「白銀御行が海外留学を決めたので,四宮かぐやに対して積極的にならざるなくなった件。」の連載開始第3弾。連続シリーズで3話目とは,どうやら赤坂先生は本気のようですね。これはマジで『告白』イベントがありそうな予感がプンプンしてまいりました。
そんな告白やる気(させる気)満々マンな白銀御行ですが,四宮かぐやに対する直接勝負は今回はお預け。一度自分を客観的に見直す機会を取ることに相成ったわけであります。

或るモンスター童貞の悩み
ふむ。
そういう風に考えるか。読者視点であれば「ほぼ出来上がっているカップルのくせに意地の張り合いで幸せになれていないだけ」なわけですけれど,客観的に見れば当然至極の考えである。もしかして自分は四宮かぐやに見合っていないのではないか。その疑問符は凡人に対してなら投げかけても不思議ではない。
しかしまあ,こう言っちゃ何ですが今回ほぼ唯一会長が客観的に自分を見つめなおそうとした部分だというのに,検討対象が「四宮かぐやにとって魅力的であるのか?」という部分に立っていたので,まったく見当はずれな視点となっているのが笑えます。
言うまでも無く,四宮かぐやは会長が好き。もしかしたらあの寝不足で目のつりあがったキリッとした顔が好きなのかもしれませんが,そこはそれ,読者視点(=客観的視点)においてはそれ以外の部分も含めてかぐや様は会長が好きなことは明白です。凡人ならいざ知らず,この問いかけは対四宮という観点から言えばまったく客観的になってない。
そんな出だしからのボタンの掛け違いから始まる今回のドタバタ劇だったわけですが,ぶっちゃけ面白かった(毎回の賛辞)。なんでしょう...この...客観視できない痛々しい男とそれに振り回される部外者たちの群像劇の可笑しさは...。
というわけで今回の喜劇もスタートゥッ!
『ケース1:伊井野ミコさんの場合』
ずい。

客観的問いかけ...?
いきなり告られた。
(唐突な昔話)
その昔,フォン=ブラウンは宇宙に行きたくて行きたくてたまらなくって,ロケットを開発することに情熱を費やしたとか。その彼が実用的なロケットとして作り上げたのがA4ロケット(後のV2号)である。1940年代の技術にもかかわらず,適切な燃料と重量であれば宇宙にも飛び出せるそのロケットが実際に発射されてロンドンに到着した時,彼はこういったそうです。
「 ロケットは完璧に動作したが、間違った惑星に着地した」
(終わり)
つまりそういうことだ(どういうこと?)
「白銀御行の行動は女子に対する告白として完璧に機能したが,間違った女に告白した。」
ということであります。アホー!
くっくっく。
照れてる照れてる。


照れやさん(違)
はっはっは。いやいやいや。いいですねえ,この伊井野ミコさんの表情は。素晴らしいじゃありませんか。このまんざらでもない表情。考える時間を求めるという行為から伺える,恋愛成就可能性。どうしよ...と悩むその姿はまさに乙女そのものじゃありませんか。
めっちゃチョロイな,伊井野!
『ケース2:藤原千花の場合』
からーの...

なんて顔...してやがる...伊井野ー!
いきなりのW告白モードである(誤解)
しかしまあそこは年季の入った藤原書記,頬を朱に染めながらも「遊び」であることを認識した。その結論がこちらになります。

「死んだ方がマシ...」
いきなりオルガる(打ち崩れる)白銀御行の豆腐メンタルが悲しいですね(笑)。
なんといっても奴は曲がりなりにもこれまでモテてしましたし。おすし。それなりに学園内では評価され,金銭的にはともかく頭脳・容姿・権力においてスクールカースト頂点の自負があったのでしょうな。
それが無残に打ち砕かれるとならば,まあ仕方が無い側面もありますけれど。「あれでちょっと自分に自信があったんだぜ...会長...」とか思われていると思うと,きっと顔から火が吹きそうなダメージでしょうな。
して,その理由とやらはこちらになります。

会長の躾はもうごめん。
ふむ。
要するに「母親気分にさせられるので,恋愛対象にならない」の一言でぶった切られたということなわけです。まあ仕方が無いですよね...これまでの藤原ママの苦労を思えば一概に藤原書記を責められないものがある。
しかしそんな想いも裏腹に,いざ冷静に客観的に自分の好みの男性を鑑みれば,それは「出来ないことことがあってもみっともなく超遷移し続けるようなそんな頑張り屋さん」が好みだった!というところまでが華麗なるオチですね。
ほほう!

藤原書記の戦闘力が...!
これはすごい。スカウターの数値が1500まで上がりましたよ!(フリーザさまinナメック星人の村)
へっへぇ。ほっほぉ。
ここまで「好きな人などいない」として自分の好みの男性が何なのか,特に言語化もしてこなかった藤原書記でありますが,ここにきてこの表情はなかなかにどうしてよ。いざ客観視してみてみれば,会長みたいな男は実はタイプだった!
実に良い。実に良いですね。
もし白銀御行という人物を四宮かぐやの横からかっさらうようなことができる女がいるとすれば,それは藤原千花だけだろうというのが僕の見立てでしたが,こうして戯れからとはいえ想定彼氏として会長を見据えたときにこのような反応が来るとは。これは意外でしたね?
しかしまあその後の反応を見る限り,それ以前に「ダメな子の躾はもう御免」という感情が先立つあたり,藤原書記が会長に惚れる展開は100%ないなと。

やっぱねーわ...
男子としてタイプでも,母が子に惚れることが決してないのと一緒です。なんつーかその...ちょっとインモラルなアンニュイな空間が藤原さんの周囲に領域展開されていることからも,この「母子関係」は恋愛感情では覆らないんだろうなあ。
からーの...
『ケース3:四宮かぐやの場合』
会長を客観視するという戯れだったのものが,いつのまにか会長悪口大会なるドMな会に変貌させられそうなところにホワイトナイトの登場である。
そしてここで読者としてもう一度思い知らされますよね。やはり大本命・四宮かぐやは他の有象無象とは比較にならないほど突出した存在であるという事実を。

今の会長で良い
白銀御行を全肯定である。
そしてそれは当然そうなる。はるか昔,氷のかぐやと呼ばれた昔から今に至るまで,側にいて教えてもらった人としての優しさ。心の中に醜さのない,良い人。打算のなく動くことができる,そんな四宮かぐやの見える景色を変えてくれた人。
四宮かぐやを変えてくれた人,いろんな初めてを教えてくれた人,そんな白銀御行のあるがままを四宮かぐやは大好きだからである。
圧倒的破壊力である。

ベホイミ・ベホマ・ベホマズン!
この威力の前には藤原千花など拡散波動砲の前に立つ豆鉄砲のようなもんである。「チハたん」である。干からびたカエルみたいになっていた白銀会長,あっという間にいつものテンションである。
そりゃそうである。
自分が他者から見てどう思われるかが重要なのではない。重要なのはただ一人。白銀御行が恋い焦がれ,添い遂げたいと思う女性はただ一人。四宮かぐやに肯定してもらえさえすれば,白銀御行にとって他者の評価も客観的評価も関係ないのだから。
げに恋愛とは恐ろしいものよ...。
つまり何が言いたいのかというと,確かに四宮かぐやは全宇宙一であったと。もしルーティーンに頼らなければな...!

安定のルーティーンかぐや様
という訳で,あらためて両想いのふたりがお可愛いかったのでした。まる。
...
......
余禄。
さて,会長に踏み台にされてあっさりとお払い箱にされるという悲劇(違)を味わった伊井野ミコ嬢でありますが,なかなかに今回も愉快でしたね。
改めて会長を客観視してみると,その才能はマジで尊敬できるし。会長選選挙においては圧勝モードだったのに自分を助けてくれるような優しさを見せてくれるし。考えてみればかなり良物件ではある。ではあるのですが...

顔がタイプじゃない
お,おう...。会長もなかなか酷いことするけれど,お前も大概に酷いな。と同時に想定自己評価よりも低い扱いにへこむ会長もお可愛いのであるが,それはさておき。
そんな伊井野さんの好みはと言えば,顔は平野●耀くんとか...

肖像権保護のため画像引用無
あ,はい。
キン●リか。キ〇プリですね。「ZIP!」♡
軽く「やほぉ」で調べてみましたが,まあアレですね。例のメンバーグループの一員だけあってめっちゃ「キラキラしちゃっているボーイ」な感じの方なんですよね。ふーん,伊井野さんメンクイとは聞いていたけれど,こういう系統なのかい。むしろ会長系みたいな感じが好みかと思っていたので意外ではある。
つばめ先輩に振られた後の石上会計の最終的つれあいは伊井野ミコさんだと思っているわけですけれど,こうしてみるとビジュアル的には系統から外れているのかな?
とはいえ,石上会計,イケメンの部類だとは思うので,髪をきちんと整えて翼君みたいに垢ぬけた色にカラーリングして,胸元開けたシャツなんか着せてみれば,案外そんな風に見えなくもないのかもしれないとか思ったり。
...まあそんな冗談はさておき,実際に人を好きになるならないはビジュアルよりもその人の本質であると思います。容貌がどうであるかよりも,その人物の中身がどうであるかが重要である。それは先の四宮かぐやさんの振る舞いからも明らかです。

伊井野さんはこの先生き残れるのか
今回,伊井野さんが挙げた「理想の人物像」,周囲からは存在全否定でしたけれども,こと伊井野ミコさんに限って言えば実在するのである。そう,自分が一番苦しかった時に自分を思いやってくれたあの「ステラの花」の人である。
あ,はい。

ステラの花の人
まあ文脈的に考えて,これは石上優の仕事だからね。行為の気持ち悪さ(笑)は四宮副会長のお墨付き。二人のそんな陰ながら支えあう姿も学校長に見破られていたし。
先々の先の話であろうけれど,伊井野さんのカウンターパートナーはやはり石上優なんだろうなあ,と改めて思わせてくれた第104話でした。

結局,だれも客観視出来ちゃいねぇ...
という訳で,再度まる。
かぐや様は告らせたい 10 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)
画像は週刊ヤングジャンプ2018年第31号「かぐや様は告らせたい」第104話, 35話,46話,70話より引用しました。