さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2017年第47号』「かぐや様は告らせたい」第73話 白銀圭は話せない の感想(かぐ活)です。
前回,かぐや様の制服を着ながらいつのまにかトランクス派となってパンツを穿いているところを,汚物を見るまなざしで伊井野さんに見られるという壮絶な最期を遂げた石上会計。
その後,石上会計はどうなったのか!?
子安さんはいい人を装って実は石上会計を嵌めに来ているだけだったのか?
などと色んな妄想が逞しくなるところですが,今回は突然会長モードに突入。おおう...なんというか直角90度にいきなり進路変更したみたいなお話の展開でちょっとビビッたでござる。
で,その会長です。
前回微妙な感じで「焼きもち」を焼いている感はなかなかに乙女チックでお可愛いこと...!!という雰囲気だったのですが,当の会長は思った以上に凹んでいた。

面倒くさいやつ
ああ...。そういえば,白銀御行ってこういう女々しいやつだったっけ。日頃鋭い眼光やその知性で全てを誤魔化していますが,その実,白銀会長は超絶的に面倒くさいやつだったのである。ま,それを表では(あまり)ださないところが会長らしいといえばらしいのですけれど。
その代わりといっちゃ何ですが,自宅ではとことん凹んでいた。どんくらい凹んでいたかといえば,妹の圭ちゃんにウザがられて罵倒されても「ほっといてくれ」と力なく応える程度である。
...
......
なるへそ。
今回は白銀会長回と見せかけての白銀圭ちゃん回であったか。

反抗期な年頃
ここまであまり登場回数がない分,いまひとつ正確が掴みきれないところがあった彼女。アレだけ甲斐甲斐しく面倒を見てくれる兄貴になんで冷たいのかなという疑問が心の片隅にあったわけですが,その理由は「反抗期」だったとな。なるほどー。
まあ年頃の娘さんが家族にいれば,男ならば必ず通る道である。
昔は仲良く何も考えずに接してきてくれたのに,いつのまにか心配をかけてくること自体が「鬱陶しい」ようになってしまうのはよくあること。

ひのい(酷い)わあ...
年長者ってのはね,なまじ一歩先を進んでいるからこの先起こりうる「危険」とか「課題」の対処法を知っているわけです。それゆえに,「こうしたらいい」「こうしなきゃダメだ」とつい口を出してしまう。それはみんな,年下の家族に対する「親愛の情」があればこその行為である。
一方でそれを聞かされる側の年少者には,年少者なりの「自我」がある。自分は一人の人間として確固たるポリシーや価値観を持ち,行動したくなる。それが客観的には「間違っている」ことであったとしても,道端に転がる石を常に先導して避け続けられればイラっとくるわけです。一人前として認めてくれていないのだと。
まさに圭ちゃんはそれですね。
まあ,この辺は「度合い」というものがあって,明らかにそこに突っ込んだら自滅しかないという場面では干渉したほうがいいんでしょうけれど,ちょっとした日常の細々としたことをひたすら言い続けるってのはあまりいい事ではないのかもしれないなあ(わが身を振り返りながら)。
ま,そんなことは親子・兄妹ならば普通に存在することです。ただややこしいのは,今回は兄が珍しく凹んでいて,その理由が「誰かに恋しているらしい」ということが推測できるという状況だからですよね。

兄の恋
女の子ってのはやっぱり「恋バナ」てのは興味深々ですし。おすし。
それに圭ちゃんも言っていますけれど,身内の「恋」はやがて相手が「自分の家族」になるかもしれないということでもありますからね。結婚は二人の恋愛感情で...とか言ってもやっぱり「家と家の結婚」という側面もあるわけで,まあ興味が無いはずもないのです。
しかしそこで素直に自分の感情を兄に伝えられないのが,反抗期の娘らしい反応であり,加えて白銀御行ばりの「自分から行くのではなく相手から言ってほしい」という心情ですよねえ。こういうところが実に似ているというか,分かりやすい兄妹である。

分かりやす!
そして弄した策がまるで通じないところも兄妹ソックリである。相手に折れさせようとしちゃダメなんだということは,このマンガを通して読んでいればよく分かることなんです。でも登場人物の誰も彼もがどうして同じ間違いを繰り返すのかってのが,また面白いポイントなんですけれどねえ。
結局,いつものように本人の努力とか関係ない「偶然」に助けられて事態は進展するわけですが。父のリアクションにガッツポーズをとる圭ちゃんが笑いを誘います。お話の流れが兄貴と同じで,まさに兄妹という感じですよねえ。お可愛いことである。
でまあ,パパ活(誤用)による相談の中身は後に譲るとして。
これ自体は,圭ちゃんに白銀の恋バナの中身を伝えるための触媒に過ぎませんからねえ。御行兄さんの悩みの構図がわかったら,ついつい口を挟んでしまう,圭ちゃんかわいい。ちょっと突っぱねながら,でも口を挟まずにはいられない兄の恋。

好き避け(兄妹バージョン)
「本当は普通に話したいのに 気恥ずかしくてできないなんて よくある話でしょ」
という圭ちゃんのセリフはそのまんま白銀兄妹に当てはまる。
本当は普通に話したいのに,気恥ずかしくて兄の恋バナに普通にアドバイスができないもどかしさ。このダブルミーニングの構図がズバリ上手いなあと今回は思いました。
そんな圭ちゃんの想いを白銀は感じ取れたのか,取れなかったのか。この表情からは何とも言えませんが,かぐや様との距離感に悩んでいるとは言え秀才・白銀御行ですからね。気づいていたのかもしれませんね。
で。後日談。
圭ちゃんの助言どおり様子を見ていたら普段どおりの四宮かぐや様に戻っていたの巻。まあ,読者は最初から「好き避け」と分かっているのですが,意を決して話しかけた四宮さんも,それに安堵する白銀会長の二人は本当にお可愛いことですね。

かぐや様は普通にしたい
それにしても,自分から話しかけるなんて以前のかぐや様だったら「駆け引き上,負け」とか思いそうなものですが,もはやそんな勝ち負けが曖昧になるくらい,二人の距離は近づきつつあるのかもしれませんね。
とまあ,女装した石上優会計の運命とは関係ないところでラブコメが進んでいた今回のお話の感想はまる。
...
......
以下余談。
『今回の白銀家』
なんのかんので今回は白銀家について結構掘り下げられましたねえ。

白銀家の人々
家族4人構成で,母は出奔。でも父は離婚届を押していないとかいう。ふーむ。
いやさね。
白銀パパの立ち位置が今ひとつ曖昧だったじゃないですか。それが今回明らかにされたわけですが,今回描かれた姿からすると,御行や圭ちゃんのような「才」があるのか今ひとつわからなかったですね。

謎の父
なんつーか,白銀との相談内容もいまいちしまらないですしね。妙に生々しい発言をするところもちょっとドン引きですしね(笑)
確かに顔立ちはみゅーくん会長に似ているんですけれどねえ。会社をあっさり潰したり,妻に出てかれたりと,あまり会長の才覚とかぶらないんだよなあ。今回描かれた描写だけだと,二人の才覚は母親から引き継いだのかもしれませんね。この辺が掘り下げ要素があるのかどうかわかりませんが,ちょっと気にはなりますね。
そもそも母の出奔というのも,愛想つかせて出ていってしまったのか,それとも破綻した白銀家を再建するために奔走しているのかってのもわかりませんしね。雰囲気的には愛想つかした感ありそうですが。さて母の登場がいつかあるのか,そこも気になります。
『白銀家の家族計画』
さて,白銀御行の恋の行方を気にする圭ちゃんですが。
ビンゴはもちろん四宮さんなわけですけれど,もとより秀知院学園はハイソでクラースな皆様が集う学校ですからね。藤原家だろうと四宮家だろうとゲットできれば白銀家的にはどでかいビンゴである。まあ会長自身はそんなこと微塵も考えていないでしょうけれど。

クラースな人々
なんにせよ,四宮さんも藤原さんも圭ちゃんとは仲が良いわけで,白銀家に関して言えば嫁・小姑問題は発生しなさそうで何よりである。むしろ嫁と小姑が多国籍軍を組んで,会長を責めるような場面が想像できてむしろ怖いくらいである。
四宮かぐや様が会長の意中の人と知った時,圭ちゃんは平静でいられるだろうか>会長に(ちょ)
そんなことが気になる第73話でした。再度まる。
『余録』
12月17日のジャンプフェスタの特別イベントでは我らが赤坂アカ先生が登壇とな。
ステージイベントとサイン会かあ...。すっげえ興味深いんですが,これ,参加応募するには当然ソウルネーム(実名)じゃないとダメなんだろうな。自宅住所も書かなきゃだめだろうしなあ。
まあ何となくなんですが,僕のソウルネームは既に集英社にバレているんじゃないかと思っているのですが,とはいえまだ集英社に個人情報渡すのは踏ん切りつかない。随分色々好き勝手書いてますからね,僕(自覚あり)。
そんなに気にすることはないのですが,なんとなく僕は電子の妖精のままでいたい,そんな年頃(←超絶どうでもいい)
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 2 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 3 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)
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かぐや様は告らせたい 5 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)
かぐや様は告らせたい 7 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)
画像はヤングジャンプ2017年第47号「かぐや様は告らせたい」第73話より引用しました。