国内でなければ,公開先のサイトの所在国がベルヌ条約を結んでいない限り日本の著作権法に基づいて争うことができません。


であるならば,法に基づいた訴訟措置ではなく,法に準拠した運用で対応するのも一つの手ではないかと。


「違法漫画サイト」に上げられている漫画は著作者自身が許諾して公開しているものはほぼ皆無かと思われます。であれば,作家・出版社・通信キャリアの中で「違法漫画サイトに対する運用ガイドライン」のようなものを定め,当該違法漫画サイトへのアクセスを遮断するような措置をとっても良いのではないかと。


これは法の運用ではなく,著者・出版社という漫画に対する財産権に関わる人の財産を守るための「運用上の措置」であるため,裁判や違法アップロードの相手方がだれだとかいうプロセスは問題にはしません。単純に日本国内で主に使われている通信キャリアは「違法漫画サイト」へのアクセスを遮断するのに協力する,というだけです。


具体的には携帯通信主要3社とそのMVNO,国内主要プロバイダ数社が作家・出版社の要請に基づき,その回線を通じたサイトへのアクセスを(プロキシを含めて)遮断するだけです。こうした違法漫画サイトにアクセスする人は,著作権教育を十分に受けてこなかった人が多いでしょう。当然,スマホやタブレットで読むような人が大多数でしょうから,その効果は絶大ではないかと思います。


無論,ドメインを変えたり,サイト名を変更することによっていたちごっこのような状態になることは考えられます。しかし個々の作家や出版社が対応していくよりは,遥かに容易な対策ではないかと思います。

こうした情報アクセスに対する遮断が行き過ぎれば「検閲」という行為に結びついていきます。なにが財産権を侵害する事例か乃判断を公権力に委ねるのも難しい問題です。そうした懸念に堪えるためにも,法による統制ではなく,ステークホルダーの主体的行動による財産保護の観点においてのみ運用するといった手法がよいのではないかと考えた次第です。



それから,もう一つ解決策が思い浮かびました。

リコピンの最終ページの図にあるように,こうした違法漫画サイトの問題点は本来対価を得るはずだった漫画家・出版社ではなく,違法に漫画をアップロードしたサイトの管理者が「広告収入」で儲けてしまい,対価を横取りしてしまっていることです。


であるならば,同じ仕組みを「公式」で作ってしまうというのも一つの手ではあります。

基本的に漫画は広告収入型の公式漫画サイトで無料公開する。その代わり連載漫画を「通読」したりしたいときにはプレミア料金を払う(コミックスの代わりですね)。コミックスの特典のようなものは別に用意して,コミックスの販売流通の余地を残せばなお良いでしょうか。

ただし,印刷雑誌としての週刊少年ジャンプによる収益をカバーできるほどのものではないでしょうから,印刷版発行から2−3日後に無料公開するというのが現実的な対応方法でしょう。

そんな仕組みにすれば,すくなくとも違法漫画サイトの管理者が得ている利益は出版社が回収することができます。先の「違法漫画サイトへのアクセスを遮断する」というのは対処療法ですが,こちらは違法漫画サイトの存在そのものが意味がなくなるので,根本的な対応になります。


これまでのビジネスモデルを大きく放棄することになるため,なかなか判断が難しいと思います。しかし既に漫画各社がアプリで電子版を配信しているような状況ですので,対価の回収方法を見直すだけで案外容易に対応できることかもしれません。

そんな素人考えのアイデアですが,最後にお示ししておこうと思います。まる。






「トマトイプーのリコピン」 第1巻はこちら。 KINDLE版はこちら


リコピンの単行本には追記がいっぱいあるそうですよ。
ファンの方はぜひ購入してあげよう。僕は保留中だけれど!(←酷いオチ)



『かぐや様は告らせたい』 第86話 かぐや様は食べさせたい 感想

$
0
0

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第10号』「かぐや様は告らせたい」第86話 かぐや様は食べさせたい の感想(かぐ活)です。


リアルでは立春だというのに,かぐや様の世界ではまだ馬肥ゆる食欲の秋とか。マンガでは良くあることですけれど,季節感がないのはラブコメのお約束なんですかねえ。ニセコイ然り,ぼく勉しかり...。暦どおりに話しを進めちゃったら巻数稼げませんからね!


冗談はさておき,今週のかぐや様もコメディモードでお送りしております。前回がディケイドなら今回は電王。生徒会ガチンコチャーハン対決の開幕であります。



時間の波をつかまえて


ふむ。
まあサブタイトルこそ「かぐや様は食べさせたい」ですけれど,実際のところガチンコなのは会長と石上会計であってね。そんな二人の争いに乗じてラブをコメらせようとして案の定失敗するかぐや様がお可愛かったです。

ま,四宮さんも知ってのとおり藤原さんを思い通り動かそうというのは無理なので,その段階で詰んでいたわけですけれども,今回は伊井野さんも加わっていましたからね。「怒りからデレ」を誘導するのに長けた伊井野さんですから,四宮さんを篭絡するのも詮無いことだったりする。



怒りのかぐやからの...


伊井野さんは「素」の状態なのに,四宮さんは勝手にテンパって,勝手に怒り出して,勝手にデレる。なんのかんので四宮さんは伊井野さんに不戦敗続きなんですよねえ...。会長選挙戦だって実質的に白銀の力によるところが大きかったし。

ある種の天敵というか,かぐや様の攻撃力を無想転生のごとくかわしきる「相性」があるのかもしれんな。



ちょろい!


いやしかし,かぐや様といい伊井野さんといい照れた顔がかわいいな!

伊井野さんときたら天敵の石上会計のチャーハンを食らっては,その旨さを認められずにツンしてみるものの,美味しかった事実を否定することもできず敬愛する藤原会計にそれを伝える(そしてすぐにばらされる)。

この照れ顔。このむくれ顔がすばらしいことよ。前回のポンコツぶりといい,今回の顔芸といい,伊井野さんの戦闘力がどんどん上昇してやがる!



ベジータ!伊井野さんの戦闘力はいくつだ..!?


挙句の果てに大食キャラ付けとは,伊井野さんの属性が盛りすぎてマジ卍である(意味不明)

これはあれなんかね。

伊井野さんのご自宅といえば「正義の両親」がいつも不在がちらしいんですけれど,伊井野さんの食事はどんな風になっているのかなと。
普通に考えればミコちゃん自ら食事を作るんでしょうけれど,そういう家庭環境だったら「人に作ってもらう食事」に飢えているのかもしれないな。その結果,実は「大食いキャラだった」ということなのかと思ったり。



そして,今回のもう一人の主役は言わずもがな藤原書記である。

石上VS白銀による「真竜の戦い」(チャーハン対決)を勝手に預かる王の中の王「味王」を名乗る藤原書記。その食通ぶりときたら,グルメ漫画もびっくりの薀蓄ぶりである。



王の中の王,「味王」じゃ。

で,今回のお話のもう一つの肝は,「味王」藤原が食通ぶる→的外れな薀蓄だった!という一連の流れになります。


このドヤ顔からの木っ恥ずかしい顔への変化を楽しむ。まさに読者にとって一粒で二度美味しい展開であります。やっぱりアレですね。藤原書記は追い詰められて死ぬ直前がもっとも愛らしいと思います。死にそうで死なないところがホロリとしてなんとも良いんだ...。



メガンテでやられる「味王」


こんなんくっそ笑うしかない。
いやあ,ドヤ顔の藤原書記がそのまんま自爆していく様はいとをかし,ってやつですよ。


そんな藤原書記に容赦のない男,石上優である。「言葉のナイフ使い」の異名を持つ石上会計ですが,そんな彼にとって「殴りやすいボディ」をしている藤原さんはまさにツッコミ甲斐のある存在なのだろう。



ふむ。こうしてみると生徒会の面々の強弱関係はなかなか面白いものがあるね。

意識・無意識の違いはあれ,結果として相手に対するマウントのとり方の高低が絡み合っている。しかも一概にこの強弱関係が固定化していない。一定の強弱のバランスは保ちつつも,変光星みたいに変化するのが生徒会面々の特徴ですよね...。



秀知院高校・生徒会における強弱関係図 ver 1.0

まあ個別の事情によって強弱の向きが変わったりもしますけれど。


...と言うわけで,チャーハン対決の勝者は白銀会長。でも,実質的に白銀会長の敗北でしょ,これは。完全に憐憫の情からくる「優勝」だもんなあ...。というオチで今回の話はまる。


...
......


今回のチャーハン対決,面白いんだけれど感想の言語化が難しいお話でしたね。こういうの,感想書きとしては難しいわ。


感想書きといえば,今回の藤原書記の的外れな指摘に際する冷酷な返しの流れ。ちょっと見ていて胸が痛くなりましたわ。ぼくもこれまでドヤ顔(というわけではないのだが)であれこれ漫画の考察をしてきたけれど,基本的に全部が全部当たるわけじゃないからね。



胸の...胸の痛かァ...!!


前々回の早坂さんとかぐや様の姉妹愛の話といい,古くはニセ何チャラさんの考察といい,一見つじつまが合いそうな考察という名の妄想をしてしたり顔なのに,実際はぜんぜん違かった!なんてのは毎週のようにありますからねえ。ぼくなんか,毎週が藤原書記(爆死モード)ですよ...(遠い目)。


そんな読者の的外れな妄想をニヤニヤと眺める漫画家視点を感じなくもない,第86話「藤原千花は恥ずかしい」でした(←あれ?)。再度まる。


かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい 5 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 6 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 7 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 8 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)



画像は週刊ヤングジャンプ2018年第10号「かぐや様は告らせたい」第86話 より引用しました。

『ぼくたちは勉強ができない』 問50. 湯の花に咲くは天才どもが[x]の跡である 感想

$
0
0


さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第11号』 「ぼくたちは勉強ができない」問50. 湯の花に咲くは天才どもが[x]の跡である の感想です。


というわけで,「ぼく勉」も連載1周年だそうです。おめでとうございます。



祝・1周年


連載一周年だけれど,作中ではまだ4ヶ月しかたっていない。そういう細けぇことはいいんです!ラブコメですからね。「お話を進めたらそこで試合終了ですよ...」と3代前の勉強係の安西先生が言っていましたし(嘘です)。
じゃんじゃん引き伸ばしてくれれば読者はブヒブヒ言わせてもらえるし,先生は巻数も稼げる。一石二鳥とはこのことだ(ん)。




で。
まずは扉絵にあるキャラクター人気投票に触れておかねばなるまい。


ラブコメに限らずジャンプマンガの定番となりつつあるキャラクター人気投票。企画者の意図が透けて見えるようなレギュレーションとなっております。



レギュレーション


・ハガキ応募制(応募券なし)
・締め切りは3月12日(投票期間がほぼ1ヶ月あり)


ということです。ぶっちゃけて言えば「どんどんハガキ送ってね!アホみたいな大量投票待っているよ!」(意訳)てことですよ,これは。ハガキさえあれば一人で100枚・1000枚書こうと思えば書けちゃうもんね。第1回人気投票は明らかに投票を煽って総投票数を多くとりにいこうという狙いが裏にある。


他のラブコメでも大量投票で一躍有名になった読者がいましたけれど,ぼく勉感想勢には熱い推しキャラ持ちの読者がたくさんいる印象なので,そんな過当競争もいまから懸念されます。


ちなみにハガキの原資さえあれば1000枚ぐらいは多分書けます。1日33枚書けば投票期間31日で1000は越える。楽勝ですよね!(自分は関係ないと思って煽っていくスタイル)。


それを界王拳2倍にすれば2000枚,界王拳3倍にすれば3000枚でも送れます。もおフランスのYさんになれる!


...冗談はさておき,人気投票はお祭りなんで常識の範囲内で楽しむのがいいと思うし,ネタ投票みたいなのはなるべく避けたほうがいいと個人的には思いますけれど。「青春兵器ナンバーワン」の惨劇を繰り返してはいけない。



青春兵器ナンバーワンの惨劇


アレは酷かったからね。

ぼく勉の[猪鹿蝶]さんとか全く関係ないのに投票されているからね。さらに言えば千葉県のYさんに至っては全く関係ないからね! でもきっとネタ投票あるんだろうなあ...。
編集・齋藤さんは不可避として,筒井先生の娘さんとか,なぜか長谷川尚子さん(長谷川先生のお母さん)とかありそうで怖い。あとゴローとか。

あとは感想勢が熱すぎるのも本作の特徴なので,コテ名とかで投票されちゃう人がいなければいいんですけれどね。タ○ツな方とか...(フォロワーでもないのにすまぬ...)。

もっとも,そういう投票があってもさすがに集計から外されそうな気がしますけれど。


以上,人気投票については終わり。
(まだもうちょっとだけ感想は続くのじゃ)


...
......

で,本編の前に見開きです。


そう,ぼくたちは―――

ぱっと見に目立つのは中学校の制服を着た武元うるかさんですかね。次いで元ヒロインの二人(元言うな)


最近いまひとつ目立ちが足らない気がする緒方さんもきちんと胸を張って中央で立っておられます。また久しぶりに普通のストレートな髪型に戻った古橋さんの表情がどことなくいつもと違って印象的です。あしゅみー先輩と怠慢先生はうん,まあ,いつもどおりで(当番回あったばっかりだし)

何気に緒方・古橋・武元のお三方だけ頬を手に染めているように見えるのは,唯我成幸に対する恋心のなせる業なのか。あるいはこの後起こる騒動が「終わった後」を暗喩したシーンなのか。私,気になります。



...
......



というわけで今回は温泉合宿です。


温泉といえばこれ

あ,はい。
温泉合宿といえば,林間学校でよく起きるイベントでもある男女の風呂間違えるネタという定番が存在するわけです。実際,以前ぼく勉でも成幸が女湯に閉じ込められるネタやっているしね。

今回は定番をそのまんま持ってきた感じで,ぶっちゃけニセ何ちゃらさんでも似たような話を読んだような気がしなくもないですけれど,そこはそれきちんと定番をアレンジしてきた筒井先生におかれては「感謝の極み」というやつである。


なるほど。男が女湯に入ってしまう「ToLoveる」ではなく,女が男湯に入ってしまう「ToLoveる」かあ...。これは斬新である。


いや,前々から思っていたけれど,ぼく勉って成幸を中心としてヒロインズのどたばたを描く物語なんじゃないんだね。成幸という「ヒロイン」を周囲がよってたかって口説き落としにかかっている少女マンガみたいな要素が多分にあるんだよ。今回のお話で確信しましたね。ヒロインは「成幸」なんだと!


そんなヒロインに対する恋心を隠さない武元さんと緒方さん。


一体お前らは何と戦っているんだ...

なんつーか,あれですね。二人とも成幸が土下座して頼み込めば,緒方さんはキスぐらい余裕でさせてくれそうだし,武元さんに至ってはきっと最後までや(ピー)せてくれる(ゲス顔)。そんくらいの恋心がにじみ出ていて正直可愛かったです。



しかしまあ,今回のお話のメインはやはり古橋さんなんだろうな。

連載1周年ということ,キャラクター人気投票ということで投票がきちんと公平に執り行われるように全体回を装いつつ,お話の主旋律は古橋さんに当たっていたからね。


シャンプーをしながらふと思い出すのは唯我成幸くんのことである。


唯我くんのこと

まだ頑なに成幸に対する恋愛的感情を発露させず,応援キャラ・師匠キャラ・お姉ちゃんキャラという中立者に位置づけられている古橋さんですけれど,まあ最終的に恋を自覚するに至るのは自明の理というか,物語の冗長性上必至である。そんな彼女が思い至るのは武元さんと緒方さんのことである。

唐突に名前呼びになっていることに対する虚ろな思索。その流れでおもわず旅館でしっぽり布団を共にしたことを思い出したりしている古橋さんもまたお可愛いことです。そしてすぐに二人の友人のことを思い出してはブレーキをかけていくスタイル。

なに気に「成幸くん」ではなく唯我君に戻っているところも,成幸が「古橋」と呼んでいるところも二人のいまの距離感を表していますね。



うん,やっぱり恋物語としては古橋さんの恋が一番面白い気がするな。



問44より・古橋さん


物語の構造的には武元さんとくっつくのが自然なんですけれど,この後追いスタイルはなかなかにどうしてよ。

後追いだからこそ,自らの恋心に気付いて葛藤する様がきっと美しいだろうなと。二人に対する友情はさておき,最後に想いを伝えずにいられなくなるようなそんな流れが生じるのは今から目に浮かびますよね。

ぼく勉の恋愛面に絞って言えば,それぞれの夢を実現する過程としての「大学合格」が終わってからじゃないと恋物語が動かないのは,「いまは受験が大事」という成幸のセリフからもわかりますし。そういう意味では夏休み段階のここで古橋さんが恋愛感情を持っていないことは特段ディスアドバンテージというわけでもない。


ま,「あの日見た黒髪ヒロインの勝利を僕たちは知らない」という名言があるくらいですから,古橋さんが結ばれる可能性は針の穴に糸を通すより低いでしょうけれど,それでもちょっぴりだけ応援してあげたくなるね。「限りなくBに近いAさん」のことを。


そんな古橋さんのキャラ特性を煽るようにでてくる貧乳ネタ。



こ・れ・は・ひ・ど・い


がんばれ,古橋さんの可能性。










というわけで,『現実逃避』は

関城紗和子さん

に清き一票を投じさせていただきます!(洋菓子さんに言質取られたため)


問12より・関城さん


以上となります。まる。



...
......



さて。さてさて。
「ニセコイ」と「ぼく勉」は物語構造が全く違うお話なので,類似性を意識したことはほとんどなかったんですけれど,今回は題材が題材だけに,どうしても見たようなシーンがいくつか出てきてしまいますね。


似せるつもりは全くなかったのでしょうけれど。温泉あるあるネタである以上,致し方がないとは思いますが。



右:ニセコイ第24話より

異性が間違えて風呂に入ってしまった結果,ばれないように風呂に沈められる(性的な意味ではない)。まあこれはごく一般的な仕様のネタであって,温泉あるあるですよねえ。




右:ニセコイ第24話より

当の本人が隠れざるを得ない状況において,意中の人物の恋心を問うというもの定番ネタの一つ。恋心は知りたいけれども,表に出ることはできない。隠れて逃げ出さなきゃいけないのに,答えを知りたい。まあ温泉あるあるですよねえ。




右:ニセコイ第144話より

そして「見たかどうか」の確認。まあ気になりますよね,女子としては。ちなみにニセコイ24話では千棘も同様に気にしているんだけれど,雰囲気的にこっちの方がにていたので144話から引用。これも温泉あるあるですよねえ。



まあラブコメの文法みたいなもんだから,どうしてもお話の構造が被るのは致し方あるまい...。演出は変えてきていますしね。

それに基本構造としての軸としてぼく勉は「勉強と夢」,ニセコイは「ニセモノの恋と約束」という点で全く違います。そもそもヒロインの成幸に「好きな女子がいない」というのが大きな違いとなっておりますので,そもそも二つの物語は全く似て非なるものなんですけれどね。

特にその後者の違いこそが,物語の結末における読了感にも大きく違いを見せてくることになるんでしょうね。どのヒロインと結ばれようとも,きっと祝福された物語で終わるのだと信じたいです。ということで,再度まる。





最新刊ぼくたちは勉強ができない 5 (ジャンプコミックス)は2月2日発売。電子版はこちら




*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第11号 「ぼくたちは勉強ができない」問50,問12,問44及び 「ニセコイ」第24話・第144話 より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第87話 柏木渚は誅したい 感想

$
0
0

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第11号』「かぐや様は告らせたい」第87話 柏木渚は誅したい の感想(かぐ活)です。



ふむ。
今回のネタは「浮気ボーダー」ですか。なるほど...なるほど...。

柏木・かぐや・ミコちゃんという組み合わせの段階で波乱の予感がしましたけれど,読み終わっての感想を一言で言えば「最高だった!」としか言いようがないお話でしたね。



控えめに言って最高だった


ここに来てサブキャラだった柏木さんの立ちかたがビンビンすごいことになっているのと,伊井野さんの使い勝手が絶妙になってきて「かぐや様は告らせたい」,益々面白くなってきた感があります。というわけで,以下感想です。


『柏木渚と四宮かぐやについて』

今回のお話がテンポ良く面白かったのは,やはり四宮さんの対柏木評が目まぐるしく変化していく様ですよね。


何も考えずに読むと四宮さんの発言には一貫性がなくて,裏の事情が分かっていないとそれこそ混乱した伊井野ミコ状態になってしまいます。これにはきちんと法則性があって,四宮さんは柏木さんを客観的に見ている時と主観的に見ている時で,全く異なる反応を示しているわけです。



ブーメラン...ブーメラン...

柏木さんを客観視している時は,柏木渚の言動を冷静に見つめていて「この子面倒くさくて重い」「いつも周りを振り回す」「言うことも怖い」と評価しているわけです。



他方,柏木さんが面している状況が自分にも共通する事象であった場合,その出来事に対する対処法や考え方は主観的なものとなり,「重くて面倒くさくて怖い柏木渚」と全く一致する。つまり柏木さんを全肯定する評価となるわけです。

「他の女と二人で仲よさそうに話す」「知らぬ間に女性と密会」これは浮気。浮気が疑われる状況であればプライバシーの侵害も認められる。不正アクセスも信書開封も厭わない。相手の真実を確かめる為に素行調査は許される。



ふたりはメンヘラ MH

他ならぬ四宮かぐやだけが気付いていない事実,四宮かぐやと柏木渚はそっくりであるという事実を,四宮かぐやの柏木さんに対する主観的・客観的評価の双方から確認していくプロセスが,じつにコミカルに描かれている。これが今回のお話の肝の一つであります。

自分と違う女と会話をする!これは浮気!
自分と違う女と二人で雑貨屋に行く!これは浮気!
自分と違う女と二人で勉強する!これは浮気!



ふたりはメンヘラ S☆S


仮想敵・藤原千花を思い浮かべながら「絶対に許してはいけないわ」と語るその様は,「どっちをやるか...」と呟く柏木渚と目つきが一緒です。場面的にはとっても怖くてシュールなのに,読者的には「柏木さんのこと重いとか言っといてお前そのものだろ」という早坂さんばりの感想を抱かせるところがとってもコメディというか。笑えるというか。

まあかぐや様の身勝手でわがままで,でも何となく彼女のキャラから「よく分かる言動」に読者としては笑いっぱなしなわけですよ。



『翻弄される伊井野ミコ』

そんな似たもの同士の二人に挟まれて翻弄されてばかりの伊井野さんがまたお可愛い。


このツッコミ,まるで会長

伊井野さんは正義の人なだけに,言っていることはとってもまともなんです。なのにまともじゃない思考の二人に挟まれて「あれ...おかしいの私の方...?」となってしまう。


浮気の定義を争ってみれば法律論ではなく心の問題と諭される。プライバシーの侵害を訴えれば「彼女だから許される」という女の理屈で返される。次々と繰り返される女性の謎理論の前に翻弄されるその姿は,怒れる彼女を前に無力な男の姿に良く似ていて少し背筋が凍りますね(おい)



何も怖くない...大丈夫だよ...(窓の外で浮気[違]が同時進行中)

自分だけの世界に引きこもる伊井野さんがとても愛おしい。何度読んでもこのコマを見るたびに噴き出してしまう。




ん,まあ,そんな伊井野さんが唯一反撃できたのがカラオケの件ですかね。


オ、オンドゥルルラギッタンディスカー!

これ,普通に柏木さんと伊井野さんの言っていること「正しい」からね。


柏木さんの彼の行動にはある程度理屈が成り立っているんですけれど,二人でカラオケに行くってのは当然蛇足だからね。むろん誘ったのはマキちゃんでしょうし,彼氏くん的には買い物に付き合ってもらったお礼のつもりなんでしょうけれど。でも彼女から見ればこれは「アウト」だから。

ここで面白いのは,四宮さんがこのときは客観視できず主観的にカラオケの件を評価しようとしたところですよー。ここ,試験に出るからな!

つい先日,怒れるハーサカさんによってカラオケに拉致された未来の旦那様の行動を当てはめた時,四宮的には「浮気じゃない」と処理しないと困るわけです。なのでかぐや的評価としては「浮気じゃない」。



主観評価と客観評価が目まぐるしく変化する

このギャップ。このダブルスタンダード自体が面白いのですが,それをこれまで四宮・柏木ペアに断固反対してきた伊井野さんがばっさりと「これは浮気ですね」と断じる。このブーメランの突き刺さりっぷりが非常にコミカルで笑いが止まらない。

その上,狼狽するかぐや様をその瞬間だけ客観視する柏木さんもまた冷静で面白いわけです。自分の怒りはひとまず忘れて会長は誰かとカラオケ行ったのかな,と四宮さんの状況を冷静に分析する。この構図がまたシュールで笑えるわけです。よくもまあこんなお話展開できるものだと正直感心します。



『四条眞妃は寝取りたい』


ふむ。


右・弟20話より

柏木さんより成績の良い「マキ」ちゃんといえば,やはり四条眞妃ちゃんしかおらんがな。薄々そうだろうと推測されていたことが,これでほぼ確定。そろそろ四条家の話も出てくるということなんですかねえ。全国模試1位の四条帝もいかにも兄妹ぽいですしね...。

それにしても眞の妃と帝とはなかなか盛っている。こうなると四条家のご令嬢に懸想された彼氏くんの真名も気になってくるところではある。


...
......


それはさておき。

まあ彼氏くん的には浮気なんてつもりは多分ないと思っているんですけれど。おまけページの主たるマキちゃん的にはいろいろと思うところがあったのだろうな。



どうしてこうなった...(会長のせい)・第1巻 第6話より


そもそも彼氏くんに惚れていたのはマキちゃん(別名ウケルちゃん)であって,柏木さんは彼氏くんに好きな人がいないか確認する名代に過ぎなかったわけです。それが彼氏くんが会長に相談した結果,彼氏くんの暴走(壁ドン)につながって今に至る。そういう状況です。

一方の柏木さんも,これは本当に付き合っているのかとか,いろいろ思い悩んでいたはずなのにいつの間にか「浮気したらコロす」ぐらいの闇を抱えるようになっているから不思議なものですけれど。


でもまあマキちゃん的には納得いかないわけですよね。友情の崩壊には至っていないようですけれど,もともと彼氏くんを好きだったのはマキちゃんだったわけですから。あわよくば二人を別れさせて...的な思惑は持っていないわけでもない。



四条マキは寝取りたい(?)

じゃなければ買い物に付き合うのにかこつけて二人でカラオケなんて行かないでしょうし,ひょっとかしたら興信所がつけているのを把握した上で「浮気の証拠」を作り上げようとしていた恐れすらある。さらにはわざと女の子がドン引きするようなダサいハートのネックレスなんて選ばせているわけですから。

いずれは亀裂を入れんという思惑もあったと考えるのが自然と思ったり。


それに彼氏くんもこういう「勘違い野郎」なので,案外鼻の下を伸ばしていったのかもしれんしな...。


第1巻 第6話より

妄想は膨らみます。



...
......




ま,実際には付き合っている二人を別れさせるなんて,そんな簡単にはいかないわけですけれど。

いいですか。男子から初めてのプレゼントをもらって嬉しくない女子なんていないんです。そりゃハートのネックレスなんて今時どうなんだろうというセンスかもしれません。でも柏木さんはたったそれだけで全てを赦せるくらい,嬉しかったんでしょう。


柏木渚はチューしたい

というわけで,浮気→仲直りの愛情表現といういつものギャップで今回のお話は終わりとなります。まる。


...
......


というかね。このエピソードは個人的になかなか昔の記憶をなぞるところがあって。

昔,付き合っていた彼女に誕生日プレゼントを贈ろうとして何を贈ったらいいのか分からず,女友達に付き合ってもらってピンクの宝石(石の名は忘れた)のついたネックレスを買っていったら「嬉しい!でも(プロポーズの)指輪の方が良かったな」とかね...。

私にもそんな時代があった。まぁもちろんまだまだ気持ちは現役だけど...。


第69話より

この後に女友達に買い物を付き合ってもらったことを話したら怒られた(当たり前)


ま,そんな話は置いておいて。

神っているカップルともなればべろチューぐらいはデフォルト。予想もせずそのシーンを見ることになった生徒会の面々とマキちゃんの反応がオチという,最後まで振り切ったお話でしたね。まあ四条さんがちょっと可哀想ではありますけれど,横恋慕だから仕方がない側面ありますし。

全体としては,正直満腹としか言いようがない満足感であります。



ちなみにそれぞれのセリフはこんな対応なのかな。


本日の勝敗・生徒会の敗北


なんのかんので豊富な性知識の伊井野さんがお可愛いかったです。再度まる。

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい 5 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 6 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 7 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 8 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)



画像は週刊ヤングジャンプ2018年第11号「かぐや様は告らせたい」第87話 ,同69話,同第1巻第6話より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第88話 四条眞妃は何とかしたい 感想

$
0
0

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第12号』「かぐや様は告らせたい」 第88話 四条眞妃は何とかしたい の感想(かぐ活)です。



前回は「憂さ晴らし」を兼ねて柏木さんの彼氏にちょっかいを出してみたウケルちゃんことマキちゃん。まさかまさかの再登場であります。


マキちゃんは物語当初から柏木さんの彼氏ちゃんに懸想していることがアリアリで,他ならぬ柏木さん自身が協力して「彼女の有無」を確認しに行ったエピソードが残っているくらいです。それがいつのまにか彼氏くんを柏木さんに掻っ攫われているのだから,不思議なものですね。


第1巻・第6話より

てか,なぜその事実を忘れるのか,柏木渚。



でも,マキちゃんは元気印のポジティブ思考。
柏木さんのやんわりとした窘めに対して,決め台詞の「超ウケル!」を発しながら笑って答えるくらいに余裕。

まあそれくらい神経が太くなければ,人の彼氏とカラオケなんてできませんからね。



余裕のマキちゃん


「あ,あんたのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからね!」という古臭いテンプレツンデレみたいな態度をかましていきます。余裕,余裕。ぜんぜん余裕だから...






...だけど女の子だもん。涙が出ちゃう。


見栄張

号泣。


なぜ一度見栄を張る...。今回はそんな見栄張なマキちゃんと生徒会役員共が第三種接近遭遇するお話。


...
......


というわけで,お待たせしました。ついに登場,オマケページの主のウケルちゃんこと,四条眞妃さんであります。


マキちゃん=四条眞妃(確定)

うすうす推測されてきましたが,学年3位の四条眞妃さんがやはりマキちゃんの正体だったのね...。というかさりげなくとんでもない事を述べております。正当な四宮の血筋を引くものとな...?


ふむ。
四条,という名前から何らかの名家であろうという推測が成されてきたわけですけれど,四宮家の遠戚だったようですね。当然ながら四宮かぐやさんとは親戚ということになりますが,その関係は「再従祖伯叔母」だそうです。


まさかのかぐや様の遠戚


はい,『現実逃避』の読者の皆さんに代わってぼくがやほぉ!で調べておきました。検索トップでヒットした,「誰が書いているかわからないけれど自然科学分野は案外正確な記述らしいことで有名」なウィキペディアさんによると,


「再従祖伯叔父母」=(はとこおば,またいとこおば,ふたいとこおば)


だそうです。
後のかぐや様の会話ではかぐや様=本家,眞妃ちゃん=分家という表現でしたけれど,ここまで分岐したら本家・分家とかいうレベルなのかどうかつーね。四宮家からみたら傍流も傍流といった感がなくもないですが。


そういう背景知識を持ってすれば,四条眞妃さんのスペックが劣化かぐや様...というか「敗北を知ってしまったかぐや様」な位置づけになっていることがよく分かりますね。
要するに,四条さんは「意地を張りすぎて好きだった人(会長)を他の人に取られてしまったかぐや様」のシミュレーションモデルみたいなもんなわけですよ。



なのでちょっとした仕草や考え方はかぐや様と似ている。四宮の血筋というのも頷けます。



右・第1話より
似てる





右・第1巻第5話より
似てる!





右・第54話より
似てる!!



四条さんもまた四宮家の一員らしく,プライドは高く傲慢。同じ血を引きし者として価値観や言動も表情も似ている。


でも決定的に違うのは,「敗北者となったことがあるかないか」でしょうか。


四条さんは敗北の味を知っている。だからこそ見せられる「自分の弱さ」といったところでしょうか。これがかぐや様だったら気心知れた相手でもない人間に「涙は見せない」し,絶対に自分から「好き」とは認めない。それができるのは,四条眞妃さんが「負けた人間」だからですよね。

四宮の人間ならば常に勝利を追い求め,相手に支配されるのではなく支配することに固執する。それを貫き通せないところに,四宮の血筋といえど「敗北者」であることを甘んじてしまう四条さんの限界が見て取れますね...。


四条眞妃は時代の敗北者じゃけぇ...



その辺の詰めの甘さが四条さんの良いところでもあり,ダメなところでもあるというか。

ダメなところは,四宮的価値観において敗北者であるということ。

そもそも四条家が分家という立場に甘んじている段階で,家督相続競争に敗れていることが分かります。全てはその延長線上にあって,成績もかぐや様に及ばないし,恋愛においても成功することができなかった。今回,そんな「もしもかぐや様が意地を張りすぎて負けてしまったら?」を具現化したような存在として四条眞妃を定義したわけですね。


一方で良いところは「負けを認められるところ」であり,結果として意地を張らずに「素直になれる」ところです。

素直になった時の四条さんはお可愛い。
そりゃそうです。四宮かぐや様の類縁であり,「敗北者」とはいえ僅差で負けている程度です。元はいいんですよ,マキちゃんは!


かぐや様なら絶対に「好き」とは言わない


早坂さんも素直になった時のかぐや様のお可愛らしさを認めていますけれど,そうした素直になった時の姿を見せられるというのはなかなかに強力な武器であります。素直可愛いは正義!なのです。


お可愛いこと

言い換えれば,四宮さんは素直にさえになればあっというまに白銀会長を落とすことができる可能性がある!

あの白銀会長がですよ。「急に可愛いから断れない」なんて言っていますからね!

好きでもない相手に対してそう思うならば,好きな相手が「急に可愛かったら」たぶん即行でザラキーマでしぬる。四条さんは失敗したかぐや様の「if」でもあり,同時に四宮会長を落とす可能性を見出す成功したかぐや様の「if」でもあるのですね...。たぶん。


というわけで,篭絡された野郎ども二人を引き連れて,今後とも目が話せない四条眞妃さんでした。まる。


...
......


『生徒会の残り一人は誰じゃらホイ』

現在生徒会の枠はひとつ空いているんですよね...。庶務でしたっけ?

今回,白銀会長と石上会計と縁ができただけではなく,副会長の四宮さんも親戚ということ。まして会長は四条さんに対して取り返しのつかない「弱み」がありますからね。


白銀会長は四条さんに本当に酷いことをしたね...(棒)


そんなわけで引き続き相談事も増えるでしょうし,となるとやはり最後の女は四条さんが入ってくる可能性が微粒子レベルで存在するかもしれんな!

それはそれ,生徒会内の恋愛模様にも面白い影響を与えるかもしれんね。
四条さんの恋心については白銀・石上しかしらないわけですが,なまら四宮さんに似ている四条さんであれば会長が四宮的にアウトな言動や表情をしてしまうことでかぐや様の嫉妬を引き出すとか,あるかもしれんしね。



嫉妬の予感


また現在つばめ先輩にご執心と見られる石上会計においても,こういう「思っていること全部口に出しちゃう感じ」に共感できる以上,相性は案外良いのかもしれないし。つばめ先輩に対する恋心もアレですが,伊井野=石上ラインに対するカンフル剤的な働きをみせるかもしれんしね。

石上と相性が合いそうということは,逆に伊井野さんとは相性が微妙になるでしょう。柏木・四宮・伊井野連合VS四条・白銀・石上連合という柏木渚と彼氏くんを挟んだ対立軸を作ることからしても,四条さんが生徒会に入るといろいろ波乱が起きて面白いかもしれないね。



四条さんに期待大!

しょっちゅう生徒会に出入りする四条さんを見かねて四宮さんが出入り禁止にしようとしたら,四条さんが会長に泣きついて庶務任命とかあるかもしれないし。
あるいは逆に追い出したら会長が外で四条さんと密会するようになり,それならば生徒会室内で監視下に置いたほうがよいとかぐや様から庶務入りを進言するかもしれないし。

いずれにせよ,四条さんの生徒会入りはありそうな予感がします。



『取り消せよ,いまの言葉!』

敗れたといっても四宮の血筋だけに,なかなか優秀なところも見せてくれる四条眞妃さん。学年3位の学力だって,かぐや様と1点差ですからね。

傍流の傍流にも拘らず本家の四宮さんに噛み付いたりと,対抗意識も旺盛な様子。去り際に天然に爆弾をしかけていくあたり,なかなかのやり手である。


天然爆弾



しかしそうなると全国模試1位の「四条帝」が気になります。
マキちゃんがやはり四条眞妃だったように,普通に考えて四条帝は血縁者である可能性が濃厚である。

ここまで四条帝は会長を上回る得点をたたき出していることからいって,白銀会長の最大の難関となる可能性があると考えてきたのですけれど...。四条さんの「残念さ」加減からして,恐らく四条帝も優秀だけれどどこか敗北者の香りを漂わせている可能性がでてきました。



四条帝は天才なのか,努力の人なのか?


四条帝は傍流が本流を飲み込むような天賦の才を持つ男なのか,あるいは傍流が本流を乗り越えたい,敗北者のままでいたくないという気持ちが生み出した努力の男なのか。そのあたりちょっと気になりますが,白銀会長が努力の人なだけに似た系統ではないのだろうなと今のところ妄想していたり。

「帝」という名前からは竹取物語の帝役になるはずなんですけれど...。
「かぐや様は告らせたい」的には本家四宮家を乗っ取りを狙ってくるようなラスボスになるのか,それを白銀・かぐやペアで迎え撃つような構図となるのか。妄想の先の妄想なので,今こんなこと考えても仕方がないのですが,少し気になります。



...
......


さて。さてさて。

そんな四条さんが波乱を呼びそうな今後ですけれど,なんだかんだで男子の面々もそれぞれの恋を貫いていてお可愛いですね。


何気ない石上の言葉が四条さんを傷つけた

途中でも触れましたけれど,石上会計も恋で悩んでいる様子。

いつぞや藤原さんと伊井野さんに相談しそびれたつばめ先輩の件は本当に恋の相談だったようです。てか,この石上会計のセリフから見ると,つばめ先輩には既に付き合っている彼氏がいるのかな? やはり団長ですかねえ。

同じ無理筋の恋にしがみ付いているあたり,四条さんとは気が合いそうではある。



一方の会長といえば,はい,このとおり。


基準は「四宮かぐや」!

「可愛い」と言っても可愛いいから絆されてしまうんじゃないです。四宮っぽい可愛らしさだったからこそ,ついつい絆されてしまったという...。物差しはあくまで「四宮かぐや」,そういうわけなんですね。

そう考えてみると,白銀会長は最初から自身の恋愛対象を四宮さん一択にしぼりこんでいて,ちょっと似ているからと言って四条さんがトチくるって会長にちょっかいを出してきたとしても,ぶれたりしないんだろうなと。そんなことも今から予想的に妄想しておいたり。

再度まる。





かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい 5 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 6 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 7 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 8 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)



画像は週刊ヤングジャンプ2018年第12号「かぐや様は告らせたい」第88話 ,同話,同第1巻第1話,同第6話,連載第1話,54話より引用しました。

『ぼくたちは勉強ができない』 問52. 天才は時に蒙昧たるが[x]の究明に邁進する 感想

$
0
0


さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第13号』 「ぼくたちは勉強ができない」問52. 天才は時に蒙昧たるが[x]の究明に邁進する(ぼく勉 52話) の感想です。


巻末の筒井先生のコメントが微笑ましいですね。

青春兵器の人気投票に入れて頂き,光栄と恐縮となぜ?という気持ちで一杯です!


ま,そうだよな。
良い子のみんな,ぼく勉の人気投票時に「長谷川智広」先生の名前とか投票しちゃダメだぞ♡



青春兵器の人気投票には本当に酷いことをしたね...




その青春兵器の人気投票になぜか名前が入っていた,猪鹿蝶こと猪森・鹿島・蝶野の優雅な古橋談義から二学期は始まる。


「夏はどうお過ごしでしたか」とか,受験勉強漬けで何の青春兵器もなかった古橋さんに酷薄なことをお尋ねになられる。


どうもこうも受験勉強漬けですよー,はははー

古橋さんの夏の思い出といえば,成績と胸のサイズを間違えられたり,予備校の合宿で限りなくBに近いAなブラを落としたりと禄なもんじゃなかったからですからね。ファンクラブの風上にも置けない愚問,愚問であり...え,なに写真?






シャルロッテ古橋


古橋ー!アウトー!


なんか完全に忘れていた夏の思い出。うれし恥ずかし朝帰りの記憶が電子化されて怖いインターネッツに流れているじゃあぁりませんか!

なるへそ。
てっきりこの件は二人の名前を記帳した「宿帳」からToLoveると思っていたんですが,まさかの文○砲だとはね。


しかしこれはまずい事態である。


トップ七武海も同意

理由はあるにせよ,男女同室で同衾・朝帰りの物証が朝帰り当日から怖いインターネッツに流れていたということですからね。件のインスタ主のフォロワーが0といえども,猪鹿蝶の三人が気づいたくらいだから普通に検索すれば見つけられる状態であったということですし。おすし。

なにが言いたいのかというと,この写真は当の本人が削除しようともとっくに複製が広まっている可能性が微粒子レベルで存在するということですよ。例えばですね。


う「あー,成幸かわいいよー!うううー...
  検索語「唯我成幸」...
  は! あたしってばいったい何やっちゃってんだか もー!!
  あ,あれ,この写真...(ずーん)」


みたいなことは普通にありうるわけです。もし普通の世界だったらな!




ま,こういう世界観なんで(問.49より)

まあ実際のところ,ここはカニやイルカが女教師の黒ビキニを取っていくような世界観なので,そういう問題はあまり考えなくてもいいのかもしれませんけれど。まだ仕掛けとしては「宿帳」があるしな!





...つーかあれだね。
唯我成幸という人物が段々アレな人になってきたような気がするのは気のせいだろうか。



アレな人


こうした多数の女性から一人の男性が懸想されるパターンを一般的に「ハーレムもの」というのでしょうけれど,得てしてハーレムものは着地が難しいわけですよ。ヒロインが増えれば増えるほど,他の推しがいるファンからは反発を食らう。構造的に落としどころが難しいのが「ハーレムもの」なわけです。

筒井先生もそこのところはよく先行文献を研究されていて,その解決方法のひとつに「主人公に好きな人を設定せず,人畜無害に徹底させる」という手法をとっていることがわかります。


この手法をとる限り,主人公が誰を選択してもその選択がそれまでの描写や選ばれたヒロインの好感度によって「その娘とくっつくなら仕方ないよね」という共感性を担保できるからです。

最後に袋叩きにあわないためにも,相当心を砕いているのはわかります。
そのせいかな。前回といい,今回といい,あまりにも男女関係に無頓着すぎやしないだろうか唯我成幸は...という印象を与えかねない展開が続いているような。



先週といい,朴念仁過ぎる...

朝帰りの写真がバレても説明すれば大丈夫,って大丈夫じゃないんだ!だよ! な・り・ゆ・き君!

少なくとも女性にとっては一大事だわさ。ここまで無頓着というか「恋愛的にぜんぜんぶれていませーん」という姿を貫き通すのもなかなかに,なかなかな感があるよ。



もちろんこれまでの描写から説明がつかなくもないのですけれど。

・説明すれば何とかなる,というのは例の怠慢先生との面談の時以来,なにか誤解を生じそうな事態がおきても説明すれば「きちんと分かってもらえた」という成功体験があるとか。

・そもそも唯我成幸は三人娘の「教師」なので「教え子」にはまったく恋愛感情を抱かないとか。


まあそんな整合性は一応取れているのですけれど,まあなんともいえない朴念仁さではある。



性的には照れる男の子(恋愛感情無し)

一方で「女子」を性的に意識するのは普通にあるので,怠慢先生の手ぶらに興奮したり,古橋さんが近いと恥ずかしがったりというのはあるんですけれどね。あと理珠さんのおっぱいを注視したりとか。

性には忠実なあたり健全な高校生といえば健全である。




で。

一方の古橋さんの方といえば,いまだ自覚はないもののちょっとずつ唯我成幸に対して恋愛的感情が蓄積されているような,ないような?

現在,古橋さんは「唯我君」と呼ぶときと「なりゆき君」と呼ぶことが混在しているんだよね。意識して規律を保とうとしている時は「唯我君」。特に感情的に高ぶっている時は「なりゆき君」なわけです。


でも感情的に高ぶっていても「唯我君」と呼ぶときもあるわけで。

つまりあれか。これは恋愛感情というよりも「心の距離」の問題なのかなと。二人でインスタのアップ主の特定をするために行動し,夢中になっていくうちに心的距離が縮まる。その結果,完全に二人の会話に没入している時は周囲に人がいようといまいと,心の距離が近くなっているので「なりゆき君」になる。



何も見えちゃいねぇ...

まさに猪鹿蝶の三人が言うところの二人の世界ですよ(違)



ただまあ,この心の距離が「姉」としての距離感なのか,「女性」として好きな人に対する距離感なのかはまだ曖昧になっているというか。
心的距離は近づいているけれども,二人の友達のために恋心とは思わないようにしている。それを「姉」という立場に落とし込んで自分を誤魔化している。そんなイメージなんでしょうか。


そんなことがよく分かるシーンがこちらになります。



「デートみたい」て言うんだよ(確信)



近づけば近づくほどな乙女心哉。






何気に取り繕う言葉が古橋さんの女心を解き明かしています。


複雑な乙女心

恋人めいたことを期待するようなせりふを述べてしまったことを反射的に「違う!」と否定するも,それを誤魔化すために紡ぐ言葉が「女心練習問題だよ!!唯我君!!」ですからね。

なぜ古橋さんがそんなことを発言してしまったのか。男性として少しずつ気になりつつも,二人の友達のために無理やり否定して「姉」としての立場に甘んじようと自分を誤魔化す古橋さん。

そんな心のうちを「唯我成幸」に解いてほしいという,甘々しい無意識の心理の表れじゃないですか,もー。



...ま,成幸はお母さんのことを思い出して涙ぐむお姉ちゃんの手を握ってあげただけなんですけれどね。残念ながら一方通行な気持ちなんだよなあ...






「殺意の波動」に芽生えた文乃

というわけで,今回の探偵デートは犯人・大森をつきつめた上,殺意の波動に目覚めた古橋文乃さんによって市中引き回しで御仕舞。まる。




...
......




こうしてみるとぼく勉の感想を書く時は古橋回が多いな...。恐らく最後に敗北するであろう黒髪ヒロインを無意識に慰めたくなる病だろうか(おい)。



じゅるり。早くケーキをよこすのです...

冗談はさておき,古橋回は感情の動きがうるか回と並んで激しいからですかねー。印象に残るお話が多いです。




というわけで余禄。


疾走する誤解列車

...というか,この時の鹿野さんは古橋さんの言い訳をきちんと聞いてあげたのだろうか。どう見ても聞いていないけれど。古橋さんの与り知らぬところで着々と二人の関係が既成事実化する流れ。どこかで暴発したりするのかしらん。




暴走する誤解特急

第三者の前でわきの下からがっしり彼女を抑えて興奮している二人はただのバカップルにしか見えない。なんのかんので一番迂闊なのは古橋さんだったというのがファイナルアンサー!




ということで,再度まる。

「ぼくたちは勉強ができない」の人気投票に参加される方にお尋ねします。

ぼく勉の人気投票に何通送った(送る予定)か教えてください。
*投票後RTいただけると嬉しいです。よろしくお願いします。#ぼく勉 #ぼくたちは勉強ができない #ぼく勉人気投票

— ayumie (@ayumie) 2018年2月27日




最新刊ぼくたちは勉強ができない 5 (ジャンプコミックス)は2月2日発売。電子版はこちら




*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第13号 「ぼくたちは勉強ができない」問52,問49 及び「ワンピース」744話 より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 各話タイトル 一覧

$
0
0



「かぐや様は告らせたい」のタイトルリストを仮作成しました。いろいろ間違いがあると思います。適宜更新していきたいと思っております。

YJ話数各話タイトルコミックス巻コミックス話数映画に誘わせたい11ババ抜きをさせたい12かぐや様はよく知らない13白銀御行は答えたい14かぐや様はいただきたい15白銀御行は隠したい16藤原ちゃんは出かけたい17かぐや様は当てられたい18かぐや様は歩きたい19生徒会は悪戯したい1101かぐや様は交換したい2112かぐや様は止められたい2123かぐや様は口付けたい2134白銀御行はまだしてない2145白銀御行は逃げ出したい2156かぐや様はこなしたい2167かぐや様は愛でたい2178生徒会は言わせたい2189かぐや様は送らせたい21910白銀御行は話したい22011かぐや様は差されたい32112藤原千花は食べられたい32213白銀御行は見せつけたい32314石上優は生き延びたい32415かぐや様は気づかれたい32516白銀御行は働きたい32617かぐや様は堪えたい32718かぐや様は入れたい32819早坂愛は防ぎたい32920白銀御行は負けられない33021藤原千花はテストしたい43122かぐや様は嫌われたい43223白銀御行は歌いたい43324かぐや様は送りたい43425藤原書記は見舞いたい43526四宮かぐやについて①43627かぐや様は許せない43728かぐや様は許したい43829かぐや様は呼ばせたい43930白銀御行は出かけたい44031白銀御行は出会いたい54132早坂愛は浸かりたい54233藤原千花は超食べたい54334花火の音は聞こえない 前編54435花火の音は聞こえない 後編54536かぐや様は避けたくない54637かぐや様は選ばせたい54738生徒会は神ってない54839白銀御行は捌きたい54940かぐや様は祝いたい55041柏木渚は見てられない65142かぐや様は聞き出したい65243かぐやたちは贈りたい65344藤原千花は確かめたい65445そして,石上優は目を閉じた①65546白銀御行は見上げたい65647かぐや様は結婚したい65748早坂愛はオトしたい65849第67期生徒会65950かぐや様は呼びたくない66051かぐや様は告ら"れ"たい76152白銀御行は描きたい76253白銀御行はモテたい76354柏木渚は慰めたい76455伊井野ミコは正したい76556かぐや様は蹴落としたい76657伊井野ミコを笑わせない76758伊井野ミコを笑わせたい76859かぐや様は呼ばれない76960かぐや様は脱がせたい77061かぐや様は出させたい87162伊井野ミコは抑えたい87263白銀御行は読ませたい87364かぐや様♥アクアリウム87465かぐや様は集めたい87566柏木渚はめんどくさい87667藤原千花は聞き出したい87768かぐや様は怯えない87869かぐや様は診られたい87970そして,石上優は目を閉じた②88071かぐや様は触りたい 72かぐや様は断らない73白銀圭は話せない74白銀御行は踊りたい75大仏こばちは取り締まりたい76白銀父は聞き出したい77秀知院は体育祭78そして,石上優は目を閉じた③79白銀御行と石上優80大友京子は気付かない81藤原千花は膨らませたい82かぐや様を照れさせたい83かぐや様は連れ出したい84かぐや様は阻止したい85伊井野ミコは癒されたい86かぐや様は食べさせたい87柏木渚は誅したい88四条眞妃は何とかしたい89白銀御行は信じられたいYJ話数各話タイトルコミックス巻コミックス話数



『かぐや様は告らせたい』 第89話 白銀御行は信じられたい 感想

$
0
0

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第13号』「かぐや様は告らせたい」 第89話 白銀御行は信じられたい 感想 の感想(かぐ活)です。


『かぐや様は告らせたい』も,もうすぐ二周年とか。
次週は巻頭カラーですか。いよいよアニメ化とかきてもおかしくはない気がしますけれど,さてどうなるでしょうか。




さて,今回のお話は先日騙されて合コンに連れて行かれた白銀会長の後始末の巻。



かぐや様は知りたい

合コンに行くということは,それだけで「異性とお近づきになりたいです」という消極的アピールみたいなもの。となると,かぐや様的には気になりますよね。自分のいなかった合コンに行った会長の本心はどんなもんなのかいなと。



なるへそ。
これはこれは,久しぶりに「恋愛頭脳戦」なお話をぶっこんで来ましたね。てっきり赤坂先生は恋愛頭脳戦はもう放棄されて,ほぼ出来上がっているバカップルのやりとりを堪能するラブコメに徹するつもりかと思っていました。そんな底の浅い読みをいていた自分を叱りたい。


というわけで,今回は「合コンとはどういうものなのか知るために合コン系ゲームをしよう」という流れになります。



この藤原,ノリノリである


例によって行司は式守藤原千花助。
てか藤原書記は合コン行ったことないのに合コン系ゲームを抑えてあるというのは耳年増ということなのか,TG部の流れで知識として知っていたということなのか。私,気になります。てか十円玉ゲームか...


この後のお話の展開にも出てきますけれど,これって誰が何年の十円玉を手に取ったかを確認することで,回答者を特定することができるゲームです。

これをやる時には当然そのリスクを負うわけですが,逆に非公式に「自分の関心のある異性」をアピールすることもできるゲームです。競争率をみたり,相手に自分の気持ちをこっそり示したり。「かぐや様は告らせたい」では"告ったら負け"というチキンゲームが前提として存在しておりますので,意思表示には使えないわけですけれど。

なんにせよ特定行為は禁止ですからね,くれぐれも。





というわけで,ゲームの回答者を特定していきましょう(おい)

第1問.式守藤原助の問題。
「ぶっちゃけ 今 恋している人は表(YES)! してない人は裏(NO)で出してください!」


楽しー!!


合コンらしい,良い質問ですねー。
「年代判別式特定テク」や「意思表示テク」と併用することで,自分の狙いの異性に脈があるかないかを確認することもできますし。おすし。


で,結果→3人

自主申告しているかぐや様。それからかぐや様に惚れすぎていて凹むくらいの白銀会長。あとは気になる人がいるという石上会計,ですよね。ま,これは当然として。




第2問.石上会計の問題。
「ぶっちゃけ僕の事 嫌いな人は表(YES) 嫌いじゃないって人は裏(NO)で出してください」

エゴサーチをする人はいるけれど,リアルエゴサーチする人って珍しいんじゃないかな!
石上会計ぐらいなもんですよ,こんなん。

で,結果→1人


伊井野ミコはぶれはしない

「石上は自分で裏出したんだ 図々しい」というミコちゃんの発言から,出したのは伊井野さんだけと分かります。


これはなかなか面白いね。石上会計は自分のことは「嫌いじゃない」んだね。陰キャとかネガティブ思考で強調される石上会計ですけれど,自分のことが嫌いじゃない石上はごく普通の真っ当な青年だと思うの。石上会計のリア充への脱皮は続いている。

一方で,伊井野さんは「石上は嫌い」。伊井野さんは正義の人なのでルールを破ることがある石上は嫌いなわけです。体育祭では頑張っている石上を「がんばれ」と応援はしていますけれど,正義の尺度で測れば石上は悪。なので嫌いという感情は動かせないね...。




次。第3問. 伊井野会計監査の問題。
「本当は私って要らない人間なんじゃないですか? 要らない人間なら表 必要な人間なら裏でお願いします」

あ,はい。

作中でも突っ込まれていますけれど,「発想が石上と同じ」なんですよね。

石上も伊井野さんも,他人から嫌われたり攻撃されることに否が応にも「慣れている」人間です。彼らがこうした質問をするのは「嫌ってほしくない」「自分を認めてほしい」という承認欲求の表れなんですよね。

こうした二人の言動がよく似ていて,同じ種類の人間であることが改めて強調されているのも面白いです。

で,結果→0人。



石上と伊井野さんの質問は似ているんですけれど,質問の種類がちょっと違うんですよね。石上が聞いたのは「感情」。伊井野さんが聞いたのは「存在価値」です。どちらが重いかといえば,当然後者ですよね。これ,もし質問が逆だったら伊井野さんは「石上が要らない」とは投票しなかったでしょうから。

そういう意味では「石上会計は伊井野さんに"要らないと投票しなかったから伊井野さんのことが嫌いじゃない」と考える余地はある。
実際,石上会計は頑張っているやつが馬鹿にされるのは嫌いという想いを持っているし,や85話「伊井野ミコは癒されたい」における行動から判断して「嫌い」の域まで達していないかもしれない。

もちろん,感情を問う問いかけならあっさり「嫌い」と投票したかもしれませんが(まて)。



承認欲求と思いやり


そしてこの伊井野さんの表情である。石上会計のまなざしが暖かいですね(はあと)
心配じゃなければ放っておけばいいわけで,なんだかんだで石上は他人思いではある。




で。第4問.本命・四宮かぐやさんの問題。
「私に恋愛感情を抱いてる人は表 抱いてない人は裏で」



年代判別式特定テク


例の「年代判別式特定テク」を活用した設問で会長を追い込もうというかぐや様の作戦。久々に「頭使ってみた」感がありますね(ちょ)。

というかね。
これ実際にはなかなかぶっ込めない質問ですよね。答えが0だった時の心的ダメージはとんでもないことになりますからね...。四宮家のお嬢さんは心臓が強いのか弱いのかよく分からない。


思い出してほしい。
そもそも,この「合コン系ゲーム」をやるきっかけを作ったのは四宮さんの発問にあったということを。



四宮さんは心配性


「本当は私に愛想が尽きて 別のことの出会いを求めてるんじゃ...」という疑念からこの合コン系ゲームは始まっているわけです。言い換えれば,白金会長が自分のことを好きであると思いたいけれど,そこに若干の疑問の余地が存在すると思っているわけです。



守りたい。この笑顔。

にもかかわらず,「私に恋愛感情を抱いている人は~」なんて質問をする。これ,もう合コンゲームする必要ないじゃないの(笑)。かぐや様は,「白銀会長は自分が好きでいるに違いない」という確信を持っていなければこんな発問をしないわけですから。

もし会長がNoのコインを出して,その上嘘発見器までかけてNoだったらきっとかぐや様の心臓が止まる。


結果→1人

実際,その賭けには勝っていたわけですけれど,四宮さん何気に命を張った質問だったというわけねん...。最後は曖昧になっていたけれど。これは恋愛頭脳戦ですから,こんなゲームで思いが伝わっては困ります。「年代判別式特定テク」に気づいた会長の裏技でなんとか特定を避けることができたという...。



とはいえ一つ気になることはあります。石上会計は会長の気持ちに気付いたのかな?

石上会計は子安貝のつばめ先輩に懸想しているので,自分じゃないことを知っています。男子は2人です。普通に考えれば,四宮副会長に恋愛感情を持っているのは白銀会長と推測がつく。



石上会計は察したのか?


一応,「どうせ藤原先輩なんでしょう?」とか煙に巻いていますけれど,質問は「好きか嫌いか」じゃなくて「恋愛感情」ですからね。女子がガチの恋愛感情を持つと考えるくらいなら,すぐ側にいる会長を疑ったほうが自然なわけで。

ただ石上会計は「年代判別式特定テク」を知っている。で,会長が持っていた平成元年が表になっていなかったので「白銀会長じゃないのかも?」とは思ったかもしれません。ただ,そのあとに会長がそのネタバレをしていますから,会長が十円玉をすり替えたことに想いが至ったかもしれない。

となると,石上会計は会長の気持ちに気付いてしまったかもしれないな...ということは一応指摘しておく。




そして問5.最終質問となる会長の問題。
「年号で誰が何を出したか特定可能と気付き...それを利用した不届き者がいるな?表を出して自首しろ」

結果→3人


天才という殻を被ったアホども


かぐや様,藤原書記,石上ということでFA。

それを踏まえた上でここまでの質問を振り返ってみると,


「藤原書記は会長,かぐや様,石上会計に好きな人がいると知った可能性がある」

「石上会計は会長は四宮さんを好きだと気づいた可能性がある」

「伊井野さんは正直すぎるアホの子」



アホの子可愛いミコちゃん

以上が今回の合コンゲームで明らかになったこととなります。まる。


...
......


それにしても久しぶりに恋愛頭脳戦「ぽい」体裁を整えたお話ではありました。実際のところを言えば,いつもどおり「ほぼ出来上がっているカップルがプライドを維持するために自分から告白しないチキンゲーム」をやっていただけなんですけれど。だってね。



モノローグレベルで「好き」を認めない女

四宮さんのこのモノローグなんかまさに「それ」ですよね。自分は恋をしていないけれどサービス精神で表(YES)にしておく,とか。実際に白銀会長が好きなんだけれど,それを自分のモノローグレベルで認めることは絶対にしない!というね。

端から見ると,お前は一体何と戦っているんだ...というところですけれど,こんなところにもいつものかぐや様を感じさせられます。これが分家(四条さん)と本家の違いかもしれませんね(ん)




そして白銀会長。
合コンについてかぐや様に知られたくないという気持ちを持ちつつも,「別に隠すつもりないし」「そもそもフリーの俺が合コン行くことに何の問題が...」という前振りをしつつ,最後のこの二人の会話ですよ。


ぶっちゃけた話,白銀会長はかぐや様に合コンについて説明する必要は全くないわけだよね。「そもそもフリー」なわけで,かぐや様と会長の間にある関係は生徒会役員ということだけです。それは以前から早坂さんが指摘しているとおり,「会長がどこの誰と何をしようと浮気ではない」というのというのと同じです。



にも拘らず,白銀は言う。「何を言っても言い訳にしか聞こえないけれど」と断りを入れつつ


言い訳めいても言わなければならないことがそこにある

「別に浮ついた感情があったとかそういうのでは決してない」
「四宮だけには信じてほしい......」


とかね。



下手に十円玉ゲームをするよりも,ありありな恋愛感情の行き来がそこにはある。

二人の間にある「相手は絶対自分が好きに決まっているけれど,告ったら負けなチキンゲーム」における暗黙の裏ルールは,「相手は自分が好きである」ということを双方が知っているということである。

「そもそもフリー」とか「会長が何をしようと浮気ではない」というのは二人にとって建前にしかすぎなくて,「でも本当は自分が好きなんでしょう?」という暗黙の了解を相互に有している。だからこそ,会長は合コンゲームに行ったことの実情をきちんと四宮さんに説明しなくてはならない。四宮さんは会長の言葉を信じなければならない。

そのプロセスを経なければ,ふたりの「暗黙の裏ルール」は壊れて『かぐや様は告らせたい』という恋愛世界観が壊れてしまうからです。


「何を言っても言い訳にしか聞こえないけれど」などという前フリは,言い訳めいた釈明だが伝えなければならないという相手に対する恋心が表れている。四宮さんもそれを感じ取りながらも,会長の男気とその真実性を感じ取って沈黙の承認を十円玉で行う。


二人の気持ちは通じてる


本当だったらそこを追求すれば会長を追い込むこともできただろうに,敢えてそれをしない。それは会長が四宮さんだけは信じてほしいという半ば告白めいた心情の吐露をしてくれたことに対する喜びのせいかもしれないし,その行為に便乗して攻めることはしないというフェア精神だったのかもしれない。

きっとこのやり取りが二人の関係性を壊さないためにも必要だということを感じ取った天才たちの所業だったのかもしれませんね。というわけで,再度まる。



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい 5 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 6 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 7 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 8 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)



画像は週刊ヤングジャンプ2018年第13号「かぐや様は告らせたい」第89話 より引用しました。

『かぐや様は告らせたい』 第89話 白銀御行は信じられたい 感想

$
0
0

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第13号』「かぐや様は告らせたい」 第89話 白銀御行は信じられたい 感想 の感想(かぐ活)です。


『かぐや様は告らせたい』も,もうすぐ二周年とか。
次週は巻頭カラーですか。いよいよアニメ化とかきてもおかしくはない気がしますけれど,さてどうなるでしょうか。




さて,今回のお話は先日騙されて合コンに連れて行かれた白銀会長の後始末の巻。



かぐや様は知りたい

合コンに行くということは,それだけで「異性とお近づきになりたいです」という消極的アピールみたいなもの。となると,かぐや様的には気になりますよね。自分のいなかった合コンに行った会長の本心はどんなもんなのかいなと。



なるへそ。
これはこれは,久しぶりに「恋愛頭脳戦」なお話をぶっこんで来ましたね。てっきり赤坂先生は恋愛頭脳戦はもう放棄されて,ほぼ出来上がっているバカップルのやりとりを堪能するラブコメに徹するつもりかと思っていました。そんな底の浅い読みをいていた自分を叱りたい。


というわけで,今回は「合コンとはどういうものなのか知るために合コン系ゲームをしよう」という流れになります。



この藤原,ノリノリである


例によって行司は式守藤原千花助。
てか藤原書記は合コン行ったことないのに合コン系ゲームを抑えてあるというのは耳年増ということなのか,TG部の流れで知識として知っていたということなのか。私,気になります。てか十円玉ゲームか...


この後のお話の展開にも出てきますけれど,これって誰が何年の十円玉を手に取ったかを確認することで,回答者を特定することができるゲームです。

これをやる時には当然そのリスクを負うわけですが,逆に非公式に「自分の関心のある異性」をアピールすることもできるゲームです。競争率をみたり,相手に自分の気持ちをこっそり示したり。「かぐや様は告らせたい」では"告ったら負け"というチキンゲームが前提として存在しておりますので,意思表示には使えないわけですけれど。

なんにせよ特定行為は禁止ですからね,くれぐれも。





というわけで,ゲームの回答者を特定していきましょう(おい)

第1問.式守藤原助の問題。
「ぶっちゃけ 今 恋している人は表(YES)! してない人は裏(NO)で出してください!」


楽しー!!


合コンらしい,良い質問ですねー。
「年代判別式特定テク」や「意思表示テク」と併用することで,自分の狙いの異性に脈があるかないかを確認することもできますし。おすし。


で,結果→3人

自主申告しているかぐや様。それからかぐや様に惚れすぎていて凹むくらいの白銀会長。あとは気になる人がいるという石上会計,ですよね。ま,これは当然として。




第2問.石上会計の問題。
「ぶっちゃけ僕の事 嫌いな人は表(YES) 嫌いじゃないって人は裏(NO)で出してください」

エゴサーチをする人はいるけれど,リアルエゴサーチする人って珍しいんじゃないかな!
石上会計ぐらいなもんですよ,こんなん。

で,結果→1人


伊井野ミコはぶれはしない

「石上は自分で裏出したんだ 図々しい」というミコちゃんの発言から,出したのは伊井野さんだけと分かります。


これはなかなか面白いね。石上会計は自分のことは「嫌いじゃない」んだね。陰キャとかネガティブ思考で強調される石上会計ですけれど,自分のことが嫌いじゃない石上はごく普通の真っ当な青年だと思うの。石上会計のリア充への脱皮は続いている。

一方で,伊井野さんは「石上は嫌い」。伊井野さんは正義の人なのでルールを破ることがある石上は嫌いなわけです。体育祭では頑張っている石上を「がんばれ」と応援はしていますけれど,正義の尺度で測れば石上は悪。なので嫌いという感情は動かせないね...。




次。第3問. 伊井野会計監査の問題。
「本当は私って要らない人間なんじゃないですか? 要らない人間なら表 必要な人間なら裏でお願いします」

あ,はい。

作中でも突っ込まれていますけれど,「発想が石上と同じ」なんですよね。

石上も伊井野さんも,他人から嫌われたり攻撃されることに否が応にも「慣れている」人間です。彼らがこうした質問をするのは「嫌ってほしくない」「自分を認めてほしい」という承認欲求の表れなんですよね。

こうした二人の言動がよく似ていて,同じ種類の人間であることが改めて強調されているのも面白いです。

で,結果→0人。



石上と伊井野さんの質問は似ているんですけれど,質問の種類がちょっと違うんですよね。石上が聞いたのは「感情」。伊井野さんが聞いたのは「存在価値」です。どちらが重いかといえば,当然後者ですよね。これ,もし質問が逆だったら伊井野さんは「石上が要らない」とは投票しなかったでしょうから。

そういう意味では「石上会計は伊井野さんに"要らないと投票しなかったから伊井野さんのことが嫌いじゃない」と考える余地はある。
実際,石上会計は頑張っているやつが馬鹿にされるのは嫌いという想いを持っているし,や85話「伊井野ミコは癒されたい」における行動から判断して「嫌い」の域まで達していないかもしれない。

もちろん,感情を問う問いかけならあっさり「嫌い」と投票したかもしれませんが(まて)。



承認欲求と思いやり


そしてこの伊井野さんの表情である。石上会計のまなざしが暖かいですね(はあと)
心配じゃなければ放っておけばいいわけで,なんだかんだで石上は他人思いではある。




で。第4問.本命・四宮かぐやさんの問題。
「私に恋愛感情を抱いてる人は表 抱いてない人は裏で」



年代判別式特定テク


例の「年代判別式特定テク」を活用した設問で会長を追い込もうというかぐや様の作戦。久々に「頭使ってみた」感がありますね(ちょ)。

というかね。
これ実際にはなかなかぶっ込めない質問ですよね。答えが0だった時の心的ダメージはとんでもないことになりますからね...。四宮家のお嬢さんは心臓が強いのか弱いのかよく分からない。


思い出してほしい。
そもそも,この「合コン系ゲーム」をやるきっかけを作ったのは四宮さんの発問にあったということを。



四宮さんは心配性


「本当は私に愛想が尽きて 別のことの出会いを求めてるんじゃ...」という疑念からこの合コン系ゲームは始まっているわけです。言い換えれば,白金会長が自分のことを好きであると思いたいけれど,そこに若干の疑問の余地が存在すると思っているわけです。



守りたい。この笑顔。

にもかかわらず,「私に恋愛感情を抱いている人は~」なんて質問をする。これ,もう合コンゲームする必要ないじゃないの(笑)。かぐや様は,「白銀会長は自分が好きでいるに違いない」という確信を持っていなければこんな発問をしないわけですから。

もし会長がNoのコインを出して,その上嘘発見器までかけてNoだったらきっとかぐや様の心臓が止まる。


結果→1人

実際,その賭けには勝っていたわけですけれど,四宮さん何気に命を張った質問だったというわけねん...。最後は曖昧になっていたけれど。これは恋愛頭脳戦ですから,こんなゲームで思いが伝わっては困ります。「年代判別式特定テク」に気づいた会長の裏技でなんとか特定を避けることができたという...。



とはいえ一つ気になることはあります。石上会計は会長の気持ちに気付いたのかな?

石上会計は子安貝のつばめ先輩に懸想しているので,自分じゃないことを知っています。男子は2人です。普通に考えれば,四宮副会長に恋愛感情を持っているのは白銀会長と推測がつく。



石上会計は察したのか?


一応,「どうせ藤原先輩なんでしょう?」とか煙に巻いていますけれど,質問は「好きか嫌いか」じゃなくて「恋愛感情」ですからね。女子がガチの恋愛感情を持つと考えるくらいなら,すぐ側にいる会長を疑ったほうが自然なわけで。

ただ石上会計は「年代判別式特定テク」を知っている。で,会長が持っていた平成元年が表になっていなかったので「白銀会長じゃないのかも?」とは思ったかもしれません。ただ,そのあとに会長がそのネタバレをしていますから,会長が十円玉をすり替えたことに想いが至ったかもしれない。

となると,石上会計は会長の気持ちに気付いてしまったかもしれないな...ということは一応指摘しておく。




そして問5.最終質問となる会長の問題。
「年号で誰が何を出したか特定可能と気付き...それを利用した不届き者がいるな?表を出して自首しろ」

結果→3人


天才という殻を被ったアホども


かぐや様,藤原書記,石上ということでFA。

それを踏まえた上でここまでの質問を振り返ってみると,


「藤原書記は会長,かぐや様,石上会計に好きな人がいると知った可能性がある」

「石上会計は会長は四宮さんを好きだと気づいた可能性がある」

「伊井野さんは正直すぎるアホの子」



アホの子可愛いミコちゃん

以上が今回の合コンゲームで明らかになったこととなります。まる。


...
......


それにしても久しぶりに恋愛頭脳戦「ぽい」体裁を整えたお話ではありました。実際のところを言えば,いつもどおり「ほぼ出来上がっているカップルがプライドを維持するために自分から告白しないチキンゲーム」をやっていただけなんですけれど。だってね。



モノローグレベルで「好き」を認めない女

四宮さんのこのモノローグなんかまさに「それ」ですよね。自分は恋をしていないけれどサービス精神で表(YES)にしておく,とか。実際に白銀会長が好きなんだけれど,それを自分のモノローグレベルで認めることは絶対にしない!というね。

端から見ると,お前は一体何と戦っているんだ...というところですけれど,こんなところにもいつものかぐや様を感じさせられます。これが分家(四条さん)と本家の違いかもしれませんね(ん)




そして白銀会長。
合コンについてかぐや様に知られたくないという気持ちを持ちつつも,「別に隠すつもりないし」「そもそもフリーの俺が合コン行くことに何の問題が...」という前振りをしつつ,最後のこの二人の会話ですよ。


ぶっちゃけた話,白銀会長はかぐや様に合コンについて説明する必要は全くないわけだよね。「そもそもフリー」なわけで,かぐや様と会長の間にある関係は生徒会役員ということだけです。それは以前から早坂さんが指摘しているとおり,「会長がどこの誰と何をしようと浮気ではない」というのというのと同じです。



にも拘らず,白銀は言う。「何を言っても言い訳にしか聞こえないけれど」と断りを入れつつ


言い訳めいても言わなければならないことがそこにある

「別に浮ついた感情があったとかそういうのでは決してない」
「四宮だけには信じてほしい......」


とかね。



下手に十円玉ゲームをするよりも,ありありな恋愛感情の行き来がそこにはある。

二人の間にある「相手は絶対自分が好きに決まっているけれど,告ったら負けなチキンゲーム」における暗黙の裏ルールは,「相手は自分が好きである」ということを双方が知っているということである。

「そもそもフリー」とか「会長が何をしようと浮気ではない」というのは二人にとって建前にしかすぎなくて,「でも本当は自分が好きなんでしょう?」という暗黙の了解を相互に有している。だからこそ,会長は合コンゲームに行ったことの実情をきちんと四宮さんに説明しなくてはならない。四宮さんは会長の言葉を信じなければならない。

そのプロセスを経なければ,ふたりの「暗黙の裏ルール」は壊れて『かぐや様は告らせたい』という恋愛世界観が壊れてしまうからです。


「何を言っても言い訳にしか聞こえないけれど」などという前フリは,言い訳めいた釈明だが伝えなければならないという相手に対する恋心が表れている。四宮さんもそれを感じ取りながらも,会長の男気とその真実性を感じ取って沈黙の承認を十円玉で行う。


二人の気持ちは通じてる


本当だったらそこを追求すれば会長を追い込むこともできただろうに,敢えてそれをしない。それは会長が四宮さんだけは信じてほしいという半ば告白めいた心情の吐露をしてくれたことに対する喜びのせいかもしれないし,その行為に便乗して攻めることはしないというフェア精神だったのかもしれない。

きっとこのやり取りが二人の関係性を壊さないためにも必要だということを感じ取った天才たちの所業だったのかもしれませんね。というわけで,再度まる。



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 4 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)



かぐや様は告らせたい 5 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 6 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 7 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)


かぐや様は告らせたい 8 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)



画像は週刊ヤングジャンプ2018年第13号「かぐや様は告らせたい」第89話 より引用しました。
Viewing all 164 articles
Browse latest View live