前回より始まった,一ノ瀬学園文化祭。
ぼく勉にしては珍しく中長編の予感を漂わせるエピソードでもあります。仕込みもばっちりですしね。

仕込みはばっちり(問64.より)
ヒロインズはそれぞれの立場で文化祭に参加ということで,理珠はうどん屋。うるかはイベント。文乃は眠り姫の劇。そして怠慢先生は講演...ということで,まあ順繰りにイベントを消化していくのだろうなあと。そしてクライマックスは後夜祭で打ち上げられる花火のジンクス...。まあ盛りだくさんにネタ振りをしております。
ぶっちゃけた話,今回の長編ではここのところ「うどんネタ」ばかりで精彩を欠く理珠さんがメインになっていくのだろうと思いきや,予想外に最初にうどんイベントを消化。
あ,あれ...筒井先生はもう理珠の扱いはこんなんでいくのかな...とか思わなくも無かったのですが,考えてみると「祭り回」も最初にちょろっと文乃出しておいて最後は持っていったので,後夜祭の主役は理珠になる可能性も微粒子レベルで存在するのかな,とか思わなくも無かったり。

今日の「うどんノルマ」
で,その「うどんイベント」ですが,誤発注により100玉が1000玉の在庫になってしまったというしょうもない事案を行きがかり上,成幸がサポートするという定番のソレ。まあこれだと理珠と成幸の間が恋愛的には何も進まないんだよなあ...。しかし逆にこの「さらっとした流し方」が後半に対する期待を高めているような気がしないでもないです。
さてうどん屋のPRをしつつ,前回「謎」となっていたうるかのイベントが明らかに。

フレッシュフルピュア!
フルピュアコスプレによるアイドルライブショーとか。あ,あれ...シンクロじゃないのか。フルピュアのコスプレを着て歌って踊るイベントとか,もはや水泳部全然関係ないですね。完全にうるかの個人的趣味の延長線上にある。これ,水泳部の出し物じゃなくて,うるかwith海川っちの個人参加イベントと言っても良いのでは...とか思いますが,まあそれはそれ。
ふむ。
「魔法少女フルピュア」を知った後に気になって視聴し始めたら嵌ってしまった...とか。ふむ,どこの世界の日曜日のお父さん状態ですか。まあニチアサ民にとってはよくあるパターンですね。そのうち「げんじつとうひ」とかいうサイト名でうるかが感想記事を更新し始めても驚いたりしない(ん)。

日曜日のお父さん状態
にもかかわらず,うるかの衣装だけ見つからない...という展開になった段階で,「あっ(察し)」てなもんですよ。もう一人,別のイベントでコスプレ強要されそうな人がいましたっけね,そういえば。
はい,怠慢。

怠慢なんだよなあ...
まあ色々突っ込みたいことはある。確かに衣装があるとは聞いていたけれど,なぜ何の疑問も持たずにその服を着てみたのか,とか。なぜサイズが合わないなと思いつつ背中のファスナーを閉めてみたのか,とか。そもそもそのファスナーはどうやって上げたのか,とか。なぜ扉の前で決めポーズをとっていたのか,とか(最後のは答え出ているけれど)。
ふう。
桐須先生は安定のコスプレ回だろうと予想はしていましたが,まさかこれほどとは思っていませんでしたよ。怠慢先生はとんでもないものを盗んでいきました。うるかの出番です!
がっくり。

不覚上手の真冬さん
仮にも教師ともあろうものが,水泳部のイベントを妨害する形になってしまうとは。反省する怠慢先生がお可愛いことですね。しかしそこで唯我成幸に秘策があるという...。たった一つだけの冴えたやり方とは一体なんなんでしょうね。
衣装が脱げない以上,3人そろってフルピュアのステージを実現させたければ,「桐須先生が水泳部と一緒にアイドルステージをする」しかないわけなんですが...。しかしそうなると武元うるかさんの立場とは。てなことになりますしね。
解答案は二つ。
1.うるかと怠慢先生が二人羽折でステージに立つ。
2. 怠慢先生がセンターで踊り,うるかはマイクで歌う。
はい,いいですかー。試験問題に解答二つ書いたら×ですよ。というわけで,まあ,2だろうな。二人羽折はいかにも厳しいし。こうすることで一応うるかのファンとしての矜持は保たれますし,イベントにも参加できます。まあこの辺が落とし所なんでしょうな。
とはいえ,思いっきりうるかのイベントを怠慢先生が盗っていった感が残ってしまうのが玉に瑕ではある。このあたりバーターで桐須先生の講演会をうるかがサポートするようなエピソードも入るのかなと思ったり。そうじゃないとバランスに欠けるところが生じてしまう気がしなくも無いので。
というわけで,今回のお話の感想についてはひとまずまる。
...
......
それにしても相変わらずの「夫婦感」溢れる会話が進行する成幸・真冬ペアである。

夜のコスプレは正義(まて)
とはいえ,一男子としてはこの唯我成幸の発言はまったくもって同意できないね。それ脱がすより,着ているほう萌えるとは思わんか,普通(まて)。
いや冗談ですけれど。
成幸は単純に衣装をうるかに届けたいだけですけれどね。べつにこの後滅茶苦茶セッ...したとかじゃないからね。しかし文字どおり受け止めた桐須真冬先生の表情が素晴らしいです。視線だけで相手をコロす...ぐらいの鋼の意思を感じてゾクゾクします(おい)。
つーか,このシーン要るかね?

スル...
いや要るんですけれどね(え)。
安定の尻ポーズなんですけれど,いつ見ても思うのは怠慢先生のフェティズムは尻よりも太ももなんだよなあ...ということをしみじみと感じざるを得ない。「スル...」という擬音が...なんていうかその...「この教師,スケベすぎる!」感で溢れていますね(褒めてる)。
次。
古橋文乃,激おこプンプン丸(古)である。
午後からやる「劇の台本にキスシーンがある」「王子役が誰か分からない」って...うんまあ,そりゃ普通は怒る。俺だって同じ立場だったら怒る。

古橋文乃怒りのアフガン(さらに古)
好きでもない相手とのキスシーンが想定され,しかもその相手は不明。ぶっちゃけ恐怖である。どんな気持ちで横たわって寝ろという話である。このあたり「まあぼく勉だから...」で流される緩さであり,想定される王子が主人公の「唯我成幸」であることを読者視点では承知しているから描写されていますが...。
なんというか,漂ってきますね...某ジャンプ最長ラブコメとおんなじ雰囲気が...。
さて,そんな古橋さんのキスシーン,そもそも成立するか否かという点においては「キスは不成立」というのが当然の流れなんだろうなと。
劇的には「キスシーン」がなければ眠り姫は成立しませんし,キスシーンぽいものはどこかで描写されるのでしょう。ここまで事故キスの理珠,妄想キスのうるか,演技キスの桐須先生は描写されています。であれば,未接触のキスシーンは古橋さんにも有ってもいいのかなと。

「接吻ワ神聖ニシテ侵スベカラズ」(問30より)
ただまあ唯我成幸に言わしめれば,「キスとは神聖にして犯すべからず」な出来事である。両思いの二人であって始めて許される行為であるが故,特段お互いに恋心も抱いていない古橋・唯我ペアによる接触キスは普通に無かろう。というか,どうやって成幸に王子役をやらせるつもりか全く分からんし。
まあ嵌められて王子役として舞台に立たされた結果,台詞等はすべて周囲の人間がアテレコする形ですすめるのかなと。で,肝心要のキスシーンについては「舞台を壊したくない,でも古橋の気持ちも考慮したい」ということで「キスシーンもどき」で誤魔化しておわり...なんでしょうなあ,きっと。
まあそれで成幸と文乃についてはなんとか折り合いをつけることができそうではある。ただ,うるかと理珠の気持ちはどうなっちゃうのかしらん,というアレはある。文乃は成幸に恋心を抱いていないと信じている二人ですし,事実そのとおりなんですけれど,演技とはいえ「キスシーン」を見せられたらどうなんだろうなと。

迷・信・上・等(問64より)
まあその後の展開に大きく影響しそうですよね。とくに本人たちと言うより周囲の人間たちの行動に。
「われわれはジンクスなんてあいまいなものには頼らない」という鹿しまんたちの思惑はさておき,二人のキスシーンに影響された恋する二人とその周辺たちによって「ジンクスだけはいただく」という流れに行く可能性は微粒子レベルで存在する!
ま,結局,そういう思惑の人間が複数いたために「全員が物理的にこんがらがってつながって終わり」みたいなオチになるんじゃないかと思いますけれど。誰がなんと言おうとジンクスはジンクスですからね。ジンクスが成立したら結ばれるってのであれば小野寺小咲は泣いていないんです!
ラブコメにおいてジンクスなんて飾りです。偉い人にはソレがわからんのです!
そんなわけで,まあこのあたりは無難なオチで終わりそうな気がプンプンします。いま「恋の結末」を示唆する必要はあまり無いですしね。

たぶんきっとこんなオチ(問64より)
というわけで,再度まる。
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*画像は『週刊少年ジャンプ』2018年第27号 「ぼくたちは勉強ができない」問.65,同64,同30 より引用しました。