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『ぼくたちは勉強ができない』 問50. 湯の花に咲くは天才どもが[x]の跡である 感想

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さてと。『週刊少年ジャンプ2018年第11号』 「ぼくたちは勉強ができない」問50. 湯の花に咲くは天才どもが[x]の跡である の感想です。


というわけで,「ぼく勉」も連載1周年だそうです。おめでとうございます。



祝・1周年


連載一周年だけれど,作中ではまだ4ヶ月しかたっていない。そういう細けぇことはいいんです!ラブコメですからね。「お話を進めたらそこで試合終了ですよ...」と3代前の勉強係の安西先生が言っていましたし(嘘です)。
じゃんじゃん引き伸ばしてくれれば読者はブヒブヒ言わせてもらえるし,先生は巻数も稼げる。一石二鳥とはこのことだ(ん)。




で。
まずは扉絵にあるキャラクター人気投票に触れておかねばなるまい。


ラブコメに限らずジャンプマンガの定番となりつつあるキャラクター人気投票。企画者の意図が透けて見えるようなレギュレーションとなっております。



レギュレーション


・ハガキ応募制(応募券なし)
・締め切りは3月12日(投票期間がほぼ1ヶ月あり)


ということです。ぶっちゃけて言えば「どんどんハガキ送ってね!アホみたいな大量投票待っているよ!」(意訳)てことですよ,これは。ハガキさえあれば一人で100枚・1000枚書こうと思えば書けちゃうもんね。第1回人気投票は明らかに投票を煽って総投票数を多くとりにいこうという狙いが裏にある。


他のラブコメでも大量投票で一躍有名になった読者がいましたけれど,ぼく勉感想勢には熱い推しキャラ持ちの読者がたくさんいる印象なので,そんな過当競争もいまから懸念されます。


ちなみにハガキの原資さえあれば1000枚ぐらいは多分書けます。1日33枚書けば投票期間31日で1000は越える。楽勝ですよね!(自分は関係ないと思って煽っていくスタイル)。


それを界王拳2倍にすれば2000枚,界王拳3倍にすれば3000枚でも送れます。もおフランスのYさんになれる!


...冗談はさておき,人気投票はお祭りなんで常識の範囲内で楽しむのがいいと思うし,ネタ投票みたいなのはなるべく避けたほうがいいと個人的には思いますけれど。「青春兵器ナンバーワン」の惨劇を繰り返してはいけない。



青春兵器ナンバーワンの惨劇


アレは酷かったからね。

ぼく勉の[猪鹿蝶]さんとか全く関係ないのに投票されているからね。さらに言えば千葉県のYさんに至っては全く関係ないからね! でもきっとネタ投票あるんだろうなあ...。
編集・齋藤さんは不可避として,筒井先生の娘さんとか,なぜか長谷川尚子さん(長谷川先生のお母さん)とかありそうで怖い。あとゴローとか。

あとは感想勢が熱すぎるのも本作の特徴なので,コテ名とかで投票されちゃう人がいなければいいんですけれどね。タ○ツな方とか...(フォロワーでもないのにすまぬ...)。

もっとも,そういう投票があってもさすがに集計から外されそうな気がしますけれど。


以上,人気投票については終わり。
(まだもうちょっとだけ感想は続くのじゃ)


...
......

で,本編の前に見開きです。


そう,ぼくたちは―――

ぱっと見に目立つのは中学校の制服を着た武元うるかさんですかね。次いで元ヒロインの二人(元言うな)


最近いまひとつ目立ちが足らない気がする緒方さんもきちんと胸を張って中央で立っておられます。また久しぶりに普通のストレートな髪型に戻った古橋さんの表情がどことなくいつもと違って印象的です。あしゅみー先輩と怠慢先生はうん,まあ,いつもどおりで(当番回あったばっかりだし)

何気に緒方・古橋・武元のお三方だけ頬を手に染めているように見えるのは,唯我成幸に対する恋心のなせる業なのか。あるいはこの後起こる騒動が「終わった後」を暗喩したシーンなのか。私,気になります。



...
......



というわけで今回は温泉合宿です。


温泉といえばこれ

あ,はい。
温泉合宿といえば,林間学校でよく起きるイベントでもある男女の風呂間違えるネタという定番が存在するわけです。実際,以前ぼく勉でも成幸が女湯に閉じ込められるネタやっているしね。

今回は定番をそのまんま持ってきた感じで,ぶっちゃけニセ何ちゃらさんでも似たような話を読んだような気がしなくもないですけれど,そこはそれきちんと定番をアレンジしてきた筒井先生におかれては「感謝の極み」というやつである。


なるほど。男が女湯に入ってしまう「ToLoveる」ではなく,女が男湯に入ってしまう「ToLoveる」かあ...。これは斬新である。


いや,前々から思っていたけれど,ぼく勉って成幸を中心としてヒロインズのどたばたを描く物語なんじゃないんだね。成幸という「ヒロイン」を周囲がよってたかって口説き落としにかかっている少女マンガみたいな要素が多分にあるんだよ。今回のお話で確信しましたね。ヒロインは「成幸」なんだと!


そんなヒロインに対する恋心を隠さない武元さんと緒方さん。


一体お前らは何と戦っているんだ...

なんつーか,あれですね。二人とも成幸が土下座して頼み込めば,緒方さんはキスぐらい余裕でさせてくれそうだし,武元さんに至ってはきっと最後までや(ピー)せてくれる(ゲス顔)。そんくらいの恋心がにじみ出ていて正直可愛かったです。



しかしまあ,今回のお話のメインはやはり古橋さんなんだろうな。

連載1周年ということ,キャラクター人気投票ということで投票がきちんと公平に執り行われるように全体回を装いつつ,お話の主旋律は古橋さんに当たっていたからね。


シャンプーをしながらふと思い出すのは唯我成幸くんのことである。


唯我くんのこと

まだ頑なに成幸に対する恋愛的感情を発露させず,応援キャラ・師匠キャラ・お姉ちゃんキャラという中立者に位置づけられている古橋さんですけれど,まあ最終的に恋を自覚するに至るのは自明の理というか,物語の冗長性上必至である。そんな彼女が思い至るのは武元さんと緒方さんのことである。

唐突に名前呼びになっていることに対する虚ろな思索。その流れでおもわず旅館でしっぽり布団を共にしたことを思い出したりしている古橋さんもまたお可愛いことです。そしてすぐに二人の友人のことを思い出してはブレーキをかけていくスタイル。

なに気に「成幸くん」ではなく唯我君に戻っているところも,成幸が「古橋」と呼んでいるところも二人のいまの距離感を表していますね。



うん,やっぱり恋物語としては古橋さんの恋が一番面白い気がするな。



問44より・古橋さん


物語の構造的には武元さんとくっつくのが自然なんですけれど,この後追いスタイルはなかなかにどうしてよ。

後追いだからこそ,自らの恋心に気付いて葛藤する様がきっと美しいだろうなと。二人に対する友情はさておき,最後に想いを伝えずにいられなくなるようなそんな流れが生じるのは今から目に浮かびますよね。

ぼく勉の恋愛面に絞って言えば,それぞれの夢を実現する過程としての「大学合格」が終わってからじゃないと恋物語が動かないのは,「いまは受験が大事」という成幸のセリフからもわかりますし。そういう意味では夏休み段階のここで古橋さんが恋愛感情を持っていないことは特段ディスアドバンテージというわけでもない。


ま,「あの日見た黒髪ヒロインの勝利を僕たちは知らない」という名言があるくらいですから,古橋さんが結ばれる可能性は針の穴に糸を通すより低いでしょうけれど,それでもちょっぴりだけ応援してあげたくなるね。「限りなくBに近いAさん」のことを。


そんな古橋さんのキャラ特性を煽るようにでてくる貧乳ネタ。



こ・れ・は・ひ・ど・い


がんばれ,古橋さんの可能性。










というわけで,『現実逃避』は

関城紗和子さん

に清き一票を投じさせていただきます!(洋菓子さんに言質取られたため)


問12より・関城さん


以上となります。まる。



...
......



さて。さてさて。
「ニセコイ」と「ぼく勉」は物語構造が全く違うお話なので,類似性を意識したことはほとんどなかったんですけれど,今回は題材が題材だけに,どうしても見たようなシーンがいくつか出てきてしまいますね。


似せるつもりは全くなかったのでしょうけれど。温泉あるあるネタである以上,致し方がないとは思いますが。



右:ニセコイ第24話より

異性が間違えて風呂に入ってしまった結果,ばれないように風呂に沈められる(性的な意味ではない)。まあこれはごく一般的な仕様のネタであって,温泉あるあるですよねえ。




右:ニセコイ第24話より

当の本人が隠れざるを得ない状況において,意中の人物の恋心を問うというもの定番ネタの一つ。恋心は知りたいけれども,表に出ることはできない。隠れて逃げ出さなきゃいけないのに,答えを知りたい。まあ温泉あるあるですよねえ。




右:ニセコイ第144話より

そして「見たかどうか」の確認。まあ気になりますよね,女子としては。ちなみにニセコイ24話では千棘も同様に気にしているんだけれど,雰囲気的にこっちの方がにていたので144話から引用。これも温泉あるあるですよねえ。



まあラブコメの文法みたいなもんだから,どうしてもお話の構造が被るのは致し方あるまい...。演出は変えてきていますしね。

それに基本構造としての軸としてぼく勉は「勉強と夢」,ニセコイは「ニセモノの恋と約束」という点で全く違います。そもそもヒロインの成幸に「好きな女子がいない」というのが大きな違いとなっておりますので,そもそも二つの物語は全く似て非なるものなんですけれどね。

特にその後者の違いこそが,物語の結末における読了感にも大きく違いを見せてくることになるんでしょうね。どのヒロインと結ばれようとも,きっと祝福された物語で終わるのだと信じたいです。ということで,再度まる。





最新刊ぼくたちは勉強ができない 5 (ジャンプコミックス)は2月2日発売。電子版はこちら




*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第11号 「ぼくたちは勉強ができない」問50,問12,問44及び 「ニセコイ」第24話・第144話 より引用しました。

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